あさが来た 34話 はつが男児を無事に出産

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年11月5日(木)放送
第6週 第34話 「妻の決心、夫の決意」

『あさが来た』第6週 第34話 「妻の決心、夫の決意」あらすじ

加野屋を訪問中に産気づいてしまったはつは、加野屋の面々に祝福される中で元気な男児を無事に出産しました。姉の出産を喜ぶあさの胸中は複雑です。よのが心の底から孫を欲しがっていることをあさは承知していたからです。

一方、廃藩置県に伴い維新前の諸藩への貸し付け金が50年かけて無利息で返済されることが新政府によって決定されました。この旧藩の救済策によって、全国の諸藩に多額の貸し付けを行っていた加野屋は大打撃を被る見通しとなりました。

炭鉱経営に難色を示していた正吉も加野屋の生き残りのために考えを改め始めた頃、大阪の商売仲間の与平が石炭を持参して加野屋を訪問。九州の炭鉱が売りに出されたという話をあさと正吉のもとに持ってきました。

炭鉱買収に前のめりになるあさに正吉は覚悟を質しました。嫁が夫の世話をせず長いこと家を明けるその覚悟は出来ているのかと。あさは断腸の思いで新次郎に告げました。家の跡取りをもうけるためにも目掛を囲ってほしいと。

※諸般の事情により「目掛」という当て字を用いています。

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『あさが来た』第6週 第34話 「妻の決心、夫の決意」
 事前発表あらすじのレビューと解説

はつが元気な赤ちゃんを無事に出産しました。しかも、新次郎の子供を喉から手が出るほど欲しているよのの目の前で。実に皮肉な展開です。

白岡家に響き渡る産声に面々は歓喜の声をあげるものの、そんな中、まだ子供が授からないあさの胸中は複雑です。

やはりはつが白岡家に嫁いでくれれば良かったと落胆するよのに悪意はないものの、よののため息がますますあさを追い詰める。

公私の私ではさっぱりのあさですが、公のほうに追い風がにわかに吹き始めます。

新政府が廃藩置県を発令。廃藩にともない諸藩の債務(借金)は帳消しにするという救済策は、諸藩にお金を貸している両替屋には大打撃となる事態でした。

ついに正吉も、反対し続けていた炭鉱業に踏み出さざるを得ない事態に陥ります。そして折もよく、鉱山買収の話があさのもとにもたらされるのでした。

余談ですが、史実では廃藩置県にともない諸藩の借金帳消しは両替商たちの激しい反発に遭い取り消し。しかし、維新前の借金を維新後の通貨に換算する基準をめぐってもめにもめたそうです。ただしこの一件は劇中には登場しなさそうです。

『あさが来た』第6週 第34話 「妻の決心、夫の決意」
 朝ドラ観賞後の感想

追い風が強くなるほどに逆風も強くなる

はつちゃんが加野屋に嫁入りしていれば今頃は孫を抱けていたはずだとため息ばかりのよのさん。一方で、口には出さないけれど菊さんは逆のことを考えているかも知れません。あさちゃんを嫁にもらっていれば山王寺屋の倒産は免れたかも知れないと。

前回、お腹の大きいお姉ちゃんがまぶしいと珍しく沈んだ顔をしてあさちゃんがぼやいていましたが、一方で夫と仲良さそうに暮らしているあさちゃんのことが、今のはつちゃんには眩しく映っているかもしれません。

姑と嫁、立場は違えど四人の女性たちそれぞれの「ないものねだり」の対比がみごとです。

それに加えてジレンマに陥るあさちゃんの追い詰め方の意地悪さも秀逸です。

諸藩の救済策により大打撃を被ることになった正吉さんもいよいよ加野屋の生き残りを真剣に考えざるを得ない。そのタイミングで炭鉱が売りに出される。あさちゃんにはこれ以上望めないほどの追い風が吹く。

あさちゃん悲願の炭鉱ビジネスをはじめるのに機が熟したと言って差し支えないこの状況は一方で、新次郎さんに目掛を囲わせることを認めざるを得ない状況でもあります。そして、まさにその覚悟を正吉さんがあさちゃんに質す。

追い風が強くなるほどに逆風も強くなる。みごとな状況設定ながら、さらにお見事と思うのはここまでヒロインが追い詰められながらも、悲壮感より明るさが勝るヒロインの強靭さ。しかもこんな状況でも明るさを失わないヒロインに違和感がまるでない。

一歩間違えれば破綻しかねない込み入った状況にも関わらず、きれいにまとまりビックリポンです。

菊さんの小さな変化

惣兵衛はもう生きていないのではないか。

相変わらずネガティブ思考全開の菊さんですが、今回は二つの点で救いがあったかと思います。ひとつは生まれてきた赤ちゃんに対する辛辣な言葉なかったこと。今さらやや子なんて無意味だという類のイケズがなかった分だけポジティブになったのかもです。

