あさが来た 111話 若き日の本心語る惣兵衛

連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』
2016年2月10日(水)放送
第19週 第111話 「みかんの季節」

『あさが来た』第19週 第111話 「みかんの季節」あらすじと見どころ解説

惣兵衛はあさと二人きりになる機をとらえると、あさに尋ねました。銀行で藍之助はどんな働きぶりを示していたのかと。あさは藍之助のことを褒め称えました。自分は藍之助と一緒に働いて楽しかった。藍之助はどんな仕事も嫌な顔一つせず励んでいたと。

続けてあさは惣兵衛に告げました。藍之助を自分に預けてくれれば、藍之助を必ず立派な商人に育ててみせると。あさの言葉を聞いて、惣兵衛は家族を集めました。一家で話しをしようと言うのです。

惣兵衛は自分の若い頃の思いを打ち明け始めました。自分は若い頃、親の言いなりに生きていた。そしてその道以外には考えられなかった。ところがある日その道がなくなってしまった。それでも別の道が開けるという体験をした。

惣兵衛は藍之助に告げました。別の道を望む藍之助を自分は止めることは出来ないと。藍之助は姿勢を正し改めてはつに頭を下げました。銀行で働かせて欲しいと。三年でものにならなければ諦めるという約束のもと、はつはついに藍之助の願いを受け入れるのでした。

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midokoro

これまではつと藍之助の対立が描かれる中、なかなか明かされることのなかった惣兵衛の本心がついに披露されます。

両替屋を廃業し農家の道を選んだ若き日の惣兵衛の思いとは。そしてその思いが何故、藍之助の心を動かすに至るのか。

今週の最大の見どころになるかもしれません。

『あさが来た』第19週 第111話 「みかんの季節」
 事前発表あらすじのレビューと解説

息子に生き方を全否定されながらもそのことを根に持たず、気にする素振りも見せず、息子の本当の気持ちを見極めようとする惣兵衛が相変わらず男前です。

そして、かつて「白蛇はん」というあだ名をつけて毛嫌いしていた惣兵衛に心を開いて弱音を吐くあさの姿に驚かされます。

最早「白蛇はん」の面影がどこにもない、その男前ぶりにさすがのあさもほだされたのでしょうか。

あさと惣兵衛の二人きりの会話。

惣兵衛が繰り返し登場していた物語前半でもあまりなかった二人のツーショット。どんな会話が展開されるのか。今から楽しみにでなりません。

『あさが来た』第19週 第111話 「みかんの季節」
 朝ドラ観賞後の感想

常に他人行儀だったあさちゃんと白蛇はんが二人きりになる

あさちゃんのことを「妹はん」と呼び、ある時期からはいつも敬語で話しかけあさちゃんとの一定の距離を常に保とうとする白蛇はん。

一方であさちゃんも、かつて強烈ないけずを言われて以来このかた、白蛇はんのことが苦手に違いない。

義理の兄妹でありながら、あるいはそれ故に付かず離れずの距離を保とうとするあさちゃんと白蛇はんの、まさかの二人きり場面がついに登場です。

息子の藍之助くんが自分で見出した道を歩んでゆくことを認めることは、白蛇はんには父親として苦渋の決断だったことに違いありません。

艱難辛苦を乗り越えた末にやっと軌道に乗せることが出来たみかん農家という道を切り開いたことへの誇り。

そして藍之助くんがいなくなることで人手不足に陥るという現実的な問題。

これら二つの事柄に目をつむって藍之助くんの望みを受け入れる覚悟を固めるために相談した相手はよりによって苦手なあさちゃん。

言い方を変えると、相談した相手が苦手なあさちゃんだったからこそ、白蛇はんが息子の将来にどれほど真剣かが表現出来ていました。

もしかすると、白蛇はんの父親としての本気ぶりを表す今回の見せ場のためだけに、白蛇はんとあさちゃんを他人行儀の関係のまま放置していたのかも知れません。

藍之助くん:自分の生まれた街で働いてみたい

加野屋を去る時の藍之助くんの名残惜しそうな表情が目に浮かびます。

はつちゃんに連れられ、短い間とはいえ心から愛した加野銀行の去り際に、よりによって聞こえてくる加野銀行を褒めちぎる通りすがりの人の声。

そしてガラス越しに見えるあさちゃんとあさちゃんが育て上げた精鋭女子たちがハツラツとした表情で働く姿。

「日本一の商業の街で、自分の生まれた街で働いてみたい」

あの時の情景が、藍之助くんの夢に対する気持ちを強くしたに違いありません。

現代劇で描かれる都会に憧れる若者の鉄板の動機はただ一つ「田舎が嫌い」。しかし、藍之助くんは違います。

「みかんもこの街も好き」

故郷も好きだし家族も愛している。しかし、

「もっとやりたいことを見つけてしまった」

藍之助くんの夢を応援したくなるのは、夢の動機が嫌いな現実から逃げることではないからなのかも知れない。そんな気がします。

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コメント

  1. えびすこ より:

