あさが来た 29話 新次郎の浮気を疑うあさ

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年10月30日(金)放送
第5週 第29話 「お姉ちゃんに笑顔を」

『あさが来た』第5週 第29話 「お姉ちゃんに笑顔を」あらすじ

石炭で動く陸蒸気という乗り物が東京で走り始めるという噂を聞きつけたあさは、新次郎がかつて話した炭鉱に興味を持ち始めました。しかし、両替屋とあまりにも異質な商売であることを理由に正吉は炭鉱に難色を示します。

そんなある日、新次郎の着物の袖口が上手に縫われていることに気づいたあさは、新次郎の浮気を疑い始めました。新次郎は潔白を証明するため、着物の袖口を塗ってくれた女性のもとにあさを連れてゆくことにしました。その女性は、はつでした。

新次郎に農村まで連れて行かれたあさは百姓仕事をしているはつと再会しました。あさには内緒で新次郎がはつと惣兵衛のもとに通い続けていたことを、あさははつから初めて聞かされました。あさは心から新次郎に感謝し家路につきました。

その数日後、正吉はあさを同行させ五代才助が開いた寄合所に足を運びました。二人の訪問の要件を尋ねる才助に正吉とあさは身振り手振りを交えながら答えます。「ビックリポンの河童」のためにやって来たのだと。

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『あさが来た』第5週 第29話 「お姉ちゃんに笑顔を」
 事前発表あらすじのレビューと解説

前回、炭鉱経営の話しが新次郎の口から出た時、はつが心配でならないあさは新次郎の話しを上の空で聞いていました。

しかし今回、「鉄道」という想像もつかない乗り物ながらも、それが石炭で動くということにあさは強い関心を抱きます。「鉄道」に限らず船すらも石炭で動くということを知ったあさは石炭に大きな商機を見いだします。

さらに石炭の価値を多くの人が気付く前に鉱山を買い取ってしまえば、石炭の価値が知れ渡った時よりも安く買うことが出来るはず。一刻も早く鉱山を買いたい。しかし、当主の正吉が難色を示します。

いくら安いうちに買うとは言え、鉱山を買うのは決して安い買い物ではありません。また、多くの炭鉱夫を雇い入れる必要がある鉱山経営には相応のノウハウが必要です。両替商の経営しか経験のない正吉が尻込みするのももっともな話しです。

一方、新次郎はあさに浮気を疑われます。そして、その潔白を証明することを口実にして、新次郎ははつのもとへあさを案内。

新次郎はあさの疑惑を晴らすことを口実にして、はつとの約束を反故にしたことを巧みに正当化する。約束を反故とは言っても悪意の反故ではなく姉妹を心から思っての善意の反故。そして反故の正当化の仕方も大人の対応。大人のドラマの味わい深さがたまりません。

『あさが来た』第5週 第29話 「お姉ちゃんに笑顔を」
 朝ドラ観賞後の感想

浮気疑惑

浮気を疑われ窮地に立たされた新次郎はんが、その疑いを晴らすことを口実にしてあさちゃんとはつちゃんを会わせてしまう機転の利かせ方が神レベル。

はつちゃんには自分の居場所を明かさないでくれと釘を刺されていたはず。それだからこそ尚更のこと姉妹をどうやって再会させることが出来るのかと、新次郎はんは始終心を砕いていたのかも知れません。

そんな姉妹再会までの段取りをつけたのは、言ってしまえば脚本家の先生ですが、着物の袖口に縫い目をきっかけにするこうしたやり方、女性脚本家ならではなのかも知れません。さすがです。

そして、あさちゃんに会わせる顔がないと再会を拒んでいたはつちゃんが、あさちゃんに再び心を開くきっかけ、あさちゃんに対して笑顔を見せる契機になったのも、この縫い目騒動という作劇の無駄の無さ。

脚本の巧みさに言葉を失いまくり、こんな状態に陥るのは実に久しぶりのことです。

一歩間違えるとトゲトゲしさが過ぎてしまいかねない浮気をめぐる夫婦の諍いに、榮三郎くんを巻き込んで笑いを取るバランス感覚も秀逸です。

新次郎はんの気遣い

遊びまわっているフリをしながら、せっせと白蛇はん改め黒蛇はんとはつちゃんを助けていた新次郎はんの恩着せがましさが微塵もない。善人臭が皆無なのもまた、山王寺屋若夫婦の心に負担をかけぬようにとの気遣いなのでしょうか。

施しを拒むはつちゃんに、施しではなく仕事を世話するあたりも感涙ものの粋な振る舞い。黒蛇はんには酒を届けるところもいい。生活必需品やお金を渡していたらそれは単なる施しです。でも酒は贅沢品。贅沢品は施しでなく贈り物です。

隙のない気遣い。しかし隙だらけにしか見えない新次郎はん。このギャップ、同性ながら惚れ惚れします。

仲の良い姉妹

あさちゃんとはつちゃんの仲の良い姉妹が、心からくつろいで言葉を交わしたのはいつ以来のことでしょうか。

家の窮地を救う手柄を上げたあさちゃん。貧乏暮らしに転落したはつちゃん。正反対の道を歩むことになったものの、あさちゃんは自分の手柄に舞い上がらず、はつちゃんも今の立場に卑屈になりはしない。

