NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『まれ』
2015年6月26日(金)放送
第13週 第77話「運命カカオ64%」
『まれ』第13週 第77話「運命カカオ64%」あらすじ
大輔と付き合いながら圭太のことも忘れられずにいることを美南から手厳しく指摘された希は、深い自己嫌悪に陥ってしまいました。そんな希に、文は元治と弥太郎の間で揺れ動いた自分の若い頃の話しを語ってきかせました。
文は元治に惚れていました。しかし無口な元治の本心が見えなかった文は、元治との結婚を断念。元治の親友・弥太郎と夫婦になることで元治のそばに居続けようと考えたのです。しかし文は元治を諦められませんでした。そして文は弥太郎との婚約を破棄したのです。
自分の中の嫌な自分を見つけ深く落ち込む希に、文は諭しました。嫌な自分は誰の中にもいる。そんな「自分」の存在を受け入れよと。文の言葉に背中を押された希は大輔に詫びつつ告げました。他に好きな人がいるから大輔とは付き合うことは出来ないと。
そして迎えたコラボ展示当日。会場へのケーキ納入時に浅井が転倒。希のケーキ「フィエルテ」が全壊します。しかし作り直そうにも材料のカカオ64%のチョコレートがありません。展示に代替のケーキが間に合わなければ圭太の蒔地は中止と弥太郎は告げるのでした。
『まれ』第13週 第77話「運命カカオ64%」
事前発表あらすじのレビューと解説
自分の中の「汚さ」に生まれて初めて直面し自己嫌悪に陥る希ちゃんを文さんが諭す。人間とは本来「汚い」ものと達観してそうな老練な文さんに、まだ若い希ちゃんがどのような感化を受けることになるのか。
一方、希ちゃんよりは大人ですが文さんに比べたら子供同然の大輔くんが、希ちゃんの迷いを大人としてどのように受け入れてくれるのか。希ちゃんの揺らぎをめぐる、文さんや大輔くんの大人の対応がどのように描かれるのか、期待せずにはいられません。
また大輔くんに心を許しながらも圭太くんにも揺らいでしまう希ちゃんが、自分の中の揺れる心にどのように始末を付けるのか。大人の階段の小さな一段を上る希ちゃんの姿は今週の見せ場の一つかも知れません。
加えて圭太くんも心配です。かつて成人式での帰郷を期待していたにも関わらず姿を現さなかった一子ちゃん。その一子ちゃんとの失恋を一度は受け入れたはずの圭太くんは、再び一子ちゃんを見て心が動くのか。一子ちゃんは思いがけない場所で圭太くんと再開を果たし何を思うのか。
眼が離せなくなってきました。
『まれ』第13週 第77話「運命カカオ64%」
朝ドラ観賞後の感想
清濁併せ呑む大人のドラマを久々に満喫しました。
潔癖の美徳は若者の美徳。寛大の悪徳は大人の悪徳。「見つけたくない自分」を潔癖に避けたがる若者・希ちゃんに、「見つけたくない自分」は誰の中にもある。それを他人の眼から上手に隠して生きても構わないという寛大の悪徳を容認する文さんの大人のリアル。
しかし「見つけたくない自分」を自分にだけは隠してはならない。常に「見つけたくない自分」を認めながら生きなければならないと悪徳の罪を背負う覚悟を説きつつ、文さん自身の「見つけたくない自分」を淡々と告白する文さんが怖いほどでした。
その文さんの「見つけたくない自分」に振り回される二人の男が対峙した場面。すごいものを観たような気がしました。まれ77話、繰り返しみたくなる濃密な大人のドラマとして忘れがたい一遍になりそうです。
一方、希ちゃんから付き合うのを断られたゴン太くんの名演も胸に迫るものがありました。希ちゃんの気持ちを年長者として受け入れてあげたいという気持ち。希ちゃんを手放したくないという年齢相応の気持ち。
二つの気持ちに引き裂かれた姿を希ちゃんの前でさらしたくない。そんなゴン太くんの悲痛な心の叫びで、こちらの胸がヒリヒリするほどです。
そして、転倒して希ちゃんのケーキ「フィエルテ」を全滅させた後の浅井の表情も名演でした(笑)。
追記1:本日は早朝から外出していたため、あらすじ更新とレビューが遅くなってしまいました。お詫び申し上げます。
追記2:来年4月スタートの朝ドラが発表されました。タイトルは『とと姉ちゃん』。詳細は後日まとめます。
▼ポイントレビュー
・弥太郎さん曰く、文さんが横浜に来たのは他に理由がある。他の理由って?まさか文さん自ら弥太郎さんへの償いのために来たとは言わないだろうし・・・
・文さん曰く、60歳過ぎたら笑い話。確かに弥太郎さん・元治さんとの過去は一種の笑い話。現在進行形の希ちゃんの悲劇と実は大差ない文さんの過去の笑い話。
コメント
はじめまして
いつも覗かせてもろてます。
月間ネタバレ見ないようにしてましたが気になり毎日覗かせてもろてます。
今週のは特に痛い一週間でした。今日の放送も直視出来ない程ですが、個人的に希ちゃん大輔って希望してましたがやはり最後は昨日の放送は辛くて辛くて(泣)
まだ半分やのに濃いです。
