NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』
本放送:2013年8月24日(土)
再放送:2015年8月29日(土)
再々放送:2023年8月26日(土)
第21週 第126話 「おらたちの大逆転」
『あまちゃん』第21週 第126話
「おらたちの大逆転」あらすじ
アキが鈴鹿ひろ美に初めて会った一年前のある日の夜、一緒にお芝居をしようと言った鈴鹿ひろ美の言葉が実現しました。アキはオーディションのすべての審査をパスし、映画『潮騒のメモリー』リメイク版のヒロインの座を射止めたのです。
アキがヒロインに選ばれ感極まった水口は涙をこらえてアキを抱擁。そしてかつて師匠だった北三陸の勉に朗報を報告します。勉の教えの通り、原石を磨き続けたおかげでアキを輝かせることが出来たと、水口は勉に心からの謝意を述べました。
その頃、北三陸では夏が二週間の入院を経て退院し自宅に戻って来ました。アキの朗報は春子のもとにも伝えられ、天野家に集まっていた北三陸の面々は騒然となります。そんな中、自宅に戻った夏は、春子の心遣いにはじめて「ありがとう」の言葉をかけました。
2010年10月、アキは映画の撮影に向けて多忙を極める日々がはじまりました。『見つけてこわそう』の20回分の撮り溜め。映画のための発生練習や和服の所作の特訓。厳しいリハーサルを経て、ついにアキはクランクインの日を迎えるのでした。
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『あまちゃん』第21週 第126話
「おらたちの大逆転」感想
今回は『あまちゃん』全156話を通じて最高傑作の一遍かも知れません。
今回第126話ではまず『あまちゃん』全編を通して伝説となった名場面「ミズハグ」が登場しました。アキちゃんをぎゅっと抱擁するミズタク、この時のミズタクの神レベルの台詞が泣かせます。
アキちゃん「水口さん泣いてんのか?」
ミズタク「うるさいっ!もっと泣くぞ」
「ミズタク」のお父上と「鈴鹿ひろ美」が共演した往年の名作アイドル映画『探偵物語』へのオマージュであろう背中トントンもたまらない。
第126話はミズハグばかりがクローズアップされていますが、ミズハグ直後のミズタクと勉さんの師弟愛も泣かせます。特に数多くいる登場人物たちの中でこれほど誠実に勉さんと向き合ったのはミズタク一人のみ。その誠実な姿が男前過ぎです。
ミズタク「一所懸命磨いた甲斐がありました!原石輝きました!」
勉「よくやった水口!」
勉さんを裏切って泣かせたミズタクの掛け値もこれで帳消し。実に美しい回収のしかたでありました。ミズタクと勉さんの師弟愛に満ちあふれた会話もまた神レベルでした。
そして、もう一つの神レベルの名場面。それは夏ばっぱが春子さんに無意識のうちに言った「ありがとう」のひと言。普通の演出であれば、もっとこれ見よがしに夏ばっぱに「ありがとう」と言わせたがる場面です。
しかし、そんな安易なお涙頂戴式の演出をきっぱり拒絶したストイックな姿勢が潔いことこの上ない。夏ばっぱ本人も気付かぬ間に「ありがとう」と言わせ、言われた春子さんもその言葉に気付かないフリをして心の中だけでうれし涙を流すその粋なこと。
本当にいいものを見せてもらいました。第126話は神回です。
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勉さんが水口を祝福。無言の時間がなんとも言えない。
夏ばっぱが「ありがとう」を2回も言った。もう思い残すことはない。
そして次週は伝説の前髪クネ男登場!そして鈴鹿さんが(河島も)事実を知る。
起承転結の「転」が次週で終了。
「生まれたての子鹿」というのは、古田新太さんの、その場でのアドリブ
だそうで、それにしっかり能年が対応しています。
太巻さんの「足が、生まれたての鹿みたいになっている」演技で、
鈴鹿ひろ美さんが、素(=薬師丸ひろ子)で笑っています。