魔女姫人形の正体はキッチンウィッチ、その知られざる暗黒史/まれ

朝ドラ『まれ』のナレーターをつとめる魔女姫人形。ヒロイン・希の夢のシンボルともなるこのキモカワイイ人形の由来と暗黒史をご紹介します。

魔女姫人形が台所の守り神になった理由

希が大切にする魔女姫人形はキッチンウィッチ(kitchen witch=台所の魔女)と呼ばれるもので、ヨーロッパで古くから伝わるお守り。キッチンウィッチはその名の通り、キッチン=台所に飾られ、守り神、魔除けとして飾られる魔女の形をした人形です。

美味しい料理が出来ることへの祈り。台所で火事を出さぬよう安全への祈り。そして台所でつくられた料理が家族に幸せと健康をもたらしてくれることへの祈りが、キッチンウィッチには込められています。

では、台所の除けが何故女なのでしょうか?それは、古来ヨーロッパでは魔女が薬草(ハーブ)を使って人々の病を癒したとの言い伝えから女を除けとしたのです。

ちなみに、最もポピュラーなキッチンウィッチは日本人にも馴染みのあるホウキにまたがった姿の人形ですが、欧米ではマグカップなどの食器やエプロンなどの図柄にもキッチンウィッチが好んで用いられています。

キッチンウィッチと魔女狩りの暗黒史

ところで、魔女が薬草(ハーブ)で人々の病を癒したという「言い伝え」。実はこれは伝説ではなく歴史的な事実なのです。

中世ヨーロッパでペストが大流行した頃のこと。薬草(ハーブ)の知識の豊富な女性たちがペストの感染を防いでくれる薬草(ハーブ)を使った飲み物をつくりました。この飲み物の効能が確かなものだったが故に、薬草(ハーブ)づかいの女性たちは魔女として排斥される事態を招いてしまうのです。

女性たちを排斥したのは教会でした。教会の祈祷でも感染を防げないペストが解決されてしまったことで、教会の権威失墜を懸念した当時の教会関係者が薬草(ハーブ)づかいの女性たちを魔女と決めつけ排斥。これが俗に言う「魔女狩り」の発端となった出来事です。

尚、現代ヨーロッパでは、ハーブ感謝祭と呼ばれる薬草(ハーブ)を教会にささげる式典を行っている教会も存在。また、魔女は守り神というポジションになり、薬草(ハーブ)づかいの女性たちの名誉は回復されています。

朝ドラ『まれ』に登場する魔女姫人形は家族の絆の守り神

朝ドラ『まれ』に登場する魔女姫人形は、ヒロイン・希の夢と美味しいケーキへの願いのこもった守り神として登場しますが、後には家族の絆の守り神としてのエピソードも登場。このエピソードについては、稿を改めてご紹介致します。

余談ですが、『まれ』のヒロイン・希が洋菓子修行をすることになる横浜元町に、奇しくもハーブと魔女の専門店が存在します。お店のサイトはこちらです。

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