NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』
本放送:2013年6月7日(金)
再放送:2015年6月12日(金)
再々放送:2023年6月9日(金)
第10週 第59話 「おら、スカウトされる!?」
『あまちゃん』第10週 第59回
「おら、スカウトされる!?」あらすじ
ユイに呼び出されたアキは海女カフェに向かいました。ユイは家族と喧嘩になり飛び出して来たと告げ、アキを驚かせます。岩手にいたくないと言うユイに、水口は芸能界入りには両親の同意が必要だと諭し、高校を卒業し両親を安心させるよう諭すのでした。
水口の説得に応じ、ユイはオーディションを受けたいと説得を試みるものの母は理解しようとはしません。ついに「お母さんみたいになりたくない」と言い出すユイにヒロシが激怒。功も、自分の好きな道を進むのは構わないが母親を悪く言うのは許さないと戒めます。
その頃、春子はアキの洗濯物の中から一緒に洗ってしわだらけになった紙片を見つけました。その紙片を広げるとそこには水口の名前と、春子もよく知る芸能事務所の社名が記されています。春子は水口の正体を見破りました。
一方、自分は利用されていただけと知り美寿々は失意に沈んでいました。美寿々は水口との結婚まで考えていたのです。ショックを受けたのは勉も同じことでした。弟子として期待していた水口の裏切りを知った勉は、琥珀の坑道に駆けつけ水口を一喝しました。
「出てゆけ!」
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『あまちゃん』第10週 第59回
「おら、スカウトされる!?」感想
『ちりとてちん』と良く似た点が多々ある『あまちゃん』ですが、またそっくりな場面が登場しました。東京に行きたがるユイちゃんに猛反対の母、そんな母にユイちゃんが「お母さんみたいになりたくない」と言い放つ場面。ここがそっくりです。
ただし『ちりとてちん』とちょっと異なるところは『ちりとてちん』の場合、同じ状況で同じ台詞を口にしたのがヒロインだったという点。同じ台詞を口にしたのがヒロインか、ヒロインの友人かという点。さらに細かいことを言えば、行きたい「都会」が東京と大阪という違いもあります。
しかし、状況は同じ、台詞も同じながらもその目的は全く異なります。『ちりとてちん』のヒロイン・喜代美の場合は、嫌いな自分を克服したい。そのための大阪行きです。一方、ユイちゃんの場合は嫌いな田舎から大好きな自分を逃してあげるため。
『ちりとてちん』のヒロインが嫌いな自分を克服したいという切羽詰まった思いがあったので、暴言もどこか許せるところがありました。残念ながらユイちゃんの暴言は、見ていてつらいものがありました。同情の余地はあまりないかもです。
母親を見下しているようなところも見え隠れ。ヒロインではないから安心してそんな役割を当てることができたのでしょうが。ヒロインがこれをやったらかなり残念だったかもです。
それでもユイのお父さんの態度が立派で救われました。どんな道を選んでも構わないがお母さんを悪く言うな。実にしっかりしたお父さんだったんですね。さすが町の名士だと改めて見直しました。
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はい、「顔はやめてよ、私、女優なんだから」。名セリフでしたね。
この先、東京編でも、数多くの女優・俳優が出現しますね。でも、
存在感も個性も向上心もいっぱいで、よく目立つ能年の演技は見事です。
足立家、家出癖はお母さん譲りなんでしょうね。家出しなかったのは
お父さんだけか。まあ、かなり年の離れた女性と結婚した、お母さん大好き
旦那だから。子どもが出来ても、2番目に好きだと言い切れる人なんでしょう。
それだけに、家庭に埋没させてしまった申し訳なさが人一倍あったのでしょうね。
そして、太巻が絡んでいることを知った春子の心境はいかんばかりか。
昨日は平凡に田舎に溶け込んで、過去を忘れることができた春子に、
過去を思い出させる事態になって、昨日のことも実は伏線だったと
後で判る仕掛けなのか。このドラマ、何度も見ないとわからない
複雑な仕掛け満載ですよね。
勉さんがミズタクを破門する!
これほどヒロインを量産?したドラマの例を私は知りません。その中で埋没せずに存在感を放ち続けた能年さんはやはり凄い。それにしてもユイの「顔はやめてよ!」はモロ「Wの悲劇」でしょう。他の小ネタや全編の流れを見ても、このドラマって、実は薬師丸ひろ子のために作られたんじゃないか?という気がしてしまいます。