まれ 149話 一徹が父を探す旅に出る

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『まれ』
2015年9月18日(金)放送
第25週 第149話「秒読みコンクールケーキ」

『まれ』第25週 第149話「秒読みコンクールケーキ」あらすじ

一徹は大輔から聞かされた徹の目撃情報をすべて藍子に伝え、胸の中に秘めていた苦悩を打ち明け始めました。一徹は悔やみ続けていたのです。徹が家族のもとを去るのを、止めることが出来たにも関わらず止めなかったことを。

一徹は父を探し出す旅に出る決意を固めました。自分が埼玉に行くと言う藍子に、土下座をしてまで自分に行かせてほしいと一徹は懇願。父との対立から逃げてきた一徹は、これが父と向き合う最後のチャンスと考えていたのです。

父と正面から向き合うという一徹の覚悟は、圭太が自分の父への姿勢を見つめ直すきっかけになりました。そんな中、博之が輪島市長に当選しました。祝宴の席上、圭太は意を決して博之を心から祝福し、それに応える博之を喜びを隠しきれません。

一方、コンクールの準備や父への複雑な感情を抱く希に、圭太は徹の目的情報を言い出せずにいました。そんな中、一徹は徹を見つけられずに帰還。諦める藍子に一徹は言いました。徹を見つけ出す手はまだ残されていると。一徹には考えがありました。

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『まれ』第25週 第149話「秒読みコンクールケーキ」
 事前発表あらすじのレビューと解説

かつて徹が東京で起業した会社を畳み、能登で失意のドン底にいた頃のこと。不甲斐ない父の姿が許せない一徹は、ことあるごとに徹に腹を立て悪態をついていました。しかし、そんな一徹の態度は父への期待と尊敬が大き過ぎることからくる反動でした。

一徹はそれほど父を愛し尊敬していました。だからこそ、徹が能登を去って行くのを止めることが出来なかった。父の苦渋の決断を尊重したかった。しかしまたそのことが一徹の心の重荷になっていたのです。一徹は父を止めなかったことをずっと後悔し続けていたのです。

徹の消息を聞かされた一徹は、積もりに積もった後悔の念に突き動かされました。失踪した父を探す旅に出る決意を固めたのです。

そんな一徹の父への深い愛情は、圭太の心を動かしました。その頃、圭太の父・博之は輪島市長選を勝ち抜き晴れて市長に当選。しかし、父への複雑な感情を胸の深いとろこに抱いている圭太は父の当選を素直に祝福することが出来ずにいたのです。

一徹の振る舞いに胸を打たれた圭太は父と正面から向き合う決意を固めます。

一方の博之は、息子を愛するあまり息子との確執を意図的に演出してきました。期せずして出来た確執でなく、意図してつくりあげられてきた父と息子の確執の回収。朝ドラでは希少なパターンの確執とその回収は今週の最大の見所のひとつかもしれません。

『まれ』第25週 第149話「秒読みコンクールケーキ」
 朝ドラ観賞後の感想

一徹くんの苦悩がここまで深いとは

徹さんが出て行くことを知っていた。会社の人に脅されていたこともわかっていた。止めようと思えば止めることも出来た。徹さんも、実は止めてほしいと思っていたかも知れない。止めなかったことで藍子さんと希ちゃんを苦しめた。

止めなかったのは、徹さんとの対立を避けたかったから。徹さんと向き合うことから逃げたから。あくまでも自分に厳しい一徹くんの苦悩が泣かせます。

口では何も言いませんがガンジーもまた同じ苦悩を抱えていたのかも知れません。

ガンジーも徹さんが出て行く場面を見ていた一人です。しかし徹さんの決意を尊重してあげたかった。去りゆく徹さんの背中に父の本気の覚悟を見た一徹くんの気持ちを大切にしてあげたかった。しかし文さんにそのことを詰られ迷いが生じた。

徹さんの覚悟を尊重したいという気持ち。一方、果たしてそれが正しい選択だったのかと迷う気持ち。この複雑にねじれた気持ちを共有する一徹くんとガンジーの無言の芝居は忘れられない場面の一つになりそうです。

旅立つ一徹くんの肩に添えられたガンジーの手に、一徹くんの気持ちはすべて理解しているというガンジーに気持ちのすべてが現れていました。ガンジーが無言なだけに心に沁みます。実に美しい場面。本当にいいものを見せてもらいました。

圭太くんと博之さんの父子のすれ違いは時間が解決?

『あまちゃん』の夏ばっぱと春子さん。『ごちそうさん』の正蔵さんと悠太郎。『花子とアン』の吉平お父やんと吉太郎くん。そして『マッサン』の鴨居の大将と英一郎くん。過去四作品の親子の確執はそれぞれ最終決着の場面が用意されていました。

最終決着とは積年のすれ違いやお互いの誤解のほぼすべてが解ける場面を意味します。その最終決着がキレイに省略された『まれ』の、博之さんと圭太くんの父子「和解」の描写がとてもリアルでみごとです。

父子「和解」と、和解にわざわざ「 」を付けたのは、圭太くんが博之さんの市長当選を祝福したのは決して和解ではないからです。圭太くんは、一徹くんの父親に向き合う覚悟に感化を受けた。一徹くんに見習って父と向き合おうとしたのでしょう。

