騒動の末に失業する常子 / とと姉ちゃん 第62話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年6月14日(火)放送
第11週 第62話「常子、失業する」

『とと姉ちゃん』第11週 第62話 「常子、失業する」あらすじと見どころ解説

ある日、常子は職場の同僚・かをるに誘われ足を運んだビアホールでトラブルに巻き込まれました。酔った男性客にからまれてしまったのです。常子が羽交い締めにされている間にかをるはトラブルの現場から逃走してしまいます。

常子は辛くもその場に居合わせた不良少女・お竜に助けてもらったものの駆けつけた警察官に連行されてしまいました。しかし、ビアホールでの騒動を起こしたのが常子ではないということはすぐに明らかになりました。

一方、その頃の宗吉の生活はすさんでいました。仕入れも出来ず得意先も倒産してしまい、商売が立ちゆかなくなった宗吉は酒に溺れていたのです。荒れる宗吉に、森田屋の家族たちも呆れはてていました。

そんな中、常子が課長の山岸からクビを言い渡されました。ビアホールで警察沙汰を起こした原因をつくったのは常子だと、かをるが課長に密告していたのです。自分か常子のどちらかがクビを切られることを知ったかをるは、咄嗟に嘘をついて我が身を守ったのです。

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midokoro
給料がもらえなくなった君子に次いで、常子が職を失います。

しかも職を失ったきっかけは同僚の裏切りにも近い密告。失業と裏切りのショックが常子を打ちのめします。

『とと姉ちゃん』第11週 第62話 「常子、失業する」
 事前発表あらすじのレビューと解説

タイピストの誰か一人がクビになるという商社内での噂に戦々恐々としていたのは常子ひとりではありませんでした。

常子の同僚・かをるもまた、自分の稼ぎで家族を支えているため、仕事を失うわけにはゆきませんでした。

そんな状況下でのビアホールでのトラブル。

騒動に巻き込まれた常子は被害者のはずです。しかし、同僚のかをるはこの騒動を巧みに利用します。

あたかも常子が騒動の「主犯」であるかのごとく上司に密告。

タイピストを一人切らざるを得ない会社側としては、願ってもないクビ切りの理由が転がり込んで来てくれたというところでしょうか。

失業と裏切りの失意に沈む常子。

しかし、悪いことの後には良いことがある。良いことはもう少し先の話ですが、間もなく常子に大きな転機が訪れます。

『とと姉ちゃん』第11週 第62話 「常子、失業する」
 朝ドラ観賞後の感想

かをるちゃんを責める気持ちになれない

みんな生きてゆくことに必死だった時代、かをるちゃんのとった行動が正しいとは言えませんが、責める気持ちにもなれない。

仮にビアホールでの騒動が起こっていなかったとしたら。

仮にかをるちゃんが、佃部長と山岸課長が交わしていた密談を耳にしていなかったら。

この二つの条件が重ならなかったとしても、どのみち和文タイピストの二人のうちどちから一人がクビを切られることは決定事項。

常子ちゃんとかをるちゃんは天秤にかけられ、二人の間にはもっと醜い争いが起こっていたかも知れません。

常子ちゃんとかをるちゃんが天秤にかけられたとしたら、確実に言えることはかをるちゃんは自分の立場を決して譲らなかったに違いない。

常子ちゃんと言えども、「しかたないですね」と仕事を譲るようなキレイ事を言ってられる立場にはないはず。

常子ちゃんとかをるちゃんの泥沼の対立が避けることが出来たというその一点だけは、不幸中の幸いだったのかも知れません。

ところで誰の言葉か忘れましたが「起きることはすべて正しい」

常子ちゃんの泣く姿は、前週の星野くんとのお別れの涙以上に観ていてつらいものがありましたが、この悲劇が間もなく常子ちゃんを天職に導いてくれます。

常子ちゃんの新しい出会いまであとすこしです。

山岸課長を単なる悪役で終わらせてほしくはなかった

常子ちゃんにクビ切りを宣告した山岸課長も、その口の聞き方悪さは何とかならないかとツッコミを入れたくなるものの、ある意味気の毒な人です。

そのみごとなまでの態度の悪さを上司に買われ(?)悪役を押し付けられる。

常子ちゃんかかをるちゃんのどちらかを解雇せよと言われたに等しい山岸課長。あんな人でも多少は心はいたんだはずだと思います。

専務の姪の縁故採用。

そんな理由だけで生活がかかっている女子社員を辞めさせなければならない。しかし、専務の手前、その理由を口にするわけにはゆかない。

解雇する理由探しに難儀する山岸課長にとって、真実はどうあれ警察沙汰にまで発展したビアホールの騒動は渡りに船。飛びつかない手はありません。

山岸課長を演じる田口浩正さんが好きなのでついついかばってしまいました。

でも、欲を言えば常子ちゃんを解雇せざるを得ない山岸課長の苦悩をもうちょっとだけ描いてほしかったと思います。山岸課長を単なる悪役で終わらせてほしくはなかったと。

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16 Responses to “騒動の末に失業する常子 / とと姉ちゃん 第62話”

  1. アーモンド より:

    親友の裏切り。
    まさかあのかをるさんがね。
    二人は業務成績では、最下位を争っていたのかな?
    しかし以前不倫で同僚のクビを切ったり、女性を軽く扱う様は、今で言うブラック企業ですね。
    常子としては辞めて正解だったかもしれない。

    時世で森田屋も青柳商店も危機的な状況。
    暗い時代に突入だか、常子の明るさで吹き飛ばしてほしい。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      常子ちゃんの再就職先は女性の意見も尊重される環境みたいなので、結果として今回の悲劇は良かったのかも知れませんね。そんな新しい環境は間もなく登場します。

