ベビーナース明美と再会 / べっぴんさん 第11話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年10月14日(金)放送
第2週 第11話「しあわせの形」

『べっぴんさん』第2週 第11話 あらすじと見どころ解説

男の子が生まれたら命名は五十八に託して欲しい。女の子が生まれたら「さくら」という名を付けて欲しいという言葉を残し、紀夫は戦地に旅立って行きました。それから数ヶ月が経った昭和19年(1944年)6月。すみれは長女・さくらを出産しました。

しかし戦況の悪化による食糧難により栄養不足気味のすみれのお乳の出は悪く、しかも粉ミルクを手に入れることも困難を極めていました。そんな中、近所に住む英国人女性・クリスティーナがすみれに粉ミルクを譲ってくれました。

すみれがクリスティーナの住む家を訪問したちょうどその時、日本人のベビーナースがクリスティーナたちに育児を教えているところでした。クリスティーナはすみれに言いました。日本の育児は西洋に比べて遅れていると。

そのベビーナースは、かつて坂東家の女中だったマツの娘、明美でした。明美はすみれに気づいたものの、すみれはそのベビーナースが誰なのかまったく気が付きませんでした。ほどなくして神戸にも米軍による空襲がはじまるのでした。

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貧しい家に生まれた明美は、裕福な家で奥窓育ちのすみれに反発心を抱いていました。

そして明美が成長した頃、折からの不況から五十八は坂東家の女中だった明美の母を解雇。その日以来、明美はすみれに複雑な感情を抱き続けていました。

そんな明美がすみれと再会してしまいます。

『べっぴんさん』第2週 第11話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

『べっぴんさん』劇中の登場人物名を用いて、今回のエピソードのモチーフとなった史実を以下にまとめてみます。

「すみれ」が妊娠している頃、「すみれ」と「紀夫」が暮す家の隣に住む英国人女性「クリスティーナ」が出産しました。

「クリスティーナ」の育児法を見て驚く「すみれ」に「クリスティーナ」が言いました。

『日本はいい国だが育児法は遅れている』と。

その言葉に衝撃を受けた「すみれ」は、1942年(昭和17年)10月に長女「さくら」を出産すると、「クリスティーナ」の紹介で外国人専門のベビーナースとして活躍していた「明美」から西洋式の育児指導を受けることになりました。

その時の「明美」の報酬は一ヶ月で150円。ちなみにその頃、大阪商船で働いていた「紀夫」の月給は90円でした。

「すみれ」坂野惇子
「紀夫」坂野通夫
「クリスティーナ」オーツ夫人
「明美」大ヶ瀬久子

『べっぴんさん』第2週 第11話 観賞後の感想

美しい映像

今回もまた大胆なスキップに次ぐスキップでした。

紀夫くんの出征にはじまり、長女さくらの出産。困難な戦時下の育児の描写を経て神戸の空襲に突入。昭和19年の春から秋に半年ほどのスキップです。

そんな中でも情感豊かな場面がいくつも散りばめられていました。それらの場面をもっと時間をかけてゆっくりと見せてもらいたかったほどです。

一つはすみれちゃんが裁縫道具を揃えて紀夫くんに渡す寝室の場面。

柔らかな照明の中、ピントをすみれちゃんと紀夫くんだけに合わせた映像が家庭のぬくもりを実によく表現してました。

そして、ちょっとネタバレになりますが、この裁縫道具はこの後にとても大切な小道具として再登場するのでその姿をまぶたに刻みつけておきました。

紀夫くんが述懐する、桜が舞う中を歩くすみれちゃんに心を奪われた場面も秀逸でした。

何を考えているのかわからない紀夫くんの心の中は、実は詩心にあふれていた。見かけとのギャップが心地よい場面でした。

「桜舞う中で歩く君を見て心を奪われた」
「娘にも花を咲かす人生を送ってほしい」

感情を滅多に出さない紀夫くんの胸の中はこんなポエムに満たされていたとは!

