あさが来た 110話 山王寺屋の再興を願う菊

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2016年2月9日(火)放送
第19週 第110話 「みかんの季節」

『あさが来た』第19週 第110話 「みかんの季節」あらすじと見どころ解説

あさと新次郎が和歌山に到着した明くる日、菊の口から思いがけない言葉が飛び出しあさを驚かせます。藍之助を加野銀行に正式に雇って欲しいと菊が言い出したのです。菊は山王寺屋の再興をいまだに諦めきれずにいました。そんな菊にとって藍之助は希望の星でした。

そんな中、はつは藍之助をどうしても許すことが出来ずにいました。苦渋の決断の末に両替屋を廃業し、和歌山でも苦労を重ねた惣兵衛の選んだ道を決して認めようとはしない藍之助に、はつは悔しさを募らせていたのです。

一方、藍之助から自分の選択を否定された惣兵衛は、はつが案じるほどには傷ついていませんでした。惣兵衛は新次郎に語ります。自分は両替屋より今の暮らしが合っている。家族さえいてくれればいい。しかし、その自分の考えを藍之助に押し付ける訳に行かないと。

藍之助には自分の望む道を歩ませてあげたい。そう考える惣兵衛はあさに相談することにしました。その頃、京都では千代が寄宿舎の同室の少女・田村宜と口論していました。花嫁こそ女の道だと信じる千代に、宜は憧れの女性の話をし始めるのでした。

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midokoro

菊は自分の代でつぶしてしまった山王寺屋を再興させることを諦めてはいませんでした。

そんな菊に溺愛されて育った藍之助です。藍之助の商人への憧れは、菊の影響によるところが大きいのかも知れません。

はつと藍之助の親子の確執に菊が加わり、話しが複雑になってきました。

『あさが来た』第19週 第110話 「みかんの季節」
 事前発表あらすじのレビューと解説

大阪から和歌山に移住する直前、それまで山王寺屋を潰したと責め続けていた惣兵衛を、菊はようやく受け入れました。

しかし、山王寺屋を潰したと責めたて続けてしまったことが、当時幼かった藍之助の心に歪みを生じさせてしまったのでしょうか。

藍之助が、両替屋を廃業した父親の生き方を認めようとはしないのも、農家よりも商人になることに強いこだわりを見せるのも、もしかすると幼少期に聞かされた菊の愚痴の影響によるのかも知れない。

そんなことを考えずにはいられない菊のまさかのお願いです。

『あさが来た』第19週 第110話 「みかんの季節」
 朝ドラ観賞後の感想

白蛇はんの本心がついに明らかになる

みかん農家を継ぐことを拒み父親の生き方すらも否定する藍之助くんの態度がはつちゃんには悔しくてならない。

一方、これまで劇中では伏せられてきた当事者である白蛇はんの本心が、新次郎さんに告げられる形でやっと明らかになりました。

「わしよりはつが怒ってしまってびっくりした」

わしより、と言うくらいなのだから白蛇はんも藍之助くんの態度に怒りはしたのでしょう。しかし、はつちゃんの思いがけない怒りは白蛇はんを驚かせ、白蛇はんは自分の怒りを忘れてしまった。

「はつが思うほど傷ついていない」

はつちゃんの怒りで驚くあまり自分自身の怒りを忘れたことで、白蛇はんは自分自身を客観的な目で見ることが出来たのかもしれません。そして自分を振り返った。

「親の道を捨ててようやく楽になった」

親の道を捨てて楽になれた自分が、息子に自分の道を強制出来るのか。白蛇はんの藍之助くんへの本心、親心が見えてきました。

そして自分の言葉に真剣に傾ける新次郎さんに、白蛇はんは言いました。

「茶化しもせんと珍しい」

新次郎さんも千代ちゃんのことでは少なからず頭を悩ませているはず。茶化すゆとりなどなかったのかも知れません。それ以上に白蛇はんの立派な父親ぶりに新次郎さんは、いつもどおり茶化すことも忘れるほどに心を打たれたのでしょう。

追記1:

「何もいらん、家族さえいれば」

一度は家族のもとから失踪した白蛇はんだけにこの言葉が重い。

追記2:

