弥太郎が夢見る「陶胎漆器」とは/輪島塗とフランス磁器のコラボ【まれ】

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『まれ』第17週で、圭太の祖父・弥太郎は斜陽の輪島塗に新機軸を打ち出そうとフランス磁器とのコラボを夢見ます。そのエピソードに登場する「陶胎漆器(とうたいしっき)」という言葉についてまとめてみました。

縄文時代初期から伝わる陶胎漆器の技法

漆器と言えば木製の器や箸などに漆を塗り重ねたものが主流ですが、これら木製の素材の上に漆を塗った漆器のことを「木胎漆器(もくたいしっき)」と呼びます。

この木胎漆器に対して陶磁器の上に漆を塗り重ねる手法でつくられた漆器のことを「陶胎漆器(とうたいしっき)」と呼ぶのです。

朝ドラ『まれ』劇中で、弥太郎は輪島塗の新機軸を目指しますが、陶胎漆器の技法そのものは決して新しいものではありません。

古くは縄文時代前期の山形県押出遺跡から出土した土器に漆が塗られており、縄文時代を通して陶胎漆器の技法で土器が焼かれ続けていたそうです。

一度は途絶えてしまった陶胎漆器の技法

土器に漆を塗った目的には二つのことが考えられています。一つ目は装飾。実際に、縄文初期の土器には赤漆と黒漆を塗り分けることで流麗な渦巻文が施されています。

二つ目の目的は土器への水の浸潤を防ぐこと。土器の粒子は荒く水を吸収しやすいため、水漏れや湿気による崩壊を防ぐために土器の表面に漆を塗り重ねていました。

しかし、陶器の釉薬の発達とともに陶胎漆器の技法はすたれ、日本国内の陶胎漆器は奈良時代には姿を消してしまったと言われています。

一度は途絶えた陶胎漆器の技法ですが、近年になって美術工芸品の分野でそのとろりとした質感が見直され、洋食器などでも陶胎漆器が復活しつつあるようです。

弥太郎の陶胎漆器の夢を応援する希と圭太、そして圭太の父・博之

朝ドラ『まれ』の中で弥太郎が夢見たのは、フランス磁器に漆を塗るというこれまでにない陶胎漆器の試みです。

漆器を欧州に広めるのに最大の障壁となっているのは「乾燥」でした。湿度の低い欧州では木製の素材が乾燥し割れてしまうのです。その問題をクリアすべく漆器に漆を塗り、欧州に販路を求めることが弥太郎の悲願でした。

しかし、夢半ばにして弥太郎は病に倒れ、圭太がその夢を受け継いだものの職人たちの反発やフランス磁器メーカーからのコラボキャンセルに遭遇。

窮地に陥った弥太郎の夢を救ったのは、かつて和食器とフランス菓子のコラボを成功に導いた希と圭太の経験と、そして圭太の塗師屋承継に一時は猛反対していた圭太の父・博之のまさかの行動でした。

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