あさが来た 70話 松造が正吉に謝罪し出頭

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年12月17日(木)放送
第12週 第70話 「大阪一のおとうさま」

『あさが来た』第12週 第70話 「大阪一のおとうさま」あらすじ

両親をすでに亡くしたことなどを新次郎に話した松造はついに白状しました。九州の炭鉱に爆薬を仕掛け事故を起こしたのは自分だと。松造は加野屋を炭鉱から手を引かせ、大阪の加野屋にも火を放つつもりでいたのです。

新次郎は松造をそこまで追い詰めてしまったことを詫びました。そして松造に金を差し出そうする新次郎の手をあさが止めました。あさは、新次郎が止めるのも聞かず心を鬼にして松造の非を詰りました。

あさに詰め寄られた松造は、あさの言葉に納得し頭を下げて詫びました。そして、一つだけ頼みがあると言い出します。松造の頼み、それは正吉への謝罪でした。数日後、松造は正吉の前で頭を下げると心から自分の非を詫びました。

正吉も父を救えなかったことを松造に詫びました。金の貸し借りはしないという約束があったにせよ何も出来なかった自分の力不足を涙ながらに詫びました。松造は、自分の父を讃える正吉の言葉を聞かされ、自分のしてしまったことを心から悔いるのでした。

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『あさが来た』第12週 第70話 「大阪一のおとうさま」
 事前発表あらすじのレビューと解説

新次郎の心の闇に一条の光が差し込むのでしょうか。

松造の加野屋への積年の恨み。松造の家を救ってあげられなかった正吉の悔い。そして、家業から徹底して目を背けるほどに深く傷ついた新次郎の心。三者がそれぞれの心に負った深い傷が一挙に浄化され癒される今回は本作前篇最大レベルの号泣回になるかも知れません。

ところで新次郎の実在モデルである広岡新五郎氏は、妻の浅子氏の影響によるものか実業に関心を示すようになり、ユニチカの前身である尼崎紡績会社の初代社長に就任。

この史実に従ったストーリー展開となるならば、新次郎の実業界への進出が描かれるのは間も無くのことかも知れません。

さて、サトシ=松造の騒動も全てが回収されました。サトシ=松造は警察に出頭したもののまさかの展開です。

正体はサトシ=松造であろうと予想されていた加野屋周辺での相次ぐ不審者目撃情報は、サトシ=松造の出頭以降も続き、加野屋にただならぬ感情を抱いているらしい不審者がサトシ=松造以外の第三者であると確定します。

新次郎のトラウマが癒されても、まだまだ安心はできません。

『あさが来た』第12週 第70話 「大阪一のおとうさま」
 朝ドラ観賞後の感想

松造と対峙した新次郎さんとあさちゃんの場面。松造が正吉さんに詫び、正吉さんもまた父を救えなかったことを心から謝罪する場面。たった二つの場面だけから構成されているにも関わらず、長く長く続いていたような錯覚に陥る実に重厚な回でした。

新次郎さん

あさちゃんは怒りながらも冷静に理詰めで松造に詰め寄り、あさちゃんの言葉で我に返った松造もまた自分の非を悟る。その一方で完全に冷静さを失ってしまった新次郎さんが痛々し過ぎて直視するのがつらいほど。

松造を追い詰めてしまったことへの負い目から逃れられなくなってしまった新次郎さんの動揺する姿に、新次郎さんの心の傷がどれほど深いのかがよく表れていました。鬼気迫る演技だったと思います。すごいものを観ました。

そんなオロオロするばかりの新次郎さんを時には制し、時には無視し、松造の非を詰るあさちゃんの迫力も見事です。恨んでもいい。自分を非難してもいい。しかしやってはいけないことがある。あさちゃんの言葉が深く重い。

正吉さん

負い目を感じているのは正吉さんも同じことでした。詫びようとする松造に詫びる隙を与えず、自分から先に詫びる。松造に先に詫びられたら自分の罪は清算されない。そう考えているとしか思えないような正吉さんの詫び方にもまた心の傷の深さが現れていました。

松造に詫びさせず、松造に詫びることが出来たことを松造の父の導きだと心から感謝する正吉さん。それほどまでに松造の父を救えなかったことが心の重荷になっていたとは!

松造を許すのではなく松造を通して松造の父に許してもらえたと正吉さんは考えたのでしょうか。船橋屋の黒糖饅頭を一緒に頬張り、その味わいで松造のお父ちゃんの思い出に浸る正吉さんと松造さんの無言の心の通じ合い。忘れられない場面となりました。

語りたいことは山ほどもある第70話でしたが、自分の貧困なボキャブラリーではこの感動を的確に言い表す言葉が見つかりません。本作を稚拙な言葉で汚さないためにも、今回はこのへんで止めておきます。

追記

重厚な回でしたが、そんな中でも噂の「はっちゃん」を登場させしっかり笑いを取ることを忘れない気遣いが粋でした。

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22 Responses to “あさが来た 70話 松造が正吉に謝罪し出頭”

  1. るんるん より:

    正吉おとうちゃん、さすがでしたね。オフィシャルサイトに饅頭の件が出てて、近藤さんすごいなと改めて感じました。明日が最後ですかね?今井のおじいちゃんの最期はおかしく切なくでしたが、明日はどんな風になるんでしょうかね?

