あさが来た 54話 当主引退を宣言する正吉

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年11月28日(土)放送
第9週 第54話 「炭坑の光」

『あさが来た』第9週 第54話 「炭坑の光」あらすじ

加野炭鉱に姿を現した五代友厚はあさに告げました。あさはファーストペンギンである。群れの中で率先して海に飛び込む勇気あるファーストペンギンのように、胸を張って堂々と生きろ。友厚の励ましにあさは奮い立ちました。

その翌朝、大阪への帰り支度を整えたあさは、帰り間際に飯場に立てこもるサトシのもとに足を運び、坑夫たちの処遇改革案への理解を求めました。あさの言葉に応えたサトシの口からは思いがけない人物の名が出てきました。サトシは新次郎のことを知っていたのです。

一方、外出したまま何日も戻らなかった惣兵衛が家に帰ってきました。惣兵衛はいつになく決意に満ちた明るい表情をはつに見せ、旅先が和歌山であったことをはつに告げました。はつは瞬時に悟りました。惣兵衛が何の目的で和歌山に行っていたのかを。

あさが加野屋に帰って来ました。あさが加野屋に戻った翌日、正吉は重大な発表があると店の者を集めました。正吉の発表は集められた店の者たちを驚かせます。正吉は引退を決意していたのです。そして、誰に身代を譲るのかを宣言しようとするのでした。

<<前回53話 | 次回55話>>

『あさが来た』第9週 第54話 「炭坑の光」
 事前発表あらすじのレビューと解説

今週、徐々に徐々にその存在感を増してきたサトシが、今回一挙に気になるキャラに格上げされます。なんとサトシは新次郎の名前を知っていたのです。

新次郎が家業を嫌うきっかけとなった、新次郎の幼馴染の辛過ぎる過去の思い出とかぶってくるサトシの存在。

しかしサトシの正体が明らかにされるのはもう少し先の話しです。

一方、正吉が突然の引退宣言をします。嫡男・榮三郎は18歳。家督を譲るには早いかも知れないし後見人の新次郎は頼りにならない。

そんなタイミングで正吉が引退を宣言した理由はおいおい明らかになってゆきます。そして正吉引退の理由とサトシの正体はあるところで絶妙にシンクロするのですが、ここでは伏せておきます。その時は号泣回間違いなしです。

そして最後に朗報です。惣兵衛が帰ってきました。とても明るい顔をして。手には和歌山土産を携えて。山王寺屋の家族間トラブルは間もなくめでたく回収です。

『あさが来た』第9週 第54話 「炭坑の光」
 朝ドラ観賞後の感想

あさちゃんの顔に血の気が戻る

今週、顔面蒼白となったやつれたあさちゃんを見るのは辛いものがありました。しかし、前回の五代さまの英会話教材みたいな「Good morning!」の直後より、あさちゃんの顔に血の色と生き生きした表情が戻る。

胸を張って堂々と生きよという五代さまの励ましの言葉に自分を取り戻したあさちゃんが見せた明るい眼差し。加野屋に戻った時の喜び溢れるみずみずしい表情。やっとあさちゃんらしい顔を見ることが出来、気持ちの良い朝が戻ってきました。

五代さまの告白・第二弾

いつぞや五代さまがあさちゃんに告げた「もし自分があなたのハズバンドなら・・・」に次ぐ五代さまの告白と言っても差し支えない「ファーストペンギン」発言です。

しかし「ハズバンド」といい「ペンギン」といい、その発言の真意があさちゃんにだけは分からないところが良く出来た脚本です。

五代さまがいよいよあさちゃんとの距離を縮めて来たその一方で、ペンギンになりたいと名乗りをあげる女性も近々登場するらしく、一波乱を予感させる「ファーストペンギン」でした。

サトシ「新次郎さんは元気ですか?」

「新次郎さんは元気ですか?」サトシがまさかの問いかけ。

この先の展開やサトシの素性をすでにある程度は知っていながらも、このあさちゃんへのサトシの問いかけにはドキリとさせられました。

サトシがこのまさかの問いかけを口にするまでの亀助さんの疑念の積み重ね方も見事。サトシは大阪人ではないか。サトシは加野屋を知っている。これら亀助さんが口にしてきたサトシへの疑念が今回効きました。

ただし、次週の前半は正吉さんの引退騒動が描かれる見通しです。サトシ問題が再びクローズアップされるのはその後のタイミングでしょうか。次週後半は新次郎さんが久しぶりに加野炭鉱に足を運びます。そこでどんなことが起きるのか一週間後が待ちきれません。

正吉さん

あさちゃんの帰宅直後、夫婦を二人きりにさせてあげる正吉さんの気遣いが粋過ぎて言葉もありません。正吉さんの意図するところを、年齢の割には素早く察した榮三郎も、さすがは正吉さんの息子、新次郎さんの弟だけのことはあります。よく気がつきます。

あさちゃんが戻った晩だけ三味線を弾くことを許した正吉さんの計らいもまた粋です。しかし本当は毛嫌いしているはずの三味線の音色に、寝室で耳を澄ます正吉さんの表情に切ないものを感じました。

ちょっとネタバレになりますが、息子との別れの日が近いことを悟ったがために正吉さんは三味線の演奏を許し、息子の奏でる三味線の音色に耳を傾けていたと考えるのはうがち過ぎというものでしょうか。

息子の三味線の演奏に恍惚となる正吉さんの胸中を察してでもいるかのような、よのさんのいつになく寂しげな表情も気になるところです。

白蛇はんが帰って来た!