そして、横目で赤ちゃんをチラ見する菊さん。本当は孫が気になって仕方がないに違いない。まだ素直になりきれないのは残念ですが、孫への愛情の芽生えを機に普通の優しいおばあちゃんになる兆しが見えたような気がします。

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いつも、当ブログ『朝ドラPLUS』をご覧頂き誠にありがとうございます。当ブログでは、誤記、誤変換、事実誤認をなくすべく努めておりますが、もし文中に誤りや表現の不明な点がございましたら、ご指摘頂けますと幸甚に存じます。今後とも『朝ドラPLUS』をよろしくお願い致します。ありがとうございました。


24 Responses to “あさが来た 34話 はつが男児を無事に出産”

  1. KAMIGATA より:

    大阪弁では「お手掛けはん」とも言ったようです。「「お目掛け」と「お手掛け」、どう違うのや。目ェ掛けるか、手ェ掛けるか、の違いや」と米朝さんがよく、枕で話していました。「こなから」という言葉もありました。一升徳利の半分、五合徳利を「なから徳利」そのまた半分で「こなから」=二合半=「二号はん」という洒落です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      いかにも大阪人らしい言葉遊びがさすがです。
      特に「こなから」はヒネリが効いていて粋ですね。

  2. ゆっこ より:

    よのさんは根っからのイケズではないと思いますが、
    イケズと言われることを心底恐れてますね。

    はつでもあさでもなく、もっと被害者意識の強い嫁が来ていたら、それこそ振り回されて大変だったと思います。

    それから菊さんは、「あさが嫁だったら」とは微塵も思ってないでしょう。

    はつが「疫病神」なのは、他に突っこむところがなかったからだと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      よのさんは、悪意はないのですが自分の言葉が周りにどんな影響を及ぼすのかを気遣うにはあまりにも天然な性格なのかも知れません。自分が天然であることを少しだけ自覚している天然キャラと言ったところでしょうか。

  3. koji より:

    廃藩置県を調べて見たら物凄い改革だったと言うことがわかりました。

    到底この場では語り尽くせないですね。

    改めて幕末から明治維新に駆けては本当に激動の時期だったのだと知らされました。

    さて、廃藩置県当時の日本の都市で最も人口が多かったのは

    もちろん東京

    次いで大阪

    そして京都

    そして我らが加賀百万石の金沢と

    尾張名古屋は城で持つが

    凌ぎを削っていたとの由です。

    しかしながら金沢も今や太平洋ベルトの各都市や日本海側では新潟市にも人口では追い越されてしまいました。

    まあ、人が多ければ良いと言うことでもないと思いますが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      この時代の諸改革、よくぞここまでいじったというくらい社会の仕組みを変えてますね。
      僕も『あさが来た』を機に調べてみてびっくりしました。

  4. のよ より:

    お目掛けさんについては、ガイドラインに忠実でいらっしゃること、感服いたします。
    放送では何度も「お○かけさん」と言っているのに、その文字を使えないというのは、なんともナンセンスな気もしますけれど、これもまた日本文化の側面なのかなあ…と、あまり深い意味もなく、そんなことを思いました。

    双方のお姑さんそれぞれに状況に応じたイケズを言ったりしたりしていますが、なんだかどちらも可愛いです。
    あばら家で”ちん”と座ったままの菊さんは、背筋がすっと伸びて、育ちの良さが隠しきれませんし、イケズなことを言うときには眉毛の高さに段差ができてしまうよのさんは、根っからのイケズではないことがわかります。

    • のよ より:

      ごめんなさい、もしかすると「お○かけさん」というひらがなもマズイでしょうか。もしそうであったら、先のコメント自体承認してくださらなくて結構です。
      あるいは、朝蔵さんのほうで操作できるのであれば、後半のお姑さんのコメントだけを載せていただいてもうれしいです。
      ご判断、お任せいたします。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうございます。
        お気遣いありがとうございます。
        一部、伏せました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 菊さんは(中略)根っからのイケズではない

      鋭い観察力ですね!
      菊さん、次週あたりはおばあちゃん顔を見せてくれそうなので楽しみにしています。

  5. ゆうこ より:

    モデルがいるドラマが好きで、テレビを見始めました。「この後どうなるの?」という思いが強く、このブログを読ませていただいています。
    さて、分からないことがあるのです。
    新次郎は、分家に養子に行ったんですよね。史実でもそうらしいのですが、「分家」という実体、養父母もわかりません。実際、本家に住んでいてあさは、本家の商売に力を尽くしています。
    もし、おわかりでしたら、教えて下さい。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      話を見えやすくするため、史実を劇中の登場人物名で説明致します。

