店に復帰した君枝が入院 / べっぴんさん 第32話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月8日(火)放送
第6週 第32話「笑顔をもう一度」

『べっぴんさん』第6週 第32話 あらすじと見どころ解説

すみれたちと働いていたことを昭一に問われた君枝は、すべてを白状した上で昭一に頼み込みました。ベビーショップあさやで働かせてほしいと。昭一は君枝の懇願を受け入れ、君枝は再びすみれたちと働けることになりました。

君枝は昭一との馴れ初めをすみれと明美に語りました。君枝と昭一は恋愛結婚でした。病気がちだった君枝との結婚に昭一の身内は全員が反対していたものの、昭一は自ら説得してまわり君枝と結婚したのです。

昭一に大事にされる君枝がまぶしく見えるすみれ。明美もうらやましいと思わずにはいられません。一方、不足しがちな商品を補充しようと根を詰めて働いていた君枝が過労で倒れてしまい、入院することになりました。

すみれと明美が入院している君枝を見舞いました。君枝は二人に自分の気持ちを打ち明けます。生きる希望をくれたすみれには感謝している。しかし自分は昭一にも感謝している。昭一と再び話し合い自分は店を辞めることに決めた。もう店には戻らないと。

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君枝の望むことをすべて受け入れる妻想いの昭一は、君枝のたっての希望であるすみれと一緒に働くことを認めました。

しかし昭一の心配していたことが起こってしまいます。君枝が倒れたのです。

『べっぴんさん』第6週 第32話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

リアルでも「君枝」が働くことに「昭一」は反対でした。では「君枝」はどのようにして「昭一」から働くことを認めてもらえたのでしょうか。

以下、「君枝」と「昭一」の名を使ってまとめてみます。

・病弱な「君枝」が働くなど許さない。「君枝」の主治医の言葉を聞かされた「昭一」は妻の「君枝」が働くことに異を唱えます。

・しかし「君枝」に思いがけない援軍が登場します。「君枝」の父です。

・「君枝」の父は「君枝」が働くことに賛成します。女性も仕事を持つ時代になった。無理さえしなければ働くことは差し支えないだろうというのが「君枝」の父の意見でした。

・義理の父にそうまで言われてしまっては「昭一」としてもそれ以上反対するわけにはゆきません。かくして「君枝」は働くことが許されるのでした。

『べっぴんさん』第6週 第32話 観賞後の感想

明美ちゃんの心の変化

パッと見は君枝ちゃんが主役に見える回でしたが、実は明美ちゃんの心の中の大きな変化が静かに、しかし深く描かれた回だったと思います。

協力を申し出てもそれをキッパリ拒んだ明美ちゃんのことが、君枝ちゃんは怖かったのでしょうか。店に戻ってきた君枝ちゃんは真っ先に明美ちゃんに同意を求めました。再び一緒に働きたいと。

君枝ちゃんが協力したいと申し出た時は、すみれちゃんの意向を完全に無視して君枝ちゃんを追い出してしまった明美ちゃんでした。

しかし今回、店で再び働きたいと同意を求める君枝ちゃんに対して、明美ちゃんは自分の考えは告げず、すみれちゃんに意見を求める。

明美ちゃんの中のすみれちゃんに対する評価が完全に変わったようです。

そして、君枝ちゃんの「のろけ」を聞かされて思わず「うらやましいわ」と本音を漏らしてしまう明美ちゃん。

この明美ちゃんのまさかの一言に、すみれちゃんも驚き、麻田さんも激しく反応していましたが、これには僕も驚かされました。

君枝ちゃんの幸福を明美ちゃんが素直に受け止めた瞬間でした。

そして今回の最後。過労で倒れ、再び店を辞めると宣言した君枝ちゃんに対して明美ちゃんが言った言葉が優しい。

「これでええの?」

厳しく聞こえる明美ちゃんの言葉ですが、協力を申し出た君枝ちゃんを追い返した時の明美ちゃんは君枝ちゃんの辛い気持ちまで察していませんでした。

しかし今度は君枝ちゃんの辛い気持ちを察した上で、君枝ちゃんが希望を見失わないで欲しいと願う心から出た言葉です。

ベビーショップあさやの「四葉のクローバー」が勢いだけで集まったため、あっという間に散ってしまいました。

しかし、今回少しづつ四人のうちの三人の心が通い合ってきたのが嬉しい。

そして心を通い合わせる繊細な描写が心に沁みる回でした。

「君枝ちゃん」の実在モデル

君枝ちゃんが自らの生い立ちや馴れ初めを口にしました。

ところで君枝ちゃんが未熟児として生まれたと語ったのは君枝ちゃんの実在モデル・村井ミヨ子さんの史実を参考にしてつくられた設定です。

君枝ちゃんが自ら語った出生時の話のモチーフとなった史実、そして結婚までの経緯を今回はまとめみます。文中の名前は理解しやすいよう「君枝ちゃん」で通します。

海外で過ごした「君枝ちゃん」の幼少期
現在再放送中の朝ドラ『ごちそうさん』。大正12年3月から4月頃が今週放送分の時代背景ですが「君枝ちゃん」が生まれたのはちょうどその頃、大正12年(1923年)3月4日です。

