竹蔵の病状が悪化/鉄郎 / とと姉ちゃん 第5話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年4月8日(金)放送
第1週 第5話「常子、父と約束する」

『とと姉ちゃん』第1週 第5話 「常子、父と約束する」あらすじと見どころ解説

昭和6年(1931年)4月。叔父の鉄郎が竹蔵の見舞いにやって来ました。桜の花が散った頃、竹蔵が毎年の花見を楽しみにしていたことを鉄郎から聞かされた常子は、花咲か爺さんの物語をヒントにして、竹蔵に花見をさせようと思い立ちます。

常子は、竹蔵が勤めていた遠州浜松染物工の社員たちに協力を求め、桜色に染めた布で桜の造花を大量につくりはじめました。その頃、竹蔵は君子に打ち明けていました。来年の春、娘たちが進級する頃に、もう自分はこの世にはいないだろうと。

常子たちは桜の造花づくりを完了。帰宅した常子は君子とともに竹蔵を外に連れ出し、皆で手作りした造花によって見事に花を咲かせた桜の木を竹蔵に披露。少し遅れたお花見は衰弱した竹蔵を感激させました。

その夜、興奮して寝付けぬ常子の気配を感じた竹蔵が、襖越しに常子に話しかけました。竹蔵は常子に頼みます。父親の代わりになって家族を守ってほしいと。常子が頼みを聞き入れることを確かめた竹蔵は、その三日後に息を引き取るのでした。

midokoro

竹蔵の弟で常子には叔父に当たる鉄郎の登場です。

鉄郎を演じるのは向井理さん。映画『男はつらいよ』の寅さんのようなフーテンキャラ役で『ゲゲゲの女房』以来、朝ドラ2度目の出演です。

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『とと姉ちゃん』第1週 第5話 「常子、父と約束する」
 事前発表あらすじのレビューと解説

ヒロインがピンチに陥ると、その窮地を救うべく姿を表す美味しい役どころ・鉄郎の初登場です。

窮地を救うというと聞こえはいいですが、その性格はフーテンキャラ。単純な正義の味方ではありません。

正義を気取るわけでもない。それどころか定職にも就かずに年中儲け話ばかり追うどちらかといえば残念な生き様。

しかし、期せずしてヒロインの窮地を救ってしまう鉄郎は劇中屈指の人気キャラになるかも知れません。

『梅ちゃん先生』のヒロインの叔父・陽造とポジションが似ているなと思うのは僕だけでしょうか。

▼向井理(小橋鉄郎)
・『ゲゲゲの女房』(2010年)村井茂役
・『信長協奏曲』(2016年)池田恒興役

『とと姉ちゃん』第1週 第5話 「常子、父と約束する」
 朝ドラ観賞後の感想

無念の最期

第1週から悲しい別れ。息を引き取るその時が省略されていたのが救いでした。

前週まで新次郎さんや白蛇はんはじめ、次々に大切な人たちが亡くなっていきました。しかし彼らは大往生。皆、悔いなく逝きました。

しかし、竹蔵ととは無念の死。

常子ちゃんの制服姿も見ることは出来ない。美子ちゃんの小学校の入学式に出ることも出来ない。来春、桜が咲いても家族と花見をすることは出来ない。

ここ数週間、最期の場面続きだったので「免疫」が出来ているつもりでいましたが、まだ幼い娘たちの成長した姿を見ることが出来ない無念の最期は辛かった。

のこされた常子ちゃんの姿も辛い。

大好きなととの顔を見ることすら出来ず、最後の会話は襖越しに聞こえてくる苦しそうなととの声のみ。

繰り返しになりますが、粋と引き取るその瞬間の描写が省かれていたのが救いです。

遠州浜松染物工の社長さん

今回の冒頭で映しだされた遠州浜松染物工の社長さんの寂しそうな表情。

空席となった竹蔵ととの机を見守る社長さんの表情を見ていて、以前、何かのドキュメンタリー番組か映画で観たある映像を思い出しました。

それは都内の某有名フレンチレストランのオーナーを取材したものだったのですが、そのレストランが創業間もない頃、全幅の信頼を寄せていたシェフを病気で亡くしたとか。

心から信頼していた愛する部下の病気に全く気が付かなかった自分の至らなさを長年攻め続け、何年も前のことを思い出して泣き崩れるそのシェフの姿に怖さすら感じたものでした。

遠州浜松染物工の社長さんも同じような気持ちだったに違いありません。

社運を賭けた取り引きを取るための接待に竹蔵ととを強引に引っ張りだすほどなのだから、社長さんにとって竹蔵ととは自分の右腕のような存在だったはず。

その右腕がもがれる。

しかも、もしかすると無理強いさせたことが竹蔵ととの病気を招いたかも知れない。そんな気持ちが今朝の社長さんの表情に見え隠れしていました。

桜色に染めた布の大盤振る舞いは、そのことへの罪滅ぼしの気持ちもあったのかも知れません。そんな脇キャラの心の動きまで想像させるようなきめ細やかな演出。本作も、記憶にいつまでも残る名作になるかも知れません。

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コメント

  1. mizutamari より:

    桜、泣けました。
    あの美しさ。
    どうも、私は、泣くツボが違うようです。
    3人よれば、文殊の知恵、そんな感じですね。
    お互いを思いやる、3姉妹が素敵です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 3姉妹が素敵です

      行動力のある長女。秀才で長女に対抗心むき出しの次女。そしてマイペースの三女。この三姉妹の成長後の描き分けが楽しみになってきました。

  2. Alison より:

    見ている途中で「あっ!今日は金曜日だった!」と気付いたのですが、
    すでに遅くて、涙、涙でした。
    長女とはいえ、まだ幼さが残る常子ちゃんに、
    「ととの代わりをしてほしい」とお願いする ととさん。
    「ととの代わりは、誰にもできない」と思いながらも、
    「はい」と約束した常子ちゃん。
    二人の気持ちを考えると、辛かったです。

