徹夜の常子を星野が訪問 / とと姉ちゃん 第134話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年9月6日(火)放送
第23週 第134話「常子、仕事と家庭の両立に悩む」

『とと姉ちゃん』第23週 第134話 「常子、仕事と家庭の両立に悩む」あらすじと見どころ解説

常子と花山による、商品試験の原稿と写真の作り直しは夜を徹しての作業の末に完了し、刻限に間に合わせることが出来ました。常子が胸をなでおろしていると、星野が大樹と青葉を伴いやって来ました。

星野と二人の子どもたちは常子が徹夜で仕事をしていることを知って弁当の差し入れを持って来たのです。常子と青葉はお互いに非を詫びました。常子と星野の仲睦まじい様子を見ていた花山が問いかけます。常子は星野と交際しているのかと。

花山は続けました。会社と雑誌づくりに人生を賭けるという自分の言葉にとらわれ続ける必要などない。たった一度の人生に後悔を残さない生き方も大切だと。花山の言葉に背中を押された常子は、星野との距離を縮めてゆきます。

昭和32年(1957年)5月。電気釜の試験結果を載せた『あなたの暮し』最新号が発売されました。その頃、自社の電気釜を酷評された赤羽根は常子たちへの報復を心に誓い、どんな手を使ってでも商品試験をやめさせろと社員に命じるのでした。

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徹夜仕事明けの常子と花山のもとに星野がやってきます。

これが初対面となる花山と星野。星野と一緒にいる常子の幸せそうな姿を初めて見た花山が思いがけないことを言い始めます。

『とと姉ちゃん』第23週 第134話 「常子、仕事と家庭の両立に悩む」
 事前発表あらすじのレビューと解説

空気が読めるようで読めない花山は、かつて求婚するかどうかで悩む水田に唐突に言ったことがありました。

鞠子とはいつ結婚するつもりなんだと。

そんな唐突さで今回もツッコミを入れるのでしょうか。花山が常子に問いかけます。星野と交際しているのかと。

水田の時には花山の突然過ぎる一言がトリガー(ひきがね)となって、最終的に水田と鞠子は落ち着くところに落ち着くことが出来ました。

そして今回、またしてもトリガー(ひきがね)を引いてしまった花山。

会社の成長と雑誌づくりに人生のすべてを捧げてきた常子に、自分の人生も大切にしろ、人生に悔いを残すなと告げる花山。

花山の言葉は常子にどのような影響をおよぼすのでしょうか。

『とと姉ちゃん』第23週 第134話 「常子、仕事と家庭の両立に悩む」
 朝ドラ観賞後の感想

三度目の月

月をたくみに使った常子ちゃんと星野くんの恋バナの描写が詩の美しい。

戦前編にはじめて登場した夜空の月。

星野くんの他意のない「月がキレイですね」発言。この言葉を愛の告白と勘違いした鞠ちゃんが「月」が持っている意味を説明してくれました。

「愛してる」というダイレクトな愛の告白が不得手な日本人が、月をキレイだと讃えることで間接的に愛の告白をする表現なのだと。

戦前編の中で描かれた星野くんの「月がキレイですね」発言は、文字通りの意味しか持たいない言葉でした。

しかし、意外にも星野くんはこの文学的表現に魅了され、常子ちゃんへの求婚の時に「月がキレイですね」と言いたかった。

意外というよりいかにも星野くんらしい考えかも知れません。

星野くんの性格から考えて「好きです」とか「愛してる」などという表現は口が避けても出来ないはず。「結婚してください」だって苦しそうです。

そんな星野くんにとって「月」は愛の告白を象徴するものでした。

そう思って観ると前週に描かれた、月夜の星野くんの常子ちゃん抱擁。この場面で言葉を一言も発しなかった星野くんでしたが、夜空の月が星野くんの気持ちを表していたのかも知れません。

常子ちゃんと星野くんのはじめての抱擁場面を月夜に設定する粋なこと!

しかもそこに込められた意味はわかる人だけがわかる、そんな説明臭の一切ない演出もまたとっても粋でした。

ちなみに僕は、はじめての抱擁場面での夜空に浮かぶ月を見て、戦前編の愛の告白騒動を恥ずかしながら思い出せませんでした。

そして今回、星野くんは再び「月がキレイですね」という表現に込められた心を語ることで「好きです」や「愛してる」を一切使わずに常子ちゃんへの想いを告げる。

そして夜空には今日もキレイな月。

そしてそのキレイな月の下で・・・キレイなものを見せてもらいました。

「ネバカア」

アカバネ電器の社長室の壁に飾られた額縁入りの写真は、アカバネ電器の創業当時の工場でしょうか。

「ネバカア」という表記が、戦前か戦後間もなくの創業を暗示していました。

その写真を見つめながら赤羽根社長が心からの言葉を口にする。

「苦労してここまで大きくしたんだ」

この言葉を聞いて、赤羽根社長を悪人と斬って捨てることが出来なくなってしまったのは僕だけでしょうか。

まだしばらくは『とと姉ちゃん』を面白くするためにも赤羽根社長の大暴れを期待していますが、最後はちとせ製作所の田中社長のような救いを準備してほしいと。

そんな気にさせられる今回の赤羽根社長でした。

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14 Responses to “徹夜の常子を星野が訪問 / とと姉ちゃん 第134話”

  1. なかむら より:

