百貨店との取引再び拒む / べっぴんさん 第53話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月2日(金)放送
第9週 第53話「チャンス到来!」

『べっぴんさん』第9週 第53話 あらすじと見どころ解説

大急百貨店に偵察にやってきたすみれは言葉を失いました。大急百貨店の販売員の動きを観察していたすみれは、販売員たちが売れ残りの商品を無造作に処分する姿を目の当たりにして大きなショックを受けたのです。

一方、闇市で根本から追い出された男・玉井が明美を訪ねて来ました。商店街でキアリスのことを聞き回っていた玉井は、新聞に載ったキアリスの取材記事に明美が紹介されていないことに目を付け、明美を自分の仲間に引き込もうと考えたのです。

そんな中、取り引きの内容をすみれたちに説明するため大急百貨店の担当者・小山がキアリスにやって来ました。小山が話し始めます。商品の発注はすべて大急百貨店が指示を出す。販売員も用意する。キアリスは指示に従って商品を製造するだけで良い。

ただし、今の商品は手間がかかり過ぎているので工程を省いて量産して欲しい。破格の取り引き条件に夫たちが歓喜の声を上げる一方ですみれが異を唱えました。手間を省いた商品づくりを受け入れることが出来ないすみれは、百貨店との取引を断るのでした。

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大急百貨店の小山がキアリスに提示した条件は破格のものでした。

上のあらすじでは、読みやすさを重視するために条件の詳細は省きましたが、例えば売れ残りが生じても、それらは全て百貨店側が引き取りキアリスには一切の負担をかけない。

しかも販売員は百貨店から出すため、人を新たに雇う必要もない。

しかし、すみれにはこれら破格の条件よりも大事にしたいことがあったのです。

『べっぴんさん』第9週 第53話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

リアルでのファミリアを阪急百貨店に誘致する交渉は、商品をファミリアブランドとして売ってはならないと百貨店側が条件を出したその時に決裂したようです。

創業間もないまったくの無名ブランドながら、自分たちのブランドを守り抜きたい一心の創業メンバーの一人・田村光子さん(良子の実在モデル)は、交渉の席で百貨店側にこう言い放ったのだそうです。

大倉陶園の製品を阪急陶園という名に変えて販売するのならファミリアの名を引っ込めることを考えても良いと。

大倉陶園とは大正8年(1919)年創業の宮内庁御用達の高級磁器メーカーで、その白磁が持つ透明感のある輝きは「セーブルのブルー、オークラのホワイト」と世界で賞賛されるクオリティを誇ります。

そんな世界のトップブランドと自社の無名ブランドを同列に扱い、しかも老舗百貨店と堂々と渡り合う。まさに事実は小説よりも奇なりです。

【解説:セーブル】フランス国立セーブル陶磁器製作所(フランス国窯)。エリゼ宮や国賓への贈答品としてのみ限定数が製造されているため「幻の陶磁器」という異名を持つ。

『べっぴんさん』第9週 第53話 観賞後の感想

前週描かれていた紀夫くんのトラウマも解決され、順風満帆と思われたすみれちゃんとキアリスの面々でしたが暗雲が立ち込めて来ました。

ところで今週のサブタイトルは「チャンス到来!」。立ち込めて来た暗雲=ピンチは、これから到来するチャンスのフラグなのでしょうか。

すみれちゃんのピンチ

キアリスの名前を付けたままでは大急百貨店では販売させない。

百貨店の担当者・小山氏から言われた言葉がきっかけですみれちゃんの胸の中に生じはじめていた違和感が、今回ついに百貨店との取り引き白紙撤回にまで発展してしまいました。

キアリスの名前をはずせと言われて生じた違和感は、大急百貨店の偵察で目撃した売れ残りを処分する姿で臨界点寸前にまで達したのでしょうか。

その時、百貨店の売り場でも感じたはずの違和感をすみれちゃんは言葉には決して出しませんでした。良子ちゃんがすみれちゃんの憂いを察し尋ねてもすみれちゃんは何も応えない。

