五十八が説く商売の基本 / べっぴんさん 第29話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月4日(金)放送
第5週 第29話「お父様の背中」

『べっぴんさん』第5週 第29話 あらすじと見どころ解説

潔が闇市の場所代を払ったことが、ゆりにはどうしても納得が出来ませんでした。そんなゆりに五十八が言いました。文句があるのなら、自分で決着を付けよ。自分で話をつけて来いと。潔の静止を振り切り、ゆりは根本に抗議するものの反対に恫喝されてしまいます。

ショックを受けて家に戻ってきたゆりに、商売は理不尽なことの連続だと五十八は説きました。潔はゆりを励ましました。しかし、ゆりは潔の言葉を受け入れずに言い返します。自分と潔は同士などではなかったと。

一方で五十八は、潔が取り扱う商品が粗悪なことが気になっていました。潔は坂東営業部を復活させようと焦るあまり粗悪品の薄利多売を続けていたのです。五十八は潔を諭しました。焦ってはならない。顧客からの信頼を得ることが商売の基本なのだと。

そんな中みれたちは、仕上げたテーブルクロスのデザインをランディ大佐夫妻に披露。ランディ大佐の家を出たその時、君枝は庭先に立つ男の姿を見て言葉を失いました。君枝の夫・昭一が戦地から帰って来たのです。

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midokoro
今週のサブタイトルにもなっている「お父様の背中」が大きく見える場面が描かれます。

坂東営業部を一日も早く復活させたいと焦りに焦る潔を五十八が諭します。商売に焦りは禁物だと。

目先の利益よりも将来の信頼を勝ち得よと説く五十八に、潔はどのような反応を示すのでしょうか。

『べっぴんさん』第5週 第29話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

闇市を拠点にして、粗悪品の薄利多売によって稼ぎ出した利益を積み上げて坂東営業部の復活を目指す潔。その潔に焦るなと諭す五十八。

実は劇中で物語られる坂東営業部の再興のエピソードは史実とは大きく異なります。その異なる点を劇中登場人物名・社名を使いながらまとめてみます。

・史実では「坂東営業部」の系列会社の一社を「潔」が戦後になってテコ入れをはかり再建を成し遂げました。闇市からの復活ではありません。

・「五十八」には長男がいました。「坂東営業部」を再建させた「潔」は、「五十八」の長男が「坂東営業部」の社長に就任することが望みでした。しかし長男は固辞しました。

・「五十八」の長男に「坂東営業部」の社長就任を断られた「潔」は自ら社長に。しかし、その頃「坂東営業部」に「紀夫」が入社。「潔」は「紀夫」を将来の社長にしようと帝王学の伝授を始めます。

以上、これがリアルの「坂東営業部」復活前後のエピソードです。

『べっぴんさん』第5週 第29話 観賞後の感想

今回のレビューは僕の大好きな五十八さん一色になってしまいました。

五十八お父様の背中

「理屈に合わないこととどう対峙するか」

五十八さんのさりげないたった一言から、五十八さんがこれまで対峙してきた理屈に合わないことの数々、そしてそれらを乗り越えた経験の重さが伝わってきました。

五十八さんにとっての最大の理屈に合わない経験と言えば、やはり自分の力で開拓した得意先のすべてを、本家を守るという大義名分をふりかざされ長兄の長太郎さんに譲り渡すことを余儀なくされた時のことでしょうか。

いくら本家を守るためとは言え、坂東本家の商売が傾いたことについて五十八さんには非は一切ないはずです。

そもそも得意客に対して愛想の一つも言えなさそうな長兄が本家の凋落を招いてしまったことは想像に難くありません。

長兄の商売下手が坂東本家の屋台骨を揺るがせてしまったにも関わらず、長兄は自力で挽回する努力をしないばかりか「本家」の大義名分だけで五十八さんの得意客を奪い取る。

五十八さんにすればこれほど理屈に合わない話はない。

まだ若かった五十八さんのこと。得意先を譲れと頭ごなしに言われて苦悩に苦悩を重ねたはず。もしかすると今回のゆりちゃんのように激しく反発したかも知れません。

その時、五十八さんを導いた人物がいたのか。それとも自分ひとりで熟考を重ね、目の前の理屈に合わないこととどう対峙するのかを考え抜いたのか。

確かなことはわかりませんが、五十八さんは理屈に合わないことを受け入れるという対峙のしかたを選びました。

しかしそれは苦渋の決断だったのでしょう。

長兄の得意先のすべてを譲り渡し、本家を出て行く若き日の五十八さんの回想場面がこれまで劇中で一度だけ描かれましたが、あの時の失意に満ちた五十八さんの姿は今もって忘れることが出来ません。

今回の劇中の中で五十八さんは続けて言いました。

「打開策が見つけることが出来るかどうかで変わる」

理屈に合わないからといくら反発したところで、その理屈に合わないことが解決されるわけではない。それならば、理屈に合わないことと真正面から対峙し、解決策を見出す努力をしたほうがより早く道は開ける。

本家から得意先を譲るように強いられた時、五十八さんはこんな風に考えたのでしょうか。

そして五十八さんは実際に打開策を見つけました。その打開策はその後に坂東営業部として実を結ぶことになりました。

理屈に合わないことに対していたずらに反発するのでなく真正面から対峙し、その中から打開策を見出すことが出来た五十八さんだからこそ、説得力のある言葉でした。

ところで、打開策の結実した坂東営業部を理屈に合わない戦争によって失ってしまった五十八さん。この理屈に合わないことに対しても対峙し、打開策を見出すのでしょうか。

五十八さんの今後の活躍が今の僕の中では最も気になるポイントです。

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4 Responses to “五十八が説く商売の基本 / べっぴんさん 第29話”

  1. もんすけ より:

    パッチワークのデザインを褒められ、素直に喜ぶ君枝ちゃんの笑顔。
    依頼人からの感謝の言葉を通訳しながら、仲間と一緒に作り上げている喜びを感じている明美ちゃんの笑顔。
    五十八お父さんから諭され、ようやく妹を気遣う余裕をも取り戻したゆりちゃんのほんのりとした笑顔。
    姉から頑張っていると、久々に褒められて喜ぶすみれちゃんの笑顔。

    笑顔、いろいろ…。
    それぞれの置かれている事情が違うからこそのすれ違い。その隙間を埋めるかのような笑顔の数々が、パッと散り咲く桜のように切なく感じられる回でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > パッと散り咲く桜のよう

      それぞれの笑顔のその裏側にはそれぞれの事情があり、それぞれの事情の中での束の間の笑顔が本当に切ないです。

      でも、君枝ちゃんだけは切ない笑顔のその直後に大きな「事情」が解決されましたね。

  2. よるは去った より:

    五十八「保証をつける。そして信用を得る・・・・・急がば回れ・・・・・それが商売のいや、人生の基本や。」どんな苦境でも「信用」は大事にしろという姿勢は流石は坂東営業部を一代で大きくした人は違いますな。「蛇の道は蛇」とも言いますからね。「今日は失礼します。」「打開策を見つけることや。」 五十八お父様が闇市の元締めの根本氏をあのままにしておくとは思えませんね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 闇市の元締めの根本氏をあのまま

      根本氏も、従えている子分たちとは対照的にとても風格のある人物なので、五十八お父様とどこかで分かり合えるかも知れないですね。

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