仕事を辞めろと言う紀夫 / べっぴんさん 第46話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月24日(木)放送
第8週 第46話「止まったままの時計」

『べっぴんさん』第8週 第46話 あらすじと見どころ解説

坂東営業部は戦前からのブランド「オライオン」の復活お披露目としてファッションショーを催すことになりました。ゆりはファッションショーで披露する洋服の縫製をキアリスの面々に依頼し、四人はゆりの頼みを快諾しました。

一方、紀夫はいまだに仕事を見つけることが出来ていませんでした。そんな紀夫を五十八が一喝しました。家督を譲るために紀夫を婿にとったのだ。自分が近江に引っ込むのは紀夫に坂東家の当主を託すことを意味するのだと。

五十八に背中を押され、紀夫はようやく坂東営業部に戻る決意を固めました。しかし、坂東営業部で勤めはじめた紀夫の言葉がすみれを驚かせました。ファッションショーが終わったらキアリスでの仕事を辞めてくれと紀夫が言うのです。

仕事を辞めろと言われ思い詰めるすみれに栄輔が告げました。紀夫が仕事を辞めろというのはすみれにとって仕事がどれほどの価値を持つものなのかがわかっていないからだ。自分の言葉で仕事への想いを紀夫に伝える努力をすべきだと。

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坂東営業部に自分の居場所を見いだせず、潔に請われても坂東営業部への復帰を拒んでいた紀夫でしたが、五十八に一喝されようやく復帰の決意を固めます。

紀夫の坂東営業部復帰問題はこれで解決したものの、別の問題の勃発です。

紀夫がすみれに求めたのです。キアリスで働くことを辞めることを。

『べっぴんさん』第8週 第46話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

紀夫は五十八に一喝されて坂東営業部に戻る決意を固めますが、史実では別の理由によって「紀夫」は「坂東営業部」に入社しています。

劇中の名称を用いて解説します。

「紀夫」は戦前から勤めていた大阪商船の社員の立場を保ったまま海軍嘱託としてジャカルタに派遣されていたため、帰国後も大阪商船の社員のままでした。

ところで「紀夫」が大阪商船に就職した理由。それは海外勤務に憧れていたからです。

しかし終戦直後、大阪商船は会社の財産である船舶のほとんどを失っていたこともあり、「紀夫」の希望は見果てぬ夢となっていました。

そんな「紀夫」を「潔」が「坂東営業部」に誘います。

戦時中、総合商社・江商に吸収合併され消滅していた「坂東営業部」を「潔」は戦後間もなく復活させました。

まさにそのタイミングで「潔」は「紀夫」を「坂東営業部」に誘ったのです。

尚、「潔」は「五十八」の長男を「坂東営業部」の社長に担ぎ出すつもりでしたが、「五十八」の長男はその話を固辞。

「潔」は「坂東営業部」の社長に就任し「紀夫」への帝王学の伝授を開始しました。

『べっぴんさん』第8週 第46話 観賞後の感想

はなさんのナレーションにもあった「何のために仕事をするのでしょうか」ということが今回のお題でしょうか。

ゆりちゃんにとっての仕事

結婚前、大学を卒業したら坂東営業部を継ぎたいと力説していた頃のゆりちゃんがついに戻ってきました。

五十八さんの右腕として経営まで任されたいた正蔵さんに、自分の力量を見て欲しいと食い下がっていたあの頃のゆりちゃんの想いは口先だけのものではなく本物だったのだと、今回のゆりちゃんを見てつくづく思いました。

自分の居場所を見つけるかどうかで人生は変わると五十八さんは言いました。

ゆりちゃんの居場所は坂東営業部、そして坂東営業部の仕事です。

「何のために仕事をするのでしょうか」

ゆりちゃんにとっての仕事はわかりやす過ぎるくらいわかりやすい。自分の居場所を見出すために仕事をしているのでしょう。

では、ゆりちゃんにとっての居場所とは?