すみれちゃんの無言が違和感の深さを物語っています。

ところで今回描かれた大急百貨店・小山氏との打ち合わせ。小山氏の提示した条件は無名ブランドのキアリスにとってはありえないほどの好条件です。

商品よりも商売そのものに関心のある男会の面々にとっては大急百貨店側が提示した条件は願ってもない好条件。今週のサブタイトル通りの「チャンス到来!」です。

しかし男会の面々の喜びっぷりを同時に描くことで、余計に際立つすみれちゃんはじめキアリスの面々の疑心暗鬼。

男会の面々にとってはすでに「チャンス到来!」ですが、すみれちゃんたちにとっては大ピンチです。いつになったら「チャンス到来!」となるのでしょうか。

良子ちゃんのピンチ

今週のサブタイトルは「チャンス到来!」なのに何故か大ピンチが続きます。

暴れん坊の龍一くんが保育所から預かり拒否。しかもどうやら子育てに積極的ではないらしい勝二さんは良子ちゃんに息子のことを任せっぱなし。

一人で育児に悩む良子ちゃんのピンチがどのように「チャンス到来!」に反転するのか。笑顔を失いがちの良子ちゃんのエクボを、再び見れる日はいつになるのでしょうか。

ところで、さくらちゃんはもちろんのこと、龍一くんと健太郎くんも将来は重要なキャラになると暗示するようなはなさんのナレーションがあったと記憶しています。

龍一くん、ヤンチャなだけに大人になった時の姿が楽しみでなりません。将来は愉快なキャラになりそうです。

明美ちゃんのピンチ

ついに闇市を追い出された玉井氏が明美ちゃんに一歩踏み込んで来ました。

ファーストコンタクトは失敗に終わりましたが、これで諦める男とは到底思えない。あの手この手でこれから絡んでくるんでしょうか。

明美ちゃんのことだから、玉井氏の間抜けな誘惑になど簡単に乗ることはないと思います。しかし手段を選ばなそうな玉井氏のこと。誘惑でなく恐喝で迫って来ないとも限らない。

玉井氏が腕力で迫って来た時が心配です。

密かに、いつも明美ちゃんに熱い視線を注いでいる武くん。いざという時に明美ちゃんを守ってくれますように。

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14 Responses to “百貨店との取引再び拒む / べっぴんさん 第53話”

  1. 実穂 より:

    勝二さんが怒鳴ってしまったことについて、後日昭一さんにぼやくシーンがありましたが、そんなの、母親に任せたらええんやないですか、というぞんざいな返答にちょっと勝二さんも、ああそうですか‥と言うような感じで、
    もちろんその場面はおそらく昭一さんが気にかけていたのは紀夫のことだったとおもうのですが、あんまりだなぁと勝二さんになったつもりで私もちょっとしゅんとなりました(苦笑)
    それと、小山さんの「だぁいきゅうですからぁ」というのもシャクでした
    (苦笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 昭一さん

      最近、君枝ちゃんに手厳しく突っ込まれることが多いのでストレス抱えてるのかも知れませんね。昭一くんとしては姑と嫁の間にはされまれて苦労してるくらいの被害者意識がありそうです。

  2. megumi より:

    はじめまして。
    いつも拝見させていただいています。
    ドラマでは描き切れないこと、史実との関係についても丁寧に解説してくださっているので非常にストーリーが頭に入りやすいです

    今回「キアリス」を大急百貨店で扱うことに触れ
    タグを外すこと、工程をいくつか省くなどの難題が突き付けられました

    今週初めには坂東営業部の自社ブランド「オライオン」が大急から特選マークをつけるために潔ら社員が奔走する場面がありましたが
    坂東五十八氏や潔の父が社長出会った頃は大急百貨店と坂東営業部との関係、大急が扱う「オライオン」の紳士服の扱いはどうだったのかという疑問を持ちました

    坂東五十八氏は社長だったころは妻のはなや二人の娘ゆりやすみれにはいつも舶来のものや特別にあつらえた「べっぴん」のものを身につけさせていました。
    戦後ものが無い時代に生きていくために粗悪品を売ろうとする潔に「こんな時代だからこそいいものを作れ」と説教していた五十八です。
    納入していた「オライオン」ブランドの商品が大急のものとして扱われ、売れ残れば粗雑に扱われて処分されるということを五十八は知っていたのだろうか?

    店にブランドのテナントがそのまま入るというのは無かった時代だったかもしれませんが
    大急から特選マークをやると言われても五十八ならば自社ブランドの品質維持にはこだわりを見せていたのではないでしょうか?


    すみれら4人が立ち上げた「キアリス」は無名ですし起業した4人は世間知らずのお嬢で商売の事は何も知りません。
    経営実態については男会から呆れられるほどド素人でもある。
    小山の発言は「無名ブランドらから、商売のイロハを知らぬ素人集団だから、大急で扱ってやる、特選マークも与えてやると言えば簡単に飛びつくだろう」と言うような考えがあってあの難題となったのではないかと思ってしまいました

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 売れ残れば粗雑に扱われて処分

      戦前の高級紳士服はオーダーメードがほとんどで、売れ残りの処分というリスクが出る既製服は戦後の高度経済成長期以降から増え始めた歴史があるようです。だから、五十八さんの時代は「処分」の箱に捨てられてしまうことは滅多になかったのかも知れません。

  3. 笑子 より:

    勝二さんは、良子ちゃんとお見合い結婚したんだから、たぶん元はいいとこのお坊っちゃんだったんでしょうけど、そういうところがあまり見えませんね。
    子供に対してあの怒鳴り声。
    軍国主義の中で育ったからでしょうか?
    厳しい家庭で育ったんでしょうか?
    勝二さんの過去も気になります。

    すみれはなんだかんだ言って、打ち合わせ前に取引先を自ら偵察に行くしっかり者ですね。
    あの大急大急言ってる小山さんは、作業行程を2箇所ほど減らしても問題ないなんて言って、明日あたり社長にこっぴどく叱られたらいいのに。