圭太くんが博之さんを祝福し心から挨拶したのは和解ではなく、父子が正面から向き合った最初の瞬間。今後、この父子は和解するかも知れないし、もしかすると再び関係がこじれてしまい父子関係は更に悪化するかも知れません。

しかし、願わくば時間がかかっても真の和解にたどり着いてほしい。また、直美さんが見せた涙は、将来の和解を暗示した表現なのかも知れません。和解の場面を省略し、時間をかけて和解されるだろうという含みを残す。静かな静かな父子の確執の幕切れでした。

パティシエ・コンクールに出品するケーキのテーマ

一徹くんと圭太くんのエピソードが濃厚かつ重厚過ぎて、希ちゃんがパティシエ・コンクールに出品するケーキのテーマをひらめく瞬間の、今週の核となるはずだった場面が霞んでしまいました。希ちゃん、ちょっこり気の毒です。

だらふわ

希ちゃんが圭太くんを評価する言葉として使った「だらふわ」という言葉は初耳ですが、これは劇中オリジナルのお故郷言葉なのでしょうか。

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12 Responses to “まれ 149話 一徹が父を探す旅に出る”

  1. koji より:

    『だらふわ』は今回以外にも使われていたのですね。

    まささん、よく覚えましたね!。

    僕も加賀地方なので使いませんがもしかすると本当に能登地方では使われているか使われていたのかもしれませんね。

    ちなみに僕も日常会話で「だら」はよく使いますよ。感情が高ぶったときには「だっら~」になります。「ら~」は巻き舌が入ります。

    それと第一週でガンジーが息子の哲也くんが祭りの日に帰ってこられない体で電話のやりとりしてたときに「だらぶち~」と怒鳴っていましたが「だらぶち」は僕は使いませんが、これもよく聞く言葉です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「だらぶち~」

      これはやっぱり強い表現なのでしょうか。

  2. koji より:

    『だらふわ』

    番組オリジナルの方言だと思います。

    なぜなら圭太くんが「だらふわ?」と聞き返したからです。

    もしかすると台本には無かった台詞。

    太鳳ちゃんのアドリブだったのかもしれません。


    もうひとつ気になることがあります。

    希ちゃんは、まだ、一徹くんが徹さんを捜しに行ったことをしらないのでしょうか?。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > なぜなら圭太くんが「だらふわ?」と聞き返したからです。

      言われてみればそうですね。「だら」最多連発の彼が聞き返すくらいだから。

      > 希ちゃんは、まだ、一徹くんが徹さんを捜しに行ったことをしらないのでしょうか?

      まだ内緒にしてるみたいですね。

  3. まさ より:

    だらふわは
    みのりとまれの会話の中にありあしたよ
    だらは方言でアホと使い方かなぁ

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      すでに「だらふわ」は使ってたんですね。
      みのりちゃんと希ちゃんの会話、確認してみます。

  4. ぷりんくん より:

    はじめまして。朝蔵さんのブログ、毎日拝見させていただいています。
    石川県出身なので「だらふわ」について触れていたので、思わずコメント残してしまいました。

    私は能登ではなく、加賀地区なので若干言葉の違いはあるのですが、たぶん、「だらふわ」は劇中造語かなと。
    「だら」はあります。石川弁で「バカ」とか「あほんだら」の柔らかい言葉と思っていただければいいかな?
    なので、たぶん、「だらふわ」は≪ほわほわした(のらりくらりの?)あほんだら≫ってところかと。

    前に歩美と匠が生まれた時の「えちゃき」も全国のみなさん分かったのかしら?と家族で心配していたのですが、いかがですか~?(^0^)
    (ちなみに愛らしいって感じの意味でした)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      詳しい解説でどんなニュアンスで使われている言葉なのか、微妙なところがよくわかりました。

      > 「えちゃき」も全国のみなさん分かったのかしら?

      僕は文脈の中で「可愛い」と言ったのかなと予想しながら観てました。それにしても「えちゃき」の言葉の響き、愛らしくていいですね。

  5. スピカ より:

    “だらふわ”
    私の実家は同じ輪島市でも方言は微妙に違うので
    間違っているかもしれませんが能登移住ツアー参加者の
    安西を圭太に紹介する26話で
    東京行きに焦っている一子をそっちのけで
    輪島塗しか目に入らない圭太にたいして
    希とみのりの会話で「だらでふわふわしている」という会話から来ているのではないかなと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      観察眼に加えて記憶力も素晴らしいですね!
      26話、確認してみます。
      ありがとうございました。

  6. きみ より:

    こんにちは。

    一徹は徹探しの旅に出るんですね・・・。
    データで動いていた人が、自分の足で探しに行くというのが意外ですね。

    ところで、番組の一徹の人物紹介に「デイトレードにのめりこんでいく」とありますよね。
    「まれ」が始まったばかりの頃は、一徹はデイトレードに失敗して家族に内緒で多額の借金を作って、希がその借金を返済しつつ世界一のパティシエになるのかなと予想していました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > データで動いていた人が、自分の足で探しに行くというのが意外ですね。

      なるほど!こういう意外性が一徹くんの行動にはあるんですね。

      > 一徹はデイトレードに失敗して家族に内緒で多額の借金を作って、

      僕も同じような心配をしていました。リーマンショックと重なりますので。職人の世界に飛び込むとは意外でした。

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