あさが来た 62話 あさが大阪に戻って来る

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年12月8日(火)放送
第11週 第62話 「九転び十起き」

『あさが来た』第11週 第62話 「九転び十起き」あらすじ

あさは新次郎とうめに伴われ炭鉱を出発しました。治郎作やカズたち炭鉱の人々があさの出発を見送る中、サトシだけは良からぬことを企んでいました。加野屋が炭鉱を経営できないようにしようと考えていたのです。

数日の旅を経て、あさたち一行は加野屋に戻ってきました。あさのツワリはそれからも一ヶ月ほど続き、夏になる頃にはようやく落ち着きを取り戻しました。ツワリの苦痛に懲りたあさは子供が生まれるまでは無理をしないと家族に約束します。

一方、東京に転居した今井家は銀行開業を目前にして、その準備のために多忙を極める日々を送っていました。正吉も将来は加野屋を両替屋から銀行に商売替えすべきと考えていました。しかし、榮三郎と雁助は加野屋の銀行開業には懐疑的でした。

榮三郎は新次郎に尋ねました。加野屋は銀行に商売替えすべきかどうかと。新次郎の答えは榮三郎と雁助に任せるというものでした。しかし、西洋のものでも良いものは積極的に取り入れるべきだと答える新次郎は、榮三郎と雁助をあるところに連れ出すのでした。

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『あさが来た』第11週 第62話 「九転び十起き」
 事前発表あらすじのレビューと解説

正吉とよのが、あさのお産をめぐって意見の衝突を繰り返す。この老夫婦の口論は、この先に展開予定の二つのエピソードの「小道具」として用いられるようです。

一つ目のエピソードは、距離を縮めてゆく雁助とうめの関係。うめが雁助に新次郎のトラウマ体験を聞き出し二人が言葉を交わす機会を得て以来、うめが雁助に関心を寄せていることをほのめかすような表情や仕草が幾度となく描かれてきました。

一方でうめに関心を寄せられる雁助も、うめに無関心ではいられなくなります。そんな中で嫁のことで仲良く口喧嘩する正吉とよのの姿は、それぞれ家族に縁の薄かった雁助とうめの人恋しさ、家族恋しさの感情をくすぐるのでしょうか。

二つ目のエピソードは、口論をする正吉とよのの老夫婦に関わるエピソードです。体調の異変を察した正吉が引退を急いだことはこれまで描かれてきた通りです。正吉の体調は、残念ながらその後も悪化の一途をたどります。

仲良く喧嘩する二人ですが、口喧嘩する日々もいつかは楽しく懐かしい思い出に。喧嘩を出来ているうちが華だった。そんな風に思えてくる日が間もなくやって来ます。その日の悲しみを増幅させるための「小道具」でもあるかと思います。今回の口喧嘩は。

話変わって、新次郎、榮三郎、雁助の三人は今回あたりより散切り頭で登場します。東京に転居した今井親子は一足早く散切り頭になりましたが、大阪の面々もいよいよ髷を結った男性が少数派に。江戸時代が少しづつ遠い過去になってゆきます。

『あさが来た』第11週 第62話 「九転び十起き」
 朝ドラ観賞後の感想

ええもんやったら取り入れていかないといけない

生まれてくる子供が男の子か女の子かということのほうが大事。両替屋か銀行か、そんなことはどっちでもいい。家業への無関心もここまで極めると、ある種の爽やかさを感じずにはいられません。

雁助さんと榮三郎くんの銀行をめぐる議論に最中も、新次郎さんが真剣に注意を払っていたのは二人の議論ではなく、お客さんの髪型だったというところもさすがです。

しかしふいに榮三郎くんに意見を求められた新次郎さんが苦し紛れに言った「ええもんやったら取り入れていかないといけない」という言葉が深い。正吉さん譲りの進取の気風を見せたのは、将来の加野紡績(仮)社長に就任した際の経営方針のフラグでしょうか。

