大急社長に呼び出される / べっぴんさん 第54話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年12月3日(土)放送
第9週 第54話「チャンス到来!」

『べっぴんさん』第9週 第54話 あらすじと見どころ解説

大急百貨店が破格の好条件を出したにもかかわらず、すみれは大急と取り引きすることを断りました。そのことを紀夫から聞かされた潔とゆりは、すみれの説得に当たりました。しかし、潔とゆりにもすみれの決断を覆すことは出来ませんでした。

一方、ゆりが新企画を潔に提案しました。坂東営業部で洋裁教室を主催し、大急百貨店で開いてみてはどうかと。大急百貨店の社長・大島から、坂東営業部の女性服ブランドを売るための斬新な企画を求められていた潔は、ゆりの提案を歓迎します。

同じ頃、人相の悪い男が明美に付きまとい始めていました。梅田の闇市の元締め・根本と決別した玉井でした。玉井は明美の籠絡を試みます。キアリスと似た商品を量産してもっと安い価格で大量に売り、明美にも大金を稼がせる。だから自分と手を組まないかと。

そんな中、大急百貨店の社長・大島がすみれと会って話をしたいと言い出しました。大島と会うことに乗り気にならないと拒むすみれを紀夫は説得。ついにすみれは大急百貨店に足を運び大島と対峙するのでした。

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midokoro
新聞に自分の名前が載ることで、天国の母も喜んでくれているに違いない。そんな明美の期待と願いもむなしく、新聞の取材記事には自分の名前だけがありませんでした。

そんな明美の心のスキを突いてくる悪役の登場です。

五十八の説得により心を改めた闇市の元締め・根本。その根本の元子分で根本が改心した折に親分と袂を分かつことにした玉井が再登場します。

『べっぴんさん』第9週 第54話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

前回、前々回の本欄で、リアルのファミリアと阪急百貨店の交渉決裂までのエピソードをまとめてみました。

ファミリアブランド以外の名で自分たちの商品を売ることは到底受け入れられない。ただし世界のトップブランド・大倉陶園の名を阪急陶園に差し替えるのなら再考することもやぶさかではない。

現在ならばルイ・ヴィトンを阪急ヴィトンにせよみたいなものでしょうか。

百貨店に対して立場の弱い納入業者がここまで喧嘩腰で交渉したら、まとまる話もまとまらず交渉は完全に決裂して終わってしまったはずです。

ところがファミリア誘致は阪急百貨店の社長命令でした。ファミリアとの交渉に当たった担当者にしてみれば、交渉失敗は許されません。

しかし、交渉は遅々として進まず二転三転を繰り返しました。

そしてついに交渉のテーブルに社長が登場します。

劇中ですみれが大急百貨店の社長・大島に呼び出されたというエピソードは史実に基づいた実話なのです。

『べっぴんさん』第9週 第54話 観賞後の感想

大急百貨店が提示した破格の条件を、もしすみれちゃんが受け入れていたら得るものも多い反面、失ったものも少なくはなかったはずです。

もしすみれちゃんが大急百貨店の条件を前面的に受け入れていたらどうなっていたかを想像してみました。

もしすみれちゃんが大急百貨店の条件をのんでいたら得ていたもの

大急百貨店が提示した破格の条件を、もしすみれちゃんが受け入れていたらどうなったかを想像してみました。

大急百貨店の店頭に「キアリス」でなく「大急特選」の名前で商品が並んだいたなら、おそらくはとてもよく売れていた。「キアリス」として出した以上に売れていたことも十分に考えられます。

なにしろ消費者にとって「大急特選」は信頼のブランドです。はじめて目にする子供服をお客さんは迷いなく買い求めたはずです。

工程を省いて量産しろと小山さんは言いましたが、その工程を省いたところで当時はもっと粗悪な品があふれていた時代。工程が少しくらい少なくなっても信頼を失うレベルではないだろうし、小山さんもそれを読み通しだったのかも知れません。

工程を省いた上に量産できれば利益も増えていたはず。

また、すみれちゃんだけでなく潔くんや紀夫くんにとってもメリットは小さくありません。坂東営業部は婦人服に「大急特選」の称号を得ることが出来、今後の商売も格段にやりやすくなっていたことは間違いありません。