    いつも楽しく拝読しています!
    私も赤羽社長が気になります!(笑)先の「家族があるだろう」的な発言もきっと自分自身に投影してのことだろうと。苦労して大きくしたのは常子達と本当は同じ気持ちのはず。なので、ただの悪役で終わらせずそのあたりに救いのある退場であって欲しいです。古田さんの深みのある演技を見たいなぁ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      赤羽根社長が劇中から退場する際は、この人は将来良い商品をつくってくれるだろうなとそんな希望を持たせてくれる終わり方をしてほしいものですね。

  2. さーや より:

    こんばんは。久々の書き込みです。
    星野さんが常子に結婚の申し込みをしたのは、確か昼間(夕方頃?)ではなかったでしょうか…二人きりで月を眺めたシーンを思い出すことができなくて。初期の頃、月が綺麗云々のセリフで鞠子ちゃんが冷やかしたのは覚えてるんですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 星野さんが常子に結婚の申し込みをしたのは、確か昼間

      やっとの思いでプロポーズ出来たのは月がまだ出ていない時間帯でした。その前にもプロポーズの機会を何度も伺っていたのでそんなチャンスをとらえようとして失敗した。そういうことかなと思いながら観ていました。

  3. エイスケの後輩 より:

    とあるテレビ雑誌の特集で、赤羽根氏の設定が書かれていたのですが、彼は、電化製品を求める消費者が買えるように安価に提供する事にこだわりをもっており、また戦後苦労して、裸一貫から会社を大きくしたのだそうです。
    商品のクオリティを全くないがしろにしているわけではないのは、今回取説の不備で甥を責めた所からも伺い知れると感じましたが、やはり豊かになると、お金もうけ優先になってしまうのはありがちなのでしょう。
    恐らくこのような会社は当時沢山有り、消費者を守る法規制の整備により、なくなってゆきました。
    今でも経済成長が著しい国はそうなのかもしれません。

    そして私も今朝は一人「きゃー(*ノ▽ノ)」っとなっていました(笑)
    子供がまだ内容が分からない年で良かった…(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 恐らくこのような会社は当時沢山有り

      この時代より少し後ですが、日本製の廉価な粗悪品が欧米で問題になっていたほどなので、アカバネ電器みたいなところは特殊というより普通だったのかも知れません。

  4. もんすけ より:

    本題から少しずれてしまいますが、来社した星野一家の様子がツボでした。
    初・花山氏との遭遇に星野さんの動きは想定内だったものの、若葉ちゃんの屈託のない、ダウン寸前の笑顔ったら。「花山さん、よっちゃんだけでなく若葉ちゃんまで心酔させてしまったのは!?」と思える程でしたね。
    小さな子供の気持ちまでも鷲掴みするほど人心掌握術に長けている花山さんの、人間への慈しみが出ているようなシーンからの、常子ちゃんへの「自分の人生を大事に」の言葉。沁みました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 子供の気持ちまでも鷲掴みするほど人心掌握術

      花山さんが子供に好かれるというのは意外なようでもあり、花山さんならそれもありかなと納得もできる。人の心のツボを知り尽くした方なんですね。

  5. ともとも より:

    鞠ちゃんが昔言った「月が綺麗、は好きってこと」
    それをちゃんと覚えていて、本当にしてしまった星野さん。
    とても美しいラブシーンでしたね。
    ただ、母親と一緒に見るのはちょっと気まずい(笑)
    あさイチの皆さんの久々の朝ドラ受けも、そのシーンで盛り上がってましたね。もーちょい近くで見たかったとか。

    赤羽根さんとこの若手くん、社長の妹の子だったんですね。
    どうりで若いのに妙に幹部っぽいなと思いました。
    戦後のドサクサに紛れて粗悪品で儲けた金で、会社を大きくすることだけにこだわっているのは、恐らく親族会社だから。
    奇しくも「社員=家族を守る」という常子さんの気持ちと同じようで全然違うエゴイズムで、他を蹴散らしているのでしょう。
    悪い意味で器用で目端が利かなければ、家族や親戚を大事にする、町工場の親父さんで済んだ人なのかもしれません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 町工場の親父さんで済んだ人

      鋭い指摘です!家族や従業員を大事にする。ここに徹して欲張らなければちとせ製作所の田中社長みたいな生き方も出来たのかも知れません。紙一重のところで人生は大きく変わってしまうものですね。

  6. koji より:

    さようなら。。。

    卒業式などでよく聞かれる言葉ですが僕は好きではありません。

    なんだか二度と会えないような気がして。。。

    よっちゃんが「またね(笑)」

    と言ったのに大樹くんと青葉ちゃんが「さようなら」と返事をしました。

    やっぱり、この先のフラグなのかな(悲)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 大樹くんと青葉ちゃんが「さようなら」

      深い観察ですね。二人の子供たちの「さようなら」に続いて、二人の子供たちを寝付かせる常子ちゃんが別れを惜しんでいるようにも見えました。

  7. よるは去った より:

    酒井「伯父さん・・・・・。」赤羽根「会社では『社長』だ。」 公私の区別は厳格につける赤羽根社長。この人を製造業者として正道に立ち返らせる人は誰かいないのだろうかという想いで視てました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 正道に立ち返らせる

      創業時の苦労を思い出す今回の赤羽根社長の姿を見て、正道に戻って欲しいと真剣に思いました。

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