旅から帰って来た白蛇はんの、これまで見せたことがなかった決意を秘めた眼差しがまぶしい!旅の行き先が和歌山だったと初めて告げられ、夫が何を目的にして家を空けたのかを察したらしい表情を見せるはつちゃんの明るい瞳が嬉しい。

言葉がなくても目と目で通じ合う、実に素敵な夫婦になりました。

白蛇はんとはつちゃん。そして、もちろんあさちゃんと新次郎さん。二組の夫婦の再会が我が事のように嬉しく、いい週末の朝を迎えることが出来ました。

雁助さん

久しぶりに顔を見ることが出来たふゆちゃんにデレデレになる亀助さん。その亀助さんに鋭いツッコミを入れる雁助さん。ボケとツッコミの番頭コンビの復活です。

しかし、従前同様に朗らかな亀助さんに対して、思い詰めた表情がこのところずっと続いている雁助さんが心配です。

正吉さんの引退を事前に相談されていました。そして、正吉さんの引退発表の席で雁助さんは何を思っていたのか。

あさちゃんの輝くようなとびっきりの笑顔が戻ってきたその一方で、先々の展開を思うと悲しくなるようなフラグがいっぱい仕込まれた『あさが来た』第54回でした。

<<前回53話 | 次回55話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ゆっこっこ より:

    正吉さん役の近藤さんが、11/28放送のあさイチプレミアムトークで
    「台本には無いが、新次郎の三味線だけは嫌いじゃないという裏設定」を打ち明けていました。
    先出しで三味線を聴くシーンを放送しながら解説されていましたが、
    裏設定のおかげでより感慨深いシーンとなっていました。
    あさがきた はベテランの俳優さんによって更なる昇華を遂げる素晴らしい朝ドラですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      裏設定のことを知り、登場人物一人ひとりの造形の深さの理由がひとつわかったような気がします。貴重な情報ありがとうございました!

  2. しむ より:

    はじめまして。AKB48の歌に「ファースト・ラビット」がありますね。ファースト・ペンギンと同義のようですが、主題歌繋がりで、こんな小ネタもかましてくるのかと感心しました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > ファースト・ラビット

      興味をそそられ調べてみました。
      歌詞も五代さま説明による『ファースト・ペンギン』そのままですね。

  3. つぶちゃん より:

    いつも楽しみに読ませていただいています。
    はつ一家が和歌山に移住するのでびっくりぽんな和歌山市民です。
    ドラマなので、山王寺屋さんがお家再興しないと盛り上がらないはず・・・公式サイトではみかん農家(ベタやな)をやるつもりらしいですが、はつの漬物が美味しいとアピールしているので、梅干か紀の川漬で漬物御殿を建てるのではないかと楽しみにしています。
    (紀の川河口に、通称漬物御殿と呼ばれる豪邸が本当にあります。紀の川漬自体はちょっと時代が合わないのですが、和歌山大根のルーツが大阪経由で入ってきた京大根らしいので・・・何調べてるのやら)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > はつの漬物が美味しい
      > 漬物御殿
      > 和歌山大根のルーツが大阪

      今井のお母ちゃんへの恩返しで精を出して働く白蛇はんは大成功を収め・・・

      妄想が広がりますね!素敵な情報提供ありがとうございます。

  4. もんすけ より:

    原作のある朝ドラは、最終的なゴールまでの道筋をハラハラドキドキしながら見るわけですが、
    「朝がきた」の脚本や演出家さんの視聴者へのくすぐりセンスは、群を抜いているように感じます。
    カンパニー、バンク、ハズバンに、ファーストペンギン…。
    今でこそ英語が普通で、会話に上がっても聞く側に意味が通じますが、
    あさちゃん達の時代の人には、呪文のように聞こえているのでしょうね。
    「志○~、後ろ~! 後ろ~」ではないですが、
    「あさちゃん! その意味はこないでっせ~!」と画面に向かって言いたくなります。
    しかし、五代さん、馬でいらっしゃるとは…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      次の展開への引っ張り方、大人の会話の粋、脇キャラにまで作者の深い洞察が行き届いた深い心理描写、そして冒険的な使い方をしながらもギャップを一切感じさせない劇中挿入曲。どこを切り取っても見事です。本作は。

  5. ちゃんたい より:

    ドラマと共に楽しんで拝見しております。
    初っぱなから引き込まれた「あさが来た」。
    音楽をかじってるモノとしては劇番にも耳が離せません!シチュエーションを盛り上げる絶妙メロディに聞き惚れます。特に五代様登場のロック調ギター、最高です(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      僕は音楽の心得は全くないドがつく素人ですが、それでも本作の音楽は新鮮且つ絶妙だといつも思っています。五代さまのテーマ、あれが流れるだけでワクワクしてきますね。

  6. tonton より:

    今週の放送は登場人物達の番組開始当初の内面の変化が静かに感じ取れた一週間だったと思います。

    自身の力で自らの生命を吹き込んだ惣兵衛さん。だけでなく
    新婚時はあさがいても放置だった新次郎が彼女の不在に寂しさを感じ始めるようになる一方で、三味線の会の集まりではビールを仕入れるよう美和に働きかけて時代の変化を持ち込んだり。

    そして新次郎に言われて仕入れたビールから自身も変化する必要に迫られる事を強く感じて何か新しい事を始めてみようと思う美和(野々さんが控えめにさりげなく、しかし視聴者に強いインパクトを与えながら演じているのがスゴイです)。

    一方で正吉の死が刻々と迫るにつれて五代のアプローチが強烈になり、制作サイドもドラマを決してしんみりモードにはさせない方針が見ている者にとって嬉しいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 内面の変化が静かに感じ取れた一週間

      脇キャラに至るまで一人ひとりの心の中を丁寧に描き込んでいて目が離せない一週間でした。しかも、そうした心の変化をこれ見よがしな演出を排除し、さりげなく見せるところがまた粋だったと思います。

  7. うみがめ より:

    五代さま、来ちゃいました。寂しくて心配で居ても立っても居られなくなったみたいですね。最近、五代さまも少しは報われてほしいなと思ってしまうのですが、そうなったら困りますね…。

    惣兵衛さんの眼に光がありました。山王寺屋さんにいたころの暗い目がうそのようです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      夜の寄合所で寂しさを募らせていた五代さま。もしかすると、あの時の寂しさに背中を押されて九州まで行ってしまったんでしょうか。

  8. atsu より:

    ペンギンについて、昨日の皆様の解説と今日の五代様の説明で理解はできましたが、ファーストペンギンがいい!!というのは大変個性的な好み。人情の機微のわかるカズも、馬で駆けつけてきてあさが寝ている所にズカズカ入り、訳のわからない話をしてさっと帰ってしまった断髪洋装の男性には目を白黒。しかもあさは元気なるし。いや、肝心なことは「フレンド」だと思っているあさよりカズの方が分かっているのかも知れません。
    はつは、惣兵衛がまたいなくなって、今度は戻ってこないかもし知れないという恐怖をずっと感じていたのですね。可哀想。惣兵衛もはつにはちゃんと話していけばよかったのに。大好きなはつにもう心配かけないで。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      白蛇はんがはつちゃんに行き先を告げずに旅に出たのは、白蛇はんなりの心遣いがあったようで、次週にはそれが語られるようです。はつちゃんも心から納得するかと思います。
      それにしても五代さまの猛烈アタックが日に日に大胆になってきます。どこまでエスカレートするのか楽しみ半分、心配半分といったところです。

  9. よるは去った より:

    「新次郎さんは元気ですか?」これからサトシ君の素姓が段々明らかになっていくんですね。それとは別に惣兵衛君の旅姿は粋ですな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      サトシの素性判明と回収が、前半のクライマックスに深く関わってくるようです。楽しみでなりません。

  10. よるは去った より:

    ペンギンはあの時代の日本人の絵空事にもなかったんですね。象や駱駝は江戸時代に既に見せ物になってはいたようですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あの時代の日本人の絵空事にもなかった

      五代さまの描いたペンギンを見て、これが果たして鳥なのかとあさちゃんビックリ。でも、確かに驚きますね。当時のペンギンを初めて見たら確かに鳥には見えないです。

  11. あき より:

    一気に読んでしまいました。
    想像力を掻き立てられる文書をありがとうございます!
    あらすじと実際の放送が二重で楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      当ブログをお楽しみいただき光栄です。
      数日中に続きも掲載できる見通しです。
      今しばらくお待ちください。

  12. 楽しみです より:

    誤字が気になります・・・
    意味のわからない言葉もあります。
    目掛ではなくて、○ですし・・・

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      誤字、脱字、申し訳ありません。発見したら修正しているのですが一人の作業では追いつかないのが現状です。

      尚、「立」の下に「女」と書く漢字につきましては、当サイト内の数カ所で断り書きを記しているのですが、諸事情から用いることが出来ません。

      ちなみに大阪では「お目掛け」「お手掛け」とも呼ばれていたそうで、この案件については誤字でないことが確認できています。

      ご理解いただければ幸いです。

  13. tonchin7 より:

    元気なあさにいつも勇気付けられてます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      普通の人なら意気消沈してもおかしくない状況にも関わらず元気を失わないあさちゃんの強さは本当にたいしたものですね。