あさが来た 53話 あさ,はつ,新次郎の孤独

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年11月27日(金)放送
第9週 第53話 「炭坑の光」

『あさが来た』第9週 第53話 「炭坑の光」あらすじ

新次郎は、はつから思いがけない質問をされ答えに窮してしまいます。はつは尋ねました。もし自分が新次郎の妻になっていたらどうなっていただろうかと。惣兵衛の不在にはつは寂しさを募らせていたのです。それは、あさが不在がちな新次郎も同じことでした。

そんな中、三味線の師匠・美和のもとで浴衣の会が開かれました。浴衣の会での新次郎は三味線の演奏を披露。この日に新次郎の演奏姿を見ることを楽しみにしていたあさでしたが、大阪に戻ることは出来ませんでした。

その頃あさも、九州で一人でいることの寂しさを噛み締めていました。そんなあさの胸中を察したカズは、治郎作はじめ坑夫たちがあさにどれほど感謝しているかを伝えました。治郎作自身も重たい口を開き感謝の言葉をあさに告げます。

治郎作やカズの強いすすめで、不眠不休で働き続けていたあさはようやく休みをとることにしました。眠っているあさが人の気配で夢から目を覚ますと、そこにいたのはペンギンの絵をあさの目の前にかざす五代友厚の姿でした。

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『あさが来た』第9週 第53話 「炭坑の光」
 事前発表あらすじのレビューと解説

いつも仕事に没頭するあさが垣間見せる孤独。その憂いを帯びた表情がサトシ問題の突破口となるのでしょうか。

寂しそうなあさを案じたカズが治郎作ら坑夫たちの本心を代弁します。口下手な坑夫たちが口に出来なかった本心。坑夫たちは、あさに心から感謝していたのです。

カズが仲立ちすることで、あさとより深く心を通い合わせることが出来た治郎作は、サトシをめぐるあさの苦悩を理解。

治郎作は親分としてサトシの一件を引き受けてくれることに。この、あさと坑夫たちが心を通い合わせる場面。本文中ではあえてサラッと記しましたが涙腺を微妙に刺激してくれる場面になるかも知れません。

ところで前作、前々作では省略された(?)朝ドラ恒例の水落ち場面が今回久しぶりに登場するようです。ただし水に落ちるのはヒロインではなくヒロインの夫・新次郎です。

最早、水落ち場面によって縁起をかつがなくても『あさが来た』のヒットは間違いなさそうですが、久しぶりの水落ち場面、それはそれで楽しみです。

『あさが来た』第9週 第53話 「炭坑の光」
 朝ドラ観賞後の感想

新次郎さんとはつちゃん

手と手が触れ合いドキマギする新次郎さんとはつちゃん。

そして、通りかかったおばちゃんに仲の良い夫婦と間違われ、夫婦になっていたかも知れないと新次郎さんがうっかり口を滑らせる。

それに応えて、もし自分が新次郎のもとに嫁いでいたらどうなっていたか。はつちゃんらしからぬまさかの質問に、一番驚いたのは他ならぬはつちゃん自身だった。

一連の場面での、新次郎さんとはつちゃんの表情が初々しいことこの上ない。

それぞれ夫婦のすれ違いに寂しさを募らせる男と女がブッキングしたらお昼のドラマになりかねない。そんな危うさを二人の初々しい表情と仕草が上手に回避し、清々しい場面に仕上がっていて秀逸でした。

亀助さん

亀助さんが泣かせてくれます。

亀助さんがあさちゃんのお供を初めて受け持ったのは宇奈山藩の蔵屋敷への借金取り立ての時堂島の米会所にお供した時でした。続いて奈良の大富豪、玉利さん。そして、九州の炭鉱。

いずれも嫌々ながらのお供でしたが、あたかも腐れ縁のような関係を続けているうちに亀助さんのあさちゃんを見る目に変化が生じてくる。

その変化の描き方が見事です。

玉利さんをして「大阪一の女商人になる」と言わしめたあたりからでしょうか。亀助さんのあさちゃんを見る目に変化が生じたのは。

続いて炭鉱で、坑夫たちの反発に遭いながらも不眠不休に近い働きを見せるあさちゃんをいつしか真剣に案じ始める亀助さんのここ数回の優しさが心に沁みました。

そしてついに今回の号泣です。あさちゃんより先に亀助さんを泣かせることで、あさちゃんが坑夫たちに認められたことを、亀助さんが我が事のように喜んでいるのが痛いほど伝わってきました。

不本意な炭鉱赴任という後ろ向きな気持ちもすっかり忘れ、あさちゃんの喜びを自分の喜びとする亀助さんに心をわしづかみされる『あさが来た』第53回でした。

余談ながら、ごっつい手で涙を拭う不器用そうな亀助さんの仕草も涙を誘いました。(裁縫上手な亀助さんは決して手先が不器用ではありませんが)

榮三郎くん

前回に引き続き今回も再び登場の加野屋の三男坊・榮三郎くんが、なかなか面白そうな青年に成長しました。

ちょっとネタバレになりますが、彼は正吉さんの後を継いで加野屋の当主を承継。正吉さんが長年の経験で磨き抜かれた慧眼によって、あさちゃんの世の中の変化に対する鋭い嗅覚を見抜いていたのに対して、榮三郎くんはまだまだ経験が足りません。