そんな中の浅井の事件
ヤキモキしながらです。ハイ。
では又コメします。ご挨拶迄
m(__)m
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り半分しか経過してないのにハンパない濃さですね。
特に金曜日放送回の濃さには驚きました。これからもっと濃くなるという宣言みたいでした。
今後とも当ブログをよろしくお願い致します。
そう言えば今回の元治さんと弥太郎さんとの電話のやり取りは弥太郎さんに軍配が上がった感じがしましたね(笑)。
よくよく思い出してみると、これまでの元治さんと弥太郎さんの喧嘩腰の絡みでは弥太郎さんは至って冷静で逆に元治さんの方が血気盛んな感じでしたよね。
この先もこのおふたりから目が離せないかもしれませんね(笑)。
コメントありがとうございます。
弥太郎さんは職業がらハードな交渉場面などの修羅場を何度もくぐり抜けて来たはずなので人あしらいは上手なのかも知れませんね。一方、元治さんはお天道様と文さんだけが相手ですから、勝ち目がないかもです。
文さんが希ちゃんに言った弥太郎さんと元治さんとの馴れ初め話は嘘ではないことが解りましたね。
文さんの横浜入りの理由は何なのか?。
弥太郎さんへのせめてもの償いも本当のことだと思います。
魔性の女の文さんは外浦村でゴン太くんに会った瞬間に横浜と輪島の間での恋の泥沼化を予見し、わざわざ希ちゃんを励ましに来たとも考えられます。
もうひとつ、東京の息子さんに会いに来たとも考えられます。
コメントありがとうございます。
> 東京の息子さんに会いに来たとも考えられます。
そうか!これがありましたね!
文さんは何しに来たんだろうってずっと考えていました。
桜もち君の存在は死角でした。
浅井~!
コメントありがとうございます。
今回は浅井くんの浅井くんらしさの炸裂ぶりが最強でした。
今日の文さんが希にお吸い物(?)を出すシーンを見て、『ちりとてちん』で、修業を始めたばかりのB子が「寝床」にやって来たA子を怒鳴って追い返してしまい後悔していると、草若師匠がB子に温かいお茶を淹れてあげる、という場面を思い出しました。そこに至る流れが違うので意味合いは違うんでしょうけど、ちょっと懐かしくなりました。
コメントありがとうございます。
今回の文さんと、お茶を出した草若師匠。ご高察の通り、傷ついた心を温めてあげようという心遣いという点で二人の行動には重なるところがあると思います。激しく同意します。
今週は若い人が素直に気持ちを公言できない・しない展開ですね。
青年の希たちとは対照的に元治さんが嫉妬をむき出しにする場面がありましたが、
弥太郎さん・元治さん・文さんは年齢が60代後半でしょうか。
年をとっても恋敵への嫉妬があるようですね。
コメントありがとうございます。
> 今週は若い人が素直に気持ちを公言できない・しない展開ですね。
「見つけたくない自分」を直視出来ない若者の潔癖さがそうさせているのかも知れませんね。一方で弥太郎さんと元治さんは「見つけたくない自分」が「ありのままの自分」になっているかもです(笑)
おはようござします。
やってくれましたね、浅井君……。
そして、やっちまったくせに、なんの反省も感じられないあの態度……。
さすが鈴木拓!!
文さんの言葉、深かったですね。
さすが、酸いも甘いも咬み分けたベテラン魔性の女。
コメントの中に、「一子ちゃんと美南ちゃんが嫌い」というのがありましたが、私はこの二人を含め、『まれ』の主な登場人物に嫌いな人はいません。
たまに圭太君のことをボロクソに言ったりしてますが、彼のことも決して嫌ってません。
あえて言うなら、安西さんくらいかな(笑)
コメントありがとうございます。
文さんの魔性炸裂にはじまり浅井くんの無責任の極みまで見所満載でしたね。
> あえて言うなら、安西さんくらいかな(笑)
「あえて」と付け加えないと「嫌い」と言い切れない何かが安西氏にはあると思います。ロクデナシのくせして不思議と愛嬌のあるところが絶妙です。
昨日ドラマみて最後に希ちゃんが泣いていてとてもかわいそうでみてられなかったしなんで一子さんが突然きて希ちゃんに怒りをぶつけたりみなみさんもきて言ったり一番悪いのは圭太くんだと思っているけど希ちゃんは大輔さんと仲良くして付き合いして大輔さんのそばにいて支えた方がいいと思います。一子さんとみなみさん私は特に二人がものすごく嫌いです。
コメントありがとうとざいます。
思えば希ちゃんがあんな泣き方をしたのは初めてのことですね。
76話の最後は本当に辛いものがありました。
しかし主人公の醜い姿をさらす展開と言うのは、今までの朝ドラではあんまりなかったと記憶してますがどうなんでしょうか?
これも新しい試みなのかなと思ったりも。
コメントありがとうございます。
これまでの朝ドラに詳しいわけではないので過去作品と比べることは出来ませんが、自分の知っている範囲でも新しい試みらしき点が随所に見られます。