      加野屋には長男がいたので次男の新次郎さんは分家に養子に出されました。しかし長男が若くして病死。

      一方、あさちゃんが加野屋に嫁いでわずか二年で正吉さんが逝去。ところが三男は幼いため次男の新次郎さんが三男の後見人に。

      そして家業に関心が薄い新次郎さんに代わってあさちゃんが加野屋再興に尽力する。

      史実を登場人物名でざっくり言うと以上の通りです。

      劇中では、史実通りに新次郎さんが養子に出されたという設定はそのままに、ストーリーや人間関係が複雑になりすぎないように分家と養父母は省略しているのかと思います。

      劇中だと正吉さんがお元気なので、新次郎さんが本家にいる理由が見えにくくなっているのかも知れません。

      • ゆうこ より:

        返信ありがとうございました。
        人間関係を複雑にさせないためなら、史実はどうであれ、「分家に養子」という話にしない方が良いと思います。
        「分家」のことが気になって仕方ありません。省略したら、なおわからなくなりますよね。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          わざわざ養子に出したという設定は、後々になって(三男坊が正吉さんの次の当主を継いだあたり)回収されるのかも知れません。

          三男坊が成長し家督を継いだ後、加野屋の経営方針をめぐってあさちゃんと三男坊の間ですれ違いが生じる場面も用意されているようです。

  6. キヨコ より:

    朝蔵さん そして「あさ仲間」の皆さま 初めましてとお久しぶりです

    あさと新次郎さん ふたり手を取り合ってお姉ちゃんの出産を歓び合う姿が
    可愛らしかったですね

    なんだかんだ言っても やっぱりこの二人仲良しだなぁ
    早く二人にも かわいいお子が授かるといいですね

    話題変わって
    大同生命のCMに 広岡浅子さんがアニメーションで登場してますね
    はつらつと自転車を漕ぐ 浅子さん
    これも「あさが来た」効果なのでしょうか

    息子が 学校での近代日本史を学ぶ時間が足りず物足りないと ぼやいてましたが 私の時代もそうでした
    今回の朝ドラでいろんな事を学ばせてもらい 目から鱗な事 いっぱいです
    それに加えて 朝蔵さんの解説も 本当に勉強になります!

    これからも よろしくお願いいたします

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      「あさ仲間」キヨコさん、お久しぶりです。

      > 大同生命のCM

      浅子さんが登場するCMが存在するなんて初めて知りました。
      こちらでしょうか▼▼▼(スタジオジブリテイストですね)
      大同生命創業者・広岡浅子『きっかけ』篇

      > 近代日本史
      民間人の視点から描かれた維新前後の歴史。
      そしてその時代の経済事情は本当に新鮮です。

      仮に学校で時間があってもここまで踏み込まないかも知れないですね。
      幕府や藩が財政難にあえいでいたのは知ってましたが、古い借金は踏み倒していたとはビックリポンです。

  7. atsu より:

    昔の「家」というのは、世襲制の会社のようなもので、家族も使用人も後継ぎが必要だと信じていたのだろうと思ってみますが、う~ん、「目掛」を勧めているのをみると釈然としないものが。あさは本当によくやっているのですから。ただ、あさ本人がよのの思う「嫁」とはかけ離れていて、だから子が授からないのだとよのは思い込んでいるのでしょうね。
    あと、朝蔵さまの皆「ないものねだり」というのは、本当にそうだと思いました。私もそうです。そういう目でドラマを見ると、素直に反省の気持ちがわいてきます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 無い物ねだり

      よのさんと菊さんに関しては、有るものに意識を向けることが出来ればとっても幸福になれると思うんですが、無いものばかりに目が行ってしまう。これも人間のサガですね。

  8. 1013 より:

    目を掛ける(面倒を見る)ことから目掛になったので、当て字ではないようですよ。
    あの漢字は元々は女囚などを意味する差別語だったそうなので、使用出来ないのもそのあたりかもしれませんね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      調べて下さったんですか?ありがとうございます。
      あの漢字が女囚を意味しているというのは初めて知りました。
      そんな意味があったのかとビックリポンです。

  9. さや より:

    あさの気持ち、分かります……。私事ですが、結婚して3年ちょっと。子宝に恵まれなくて……(´・ω・`) 今でも少し辛いですが、昔はもっと辛いですよね……。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      辛いのは昔も今も変わらないと思います。
      この先に待っているあさちゃんの幸と同様の幸がさやさんにもやってくるよう祈ってます。

  10. goshuko より:

    あのう、細かいことですが、目掛ではなくて○ですが・・。気になりましたのでご忠告いたします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      ブログ内の数カ所でお知らせしているのですが、当該文言は諸事情で用いることが出来ないため古い当て字を用いています。ご理解頂ければ幸いです。

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