新次郎さんのこの言葉は、雁助さんの銀行否定論に影響を受けているらしい榮三郎くんにとってもいい刺激になったかも知れません。

残念ながら銀行に否定的な雁助さんの反応は、大阪一の両替屋への愛情が深いあまりの情緒的な反応で、銀行という業態の良し悪しについて考える視点が抜け落ち気味かと。(ただし雁助さんの古き良き時代への郷愁は痛いほどよくわかります)

「ええもんやったら取り入れていかないといけない」という新次郎さんの言葉が榮三郎くんの心にどう響いたのか(または全く響かなかったのか)気になるところです。

あさちゃんと榮三郎くん

将来の、加野屋の経営をめぐるあさちゃんと榮三郎くんの対立を心配していました。しかし今回の榮三郎くんの様子を見る限り、心配は杞憂に終わるかも知れないという観測は楽観的過ぎる観測でしょうか。

今回見た限りでは、榮三郎くんには加野屋が銀行に商売替えするのに反対する確たる理由がなさそうです。雁助さんの考えに引きずられて、銀行への商売替えに反対したようにしか見えない。そんな気がしました。

榮三郎くんが人の影響を受けやすい軽い性格であれば、その考え方も簡単にくつがえるのかも知れません。しかし、榮三郎くんがもう少し年をとり、人の意見を素直に聞けない年齢になった頃、果たして彼はどんな当主になるのか。

仮にあさちゃんと榮三郎くんが対立するようになっても、明るさと朗らかさを損なわない対立を描いてほしいものです。

お知らせ

事前掲載のあらすじと、放送されたストーリーの間にズレが生じたため、本日、今週分の事前掲載あらすじの一部を再編集しました。

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16 Responses to “あさが来た 62話 あさが大阪に戻って来る”

  1. えびすこ より:

    大河ドラマでは明治になってまもなく主人公(あるいは主人公の夫)らがすぐさま断髪していますが、市井の人で見ると地域・人によっては明治10年代まではちょんまげを続けていたのでしょうか?上方よりも東京周辺の方がざんぎり頭の「普及」が早かったのかな?
    大河ドラマで明治前半を扱う場合は男性が主人公なら、ほとんど政府高官になるからすぐさま断髪するのは当たり前と思いますね。

    みかんの皮の香りをかぐとつわりが和らぐ。あれはたぶん医学的根拠はないと思いますが、いま実際にやる人はさすがにいないでしょう。この番組を見るまで聞いたことがないです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      断髪令が発布されたのが明治4年。東京では普及が早かったそうですが、地方にまで普及がゆきわたるのは20年くらいかかったそうです。加野屋は伝統を誇る老舗なので西洋文化への抵抗が強かったのでしょう。

  2. よるは去った より:

    サトシ「俺はあやつらに炭坑で儲からんようにしたる。」何やら恐ろしい事がなされそうな予感•••••••。あさ「さっぱりポンや。(笑)」まあ予想はつくけど。あの部分ちょっとだけ場面見逃したけど、「さっぱりポン」のもと映ったかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      「さっぱりポン」は、後頭部がチラッと見えるか見えないかというところで終わりになりました。前回のサトシ発言の途中カットと言い、今週は気をもたせますね。

  3. うみがめ より:

    「後世に何を残せるか」。五代さまは史実通りならそれほど遠くない将来お亡くなりになるはずなので、人生のラストスパートに入るのでしょうか。

    あさちゃんはひたすら加野屋のために頑張ってきましたが、これから徐々にもっと大きな目で仕事をしていくきっかけになる言葉かもしれません。子どもも生まれることですし。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「後世に何を残せるか」

      この言葉を今回は重く受け止めることもなかったあさちゃんでしたが、後半になってこの言葉がジワジワと効いてきそうですね。特にライフワークの「日の出女子大学校」設立の時に。

  4. キヨコ より:

    「呑気な金持ちは虫ずが走る」と言われた新次郎さん。

    八代目と大番頭が真面目に商売の話をしているその横で、来客の短髪頭をまじまじと見て考え事をしている姿は、本当に「呑気な金持ち」。

    でも、実はとぼけながら、腹の中では何を思っているのか・・・

    さて、「さっぱりぽん」になったお三方、明日が楽しみです。
    「あさイチ」で話題になってましたが、月代頭で散髪すると、実際はどんな髪型になるのでしょうね?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 月代頭で散髪すると・・・

      頭のテッペンが寂しくなった殿方が、側頭部に残った髪を伸ばして強引にテッペンを覆う髪型、通称「バーコード」。やっぱり散切り直後にはこれしかないかも知れません。

      ちなみに、かなり以前見たリアリティを追求した時代劇では、斬髪直後の男性は「河童」みたいになってました。

      • きんどうにちよう より:

        「河童」と言うより、電撃ネットワークの南部虎弾さんの髪型が近いかと(前髪ありませんから)。
        悪阻のきついあさちゃんに「びんつけの匂いがつらい」と言われて考え込んだ新さん、ついに断髪決意したものの一人で断行する度胸が出ないで八代目と番頭さんを道連れにするあたり「らしい」と言えば「らしい」と思います(笑)。
        さてさてどんな髪型になっているか、明日が実に楽しみです。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。

          > さてさてどんな髪型になっているか

          前回より時間を経過させ、散切り直後を回避。
          なかなか上手です。

          • キヨコ より:

            さすがに玉木さんに「びっくりぽんなカッパー!」にはさせられなかったのでしょう(笑)

          • 朝蔵(あさぞう) より:

            コメントありがとうございます。

            > びっくりぽんなカッパー!

            うまいっ!お見事です。

  5. atsu より:

    いよいよサトシがクローズアップされてきました。あさも新次郎も気になりながらついサトシのことを話題にしにくいような雰囲気がサトシ自身にあるような気がします。不気味さを感じさせる存在感がすごいです。
    治郎作のところ、子供4人もいるんですね。あさにしばしお別れの挨拶ということで両親に連れてこられたのでしょう。4人ともいかにもいい子らしい。支配人はすっかり皆に忘れられていて慌てて上着を着てぎりぎりに駆けつけてくる、こういうところまで気が配られていてホント楽しめます。
    言い忘れてましたが、断髪洋装姿が似合うのは、私としては今井のお父さんが断然トップ。実際は『小柄なで肩胴長』な当時の日本人で似合う人は少なかったそうですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      サトシの不気味な存在感。その一方で、宮部のおじさんに見せる人なつっこい笑顔。このギャップが怖すぎです。宮部のおじさんにしてみれば、あんな笑顔を見せるサトシが何か企んでいるなんて想像も出来ないかも知れないですね。

  6. tonton より:

    今週から中盤戦に突入したと思わせる回でした。
    それにしても新次郎達の散切りがエンディングで出ると思ってたのに明日までお預けなんて憎い(爆)。

    それよりも、五代に初めて師匠らしさ!が出たと同時に、今日のオンエアの彼は39歳。
    あと10年の寿命なので死を意識したようなセリフが出たのは寂しいですね(死んで退場するキャラにこれからのストーリーの展開をセリフで言わせる方針なのでしょうが)。
    おじいちゃんには瀬戸くん演じる成澤に対しての態度を。
    五代には銀行だけでなく、生保と女子大設立のフラグを立たせるセリフを言わせました。

    五代だけでなく正吉や、よののセリフもこれから記憶に残して視聴しようと思います。

    思うに制作サイドが前半戦での五代のキャラをエキセントリックにしたのは
    五代友厚という名前を世間に広めようと意図的に作ったのかもと今では思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り五代さまの今回の発言はじめ、しばらく前の正吉さんの「わしがいなくなったら」発言などなど。ここにきて、劇中からの退場を暗示するような台詞がさりげなく挿入され、慣れ親しんだ登場人物と会えなくなる日を思うと寂しくなります。

      > 五代のキャラをエキセントリック

      確かにかなりエッジの効いた登場の仕方だったので、出演回数は少ないながらも存在感の強さは圧倒的です。

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