東京で生まれた「君枝ちゃん」は、劇中で語られた通り未熟児でした。そして出産時はへその緒が首に巻き付いていたため仮死状態だったと記録に残されています。

「君枝ちゃん」が生まれた時、日綿実業(現在の双日)東京支店長だった「君枝ちゃん」の父親は「君枝ちゃん」が1歳の頃にビルマ(現在のミャンマー)に赴任。その数年後にはインドにも駐在しています。

父親の赴任先の移動に伴い「君枝ちゃん」はビルマ、そしてインドで幼少期を過ごし、就学年齢となったのを機に母親とともに帰国。

帰国後に住むことになったのは生まれた東京ではなく、兵庫県芦屋市でした。

「君枝ちゃん」が日本に帰国
帰国した「君枝ちゃん」は芦屋市立精道小学校に入学。この頃もまだ「君枝ちゃん」は身体が弱く入退院を繰り返していたようで、この点も劇中で説明された通りです。

ただし入院中のリトル「君枝ちゃん」は、病院で将来の夫とは出会っていません。劇中で語られた馴れ初めはフィクションです。

さて、「君枝ちゃん」芦屋市立精道小学校卒業後、キリスト教系の松蔭高等女学校(現在の松蔭女子学院)に入学。

「君枝ちゃん」と「すみれちゃん」が女学校時代に同級生という設定もフィクションです。

松蔭高等女学校、松蔭専攻科を経て「君枝ちゃん」は様々な習い事を開始。フランス帰りの女性が開くアトリエで洋裁を学び始めた「君枝ちゃん」は、自宅とアトリエの行き帰りの中で当時すでに結婚していた「すみれちゃん」「紀夫くん」夫妻と遭遇。

昭和16年(1941年)、日本が米英との戦争に突入する直前のことでした。

「君枝ちゃん」の結婚
昭和19年(1944年)。戦局が日に日に悪化する中で「君枝ちゃん」は結婚。

劇中では恋愛結婚したという設定になっている「君枝ちゃん」でしたが、史実では見合い結婚でした。

相手は『ごちそうさん』の舞台にもなっている大阪船場にある旧家の息子。

『ごちそうさん』でも、洋食屋で生まれ育ったヒロインが大阪船場の旧家のしきたりに馴染めない様子が描かれていましたが、西洋風の生活様式の中で育った「君枝ちゃん」もまた、大阪船場の旧家のしきたりに馴染むまで苦労を重ねたそうです。

ところで「君枝ちゃん」が大正12年(1923年)生まれなのに対して「君枝ちゃん」の夫は明治43年(1910年)生まれで「君枝ちゃん」より13歳年上でした。

縁談が持ち上がった時、「君枝ちゃん」は年の差婚を拒んだそうですが、この年の差婚のエピソードは劇中では良子ちゃんに設定されています。

ただし結婚後も身体が弱かった「君枝ちゃん」が働くことを夫が反対したというのは、史実の通りです。

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4 Responses to “店に復帰した君枝が入院 / べっぴんさん 第32話”

  1. もんすけ より:

    「一緒にやろうとすみれちゃんが言ってくれて、本当に嬉しかった」
    涙浮かべながらの君枝ちゃんの言葉。
    この言葉は、明美ちゃんの心の言葉でもあったようにも。

    へその緒が首に巻きついて生まれてきた君枝ちゃんのような赤ちゃんを、看護婦時代の明美ちゃんは看護したことがあったのではないでしょうか。その都度、心を込めた看護をしてきたであろう明美ちゃんだったからこそ、(大変な条件で生まれてきた子供たちも、立派に大きくなることができる)という経験値もあったでしょうし、「看護士魂」なる信念もあったのではないかと。
    「うらやましい…」。君枝ちゃんと旦那さんをうらやましがる明美ちゃんの変化に、麻田さんが嬉しそうな表情。その明美ちゃんの心の解放が君枝ちゃんの状況を救って…くれるの…ですね! 朝蔵さん?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 明美ちゃんの心の解放が君枝ちゃんの状況を救って

      心が通い合わないまま集まったため一度は散った四葉のクローバー。散ってから少しづつ心が通い合う描写が素敵でした。そんな中で明美ちゃんの変化がひときわまぶしい。その明美ちゃんの変化が君枝ちゃんに再び希望を与えてくれることになりそうですね。

      今朝、私用で慌ただしく落ち着いて観ることが出来なかったので夜のBSでの鑑賞後、感想を追記しました。

  2. よるは去った より:

    おそらくは初めて語られたに違いない、君枝ちゃんの出生時の事情と現在への想い。明美「ええの・・・・・本当にそれでええの・・・・・。」 以前に比べて明美ちゃんも仲間意識が高まっていればこその言葉でしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 仲間意識

      明美ちゃんの「お嬢さま方」への感情。すでにすみれちゃんは一目置き、君枝ちゃんのことも真剣に考え始めたみたいですね。残るは一人。

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