    あの保育園、教会が運営しているということでシスターが園長をしているのでしょうが、ちょっと暴れて自分が怪我した程度で保育園を追い出すなんてシスター失格ですね。
    お話の都合上仕方がなかったのかもしれませんが、普通の保育園はもちろん、教会が運営しているならなおさらゆっくり子供の成長を見守ってあげる姿勢を持った保育園であって欲しいものです。
    あんな風に龍一君が言われてたら、すみれちゃんと良子ちゃんの帰り道、気まずい雰囲気だっただろうなぁ〜、と余計な心配をしてしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 子供に対してあの怒鳴り声

      あの時代の男性ではよくあるタイプだったのかも知れません。誰の自叙伝だったか忘れましたが、勝二さんと同世代くらいの士族系の家に生まれた男性の幼少期、立ち居振る舞いや言葉づかいで父親から度々厳しく怒鳴られたと記されていたのを思い出しました。

  4. たこやき より:

    こんにちは。

    武くんの働きっぷりは、清々しくていいですですね。

    勝二さんの雷オヤジ…不器用すぎて笑っちゃいました。ああなると思ってだまっていたのかな?
    良子ちゃんは、親御さんも近くにいない子育てで大変ですね~。今で言う核家族ですから。男の子はあれくらい元気があっていいと思うんですが。あ、でも私も外で子供が大泣きして、知らないおじいさんに雷落とされたっけ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 勝二さんの雷オヤジ

      雷オヤジって懐かしい響きです。昭和のデフォルトの父親像ですね(笑)

  5. きゅうぽん より:

    どんどんものづくりへの思いが高まり、細々ながらキアリスが軌道に乗ってきたけれど、問題が出てきてヒヤヒヤしながら家族で見ています。

    が…書くのが心苦しいですが

    今日の龍ちゃんが断られた件を見て、ごちそうさん当たりからずっと、発達障がいのある様な子が面白おかしくというか、必ず周りと違うことをして騒がして迷惑をかけているとか、ひと騒動おこしたりが書かれてきました。きちんと伝わるならいいけれど、一つ間違えば偏見を生む事になりかねないので当事者の親としてはとっても、迷惑をかけている存在とか書かれてしまうととっても辛いです。良子ちゃんのうちの子が…という申し訳ない気もちもとってもわかります。昔は概念がなかっただけど、もっと受け入れられていたところもあるので、親はそういう子を持って悪いと思えと世間が強いられているのをNHKは気づいていないのは悲しいです。
    ご婦人が「また今度にするわ」と迷惑そうに買うのを止めたのも、後味が凄く悪いです。本当なら、子供服を買いに来ているし、それぐらいなら「元気やね〜」とかで済むはずですし。
    いろいろな人を書かないといけないというのがあるのかわかりませんが、特性がこうだからとか上辺だけで書くと凄く一つ間違えば偏見を生むし、怖さを覚えます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 一つ間違えば偏見を生む

      この視点からは観ていませんでしたので大変参考になりました。昭和のこの時代と現代の価値観にギャップが生じかねないところについては注意してもらいたいものですね。

  6. まいまい より:

    いつも楽しく読ませていただいています。
    べっぴんさんでは初めてのコメントになります。
    今後ともどうぞ、よろしくお願いします。

    良子ちゃん夫婦の子育てについて、時代の違いを感じました。
    当時はきっと、夫は外で仕事、妻は家で家事と子育てと、はっきりと分担されていたのが当たり前だったのかなぁと。

    今でこそ、子育ては夫婦で行うのが当たり前ですが、当時はそうではなかったのかな、だから、良子ちゃんのご主人が、言われるまで子供のしつけに口を出さなかったのかと、納得してしまいました。

    ま、それにしても、初めて子供をしつける口調があれでは、泣かれて当然でしょう。想定内のやり取りで、思わず笑ってしまいました。

    ここからは私の想像ですが、良子ちゃんは、小さい頃、すみれちゃんのように、お手伝いさんに囲まれて育てられたのでしょう。男兄弟がいたかどうかは分かりませんが、きっと、男の子をどのようにしつけたらよいかを見ずに育ってしまったのではないでしょうか。もし、出産後もお手伝いさんを雇える環境にいたなら、それはそれで、しつけも任せられたのでしょうけれど・・・

    保育所にも断られてしまうほど、聞き分けがなく、活発にそだった息子を、これからどうやってしつけていくのか、良子ちゃん夫婦の今後が楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > お手伝いさんに囲まれて育てられた

      僕もそうだと思います。セレブのすみれちゃんと同じ女学校に通っているくらいだからお手伝いさんに囲まれるセレブな幼少期をおくったのだと思います。

  7. よるは去った より:

    小山「一工程、二工程省いて・・・・・。」前作の「とと姉ちゃん」でミシンから飛び出した針が女子社員の顔を傷つける恐ろしいシーンを想い出しました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 一工程、二工程省いて

      この言葉を花山さんに聞かせたらどんなことになっただろう。想像すると笑えます。

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