    藍之助くんが加野銀行へ就職したいのは、元々の親の家業もさることながら、自分が生まれた場所と言う縁もあるんでしょうね(これは現時点で本人が知っているかな?)。
    実際には広岡浅子の血縁者でこの番組の「眉山藍之助」に該当する親族はいないかもしれませんが、もしいたら声をかけていたでしょう。
    五代さまの次は藍さまブームが来るかも?

    ところではつさんは20代前半までと比べると、ほんの少し顔が丸く見えますが気のせいでしょうか?髪型と着物の違いのせいか宮崎さんが役つくりで少し目方を増やしたか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      藍之助くんがはつちゃんに連れ戻される直前、よのさんが藍之助くんにあんたは加野屋で生まれたと告げていました。この言葉が印象に残り「僕の生まれた街」という言葉が出たのかも知れません。
      はつちゃん、顔の丸みは気がつきませんでしたが、大阪で畑仕事していた頃と異なり色が白くなりましたね。手は相変わらず荒れて痛々しいですが。白蛇はんはすっかり黒蛇はんになりました。

  2. よるは去った より:

    惣兵衛君は先祖代々引かれていたレールを失って初めて自分の道を自分で切り開く事の尊さを知ったのでしょうね。はつ「3年かかってモノにならなかったら帰って来なさい。」は藍之助君にはどれだけの起爆剤になって行くことやら。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      約束の3年後の藍之助くんの姿を早く見たい気持ち半分。そこまで物語が進んでしまうと『あさが来た』の終わりが近づく寂しさ半分。複雑な気持ちです。

  3. もんすけ より:

    「みかんもこの街も好き」。
    お父ちゃんの人生を受け止めている証の言葉、素敵でした。
    また、はつさんのホッとしたような笑みも。

    けど、あさちゃん。
    白蛇はんの前で(小さい時も含め)2回もお行儀悪い姿を見せるなんて~(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「みかんもこの街も好き」

      自分が歩みたい道を見つけても、心はお父ちゃんと一つ。本当にいい息子です。この一言ではつちゃんの藍之助くんに対するわだかまりや誤解も解けたでしょうね。

  4. atsu より:

    惣兵衛を柄本佑が演じている以上決して単純な白蛇はんでは終わらないと確信していたのですが、やはり!!息子を誉められて嬉しそうな表情を見みると、あの30年前の屈託していた頃との変わり様がすごい。白蛇の頃があり、失踪があり、現在の暮らしがあることをちゃんと感じさせられました。
    明治はこれまでの「家業を継ぐ」「家を守る」が激変しました。私は子供のころ祖父母から、「長男なのに東京で勉強して職に就き生家に戻らなかった」「女学校を出たら鬼娘と綽名され子供が何人もいるやもめの後妻になるしかなかった」人がいたなどとよく聞かされました。学問をする、自分の希望で道を探す、親も子も手探りの時代だったのだということをこのドラマで再認識しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 手探りの時代

      大店にとっても手探りの時代だったのかも知れませんね。山王寺屋は道を失ってしまった。加野屋は辛くも道を失わなかったもののその道は行き止まりだった。

      倒産した山王寺屋と持ちこたえた加野屋が、それぞれ手探りしながら道を開く。先行きが不透明な現代も、再び手探りの時代に突入したのかも知れませんね。

  5. きみやん より:

    毎日、朝ドラPLUS様の感想楽しみにしています。

    藍之助ちゃん、夢へ一歩前進しましたね。

    私も同じ年頃の息子とだぶらせて、今朝は涙が

    ウルウルでした。

    ふと、思ったのですが栄三郎さん夫婦に女の子しかできず、

    藍之助ちゃんを養子→加野銀行の後継者に・・?

    なぁんてありえませんか??

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 藍之助ちゃんを養子→加野銀行の後継者に

      これはありえますね!その二人なら血のつながりも全くないし視聴者も受け入れやすいかもしれません。

      藍之助くん、是非とも夢をつかんでほしいものです。彼の夢に対する真剣な気持ちを思うだけで僕も目がウルウルです。