NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』
本放送:2013年4月12日(金)
再放送:2015年4月17日(金)
再々放送:2023年4月14日(金)
第2週 第11話 「おら、東京さ帰りたくねぇ」
『あまちゃん』第2週 第11回
「おら、東京さ帰りたくねぇ」あらすじ
新人海女としてようやくスタート地点に立てたアキの素潜りの練習がはじまりました。海底で身体が浮き上がってしまいウニをとることができないアキに、先輩海女たちはウニだと思うからとれない、銭だと思えとアドバイスします。
そんな夏休みも終わろうとしていたある日、アキは不審なカメラマンと再会。そのカメラマンがカメラを向けた浴衣姿のユイのあまりの可愛さにアキは一目惚れしてしまいました。しかも「恋」してしまったユイと友達になることが出来ました。
その頃、町では秋祭りの山車の制作がはじまっていました。山車が町を練り歩く頃、自分はすでに東京にいると思うと寂しくなるアキ。一方、ユイは田舎を嫌い東京に憧れ、東京に行ったことがないにも関わらずアキ以上に東京のことを良く知っていました。
北三陸から離れがたくなったアキは、北三陸にいるうちにこの町をしっかり見ようと心に決め、琥珀堀りの勉の坑道に足を運びました。勉が自分と向かう場所と語るその坑道で、アキは「東京さ帰りたくねえ!」と大声で叫びストレスを発散するのでした。
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『あまちゃん』第2週 第11回
「おら、東京さ帰りたくねぇ」感想
夏の終わりは寂しいもの。そんな寂しさを忘れさせてくれる秋祭りの準備をする時期は、夏の終わりの寂しさの酸味と、その先にあるワクワク感の甘味がほどよく混ざって、甘酸っぱさが味わい深い季節です。
しかし、先にあるワクワク感の甘味は時間切れで味わうことができない。夏の終わりの酸味しかアキちゃんには体験出来ない。そんな状況で、甘味の仕込みだけ見せられるって、これはかなり切ない状況。ますます離れがたくなるんじゃないでしょうか。
そしてついに離れがたくなる気持ちを勉さんの坑道で発散。「東京さ帰りたくねえ、ずっとここさいてえ、ママとばあちゃんと暮らして毎日海に潜りてえ」
僕が子供の頃のこと。夏休みの終わり頃に祖父母の故郷である某県にお墓参りに行ったものですが、夏休みが終わる悲しさとその地を離れる寂しさが重なった、あのなんとも言えない気持ちをアキちゃんの叫び声を聞いて思い出しました。
話し変わって、一方のユイちゃんはアキちゃんとは真逆。東京に強い憧れを持っているものの、まだ一度も行ったことがないユイちゃんの口から「台場」や「原宿」の地名が出て来るのはうなずけましたが、「下北沢」や「三軒茶屋」の地名まで出て来てびっくり。
実は、僕は以前「下北沢」や「三軒茶屋」の中間地点に長い年月、住んでいたことがあるのですが、あの辺りはそんな人気スポットだったのかと初めて知り新鮮な驚き。大変勉強になりました。
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自分の感情は常に押し隠し、周囲に言われるままに生きてきた16年。
北三陸に来て初めて自分が何者なのか、本当は何を望んでいるのかが
見えてきた。思いっきり叫ぶことで、再確認できた。
レールを引こうとしていたお父さんも、生き生きとした娘の様子を見て、
考え方を変えた。唯一変わらないのが、自身の過去へのこだわりに
縛られたままの母親。
海女姿のアキに対してストーカーまがいの男も、海女でないアキに
対してはブス呼ばわり。逆に言えば、海女ではないアキには、何の魅力も
ないということだが。
アキちゃんの心の叫び
「東京さ帰りたぐねえー!
ずっと ここさ いてえ!
ここで ばあちゃんや ママや
みんなと暮らして
毎日 海さ潜りでえー!」