    次からは、とと との約束を一生懸命守って
    常子ちゃんが、みんなを明るく引っ張っていくのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 涙、涙

      ととの部屋の襖の前で座る常子ちゃんの後ろ姿が可哀想で可哀想で(涙)
      あさちゃんみたいに、常子ちゃんも最終回にはととに再会させてあげてほしいと願わずにはいられません。

  3. まーちゃん より:

    「とと姉ちゃん」では初コメントになりますね。まだ今までのところ予定調和の朝ドラ、手堅くはあるが新味もないという感想しか抱けなかったのですがちょっと腹に据えかねた展開に一言。
    「竹蔵とと」いくら心残りだからって何でまだ11歳の常子に「とと」になってくれなんて言えるのかな。。。そんなもん背負い込んじゃった娘の身になってみなって(怒)

    竹蔵ととの遺言の身勝手さには涙も出んわと思っていたら今朝の「あさイチプレミアムトーク」のゲストが鉄郎叔父役の向井理さんでいつも割とクールなイメージの「ムカイリ」が旧知の脚本家の西田征史さんの名前が朝のテレビ小説のトップクレジットで出るのを見て感激したと言って不意に声を詰まらせたので驚くとともに「ムカイリ」の好感度がぐっとupしました。

    脚本家さんにとっては朝のテレビ小説執筆というのはやはり晴れの仕事なのですね。その誉れを思いやって涙したムカイリの優しさと共感力に私も見習わねばと反省した次第です。次はもっといいところを探してからコメントしたいと思います(誓)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      向井さんの男泣き、ずいぶんとネットの話題をさらっていたようですね。僕は観ることが出来なかったのでそれが本日の心残りです。

  4. カッチ より:

    今日も出勤の為、前半しか見てません。
    感想やコメントを読むと「とと」は今日亡くなったのですね。
    明日かと思ってました。
    帰ってゆっくりみますが、ちょっと心の準備が必要ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      前週まで続いた死の場面と異なり「無念」という言葉が胸に突き刺さります。準備、おおいに必要です。

  5. カッチ より:

    いいアイデアだったですね。
    それにしても会社の人も手伝ってくれるなんて
    竹蔵はみんなに好かれていたんですね。
    今の会社では考えられません。
    僕が父にしてやった事といえばプロレス好きだったので
    こちらにプロレスが来た時何度か見に連れて行きました。
    いくらか親孝行ができたかなと思ってます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 親孝行

      シンプルで優しい言葉を思い出させてくれますね。本作は。
      プロレスは親孝行になったことと思います。

  6. もんすけ より:

    先週たくさん泣いたはずでしたのに、今日も涙がはらはらと。
    「家族愛」などという陳腐な言い回しは、きっと似合わないのでしょうね。
    枕元に置かれたみかん、総出で作った桜の花などのシーンが美しい。
    皆で桜を作るシーンで、ふと昔の映画『オーケストラの少女』を思い出しました。
    ただただ番組を見て楽しむのではなく、
    自身の思い出を蘇らせ感じることのできる不思議な魅力あふれる作品に、
    心をぐわんと掴まれた朝でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      映画『オーケストラの少女』にはどんな場面があったのでしょうか。とても気になります。
      頂戴したコメントにある通り、本作は様々な思い出が蘇ってくる作品ですね。僕も観ながらいろいろなことを思い出します。

      • もんすけ より:

        説明足らずでごめんなさい。私事にて恐縮ですが、少しだけ補足を。
        「オーケストラの少女」は幼い頃、映画好きだった亡き父と見た思い出の作品です。
        失業中のトロンボーン奏者の父のため、声楽家志望の少女が楽団結成に周りの大人を巻き込み東奔西走するお話。
        どこかのシーン…というよりも(お父さんのために)との純真な気持ちで突き進む少女と常世ちゃんの姿が重なったのでした。
        かなり昔の映画との記憶でしたが、今調べたら1937年にアカデミー作品賞受賞とのこと。
        もちろん映画館でリアルタイムに観たわけではなく、なつかしの「日曜ロードショー」などで観たのですが、横で涙を流しながら観ていた亡き父の横顔が竹蔵ととと重なり、心の奥がじんわりと熱くなるのを感じました。

  7. MARMITE より:

    イギリスから引き続き毎日拝見しています。
    あさロスも少しずつ忘れさせてくれそうな、とと姉ちゃんですが、最初の週ですてきなお父様が亡くなってしまうなんて。その前提あってのドラマだとは思うのですが、ちいさい3姉妹が可哀想ですね。

    家族みんなでいつまでも幸せでいられる時が、いつまでも続くとは思えないという考えを形にして、某白岡家・加島銀行経営の、あの淀川生命保険に入っていたらきっと助けてくれたのに・・・と時代もよく考えずに思っております。

    暮らしの手帳は実家の母がかかさず読んでいたので、懐かしい気持ちとともに楽しめると思います。。。人工着色料やプラスティックがもてはやされていた時に、声高々に非難していた記事を子供心に目から鱗が落ちる思いで読んだ事を思い出しました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      あさロスが癒やされたかなという矢先にまさかのととロス。もはや自分の目で見ることはかなわない娘たちの来春の姿に思いを巡らす寂しそうな竹蔵ととの表情が忘れられません。
      来週以降、竹蔵ととの死から立ち直った小橋一家の明るいお話しになりそうなので、ロスからの本格回復は来週になりそうですね(涙)