花山伊左次の最期の言葉 / とと姉ちゃん 第155話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年9月30日(金)放送
最終週/第26週 第155話「花山、常子に礼を言う」

『とと姉ちゃん』最終週/第26週 第155話 「花山、常子に礼を言う」あらすじと見どころ解説

口述筆記を終えた常子に花山は言いました。「常子さん、ありがとう」その二日後、常子は花山の妻・三枝子からの電話を受けました。花山からの原稿の修正依頼だろうと考え電話に出る常子。しかし常子は言葉を失います。花山が自宅で亡くなったのです。

連絡を受けた常子は美子とともに花山の家に駆けつけました。花山の安らかな死に顔を見守る常子に三枝子が告げました。花山が息を引き取る直前、『あなたの暮し』の将来は常子がいるから安心だと花山が語っていたことを。

それは常子にとって花山からの初めてのほめ言葉でした。常子は涙ながらに花山への感謝の気持ちをあらたにします。常子が自宅に帰り、花山が遺した原稿に目を通すとそこにはメモがはさまれていました。それは花山が常子たち三姉妹に宛てた最後のメッセージでした。

花山が亡くなって二ヶ月が経った頃。「あなたの暮し出版」は長年の出版界への功績が認められ「日本出版文化賞」を受賞しました。常子はテレビ番組『時代のスケッチ』に出演し、緊張しながらインタビューに応えるのでした。

<<前回154話 | 次回 最終回/156話>>

midokoro
花山が常子に直接告げた「常子さん、ありがとう」は常子が自分の耳で聞く花山の最期の言葉になりました。

そして花山が常子に向けた最期の言葉はまた、常子にとって花山からの最初のほめ言葉にもなりました。

『とと姉ちゃん』最終週/第26週 第155話 「花山、常子に礼を言う」
 事前発表あらすじのレビューと解説

花山伊左次が亡くなります。

取材先の広島で倒れて以来衰弱がすすんでいたとは言え、あまりにも突然の花山の死の知らせに常子も美子も呆然自失。

しかし、常子が最後に口述筆記した花山の口から出る言葉は『あなたの暮し』の読者とそして常子への遺書のような内容でした。

そして(遺言?の)口述筆記を終えた花山が常子に言いました。

「常子さん、ありがとう」

今週・最終週のサブタイトル「花山、常子に礼を言う」はこの「常子さん、ありがとう」を指すのだと思います。

そしてその「ありがとう」は常子の口述筆記への「ありがとう」であるのと同時に、充実した人生をともに歩んでくれた常子への心からの感謝の言葉だったのでしょう。

『とと姉ちゃん』最終週/第26週 第155話 「花山、常子に礼を言う」
 朝ドラ観賞後の感想

常子さん、ありがとう

名残惜しそうな表情を濃厚に浮かべ弱々しく手を振る花山さんの姿。

涙を誘うこの場面が今日もアバンタイトルに登場しました。思い出しただけでも涙腺がやられそうなこの花山さんのこの姿を改めて観ながらふと思い出しました。

戦後間もなくの頃、喫茶店マスター・関元さんのおじさんが語った花山さんの過去を。

花山さんは大切な戦友を戦争で亡くしました。関元のおじさんの息子です。その戦友がまつられる仏前で、花山さんはずっと泣き続けていました。

何故、このことを思い出したかというと、常子ちゃんとの別れを惜しむかのような花山さんの顔が僕には意外にうつったからです。

花山さんもこんな顔するんだって。

でも、よくよく考えてみれば花山さんは戦友の死をあれだけ深く嘆き悲しむような人です。

しかも、そもそも花山さんが言葉を使う職業の道を選んだのも、早くして亡くした最愛の母がその昔、『青鞜』に載った平塚らいてうの詩を読んで明るさを取り戻したことがきっかけでした。

若くして愛する母親と死別したことも影響しているのでしょうか。花山さんは大切な人との別れを誰よりもつらく悲しく感じる感性の持ち主なのかも知れません。

まして常子ちゃんは、花山さんに「君に感謝を伝えるには原稿用紙が何枚いるか」「君がいなければ今の私はいなかった」とまで言わせる存在です。

別れが惜しくないはずがない。

自分の死期をさとった花山さん。常子ちゃんと別れることがつらくてならなかったに違いありません。

そう思って、弱々しく手を振る花山さんの姿を思い出すと、涙腺が大変なことになりそうなので、このあたりでやめておきます。

花山さんが常子ちゃんに宿った瞬間?

今回の放送が、花山さんとの別れの場面で終わらなかったのは救いでした。

テレビ番組『時代のスケッチ』に出演し、ガチガチに緊張している常子ちゃん。その常子ちゃんに声援をおくる編集部の面々の賑やかな描写が湿っぽさを一掃してくれました。

また、オンエア直前の常子ちゃんが花山さんの「遺言」を早速実行にうつす場面。

緊張しすぎて舞い上がった常子ちゃんが「どうしたもんじゃろのう、花山さん」と、花山さんに呼びかける。

その瞬間に流れた花山さんのテーマ曲。

あれは花山さんが常子ちゃんに宿ったことをあらわしているのでしょうか。

花山さんはいつも常子ちゃんのそばにいてくれる。そのことをわからせてくれる場面も救いになりました。

さて、ついに明日は最終回。

半年にわたって毎朝楽しませてもらった『とと姉ちゃん』もあと残り一回です。

<<前回154話 | 次回 最終回/156話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。

icon_mareicon_mareicon_mareicon_mareicon_massanicon_hanakoicon_umechicon_umechicon_umechicon_itokoicon_umechicom