『あさが来た』の惣兵衛さんも「白蛇はん」なんていうあだ名をつけられるほどに怪しいキャラでしたが、実は大店のボンボンらしく美しいものに眼がない男性でした。

同性ながらあのギャップがたまらなく好きでしたが、紀夫くんにもそれと通じたところを感じ期待大のキャラとなりました。

ところで、桜が舞う中をすみれちゃんが歩く場面をロケをしたのは晩夏の頃だったのでしょうか。緑がやけに濃い。そして舞う桜が少ない。

現在、大ヒットしている映画『君の名は。』の桜が舞う場面が見事でしたが、欲を言えばあれくらいの桜が欲しかったなと思います。

映像を自在につくれるアニメと比較しては気の毒ですが。

出征の場面の描き方も強く印象に残りました。

紀夫くんがまさに歩き出すその瞬間は遠景ショットのみ。登場人物たちのセリフはひとつもなく、時計の針の音だけが無情に響く。

紀夫くんのお母様が息子の後を追おうとし、それを夫が止める仕草が哀れ過ぎて涙を誘いました。この場面を近くから撮影したら、この哀れさは出せなかったかと思います。

悲しいけれど美しい場面でした。

出産の場面も忘れられません。

大阪局制作の朝ドラは照明が際立って上手なところが僕は大好きなのですが、すみれちゃんが赤ちゃんと初の対面をした時のやわらかくて明るい照明もみごとな仕事でした。

時代のスキップに次ぐスキップで、テレビドラマ離れした上質な映画のような美しい映像の数々を腰を据えて観られなかったことが、ちょっとだけ心残りです。

映像を観ているだけでも楽しい。そんな美しい映像が今後も堪能できますように。

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『べっぴんさん』第2週 第11話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

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6 Responses to “ベビーナース明美と再会 / べっぴんさん 第11話”

  1. 「いも姉ちゃん」改め「すかんぴんさん」 より:

    「べっぴんさん」になってから初めてコメントさせていただきます。
    前作「とと姉ちゃん」が終盤になって時代がどんどん進みましたが、この「べっぴんさん」の序盤も時代がどんどん進む。
    速くペースが落ち着いてじっくり話が見たいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 速くペースが落ち着いて

      次週からペースが一気に落ちるみたいです。今回のすみれちゃんの決意に満ちた顔。あの顔の前までは大胆に省略し、あの顔の後を丹念に見せる構成みたいです。

  2. サエモン より:

    戦後から時間がゆっくりになるのかな?
    もう少しゆっくりな時間みたかったけど、時間スキップはNHKなんで仕方無いですね
    もう慣れましたが(笑)

    クリスティーナが明美の話してましたね
    彼女の苦労もこれから分かるんだろうね
    明美とすみれは会話したのは少ないから、すみれが気づかないのは無理ないですね
    紀夫も出征しましたね
    そして空襲

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 戦後から時間がゆっくりになるのかな?

      戦後で20週以上費やすので一つひとつのエピソードをじっくりと描くことになるのかなと思います。

  3. よるは去った より:

    クリスティーナ「明美みたいなエキスパートばかりだったら良いのに・・・・。」 明美ちゃんの苦学ぶりはどこかで語られるのかな?坂東家を解雇になった苦境にあっても「看護師にならなきゃ。」と笑顔で明美ちゃんの背中を押していた気丈な母親マツさんはあれからどうなったかな?なんて思いながら視てました。マツさん役の中島ひろ子ちゃんは私が視ている範囲では見かけの数倍タフな女性の役が多いような気がします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 中島ひろ子ちゃん

      僕は映画『櫻の園(1990年版)』でヒロインを演じた中島ひろ子さんがいまだに忘れられません。そう言えば、再放送中の『ごちそうさん』でヒロインを演じている杏さんに注目しはじめたのも、奇しくも映画『櫻の園(2008年版)』でした。

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