あさが来た 64話 あさが長女・千代を出産

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2015年12月10日(木)放送
第11週 第64話 「九転び十起き」

『あさが来た』第11週 第64話 「九転び十起き」あらすじ

家族や家の者たちに祝福される中、あさは難産の末に元気な女児を無事に出産。長女は正吉によって千代と命名されました。生まれて来た娘を感無量の思いで抱く新次郎は、その日を境に子守りに没頭。遊びに出かけることをやめてしまいました。

新次郎は生まれてきた子供が男児でなかったことが両親を落胆させたのではないかと考えていました。しかしその心配は杞憂に終わりました。生まれて来た子が女の子なら優秀な婿養子を迎えればいい。よのはそう考えていたのです。

千代を出産後、仕事を離れ子育てと体調の回復に専念していたあさでしたが、ほどなくして炭鉱に行くと言いだしました。一方、炭鉱業を拡大し銀行開業の資金を得ようと考えるあさに榮三郎と雁助は違和感を感じ始めていました。

その頃、早朝の加野炭鉱では治郎作が不審な人影が動くのを発見していました。気になった治郎作が様子を見るために坑道の中に入ったその時、異変が発生しました。坑道の奥で大爆発が発生したのです。

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『あさが来た』第11週 第64話 「九転び十起き」
 事前発表あらすじのレビューと解説

あさが職場復帰を果たし炭鉱業をさらに拡大しようと意気込んでいた中でのまさかの落盤事故発生。しかも、爆発が起こった坑道の中に治郎作がとじ込められてしまう。

史実でも、加野屋の実在モデル・加島屋が経営する炭鉱で大規模火災が発生し、朝ドラ劇中の事故と異なりリアルでは多くの犠牲者を出しました。

また、現代はこうした事故の報道は被害者への配慮から控えめに行うのが通例となっていますが、当時は事故現場の凄惨な様子を克明に伝えていたようです。

そうした報道の影響もあったのでしょう。世の中の加島屋への風当たりは苛烈なものだったと伝えられています。

劇中では、事故を経ての新次郎の商売嫌いのトラウマ克服が本題となるため、本題を描く小道具としての事故は被害者ゼロ。ちょっとネタバレですが治郎作も無事です。

ところで、劇中で事故が発生した炭鉱に急行するあさに、五代友厚が同行を申し出ます。あさ、新次郎、そして五代友厚の三人の行方からいよいよ目が離せなくなってきます。

『あさが来た』第11週 第64話 「九転び十起き」
 朝ドラ観賞後の感想

正吉おじいちゃん

孫にべったりの正吉さん。

自分に残されたわずかな時間を出来るだけ千代ちゃんと過ごそうとでもするかのような正吉さんの姿が泣かせます。

とりわけ、夕陽の中で千代ちゃんを愛おしそうに見つめる正吉さんの、千代ちゃんとの別れを惜しむような表情がまぶたに焼き付いて離れません。

千代ちゃんが成長しても、大きくなった千代ちゃんの記憶の中には自分を溺愛してくれたおじいちゃんがいないのも切ない。

楽しくて哀しい正吉おじいちゃんの回でした。

追記:生まれて来る赤ちゃんは男の子とばかり思い込んだ正吉さんが準備していた男の子の名前候補。十ある候補のうち一つが「正蔵」だったのを僕は見逃しませんでした。

(「正蔵」は近藤正臣さんが『ごちそうさん』で演じた役名)

よのさんの意外な一面

男の子は生まれた通りの出来具合で店が決まってしまう。女の子だったら出来のいい婿養子を迎えてお家は安泰。

よのさんの意外な一面を見たような気がしました。天然キャラのようでいて実はこんな計算が出来る女性だったとは。

しかし、よのさんのしたたかな算段は救いでもありました。

女児誕生を心から祝福出来るのは、他でもないよのさんのこの言葉があったからです。

もっとも当時の商家の嫁は、誰もがこんなリアルな算段をしていたのかも知れません。大名と異なり阿呆ボンが家督を継いだら商家の宝である信頼を失いかねないですからね。

雁助さん

これからもわての味方でいてくれますな。榮三郎くんのこの問いかけに対する雁助さんの答えが気になりました。

「へえ、もちろんだす」

「へえ」と「もちろんだす」の間に一秒にも満たない間があり、その間が生じた瞬間に雁助さんは榮三郎くんから視線をそらす。目を合わせていられない。

この間と、視線の揺らぎがあったせいか「もちろんだす」の言葉に確信がない。そう感じたのは僕だけでしょうか。

「もちろんだす」と口では言いながらも、雁助さんは心の中では何を考えていたのか。先々の雁助さんの展開を考えると寂しい「もちろんだす」でした。

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コメント

  1. koji より:

    時代考証と言えば、第1週でチビあさちゃんが五代才助に追われている途中でガラス細工のビードロに興味を持ち
    「カコカコ」ならすシーン。

    さらに、はつ姉ちゃんと加野屋での別れ間際の藍之助とのシャボン玉のシーン。

    ビードロとシャボン玉は当時は無かったのでは?。

    と思い調べてみたら

    どうやらあったようです。

    ビックリポンだした(笑)。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      シャボン玉を膨らませるのに用いていたストロー状のものは麦わらでしょうか。さすがにストローはまだないでしょうからね。

      • きんどうにちよう より:

        そもそもstrawの原義は麦わら(ex. straw hat)で、戦後しばらくまでは文字通り麦わら使っていたのが、 紙やプラスチックで代用品作るようになった訳で。

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          シンプルでわかりやすい解説をありがとうございました!
          納得ゆきました。