自分が誰かに必要とされている。誰かの役に立っていると実感出来る場所がゆりちゃんにとっての居場所=仕事なのでしょう。

潔くんと石鍋さんの交渉がまとまったのもゆりちゃんあってのことでした。潔くんに必要とされる居場所をゆりちゃんは見つけたようです。

良子ちゃんにとっての仕事

ゆりちゃんからファッションショーの話を聞かされ夢中になる良子ちゃんが可愛い。

これまでの良子ちゃんはどちらかと言えば、君枝ちゃんや明美ちゃんに引っ張られる形ですみれちゃんの仕事を手伝ってきた。そんな感じが否めません。

昭一くんや琴子さんを口説いてまで仕事をしたかった君枝ちゃん。

明美ちゃんも、すみれちゃんの手伝いを始めた頃は看護婦だったので、食べるのに困っている状況ではなかった。にもかかわらずすみれちゃんの仕事を手伝うと決めたのは、食べてゆくための価値以上のものを仕事に見出したからでしょう。

一方、君枝ちゃんと明美ちゃんがすみれちゃんを手伝うから自分も手伝う。良子ちゃんの仕事の動機はそのくらいだったと言うのは言い過ぎでしょうか。

しかし、今回のファッションショーの洋服の縫製は他の三人に率先して引き受けたいと良子ちゃんが言い出しました。

そしてその動機は、サマードレスの型紙をつくれば勉強になる。自分の世界がより広がることへの憧れでした。

良子ちゃんにとっての仕事は夢そのものみたいです。

麻田さんにとっての仕事

久しぶりに靴の注文を受け嬉々とした様子で靴を編み上げる麻田さんの、ミシンのペダルを踏む時のリズミカルな音。我を忘れて靴づくりに没頭する表情。全身で喜びを表現しているかのようでした。

リトルすみれちゃんが靴屋に侵入した時。ゆりちゃんやすみちゃんの足のサイズを採寸しに坂東家を訪問した時。あの頃の麻田さんが戻ってきました。

食べてゆくことだけが目的なら、靴づくり以外の収入がどうやらあるらしい麻田さんは、靴の注文が入らなくても暮らしに何の差し支えもなさそうでした。

麻田さんがあれほど嬉しそうな表情を浮かべていたのは、売り上げが立つからではなく自分が一番愛情を注いでいる仕事を再び引き受けることが出来たからです。

麻田さんにとっての仕事は愛情の対象。人生そのものと言ってもいいのかも知れません。

そして紀夫くんにとっての仕事

以上の三人と異なり紀夫くんの仕事の目的は食べてゆくこと。とりわけやっと仕事が出来るようになった今のタイミングでは、仕事に食べてゆくこと以上の目的は見いだせないかも知れません。

だから、食べてゆくと言う手段を得ることが出来た今、すみれちゃんにとっての仕事が食べてゆくこと以上に価値あるものだと想像しづらいのかも知れません。

栄輔くんが言うように、すみれちゃんが自分にとっての仕事の価値を伝えていないと言うこともあるのでしょう。

すみれちゃんは、自分にとって仕事がどれほど大切なことなのかをどのような言葉で伝えるのでしょうか。

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12 Responses to “仕事を辞めろと言う紀夫 / べっぴんさん 第46話”

  1. 通りすがりん より:

    度々指摘すみません。

    昭一くんや琴子さんを口説いてまで仕事がしたかったのは良子ではなく君枝なのでは?

  2. ア※ラッキー より:

    紀夫くん<坂東営業部>復帰おめでとうございます。あとは、同僚の方とキャッチボールできれば・・・。まあその前にすみれちゃんが働くことを理解することが先かしらね。

    ところで、商店街の友達で古本屋さんの娘さん(お嫁さんじゃないですよね)文さんでしたっけ?誰か書くんじゃないかと思っていたんですが、う~ん、我慢できない。書きます。「あさが来た」で加野銀行であさちゃんが採用した女子行員高木ツルさんですよ。確か、途中で辞めちゃうんですよね。

    それと、昨日のところで、書けばよかったのですが、商店街の友人達「あなたの暮し」の創刊号に~直線裁ちワンピース~があるよって教えたい・・・です。あれ、まだ創刊されていないのかなぁ・・・自信なくしてきたぞ(泣)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 女子行員高木ツルさん

      見直しました。娘のことが心配で心配で、銀行の店先にお父ちゃんが様子を見に来ていた女子行員でしたよね。

      > 直線裁ち

      『とと姉ちゃん』劇中で直線裁ちが考案されたのが昭和22年。『べっぴんさん』は今のところ昭和21年なので、常子ちゃんが花山さんに編集長を引き受けて欲しいと頼み込んでいる頃のことでしょうか。

  3. サエモン より:

    五十八さんの言葉で紀夫さんも
    やっと少し前に

    良子ちゃんの笑顔
    演じる夏菜子ちゃんのえくぼが
    印象的です
    確かえくぼは恋の落とし穴とか
    そんなキャチフレーズ言ってたな(笑)
    型紙作り楽しそう
    右手使うの上達したかな?