「この道があんたに負けているとは思えない」

はつちゃんがあさちゃんに言った言葉です。はつちゃんは、山王寺屋倒産以来、あさちゃんにどこか負い目を感じ続けていたのかも知れません。

嫁として婚家を守り抜いた妹。守りきれなかった自分。

そんな負い目の心の傷口が、藍之助くんの態度でちょっとだけ痛んだのでしょうか。

久しぶりに菊さんらしさを見せる菊さん

藍之助くんの加野銀行での働きぶりをあさちゃんに尋ねた菊さん。丁稚と一緒に働いていると言うあさちゃんの返答に気色ばむ。

「丁稚やて?!失礼な!」

久しぶりに菊さんらしい菊さんを見ることが出来て、不思議と安心しました。穏やかなになった菊さんを見るのを嬉しくは思っていましたが、あまりに出来すぎていて菊さん無理をしているのではないかと心配だったからです。

山王寺屋の暖簾を再び上げる夢を今もなお諦めずにいる菊さんにとって、神童と讃えられる愛孫の藍之助くんの存在は希望の星。最後のジェダイです(スターウオーズネタです)

「藍之助は有田の子ではない、山王寺屋の子だ」

菊さんの心からの叫びが忘れられない『あさが来た』110回でした。

千代ちゃんが強い!

花嫁修業が志か。

一見、千代ちゃんにとっては分が悪そうな議論になっても、千代ちゃんをことごとく論破する寄宿舎同室の田村宜ちゃんに一歩も引かない千代ちゃんが強い。

さすがあさちゃんの娘だと感心しました。

しかも、和歌山で庄屋の倉掛さんが新次郎さんに見せた新聞の切り抜きがこんなところで回収されるとは。

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コメント

  1. しむ より:

    白蛇はんの失踪ネタが効いてますねえ。あれがなければ、母親に反発しながらも流されてる人に見えたかも。一度堕ちたことで本来の強さを取り戻したんだなと、こんな遠距離砲の描写で納得させられるとは。これでもうちょっと白蛇はんの外見が百姓風に年輪刻んでたら…なんて贅沢言いません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 一度堕ちたことで本来の強さを取り戻した

      おっしゃる通り失敗が白蛇さんに深みを与えてくれました。

      > 百姓風に年輪

      『花子とアン』の安東家の人々の「年輪」があまりキレイではないとの評判もあったので、年輪表現を避けて通ったのかも知れません。

  2. もんすけ より:

    「わしにはこの生き方が合ってる」と言った時の白蛇はんの表情を見ていたら、ふわっと涙が浮かびました。
    自分に言い聞かすのでもなく、自分の弁護でもなく、本当に自然な言葉…。
    はつさんの愛情と家族と暮らす時間で醸造され、育んできた生き方が、
    どうか藍之助君にも伝わりますようと願いつつ、
    あさちゃんを「妹さん」と呼ぶのが、気になって、気になって。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あさちゃんを「妹さん」

      この他人行儀。何か理由があってこんな呼び方させてるのかもですね。よそよしかった二人が心から共鳴し合えるようになるドンデン返しが用意されるとか。本当に気になる呼び方です。新次郎さんへの態度と比べるとなおさらです。

  3. atsu より:

    今日初めてはつ・あさ・千代が似ていると思いました。3人ともエネルギッシュで自分の意思を持ち、愛情深い。千代は親のお蔭で贅沢しているわがまま娘に見えますが、「国語と算盤は優秀」。ただ本人は家業を手伝う方向に進んでも母親にかなわないことはわかっていて、他の道が見当たらず、「花嫁修業」で自分を正当化しようとしているのでは。千代は多分あさに褒められたい、認めてほしいんです。でも、あさのハードルは高くて、しかも本人がどんどん前に行ってしまう。千代の苛立ちは自分がこのままでは勝てそうにないから。
    はつは惣兵衛を助けてみかん農家としてやってきた自信はある、それを藍之助に否定されたように感じて許せないのでしょう。
    昔、あさが惣兵衛に「姉に笑ってやってください」と必死に頼んだ時ひねくれていた惣兵衛に冷たくあしらわれたことがありました。30年ぶりにきちんと向き合って2人がどう話すのか、楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      千代ちゃんは母親の後を追いたいのに追いきれない。今回もまた、登場人物たちへの深い洞察に満ちたコメントをありがとうございます。実は算盤が得意なのは母親のようになりたかったのかもしれませんね。しかしどうしてもかなわない。だから算盤が得手であることを両親には隠し通していた。いつだったから、幼少期の藍之助くんが算盤が上手だったと語るあさちゃんの言葉に千代ちゃんが無言ながら激しく反応したことが気になっていましたが、ここでやっと繋がった気がします。