京都の時と同じようにしっかり者のお姉ちゃんと甘えん坊の妹。自分を見失うことのない凛とした姉妹が木陰で語らう場面が美しすぎて泣けました。

今朝もまたいいものを見せてもらいました。

追記:石炭で動く鉄の乗り物

あさちゃんが空想する「陸蒸気」には笑わせてもらいました。当時の人は、本当にあんなものを想像していたのかも知れません。

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12 Responses to “あさが来た 29話 新次郎の浮気を疑うあさ”

  1. 里のたぬき より:

    今日も見所満載でした。
    はつさんの凜とした美しさ強さ、地味なお百姓さんの扮装でこそむしろ内面が際立って感じられました。あさちゃんとの再会場面での「しばしの間」も絶妙でした。でもいつか初芝の着物姿のはつさんを是非見てみたい!
    あさちゃんと新次郎さんが手を繋いで歩いていた土手?は、もしかして、祝言の日を忘れていた新次郎さんが亀吉さんと走っていた場所ではないでしょうか。あのコミカルな様子を思い出しつつ、和みながら見ました。最近あさちゃんが、新次郎さんと同じ様に巾着袋を持って出歩いているのも、ちょっと可愛い。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 最近あさちゃんが、新次郎さんと同じ様に巾着袋を持って出歩いている

      あさちゃんと、加野屋の面々が知らず知らずのうちにお互いに影響を与え合っている様子がさりげなく描かれ、そのあたりがリアルだなと思います。

      あるコミュニティに異質の人が入ることで、小さな癖がうつり合うことはよくありますからね。

      前回、寄合所で裁縫をはじめるあさちゃんに雁助さんが思わず「なんでどす?」。よのさんだけでなく雁助さんまでもがと、この時は驚きました(笑)

  2. ちぃちぃ より:

    おはようございます。

    久しぶりに心を開いて会話する姉妹と、それを見守る2人の男たち。
    いい場面でした。

    『カンパニー』が『河童』になってしまいましたね(笑)
    『あさイチ』でも話題になってましたが、惣兵衛さんと新次郎さんが食べていたきゅうりは、河童へのフラグだったんでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > それを見守る2人の男たち。

      何年ぶりかに再会出来た姉妹を二人きりにさせておく、二人の男に気遣いが繊細でいい感じでした。

  3. あやか より:

    新次郎さんの着物のほつれを大きな縫い目で不器用に縫い付けるあさちゃんの奮闘ぶりや番頭さんのツッコミなどで、うまく伏線を引いていましたよね。
    惣兵衛さん、日焼けしていい顔になってきました。
    はつおねえちゃん、お店があった頃より今の方が幸せそうに見えます。

    正吉さんの「びっくりなカッパ~」には笑いました。
    「ビッグカンパニー」、英語が聞きなれない人にはそう聞こえるんでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 番頭さんのツッコミなどで、うまく伏線を引いていましたよね。

      前々回あたりで、よのさんが店で働くあさちゃんに繕うように指示を出し、寄合所で繕う。やけに「繕いネタ」を繰り返すなと思っていましたが、今回、納得の伏線回収でした。

  4. よるは去った より:

    「びっくりポンの河童」って何だかわかった人は手を挙げて~。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      黒蛇はんの河童巻きでしょうか(笑)

      • よるは去った より:

        わざとボケて頂いてありがとうございます(笑) 私は10数秒かかって何となく意味を察して笑ってしまいましたが。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。
          次回、五代さまは察してくれるんでしょうか(笑)

  5. 朝ドラマー より:

    あさと対照的なはつの行く末がスタート時からとても気になります。
    あさイチにゲスト出演していた宮崎あおいさんが自分はあさよりはつに似ていると言っていましたが、あさのように男性並みに商売に精を出すようなことはなくても別の意味で芯の強い女性を上手に演じていると思います。

    新次郎さんがはつとあさを会わせる口実、「狡猾さ」とありますが、狡猾とは「わるがしこいこと」私はこの言葉はあまり新次郎さんには当てはまらない気がします。遊びまわっているようで実は家のことも妻のことも考えている人。はつに口止めされたものの、妻の心配も痛いほどわかる彼は機転を利かせて「浮気を疑われて困ってた」と
    上手に言い訳して2人を会わせるのでしょう。飄々とした彼の表情が目に浮かぶようです。それは狡猾とは違うように思います。

    登場したときはなんて陰気な人だろうと誰もが思ったであろう白蛇さんこと惣兵衛さんの孤独やいらだちと共にはつへの愛情も井戸の件ではっきりして嬉しかったです。はつの幸せを祈っています。

    毎朝のドラマと共にこちらの更新も楽しみにさせていただいています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り「狡猾」というのは言葉の選び方の間違いでした。そしてレビューの甘さと浅さがあったので追記しました。ご指摘ありがとうございました!

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