  2. オカンT より:

    かをるちゃん、第一印象が何故か森三中の黒沢さんに似てるな~と思ってしまい、こんな地味な雰囲気の先輩がいつまでも周りに合わせて嫌がらせし続けるわけがない、きっとこれから常子の良き理解者になって行くんだ!と勝手に思い込んでしまったので、先のあらすじを読んでショックを受けていました…
    しかも最後の方に言った「あなたが私と同じ立場だったら同じようにしたに決まってる」というニュアンスのセリフが余計に後味の悪さを感じてしまいました。
    課長だけでなく部長も結局味方じゃなかったし、いくら戦時中とは言え久々に気分の悪い展開です。
    早く新しい職場でスカっと明るい常子が見たいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      鳥巣商事では観ていてつらい場面の方が多かったですが、そんな中で終始一貫して優しかった給士の坂田のおじさんの存在が救いでしたね。

  3. よるは去った より:

    お竜さんの役の志田未来ちゃんは美子ちゃん役の杉咲花ちゃんの「憧れ」だそうです。子役の時からかなりユーモアたっぷりのイメージでしたけど、今回はかなりキリッとした感じもありましたね。ビアホールで常子ちゃんに絡む男客を殴り倒す場面なんか以前には想像もつかなかったですからね。お竜さんとはまたどこかで再開するのかな。例えばずっと後の戦後の闇市場とかで。多田かをる女史はドラマ中で何かしらの制裁を受けるべきだというのは私も賛成だけど、せめて戦後に米軍兵相手に「媚び」を売る女人にはなってほしくない気がします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      お竜さんは少なくともあと一回登場場面があるようです。でも、1回や2回で出番が終わりではもったいないキャラですね。

  4. 1013 より:

    常子ちゃん失業の真相がタイピスト達に知れたらかをるちゃん確実に孤立しますね。
    人を陥れるような人と関わり合いになりたくないと誰だって考えるでしょう。
    次に切られるのは、かをるちゃんかもしれません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      第63回で常子ちゃんが早乙女さんに別れを告げる場面。さすがにかをるちゃんは席をはずしてましたね。

  5. カッチ より:

    かをるがしつこくビアホールに誘った事、逃げる時の表情を考えると、からんできた連中もかをるがしくんだのではと昨日は思いました。
    まあでも仕方ないと思います。
    常子とかをるのどちらかを辞めさせると聞いたのなら。
    僕としては、戦後職に困ったかをるが常子の会社に来て、常子が許して雇うというのがいいんですが。
    それにしても、今後お竜とどういう関係になるかたのしみです。
    お竜の手下が常子を送る時、常子を別世界の人間と言ったときの常子の表情が気になりました。
    自分達はまだ幸せな方だと気付いたのではないでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      大きな仕事を残した人の多くは裏切りをバネに大成し、大成できたのは「あの時に裏切られたおかげ」と捉える傾向があるので、常子ちゃんもかをるちゃんをそんなふうに見るのかなと期待しています。

  6. もんすけ より:

    「あなたもそうしていたわよね」と言った時のかをるちゃんの表情。
    ぐにゃんと歪んだ口の端に、ぎらぎらとした目力。
    生きるため、時代のせいだったとはいえ、人を押しのけようとする負の心、
    その闇が黒々とリアルに描かれ、背筋が凍りました。
    「そこまで人間ができていない」と常子ちゃんから手を振りほどかれた時、
    ほんの一瞬、(はっ)としたようにも見え…(なかなかの役者さんですね)。

    >この悲劇が間もなく天職に…

    そもそもこの先、和文タイプ自体、時代に置いて行かれ、消えゆく存在。
    それにしがみつくことなく、新しい一歩を踏み出させようとする大きな力が働いたのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      タイピストの経験しかなければ、戦後に起業するという発想が出てこなかったかもです。そういう意味ではかをるちゃんは結果としていい仕事しているのかも。

  7. エイスケの後輩 より:

    かをるちゃんも、弟を食べさせなければならないという、極限の状態で、やりたくて常子を裏切ったのでは無いと思いますが、もし因果応報があるとすれば、頑張って稼いで育てている弟達が、後に兵に取られて生きて帰ってはこない…などではないかと思います。
    こちらの方が、失職するよりはるかに辛いですよね。
    もしそういうシーンが有るならば、戦後でしょうから、出版の世界で自分らしく生きる道を見つけた常子であれば、過去をとがめるなどはしないかなと思いました。

    61話で弟たちの姿が一瞬映りましたが、この子達が死んでしまうのかも…と妄想でも思うと、やりきれない悲しい気持ちになっています。
    そのくらい、戦争とはむごいものですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      宗吉大将も馴染みの乾物屋(?)に高値をふっかけられた末に、卸してもらえませんでしたが、生き抜くためには誰もがキレイごと言ってられない時代だったのかも知れませんね。

  8. 満月(みつき) より:

    初めまして。コメント投稿させて頂きます。


    これまでの朝ドラでは過去に登場した人物がその後、変わり果てた姿や状況で再登場することも見られました。もし、かをるが再登場するのなら、そういった状況に陥った姿で常子の前に現れることも十分考えら
    れる気がします。

    かをるには、手厳しいくらいの因果応報を受けた形で再登場して欲しいほどです。
    そうでもしないと常子がかわいそう。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      常子ちゃんが社内いじめを受けていた頃から常子ちゃんの味方だったかをるちゃんの裏切りは皮肉過ぎる展開ですね。スパイスが効きすぎて涙が出てきます。

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