坂東本家を追い出される / べっぴんさん 第13話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年10月17日(月)放送
第3週 第13話「とにかく前に」

『べっぴんさん』第3週 第13話 あらすじと見どころ解説

終戦後、神戸の様子を見に行ってたすみれが近江の坂東本家に戻ってきました。すみれは五十八たちに報告します。米軍の空襲によって神戸の街は焦土と化していたこと。そして、坂東の家は焼失しすべてが失われてしまったことを。

大阪の様子を見に行っていたゆりも戻って来ました。ゆりの報告はすみれと五十八を驚かせます。坂東営業部の社屋はすべて焼け、五十八が誰よりも信頼していたゆりの義父・正蔵が大阪の空襲で亡くなったというのです。

一方、坂東本家に疎開していたすみれとゆりは本家の者たちからあからさまに邪魔者扱いされていました。そんな中、本家の長男・肇が復員し、五十八の兄の長太郎がすみれとゆりに告げました。この家から出ていってほしいと。

怒りと悔しさにまかせてこんな家は出てゆくと長太郎に対して啖呵を切るゆり。行くあてもないまま坂東の本家を飛び出したゆりの目に飛び込んできたのは潔の姿でした。潔が復員しゆりのもとに帰って来たのです。

<<前回12話 | 次回14話>>

midokoro
第1週、第2週は時代を次々とスキップさせるスピーディーな展開で一気に物語の中に引き込まれました。

今週は戦後の混乱期からスタート。時代のスキップのスピードは少しゆるやかとなり、これからはじっくりと人間模様が描かれるようです。

『べっぴんさん』第3週 第13話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

終戦前後の時期、本作のモチーフとなっていた人物はどこで何をしていたのか。劇中の登場人物を使いながら史実を解説してみます。

「すみれ」の姉「ゆり」は、戦前に華族と結婚し東京に転居したものの東京の屋敷は空襲で焼かれ、夫の実家がある岡山県に疎開していました。

ちなみに「ゆり」の夫は旧美作勝山藩の藩主の末裔ですが、本作にはこの人物をモチーフにしたキャラクターは登場していません。

一方「すみれ」は、実父が所有している別荘がある軽井沢に一度は疎開するものの、ほどなくして神戸に帰郷。しかし、神戸の自宅を空襲で失い姉を頼って疎開。終戦の日は岡山県で迎えています。

また「すみれ」と「ゆり」の父「五十八」は、終戦前後は京都に疎開しています。

「すみれ」「ゆり」「五十八」の一家が、本家のある近江に疎開したというエピソードは創作ストーリーと思われます。

「すみれ」坂野惇子
「ゆり」佐々木智恵子
「五十八」佐々木八十八

『べっぴんさん』第3週 第13話 観賞後の感想

潔くんの商品調達力

潔くん復員!

しかも彼のこれからの活躍を暗示するかのような復員でした。

子供たちに配っていた大量のチョコレートは米兵からせしめたものに違いない。復員して早々に進駐軍の横流し品(?)を手に入れてしまう物資の調達力、調達方法を突き止めてしまう情報収集力はたいしたものです。

しかも、そのチョコレートを見ず知らずの子供たちに配ってしまう気前の良さ。少年時代から見え始めていた人物の器の大きさは今なお健在です。

ところで潔くんの実在モデルはレナウン初代社長をつとめた尾上清さん。

型破りで破天荒な発想力を持つその一方で情にあつく、父が生涯にわたって仕えた佐々木家(坂東家モデル)への恩義も忘れない。

一切の脚色もせず、あくまで史実に忠実にドラマ化しても十分過ぎるほどドラマチックな人生を送った方です。

そんな尾上清さんをモチーフにして創作されたキャラ・潔くん。今後の劇中での活躍を最も期待しているキャラの一人です。

彼が帰って来てワクワクが止まりません。

【追記】潔くんはどうやってチョコレートを調達したのか?

戦後の闇市で商品の調達をしていた経験を持つ人の手記を読んだことがあります。

まずはじめに不良米兵をつかまえるのだそうです。その不良米兵に、進駐軍専用の店で日本人には入手出来ない食料品などを購入させる。

その不良米兵が買って来た食料品を、元の値段よりも若干高い値段で闇市の商品調達係が買い取る。不良米兵に小遣い稼ぎをさせるわけです。

東京だと、現在の銀座和光が進駐軍に接収され進駐軍ショップになっていたとか。

有楽町や新橋あたりの闇市の商品調達係の者が、銀座和光の建物の前に陣取り不良米兵から商品を調達。調達した商品は、今度は運び屋に渡され闇市の店頭に並んだのだそうです。

潔くんもこんな商品調達ルートを開拓したのかも知れません。

時間のスキップはもう終わり?