    ゆりちゃんらしさが戻ってきましたね
    坂東営業部を潔さんを支えたい
    彼女の情熱やしんの強さはいいね

    長太郎さんも努力や苦労したと
    分かりますね
    トク子さんもそれなりに
    玉緒さんが地毛とノーメイクで
    望んでるのみて
    あんなに白髪混じりなんだと
    ビックリしてます

    栄輔さんが今回は大分大人に
    麻田さんに注意されたが
    すみれちゃんと2人きりはダメですね(笑)

    麻田さんはすみれたちの
    師でありもう1人の父のような
    親戚のような身内みたいな感じで
    分別つけるときは流石だなと

    靴楽しそうでしたね

    紀夫さんへのすみれちゃんの
    仕事や家族への思いは予告や
    今までの仕事への思いで
    何を伝えたいかは大体分かりますね

    今日はさくらちゃんあまり見なかったな
    最近はキヨさんもあまり目立たない
    さくらちゃん役の子は
    キヨさんに一番なついてる感じなのが

    これから昨今も問題の
    共働きで幼い子を誰が面倒をみるか
    キヨさんがある意味お婆さん代わり
    ですが親がなくとも子は育つと言いますが
    ちゃんと親の背中や
    もう少しさくらちゃんたちに
    時間割けたらいいね

    潔さんも相変わらずいいキャラでした

    五十八さんが近江にいき
    本家との絆が復活していくんだろうね
    長太郎さんは五十八さんに嫉妬しながらも
    心配してたところはありそうだしね

    サマードレスのファッションショーも楽しみ

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。
      みんな明日への希望を取り戻しはじめきた。そんな明るい陽射しが射し始めるような回でしたね。それだけに、たった一人トンネルから抜けることができずにもがき苦しむ紀夫くんの苦悩が際立っていました。

  4. 一言意見 より:

    紀夫の戦後の苦労、栄輔を殴ろうとした紀夫に対し、すみれがどのように考え、どのように対処したか、さくらに対してどのようしたかを知りたい。中途半端でモヤモヤ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > モヤモヤ

      なんてことするのかと抗議するすみれちゃん。紀夫くんの心の闇を理解しかばう栄輔くん。そんな場面が用意されてるはずでしたが何故かカットされたようです。

  5. もんすけ より:

    セクハラ騒動の折、トク子さんに厳しくたしなめられたゆりちゃんに「さささ、お酒がのうなってますよ」と促した長太郎さん。
    想像です。
    実のところ人柄よく、坊ちゃん気質だった長太郎さんもその昔、石鍋氏のような空威張り系の商売相手にかなり苦労したのではないかと。懸命に勤めても次々と顧客をなくし、弟が頑張って一から開拓した顧客を本家の自分に譲るよう強いた自分。不甲斐なさと情けなさと、そして弟への申し訳なさでいっぱいにも関わらず、それを言葉や顔に出すこともできなかった時の想いを、ゆりちゃんの情熱を認め、温かく見守ることで返していこうとしているのではないか。また、その様子を見ていたトク子さんも長太郎さん、五十八さんそれぞれの息子を想い、孫のゆりちゃんを厳しく、温かく指導しているのではないかと。
    五十八さんの帰郷が、ゆりちゃんたちだけでなく本家にとっても「家族再生」の一歩になるとよいですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 想像です

      深い洞察にもとづく想像です!長男はともすれば処世術に欠けることが少なくありません。長太郎さんもいかにも不器用そうです。その不器用さの隠し方がまた不器用。石鍋さんタイプは大の苦手だったのでしょう。そして今でも苦手。だからゆりちゃんの気持ちがわかる。

      石鍋さんみたいな客のあしらいが上手に出来なかった若き日の長太郎さんも、トク子さんから度々叱られていたのかも知れませんね。それもあって、トク子さんに叱られるゆりちゃんを救い出しのかな・・・とこれはうがち過ぎというものですね。

  6. よるは去った より:

    しかし石鍋氏ってオッサンのノミの心臓ぶりが前々回のセクハラシーン(セクハラ被害者のゆりちゃんにきっと睨まれただけで『何じゃい!』と動揺しだす。)、今回の商談のシーン(トク子『(潔君は)敵に回すと恐い』ゆり『狂犬の潔』と振られただけで動揺し商談は成立)で笑っちゃうぐらいクローズアップされましたね。いやはや案外憎めないオッサンかも。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > ノミの心臓

      ゆりちゃん、セクハラ騒動の時に石鍋さんが「ノミの心臓」の持ち主だって見抜いたのかも知れませんね。だから、私なら石鍋さんはいくらでも手なずけられると。ゆりちゃん、今は長太郎さんに見守られていますが、実は長太郎さんより大物みたいです。

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