五十八が闇市の親分説得 / べっぴんさん 第30話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月5日(土)放送
第5週 第30話「お父様の背中」

『べっぴんさん』第5週 第30話 あらすじと見どころ解説

ある日、五十八はすみれやゆり、潔たちを連れて闇市に足を運びました。五十八が向かった先は闇市を牛耳っている根本たちのもとでした。五十八は根本たちに言い負かされたままでいることが勘弁ならなかったのです。

五十八は親分の根本に言いました。弱い者いじめを続けても日本の未来のためにならない。たとえ今は未来が見えなくても何かを信じて生きてゆかねばならない。そして信じるものとは自分でつくるものなのだと。

五十八は続けます。女性が安心して買い物が出来る商店街をつくるのは根本なのだと。根本と対峙する五十八にすみれは感激しました。終戦以来、意気消沈していた五十八が昔の姿を取り戻したようにすみれの眼には映ったのです。

その数日後、良子に辞められてしまったすみれは、仕事を遅らせまいと早朝から仕事に励んでいました。そんな中、夫の昭一が戦地から戻ったばかりの君枝の言葉に、すみれは言葉を失います。君枝も店を辞めると言い出したのです。

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midokoro
今週の中で「お父様の背中」が最も輝く場面、今週の最大の見どころが描かれます。

五十八は闇市を取り仕切るボスの根本を真正面から説得。五十八は根本を改心させることが出来るのでしょうか。

一方、良子に続いて君枝も店を辞めてしまうことに。すみれがいよいよピンチです。

『べっぴんさん』第5週 第30話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

史実では「潔」に当たる人物は闇市では商売しておらず、よって今回の『べっぴんさん』の中で描かれたエピソードのほとんどは創作です。

五十八が闇市の親分を諭したというのももちろん創作ですが、劇中での描写同様、五十八の実在モチーフとなった人物・佐々木八十八氏は人格者として人から慕われる人物でした。

佐々木八十八氏が人格者であることを物語るエピソードは枚挙にいとまがないほどですが、そのうちのいくつかをご紹介します。

・八十八氏は家の使用人たちを家族のように大切にしました。とりわけ女中たちは娘と一緒に振袖の着物を着せていたという逸話が残されています。

・当時の富裕層の人々には職人を見下す者も少なくなかった中、八十八氏は家に出入りする商人や職人も大切にしました。そのため、劇中に登場する靴職人・浅田のモデルとなった人物は八十八氏への恩を生涯忘れはしませんでした。

・佐々木営業部でも社員たちを心から信頼して仕事を任せ、そのため社員たちも八十八氏の期待に応えようと熱心に働きました。

『べっぴんさん』第5週 第30話 観賞後の感想

【祝】五十八お父様の背中の威光が復活

コワモテの根本親分にいささかもひるむことなく五十八お父様は言いました。

未来が見えなくても何かを信じて生きなあかん。そしてその「何か」とは自分でつくるものなのだと。

根本の親分も時代の被害者だったようです。戦争ですべてを失い未来の見通しも立たず破れかぶれになっていたことが言葉の端々から伝わってきます。

その根本の親分に対峙した五十八お父様も、破れかぶれになってこそいませんが家も会社も失い、その上、右腕の正蔵さんまでも亡くし、しばらく前まで意気消沈していました。

また、若い頃は血のにじむような思いをして開拓した得意先を取り上げられ一寸先は闇。未来の見通しが全く立たない状況にも突き落とされた経験もしています。

だからこそ根本の親分の破れかぶれになる気持ちがわかったのかも知れません。

そしてその気持ちがわかったからこそ、根本の親分の心を動かすような言葉が口に出たのだと思います。

五十八お父様が「何か」とは自分でつくるものなのだと言ったその時、根本の親分の表情が往年のウルトラマン(ジャック)の顔になったのを僕は見逃しませんでした(笑)

そして、ウルトラマン復活の瞬間はまた五十八お父さんの復活の瞬間でもありました。

五十八お父様の復活を察した忠さんが感激のあまり「旦那さま!」と叫ぶ場面では、忠さんの喜びと僕の喜びが一つになり不覚にも涙腺が危ういことになりました。

すみれちゃんもまた五十八お父様の失意のどん底にあった心の再生を感じていました。

すべてを失い夫も帰らぬ中で、最愛の娘のすみれちゃんが「何か」をつくる姿は五十八お父様の心の中に「何か」の種をまいたのかも知れません。

一方で夫もすでに戦地から戻り、すみれちゃんほどには食べて行くには困っていないはずのゆりちゃんが「何か」が自分のもとにはやって来ないと不満を募らせる姿は、五十八お父様にとっての反面教師のように作用したのでしょうか。

最愛の娘が商売を始めたと知って居ても立っても居られなくなって神戸に戻って来た五十八お父様は、その帰還がきっかけとなって「何か」を見つけることが出来ました。

五十八お父様が根本の親分に言った「何か」とは自分でつくるものなのだという言葉は、根本の親分だけでなく自分に言い聞かせた言葉・・・と考えるのはうがち過ぎでしょうか。

五十八お父様の背中の輝きがついに復活しました。

君ちゃん大丈夫よ

後ろ髪を引かれる思いで店を去って行く君枝ちゃんの姿が切ない。商店街の角を曲がる時、すみれちゃんたちを振り返った時の悲しい後ろ姿はしばらく忘れられそうもありません。

夫の昭一さんが君枝ちゃんの顔色がいいことを指摘していましたが、それはすみれちゃんとの仕事で再び希望を見出すことが出来たからでしょう。

夫は戻って来たけれど希望は失ってしまった上に、迷惑をかけて申し訳ないと思う君枝ちゃんの胸の内をすみれちゃんも痛いほどわかってくれたのでしょうか。

「君ちゃん大丈夫よ」

君枝ちゃんにかけたすみれちゃんの一言に心がこもり過ぎていて泣かされました。

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4 Responses to “五十八が闇市の親分説得 / べっぴんさん 第30話”

  1. 流離人 より:

    根本氏、MAT隊員郷秀樹の面影が残っていました。きっと改心するシナリオです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > MAT隊員郷秀樹

      五十八お父様があなたがリーダーだ!と言った時の根本親分の神妙な表情。ヒーローの面影に鳥肌が立ちました。

  2. よるは去った より:

    五十八お父様と元締めの根本氏の闇市で対面するシーンは「西部劇」を思わせる演出でしたね。五十八「仕切り方間違っているのと違いますか・・・・・。」以降の台詞は流石は坂東営業部を一代で大きくした人は数十年先まで見ているんだなあという感に打たれました。根本氏の心にはどう響いたかですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 闇市で対面するシーン

      僕は黒澤明監督の『用心棒』で三船敏郎と仲代達矢が対峙する場面を思い出していました。

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