第1週の冒頭は戦前の平和だった頃、昭和9年。その週の最後はすでに米英との戦争に突入している昭和17年。

第2週は前週の最後を受ける形で昭和17年にはじまり、終戦を迎えた直後の昭和20年に終わりました。

時代背景も次々にスキップしましたが、ヒロインを取り巻く環境もわずか二週で激変し、目が回りそうなスピーディーな展開でした。

第1週ではヒロイン幼少期の最愛の母親の死。そして女学生になり初恋を体験。

翌週には早々に初恋が破れ、見合い、結納、結婚、妊娠、出産、夫の出征。夫が不在の中での疎開、そして終戦。

二週続けて週の冒頭と最後はまるで様相の異なる時代・環境となっていましたが、今日からはじまる第3週は冒頭も終わりも終戦直後の混乱期。

すみれを取り巻く環境もこれまでの二週ほどには大きな変化はしないようです。

時間のスキップはしばし止まり、今週から一つひとつのエピソードを丹念に見せてくれることになりそうです。

第1週、第2週の視聴率20%割れの原因が早すぎるストーリー展開にあるとするなら、今週からは数値も落ち着いてくるのでしょうか。

<<前回12話 | 次回14話>>

Sponsored Link
Sponsored Link
いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。

icon_mareicon_mareicon_mareicon_mareicon_massanicon_hanakoicon_umechicon_umechicon_umechicon_itokoicon_umechicom

関連記事

9 Responses to “坂東本家を追い出される / べっぴんさん 第13話”

  1. まつも より:

    あの豪華な神戸のお屋敷も楽しみのひとつだったので
    出番がなくなってしまってひそかに残念です。。

    本家の方たちの意地悪は苦しかったですが
    「出て行ってほしい」と言わざるを得ない苦しさも
    三倉さんの必死な表情や
    本田さんの挙動不審なしぐさから
    (言いにくいことを自分が言わなくてはという気持ち)
    なんとなく伝わるものがありました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 言いにくいことを自分が言わなくては

      深い洞察ですね!何故あんなにソワソワして落ち着かなかったのか、これでやっとわかりました。追い出さないと自分たちも苦しい。でも追い出すのも苦しい。それがあのソワソワだったんですね。

  2. たこやき より:

    こんにちは。べっぴんさんも録画を中心に欠かさず観ています。
    すみれちゃんのおとうさんが、奥さまや部下の野上さんを立てるのを少し不思議に感じていましたが、ご実家との不仲も原因みたいで、腑に落ちました。


    ところで、いつもの朝ドラではヒロイン役をしそうなゆりちゃんが脇役。ヒロインを取り巻く人々でいそうなすみれちゃんが主役。
    いつもはヒロインと自分とを比べて「こんなにハキハキできないし」「こんなに強い意思を持ってないし」と、キラキラしていない自分と比べてさみしく感じていました。
    でも、(セレブっぷりは似ていませんが)どこか一歩前に出ることの出来ないすみれちゃんに親近感を持ちます。応援したくなるヒロインです。

    それにしても、近江勢は豪華な配役ですね!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > すみれちゃんに親近感

      今回、長太郎さんから出て行ってくれと言われても何も言い返せないあたり、これまでのヒロインとずいぶん違うなと思いました。この点でこれから共感を集めるかも知れませんね。

  3. さや より:

    名倉さん、亡くなってしまったんですね(。´Д⊂) でも、高良健吾さんが帰ってきてくれてよかった(^^) 後は永山絢斗さんが帰ってきてくれたら嬉しい(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 永山絢斗さん

      彼が帰って来た後しばらくは泣かされる展開になりそうですよ(涙)

  4. きゅうぽん より:

    べっぴんさん、毎回楽しみにしていますが、とと姉ちゃん等で戦時中の事は色々やられたからか、あっさりと流されましたが、

    近江の人間が意地悪してとか、近江の人間は傲慢とか悪いイメージばかりで色々書かれてしまうのはドラマの中としてと分かっていても、悪者にされて見るのが辛いです。それで県民が悪く思われたら切ないです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 悪者にされて見るのが辛いです

      後になって、このあたりのことを五十八さんがキレイに回収してくれるみたいですよ。

      • きゅうぽん より:

        そうなんですか!期待したいです。
        よく怪演の多い本田さんの関西弁はこれは本当にツッコミを入れたいのですが(意地悪(笑))、もみじさんとかの演技が昼ドラばりで、近江が近江がとセリフもあったので切なかったのですが、期待して楽しみたいです。

コメントを残す

サブコンテンツ

ページトップへ