深い人間不信に陥る紀夫 / べっぴんさん 第44話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月22日(火)放送
第8週 第44話「止まったままの時計」

『べっぴんさん』第8週 第44話 あらすじと見どころ解説

すみれたちはこれまで間借りしていた麻田の店を出て、新しい店で開業する準備をはじめました。靴屋の店先に設置されていたベビーショップあさやの看板を下ろす麻田は、涙ぐみながらすみれたちの新しい門出を祝福します。

一方、近江の坂東本家で暮らしはじめたゆりは、長太郎から紹介された業者とともに麻布を潔のいる大阪に向けて出荷する作業を開始。不慣れな接待で客を怒らせるなどの失敗を積み重ねながらも、自分を変えようと努力していました。

そんな中、坂東営業部への復帰を拒んだ紀夫は職探しを始めました。しかし周囲の環境の変化について行けない紀夫は困惑していました。昭一や勝二が自分たちも変わらなければならないと語る言葉を聞かされても、紀夫の心には響いてきません。

紀夫は別人のようだと嘆くすみれに紀夫は言いました。収容所では友と信じていた者の裏切りが当たり前だった。だから別人にならない方が不思議なくらいだ。自分は他人を安易に信じたりはしない。そんな他人から自分はすみれとさくらを守るつもりだと。

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終戦後間もなくのタイミングでしょうか。紀夫は極寒の収容所に入れられていました。そこでは友と信じていた者の裏切りが日常茶飯事でした。

そしてそんな過酷な環境下での体験が、紀夫を別人のように変えてしまったのです。

復員後、紀夫は環境に激変に戸惑いを見せていましたが、そんな紀夫があまりにも変わってしまったことにすみれも困惑を隠せません。

『べっぴんさん』第8週 第44話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

『べっぴんさん』劇中で、終戦後の紀夫は凄惨な体験を積んで来たという設定になっていますが、紀夫の実在モデル・坂野通夫さんは、実際にはドラマとは正反対の環境に置かれていたようです。

戦時下、坂野通夫さんは戦地への出征でなく、勤務していた会社の社員として海軍の嘱託の立場でインドネシア・ジャカルタに派遣されていました。

ジャカルタへの派遣が決まった直後、坂野通夫さんのもとに陸軍からの赤紙が到着。

もし、ジャカルタ派遣決定よりも前のタイミングで赤紙が到着していれば、坂野通夫さんは戦地に出征することになり、戦後に生きて帰ることが出来なかったのではないかと言われています。

終戦後、坂野通夫さんは英語と現地語に堪能だったことから、イギリス軍の連絡将校に抜擢されジャカルタで日本軍の捕虜となっていたオランダ人の引き揚げ業務に尽力。

ほとんどの日本軍復員兵たちがみずぼらしい姿で帰って来る中、坂野通夫さんだけはオランダ軍将校の軍服を身にまとい、颯爽とした姿で帰国したと伝えられています。

『べっぴんさん』第8週 第44話 観賞後の感想

長太郎さんのファンになりそう

終戦以来の長いトンネルをやっと抜けたかに見えたゆりちゃんが、またしても迎えた受難の日々。ゆりちゃん、ヒロイン級の試練が続きます。

坂東本家の三人の女性たちがなかなか手ごわい。そんな中、とても意外だったのが長太郎さんの優しさと寛大さです。

ぎこちないながらも荒っぽそうな男たちを使うゆりちゃん。そのゆりちゃんの姿をずっと見守ってくれている長太郎さんの眼差しが優しい。

そして坂東本家での接待の席。

今で言う「セクハラ」に抗議したゆりちゃんに、トク子さんはご立腹。

泥水をすすらなければならない時がある。しかし、泥水は自分次第で湧き水にできる。そのことがわからんかっていい。

トク子さん、いいこと言うなと感心していたら最後にまさかの一言が加わる。

「わからんかったら帰りなさい!」

トク子さん、なかなか手厳しい。

でも、怒り心頭のトク子さんをなだめつつ、ゆりちゃんを一切咎め立てしない長太郎さん、こんなに大きな人物だったのかとビックリです。

ゆりちゃんが騒ぎを起こした宴の席でも、長太郎さんのことだからどんな文句を言うのかと身構えていたら、驚くことに小言一つ言いませんでした。

うがった見方をすれば、身内へのこの寛大さが客離れを招き、一時は坂東本家を傾けてしまった一因になったのかも知れません。

しかし、今回で長太郎さんを見る目が完全に変わりました。長太郎さんのファンになりそうです。五十八さんと兄弟なのも納得できる人物だと思います。

すみれちゃんも受難の日々

前週までは戻らぬ紀夫くんへの寂しさを募らせていつも憂いを帯びた表情を浮かべていたすみれちゃんが、今週は戻ってきた紀夫くんのことで悩み暗い顔をする。

ゆりちゃんだけでなく、すみれちゃんも新たな受難の日々が始まりました。

しかもゆりちゃんの受難と比べてすみれちゃんの受難はやっかいです。

何故ならゆりちゃんの受難は自分が変われば乗り越えられる性質のものです。しかし、すみれちゃんの受難は自分が変わったところで他人は簡単には変わりません。

自分は変われても他人を変えるのは難しい。

そして今のところ、紀夫くんに自分を変えようという意思は感じられません。と言うか意思だけで変われるような状態ではないのかも知れません。

心の傷があまりにも深すぎるようです。

紀夫くんの心の闇が癒され、すみれちゃんの屈託のない明るい笑顔を見ることが出来るのはいつの日になるのでしょうか。

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4 Responses to “深い人間不信に陥る紀夫 / べっぴんさん 第44話”

  1. よるは去った より:

    今週は紀夫君だけでなくゆりちゃんにとっても新たな戦いの週になりそうですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 新たな戦い

      ようやく明るさを取り戻したゆりちゃんですが、一難去ってまた一難。でも今度は乗り切れるかな。

  2. まーちゃん より:

    お久しぶりです^^

    昨日の紀夫君が物理的に閉じこもってしまう場面にはショックを受けました。幼児じゃあるまいし大人気ない(汗)と思いながらもトラウマもあり文字通りに壁を作ってしまう紀夫君の姿勢がこれからどう変化していくのか注目したいですね。

    永山絢人さんは映画「ふがいない僕は空を見た」からずっと見てきてイマイチ特徴のない俳優さんだなという印象だったのですがこの紀夫君役は今までで一番ハマっているかもと思っています。妙にイノセントな感じが永山さんにはあるのですね。新しい発見です。お兄さんの瑛太さんとは違った魅力をこれから発揮していって欲しいです。ドラマの進展とともに期待しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。お久しぶりです!

      > 一番ハマっている

      僕も『悪人』と『藁の楯』を観ましたが印象に残るようなインパクトに欠けていました。しかし紀夫くん役は本当にハマり役ですね。

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