しかし、メリットばかりではありません。

もしすみれちゃんが大急百貨店の条件をのんでいたら失っていたもの

もし仮にすみれちゃんたちの考案した子供服が大ヒットしたとしても、それは「キアリス」ではなくあくまでも「大急特選」の商品です。

だから、すみれちゃんたちの商品でありながら神戸の「キアリス」では売ることは許さないと、あの小山さんが言ってこないとも限らない。

商品の流通量は増えるかも知れないけれど「キアリス」の名前は知られぬまま。

そもそもすみれちゃんが大急百貨店との取り引きを決断したのは「キアリス」の名を広めて新聞記事からカットされた明美ちゃんの仕事を世の中に知ってもらいたいという動機からだったはず。

そして何より自分たちの商品を使ってくれる人は増えても、誰にも知られぬ「キアリス」は神戸の商店街の小さな子供服店のまま。

「大急特選」の子供服が人気になればなるほどに、小山さんとしても「キアリス」の名を隠して小山さんがこよなく愛する「大急」の名前を前面に出したい気持ちが強まったはず。

そしてちょっとネタバレになりますが、今回ゆりちゃんが潔くんに提案した「大人のための洋裁教室」。ゆりちゃんと潔くんは坂東営業部が大急百貨店に食い込むために必死の交渉術を見せ、みごと大急の懐に飛び込むことに成功します。

すみれちゃんが「大急特選」を受け入れたことで、坂東営業部も大急百貨店との取り引きは安泰だったかも知れません。

しかし、そのためにゆりちゃんや潔くんの努力の余地はなくなり、坂東営業部が自分たちのブランドに磨きをかける努力も怠りがちになっていたことも考えられます。

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8 Responses to “大急社長に呼び出される / べっぴんさん 第54話”

  1. えびすこ より:

    中盤に入り展開が大きく動きそうですね。
    個人的にはどこかで「カーネーション」の糸子さんの登場を期待していますが実現できるかな?
    先日、ファミリアの現社長の岡崎忠彦氏がベストドレッサー賞を受賞しました。受賞者で唯一着物を着用での登場でした。

    ところで鈴木亮平さんと吉高由里子さんが、来年1月スタートの新ドラマで朝ドラ以来の3年ぶりの競演となります。そうなると再来年の大河ドラマでの再度の夫婦役も可能性がありそうです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 鈴木亮平さんと吉高由里子さん

      これが実現したら楽しくなります。村岡夫妻は忘れられない夫婦なんです。

  2. きゅうぽん より:

    昨日はベビーな話を書いてしまいましたが、
    同じ境遇とは言えませんが、親を亡くした寂しさなどを
    知っているたけちゃんが明美ちゃんの心を埋めてくれて
    願わくは一緒になって、幸せをつかんでほしい、
    味わってほしいです。
    玉井の誘いなんて乗らないで〜!!

    再度ストーリーも楽しみな朝ドラです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 親を亡くした寂しさ

      親を亡くした寂しさを共有する二人。お互いを愛おしく思ったかも知れませんね。二人がお茶を飲む場面。静かで心地よい場面でした。

  3. よるは去った より:

    玉井「お母ちゃん・・・・死んだんやろ。」遂に明美ちゃんの心に踏み込んできた玉井氏。でもその一方で明美ちゃんと武君の距離が。来週予告見た限りではその距離は縮まって来るのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 明美ちゃんと武君の距離

      家族との縁が薄いと言う点で二人の間に共通点が見つかりましたが、このことが二人の距離を縮めるかも知れませんね。

  4. 1013 より:

    ブランド名は引っこめろ、そんな所まで手間を掛ける必要ないだろもっと簡単に作れ。
    これって職人と商品を全否定してませんかね。
    小山さんはこういった思いをした事がないのだろうか?
    売り手でも自分がプレゼンした企画が改悪されて趣旨を理解してもらえなかったり、似たような事はよくあると思うのです。
    あと男会は嫁さん達の店の経営理念を理解してくれ(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 職人と商品を全否定

      東京の百貨店事情を少しだけ知っているのですが、相手が弱い立場にいるとだいたいこんなものです。昔も今も変わらないんだなって思いました。

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