関連記事

11 Responses to “花山伊左次の最期の言葉 / とと姉ちゃん 第155話”

  1. mizutamari より:

    唐沢さん、素敵でした。
    じいじと言っていた、お孫ちゃん、かわいかったですね。
    でも、あの時代、おじいちゃんと、世間では、呼んでいたと思います。
    最近は、じいじとばあばですが、
    少し、気になりました。
    あさぞうさんのお陰で、楽しく朝ドラを見続ける事が出来ました。
    ありがとうございました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > じいじ

      たしかに昭和に「じいじ」はいたかも知れませんが、少なくとも僕は耳にしたことがありません。でも、今の視聴者の耳には「じいじ」の方が馴染むかも知れませんね。

  2. いも姉ちゃん より:

    唐沢さんの遺体役を見るのは「白い巨塔」の財前五郎の時以来ですが(他でもやっているのかな)いい役者は死体役もうまいといったところでしょうか。
    ただ、なぜ顔に白い布をかけていなかったのか。
    私は三枝子が「顔をみてやってください」と白い布を取った瞬間に涙ぐんだり、泣き崩れたりといったシーンを想像していたのですが。

    「時代のスケッチ」ですが、会社にも自宅にも常子はいませんでしたから、あれは生放送ということなのでしょうか。
     そして、みんなテレビの前ですから、だれも常子に付き添っていないということになる。
     そりゃ常子、緊張するよ。

     ドラマ上での対談番組で共演した阿川佐和子さんと高畑充希さん。
     TBS土曜朝の「サワコの朝」で実際に対談なんてことがあるかも、というかそれを期待します。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > なぜ顔に白い布をかけていなかったのか

      恐らくあそこで白い布をかけたら、一般家庭で白い布を用意してるのかってクレームが殺到してたかもしれません。クレーム予防かなと思いました。

      > だれも常子に付き添っていない

      同じことを考えてました。せめてよっちゃんくらい待機してたらよかったのにって(笑)

  3. もんすけ より:

    「じいじ、起きて。似顔絵を書いたから、みて!」
    孫のみのりちゃんが大好きなじいじに起きて欲しくて一生懸命に書いた似顔絵を持ち、枕元へ駆け寄ったとき、常子ちゃんは心の中でつぶやいたのではないでしょうか。
    (あなたの大好きなじいじは、そして、私たちの掛け替えのない、大切な大切な花山さんは亡くなったのよ…)と。

    不意の訃報に、冷静に立ち居ふるまっていた常子ちゃんと美子ちゃん。
    その静かに横たわる花山さんを見て号泣する美子ちゃんとは対照的に、常子ちゃんは亡くなったことが信じられない、信じたくなかったのか、しばらくは硬い表情でした。それが、(亡くなった…)と自分の言葉にした瞬間、一気に悲しみがあふれ出し…。誰しもが一度は経験したことがあるような場面。

    >花山さんもこんな表情するんだって。

    本当ですね。そして、「常子ちゃんもこんな風に泣けるんだって」と。
    庶民の旗をともに振り続けた二人の「素」の部分。心揺さぶられました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 庶民の旗をともに振り続けた二人の「素」の部分

      二人とも同志として、それぞれお互いにだけは「素」の部分を出せたのかも知れませんね。恋愛要素が一切入らない異性間の友情で、これほどまでに強く結ばれた友情は初めてみました。

  4. えびすこ より:

    最終週は今の世間にも必要なメッセージにも見えます。
    花山さんは後半の番組に欠かせない人物でした。表紙デザインも担当するので万能編集者。そして「事実上の共同社主」と言ってもいい存在です。
    中年になったという事で終戦直後の頃と比べると常子の顔つきが少し変わって見えますね。来ている服装の違いもありますが、少し雰囲気が変わったように見えます。

    以前、あさが来たを放送していた時に「宮崎あおいさんの顔つきが最初のころと変わった様に見える」と記載しましたが、あの頃に映画「怒り」の撮影もあってそちらの役つくりで少し目方を増やしたと最近聞きました。体重を増やしたのではと感じたのは気のせいではなかったです。

    最後に最終週だから予想がつくのですが、金曜日の回に花山さんが亡くなられました。期間最後に番組ファンの間で言われる「魔の金曜日」になってしまいました。来週からのべっぴんさんの1週目の第5回・金曜日は大丈夫でしょうか?少し気になります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 1週目の第5回・金曜日

      間違いなく「魔の金曜日」になるかと思います。第1週から「魔の金曜日」、しかも主人公の肉親。『とと姉ちゃん』に続いて魔界がつづきます。

  5. よるは去った より:

    花山「原稿用紙が何枚必要だろうね・・・。」 オープニング主題歌の歌詞の「どんな言葉並べても真実にはならないから」に被って聞こえました。あの歌詞が宇多田ヒカルちゃんが亡きお母さん(藤圭子さん)への感謝のメッセージだということを「SONGS」で語っていたのを私も見ましたが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 原稿用紙が何枚必要だろうね
      > どんな言葉並べても

      言葉の重みを知り尽くした人の言葉はやっぱり力が違いますね。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