    また、新次郎はどう変わっていくんだろうと楽しみになりました。松造に思いをぶつけるあさを見つめる目は、何を受け止めたのかなと気になりました。玉木くんの表情は、朗らかな時も、愁いを帯びてる時も惹きこまれますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      黒糖饅頭は近藤さんのアドリブですか!
      驚きすぎて頭の中が真っ白です。
      あれほどの神場面がアドリブで出来ていたとは。

  2. 1013 より:

    「え、ちょっ、ちょっと何で人が飯食っとんのにそないな重たっ苦しい話始めんの?…まあええわ、さっさと食って早よ行くか…っておい、嫁さんまで来たんかい!」
    というハッチャンの心の声が聞こえた気がしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      「泣」と「涙」の二字で満たされた第70回のレビュー。
      思いがけない変化球レビューが実に新鮮です!

  3. まゆ より:

    あらすじで号泣しそうな予感がしたので、録画してから見ました。
    正吉さんの謝罪するシーン何度も見返し、何度も号泣しました。
    そして松造を抱きしめる新次郎さんの姿でまた泣きました。

    きっと松造のお父さんも笑ってくれているだろう、そんな救いのある回でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      新次郎さんが泣き崩れる松造さんを抱きしめるところ、あそこは僕も泣かされました。
      人殺しと言われても、何十年も離れ離れになっていても、それでもなお新次郎さんは松蔵さんを兄弟のように大事に思っていたことが伝わってきて、新次郎さんの愛情の深さに泣きました。

  4. さや より:

    会社の休憩室で見ていたので、泣き所のやり取りがほぼ聞こえなくて残念でした。でも、松造さんが加野屋と和解できてよかったです!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      機会がありましたら音声つきで是非見直してみて下さい。
      今回は神回でした。

  5. 啓子 より:

    始めまして
    花子とアンからこちらを拝見させて頂いてます

    あらすじから、感想まで
    細やかに載せていらっしゃり
    感心するのと、
    私自身の思いを裏切らないコメントに安心します

    朝ドラがこんなに面白いとは
    今まで知りませんでした

    子どもが成長し、朝ドラの時間に座って食事ができるようになり、ハマりました

    これからも、楽しみに拝見させて頂きますね

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      当ブログを長らくご愛顧頂き感謝致します。
      これからも朝ドラを一緒に楽しんで頂ければ幸いです。
      今後ともよろしくお願いします!

  6. しむ より:

    饅頭の場面、説明はなくとも、子供の頃に父親の好物として何度も一緒に食べた味だったのが伝わる演出と演技でしたね。ベタにならずに絵で見せる手腕に唸りました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      饅頭の場面は本当に素晴らしかったです。
      しばらく饅頭と聞いただけで泣いてしまいそうです。

  7. koji より:

    黒糖饅頭のシーンは本当に泣けました。

    明日のオンエアを前に和解が出来て本当に良かったですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      黒糖饅頭を美味しそうに味わいながら松造のお父ちゃんを一緒にしのぶ場面、思い出しただけでも涙腺が危険な状態になります。
      そして美味しそうな黒糖饅頭を思い出しだけでもよだれが・・・

  8. もんすけ より:

    >「自分を包丁で刺してくれたほうがまし」
    おかあちゃんを切りつけた白蛇はんを思い出しました。

    過去からの束縛を解き放ち、行く道を切り開く象徴に「刃物」あり。
    松造は、加野屋に深い恨みを持ちながらも、両親も家族もいない身。
    自分を知っていてくれる(いるはず)の正吉さん、新次郎さんは、
    ある意味、「潜在的な心の拠り所」だったのでしょうね。

    「はっちゃん」…、もっとかっこいいと思っていたのですが…、残念。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 正吉さん、新次郎さんはある意味「潜在的な心の拠り所」

      そうですね。だからこそ、加野屋に戻って来てしまったのかも知れません。

  9. atsu より:

    優しい新次郎が深く傷つくとわかっていて子供時代のサトシは「人殺し」という言葉を投げつけたけれど、その後何十年たっても新次郎の優しさは変わっていなかった。恐らくサトシも内心有能な経営者だと認めていたあさは、サトシが落盤事故を起こした非を責め、償えと言いました。一見非情なようですが、あさがきちんとサトシを認め、向き合ったからこその一言のような気がします。「自分を包丁で刺してくれた方がまし」本気でしたね。正吉も病気をおしてサトシに合い、謝罪し、父を懐かしんでくれました。恨まれるのもつらいが、恨みを捨てられない方もつらかっただろう、サトシも心の重荷をようやく下ろすことができたのではないかと思い涙が出ました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      松造の人を恨み続ける苦悩。正吉さんと新次郎さんの負い目の苦悩。三人が積年の苦悩から救われる場面は、僕にとっての名場面の一つとしてずっと記憶に残りそうです。今回は神回でした。クオリティの高さに圧倒され言葉もありません。

  10. よるは去った より:

    自分の父親が加野屋にとって大事な人間だったいう正吉さんのことばが松造君に何よりも嬉しかったでしょうね。演じている長塚圭史君も特に「泣き」顔付きがだいぶがお父さんに似てますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      自分のお父ちゃんは見捨てられたわけではないというのが松造には救いになったかと。

      > お父さんに似てますね。

      松造のお父ちゃんが正吉さんの下で働いていた当時の姿を、お父ちゃん役を長塚氏お父上にして想像しながら見てました。

  11. こきあ より:

    サトシ=松造の自首、となっていますが、もしかして自首ではなく出頭ではないでしょうか?(犯罪の事実事態は警察もつかんでいるはずなので)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      ご指摘の通りですね。早速訂正させて頂きました。

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