間もなく、加野屋の銀行創業に前のめりになるあさちゃんと榮三郎くんは対立。もしかすると今後の生命保険の時にも同じようなことを繰り返すかも知れません。

実は、榮三郎くんの成長後の展開を心配していました。上に記したように、経営上の対立を朝から見るのはあまりにも辛すぎます。明るく朗らかな本作の空気が池井戸潤さんの小説みたいになってしまうのかなと。(ちなみに僕は池井戸潤さんのファンです)

その懸念は杞憂に終わりそうです。お兄ちゃん思いで甘ったれキャラの榮三郎くんなら、仮にあさちゃんと対立しても、可愛く明るい対立になるかも知れません。

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コメント

  1. kuma より:

    いつも楽しみに拝見させていただいております。

    亀助さんのお供ですが、宇奈山藩ではなく、かごに乗って、振袖で堂島の米会所を見に行くシーンが最初だったかと。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      堂島の米会所がありましたね!すっかり思い違いしていました。
      早速、訂正させて頂きました。

  2. koji より:

    「おおきに」

    と言う台詞が

    これほどまでに感動的になるとは思いもしませんでした(^_^)。

    治郎作さんの

    ハニカミ笑顔と

    亀助さんの

    フライング号泣が秀逸でしたね(笑)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      治郎作さんの照れ隠し。方や亀助さんの照れもてらいもな号泣顔。それぞれが味わい深い男の表情を堪能させてくれました。

  3. はつちゃん応援団 より:

    普通のドラマならばヒロインが号泣する場面で、亀助さんが先に泣いてしまうところ、とてもよかったです。

    思えばあさちゃんは家族には恵まれていますが、本音をこぼす友だちにあたる人はうめさんぐらいでした。
    それが、借金の取り立てから始まり今まで苦楽を共にし、ふと寂しい気持ちを漏らすまでの関係になった亀助さん。
    縫物も上手にこなす女子力高い亀助さんが、あさちゃんのよき理解者としてうれし泣きしてしまうところに、朝から涙腺を刺激されました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 今まで苦楽を共にし

      言われてみれば亀助さんはあさちゃんの右腕とも言える存在ですね。正吉さんの命により、半ば嫌々ながらあさちゃんに同行してきた亀助さんが、いつの間にかあさちゃんを本気で案じるようになる。そして今回の号泣。脇キャラとは思えないくらい丁寧に描きこまれていると思います。

  4. はりゅ より:

    はじめまして。
    ドラマも楽しみですが、こちらのサイトの更新も待ち遠しいです♪
    さすが五代さん!ファーストペンギンとは・・・言い得て妙ですね。
    こうも困難に飛び込む度胸を備えた女性は中々いませんものね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      当ブログをお楽しみ頂き嬉しく思っています。
      五代さま、さすが見るところが普通の人とは違いますね。
      それにしても、最近の五代さまのあさちゃんとの距離の縮め方があからさま過ぎてドキドキします。

  5. ねこねこ より:

    ここでのペンギンは「ファーストペンギン」ですね。
    ペンギンの群れの中で、シャチやトドがいるかもしれない海に真っ先に飛び込んで、身をもってその海が安全であり、魚が得られることを証明する「最初のペンギン」のことです。
    最初に飛び込む=リスクをとることから、起業家を表現するときにも使われます。
    まさしく、本作のヒロインにふさわしい形容だと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      詳しい解説ありがとうございます。
      可愛らしさとリスクをとる勇気を兼ね備えたあさちゃんの本質を捉えた、絶妙な喩え方だと思います。>>ファースト・ペングイン

  6. atsu より:

    水落ち、ここでしたか!以前、はつが舟で大坂へ嫁入りするのをあさが追って走った時、ハラハラしました。「ごちそうさん」のトラウマ(?)ですね。
    あさと坑夫たちのシーン、ちょっとわざとらしい気もしたのですが、亀助があさより先に泣き出してしまうこと、サトシが出てこないこと、打ち解けた亀助が宮部と治郎作にサトシが大阪出身ではないかと話すところなど、秀逸です。異郷で故郷のなまりを聞いて同郷の人だとわかることありますね。
    白鷺や鶴のような女性かと聞かれて、ペンギンと答えた五代。確かにペンギンも鳥類ですが、褒め言葉にはならないような。ただ、ペンギンは陸上ではよたよたしているけど、水に入ったら物凄く速いんです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      久しぶりの水落ちでしたね。ただし効果音と、その後の服を乾かす場面だけで水落ちを演出するのが粋でした。(『マッサン』の時は鴨居の大将がエリーちゃんに歌って聞かせた唄の中で水落ちを表現し、あれもなかなか素敵だと思いました)
      ペンギンが褒め言葉になる理由はこれから紹介されるようですが、五代さまらしいものの見方に納得の理由が準備されています。

  7. ※※睦子 より:

    毎日、楽しみに見ています。日曜日も放送してほしいくらい(*^^*)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 日曜日も放送してほしいくらい(*^^*)

      そして、昔の朝ドラみたいに一年間放送して欲しいとも思います。