  2. KAMIGATA より:

    加野屋ほどの大店だと、女の子が生まれたら、すぐに京都の人形師に発注し、一年くらい掛けて、今なら何千万もするようなひな人形を作らせました。それくらい、女の子誕生は歓迎されたようです。よのさんの言うようにぼんくらな男の子だと、家をつぶしてしまいます。○○○○○でも大臣になれる○○○と違って、商売はシビアですからね。お嬢さんが大きくなったら、これはという商才のありそうな丁稚を、お稽古事の行き帰りのお付きにして、自然に好き合うようにしてしまう深慮遠謀もあったようですよ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 何千万もするようなひな人形を作らせました

      あさちゃんの実家の実在モデルの家が持っている雛人形が、毎春、東京日本橋の美術館で展示されますが、このような背景があったのですね。たいへん勉強になりました。

      ※WEBガイドライン遵守のため、一部伏字に修正させて頂きました。

  3. こきあ より:

    春やすこさんのネイティブ大阪弁はいいですね!
    出番はもう今日だけかもしれないのがさみしいですが…

    ところで、毎日30秒だけでもいいから眉山家の様子も必ず放送してほしいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 眉山家の様子も必ず放送してほしい

      同感です。白蛇はんとはつちゃんに会えないのは寂し過ぎます。温厚になった菊さんのおばあちゃん姿も見せてもらいたいものです。

  4. いちファンT より:

    新次郎さんのイクメンっぷりが素晴らしい!
    ドラマとは言え、あの時代におしめを替えられる旦那さんなんていたのでしょうか(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あの時代におしめを替えられる旦那さん

      時代考証が甘いと、NHKに苦情が殺到しているかも知れません(笑)

  5. うみがめ より:

    しばらく赤ちゃんが生まれる前後の幸せな日常でストーリーが進んでいましたが、明日から一転しそうですね。
    加野屋さんは炭鉱業の利益でもってて、両替商はさっぱりとありましたが、相変わらず炭鉱部門はあさちゃんと亀助さんの二人体制なのでしょうか?あんな大変な仕事を二人だけ、しかもあさちゃんが産休に入っていたのだからなんとかしてあげて、と思ってしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      明日から次週一週間は怒涛の日々になりそうな気がします。明日以降、今回の幸福の絶頂とも言うべき場面が懐かしい思い出になりそうです。

  6. tonton より:

    正吉と新次郎の掛け合いが最高でした。

    他の視聴者も言っている事ですが、今日の新次郎は97年上半期「あぐり」のエイスケを彷彿させる演技で
    野村萬斎演じるエイスケさんが懐かしくなった瞬間でした。

    この「あさが来た」は後半を上手く乗り切れるかで「あぐり」と並ぶ名作になれると思います
    (2月以降の今井家のレギュラー化を切に望む)。

    朝蔵さんも未見ならば是非「あぐり」の視聴をおすすめします。
    今はレンタル以外にもネットアーカイブで見れるようですので。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「あぐり」と並ぶ名作

      今年のはじめに吉行あぐりさんが亡くなった際、『あぐり』について調べて関心を持っていたのですが、それほどの作品だったんですか!?

      是非、鑑賞したいと思います。

      • tonton より:

        野村萬斎は生まれた頃からNHKの番組に定期的に出演していたようですが、エイスケは彼の知名度を一気に世間に知らしめた役です。

        新次郎の5倍位インパクトがあったので、彼が退場した時は入れ替えた役者が充分合格ラインに達してたにも関わらず
        視聴者にエイスケロスが起こって、熱烈要望により何とか空いてるスケジュールをやりくりして
        25週に一度だけカムバックしました。彼無しにあぐりの成功は無かったです

        あぐりの次の映像作品である、2001年の陰陽師の大ヒットのお陰もあって総集編だけだったDVDの後に完全版がリリースされました。

        NHKのアーカイブにサンプル映像があるし、DMM.comを調べてみたら、半額セール中で一枚240円で貸出受け付けてます。

        あぐりの後は当然民法のオファーが殺到したのですが、彼はあくまで本業の狂言師をメインにやり続けるポリシーを今でも厳守してます。

        エイスケと新次郎は通じる物があると思います。
        あぐり日記というサイトに全話のあらすじがあります。
        http://homepage2.nifty.com/homesweethome/agri/agridiary200409.html

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          詳しいご説明ありがとうございます。

          早速調べたところ「怪しい者です〜」の映像の断片を見つけました。

          おっしゃる通りエイスケのインパクトは強烈ですね。そして新次郎さんと通じるものがあるというのもうなずけました。

          野村萬斎さんは黒澤明監督の『乱』が初見でしたが、同作での隙のない身のこなしは怖いほどでした。(今秋の東京国際映画祭で30年ぶりに観ました)

  7. よるは去った より:

    今回の幕切れは不気味さが先立っている感がありますね。瓢の酒をラッパ飲みしてご機嫌の治郎作親分→炭坑からこそこそ出てくる怪しい男たち→不審に思い炭坑の中に入っていく親分→鳥籠とさえずり→突如治郎作親分の目の前で激しく立ち上がる火柱←それも何の音もなし。明日の回は火柱の立ち上がる大爆音から始まるのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      加野屋の場面が明る過ぎるくらい明るかったので、炭鉱場面の不気味さが際立ちました。爆発音を消した演出も不気味さを強調して秀逸でしたね。

  8. よるは去った より:

    産婆さんの役が春やすこさんだったとは。バラエティー番組以前程観なくなった私的にはテレビで見るの久々って感がするのですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      春やすこさんは映画デビュー作を観ました。
      懐かしいです。

  9. ※※睦子 より:

    朝が来たの下はいつ出版されますか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      前作『マッサン』の下巻発売日が2015年2月26日だったことから推測して、『あさが来た』下巻は2016年2月下旬頃になるのではないかと思います。