NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』
本放送:2013年6月10日(月)
再放送:2015年6月15日(月)
再々放送:2023年6月12日(月)
第11週 第61話 「おら、アイドルになりてぇ!」
『あまちゃん』第11週 第61回
「おら、アイドルになりてぇ!」あらすじ
夜、海女カフェで家出したユイが見つかりました。ユイは水口と一緒でした。海女カフェに集まって来た北三陸の人たちに問いつめられ、水口はついに自分の正体が大手芸能プロダクションのスカウトマンだと白状し、皆に謝罪しました。
ご当地アイドルユニット「GMT47」の計画を語る水口に大吉は言い返します。ユイは北三陸の救世主なのだと。町の人々も大吉の意見に同意しますが、ユイは町おこしなどに興味はない、これ以上犠牲にはなりたくないと言い放ち一度を唖然とさせます。
この夜の出来事は北三陸の人々の心に爪痕として残り、大吉の胸にもユイの言葉が突き刺さりす。大吉は、自分たちの都合をユイに押しつけ17歳の夢を食い潰そうとしていた自分を深く反省しました。しかし、それでも尚、ユイを東京に行かせたくはありません。
ユイの上京作戦は失敗に終わってしまいました。その後、失意のユイは自分の部屋に閉じこもってしまいます。水口は東京に戻ることになり、北三陸駅には勉と美寿々の二人だけが水口の見送りにやってくるのでした。
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『あまちゃん』第11週 第61回
「おら、アイドルになりてぇ!」感想
「GMT47」のコンセプト「地方から日本を元気にする」、よくよく考えてみるとかなり変な言葉ですね。大吉さんの表現を拝借すると、ユイちゃんみたいな疲弊した地方の「救世主」をその地方から取り上げ、その話題性から特定の私企業の利益だけが増える。
一方で「救世主」を取り上げられた地方はますます疲弊してゆく。「地方から日本を元気にする」というのは、地方でやっとの思いで咲かせた花を摘んで「日本」を騙る一私企業の私腹を肥やすだけのもの?
それはともかく、ユイちゃんの東京行きの夢、芸能界入りの夢はこの時点で破れてしまいました。芸能界入りはともかく、東京行きの夢は叶わなくて良かったのかも知れません。
いつぞや春子さんがヒロシくんに言いました。田舎が嫌いで出て行った者は東京に行ってもうまくゆかない。ヒロシくんを諭しつつ、自分自身への戒めでもあったこの春子さんの言葉はそのままユイちゃんにも当てはまる言葉です。
町おこしには興味がないし、北三陸再興の犠牲になりたくないというユイちゃんですが、東京に行ったら行ったで、東京には興味がないし、ある特定の私企業の利益の最大化の犠牲になりたくない。そんな風に考えて挫折していたかも知れません。
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美寿々さん役の美保純さんはジョージ秋山先生作品のヒロインがよく似合う
実際に演じた「ピンクのカーテン」野里子だけでなく、「恋子の毎日」恋子も「はぐれ雲」かめさんもマッチすると個人的には思う
因みに本日放送分でじゃあなと言いながらの右手ポーズはサバラ、楳図先生の代表作「まことちゃん」より
アイドルに憧れていた母親は難敵だけれど、味方になれば、これほど
強力な物はない。
まさか、この時点で、将来春子が起こした芸能事務にミズタクが社員として
加わることを予想できた人がいただろうか。とてつもない伏線ですよね。
琥珀の師匠の言葉に重みと深みが。お前の仕事と同じだろ。
田舎人、みんな格好良い。
でも、タダでは終わらせない脚本。「あんにゃろ、忘れていきやがった!」
しかし、忘れ物を取りに戻る伏線だとは、この時には誰も気づかなかった。
そして、ユイちゃんの不幸の連鎖が始まる。
ユイちゃんの上京失敗1回目。