連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』
本放送:2013年4月5日(金)
再放送:2015年4月10日(金)
再々放送:2023年4月7日(金)
第1週 第5話 「おら、この海が好きだ!」
『あまちゃん』第1週 第5回
「おら、この海が好きだ!」あらすじ
ウニ丼の車内販売をしていたアキが北鉄車内で出会い「普通じゃない」と特別なものを感じた少女・足立ユイはアキと同じ高校2年生。父は地元の名士でしたが、兄のヒロシは東京で就職するも長続きせず、今は北三陸の漁港の監視小屋でアルバイトをしていました。
一方、東京では感情を表に出さず、家族にも友達にも心を開こうとしなかったアキが、北三陸に来てから変わって来ていることに春子は気付き始めていました。アキも「ここが好き、ここにいる自分が好き」と、北三陸での暮らしに心から満足していました。
アキは北三陸で自分を変えようとしている。母として娘のそんな成長に気付いた春子は、東京にいるアキと北三陸にいるアキのどちらが本当のアキかはわからないが、夏休みが終わるまでの間、北三陸にいさせてあげたいと考え始めていました。
その頃アキは、かつて母が、アキが暗くて向上心もない子になったのはアキの父のせいだと詰問するのを聞いてしまったことを思い出していました。そしてそんな自分を海の底に沈めてしまおうと心に決めると、堤防から勢い良く海に飛び込んだのでした。
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『あまちゃん』第1週 第5回
「おら、この海が好きだ!」感想
「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もない子になった」
春子さんがご主人と激しい口論をした折に、勢い余った春子さんがアキちゃんのことをこんな言葉で言ったことが娘の心を深く傷つけた。そして、その後アキちゃんは言葉に束縛され母の放った言葉から逃げ出せなくしてしまった。
「アキは今、自分で変わろうとしている」
春子さんのこの言葉、娘を案ずる母親として優しさに満ちた言葉のようで、一方で独善に満ちた上から目線の言葉かも。そもそもアキちゃんを「地味で暗くて・・・」と、別人のアキちゃんに変えてしまったのは春子さん。
アキちゃんは自分で変わろうとしている、というより母親の心ない言葉で書き換えられてしまった自分の姿を再び上書きし、本来の自分を取り戻そうとしているのが本当のところではないか。そんな気がするのは僕だけでしょうか。
そしてアキちゃんは「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もない子になった」という言葉を「違う!」と自ら否定し海にジャンプ。『あまちゃん』の物語がはじまった瞬間を見た、そんな素敵な場面、最後まで忘れられない鮮烈な場面です。
さて、アキちゃんの変化や成長に気付いた春子さんですが、その春子さんに夏ばっぱが一言「変わらなくちゃなんねえのはお前さんのほうでねえの」。春子さんの独善にしっかり釘を刺す夏ばっぱの慧眼が素晴らしい。
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橋本愛と能年玲奈は、映画「告白」でも同級生役で出演しているのですが、
かたやヒロインで目立つのに対し、のんの方は、出演しているのはわかって
いても、何度見ても見つからない。その頃から存在感も個性も華もなかった。
いやあ、あまちゃん出演前の別の映画「カラスの親指」では、めちゃくちゃ存在感
ありましたが。
ちなみに「告白」で殺される幼児をやっていたのが、当時実際に幼児だった
芦田愛菜というのもすごいけれど。
アキちゃんは、春子に
「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない女の子」
と言われて続けていました。
この文、いまだに覚えきれない!