昭和11年、常子は五年生 / とと姉ちゃん 第37話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年5月16日(月)放送
第7週 第37話「常子、ビジネスに挑戦する」

『とと姉ちゃん』第7週 第37話 「常子、ビジネスに挑戦する」あらすじと見どころ解説

昭和11年(1936年)春。16歳の常子は女学校の最終学年である五年生になりました。常子の同級生のほとんどは卒業後は結婚する道を選択していました。一方、常子だけは一家を支える職業婦人になるべく求人情報集めに余念がありません。

そんな中、常子のクラスに東堂チヨという名の女性教師が担任として着任。女性だから出来ない、してはいけないという旧態依然とした考え方を否定する東堂は、クラスの女生徒たちにアグラをかけと言い出し一同を驚かせます。

東堂チヨが熱弁する平塚らいてうの「原始、女性は太陽であった」という話しに常子は強い衝撃を受けました。その感激を伝えに来た常子に、東堂は一冊の雑誌を貸し出します。その雑誌の名は『青鞜』。平塚らいてうらが創刊した雑誌です。

常子は東堂から借りた『青鞜』に夢中になり気持ちを高ぶらせるその一方で、鞠子は女学校卒業後の進路について思い悩み深い溜息をついていました。この鞠子の深い溜息は、やがて常子の人生に大きな影響を与えることになるのでした。

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midokoro
前週の昭和10年から年が明け、昭和11年の春を迎えたところから第7週がスタート。

常子は高等女学校の五年生、卒業後の進路を真剣に考え始める最終学年です。

『とと姉ちゃん』第7週 第37話 「常子、ビジネスに挑戦する」
 事前発表あらすじのレビューと解説

戦前の旧制中等教育学校の一つである高等女学校は五年制。常子は翌年の春には卒業を控えた最終学年を迎えます。

現在の新制高等学校では二年生に当たる年齢となった当時の女学生たちのほとんどは、卒業後は嫁入りするのが一般的だったようですが、常子の同級生たちも例外ではありません。

そんな中、常子だけは例外でした。

そして例外の常子のクラスの担任に着任することになった女性教師・東堂もまた当時としては例外にカテゴライズされる女性として描かれるようです。

進取の気性に富んだ東堂は、常子と鞠子の今後の人生に大きな影響を与え『とと姉ちゃん』後半でヒロイン姉妹が歩んでゆく道を示す役割を果たします。

いよいよヒロインが自分の人生を歩みはじめるフラグのような一週になりそうです。

尚、女性教師・東堂は片桐はいりさんが演じます。『あまちゃん』の安部ちゃん以来の満を持しての朝ドラ登場です。

『とと姉ちゃん』第7週 第37話 「常子、ビジネスに挑戦する」
 朝ドラ観賞後の感想

なんでどす娘からのバトンタッチ

常子ちゃんがライフワークに向けての歩みを始める第二幕がはじまりました。

前作で『なんでどす?』を連発し時代を切り開いたあさちゃん。そのあさちゃんに対して反発心を抱き、あさちゃんを超えてみせると啖呵を切った平塚らいてふ。

そして宣言通りにあさちゃん超えを果たした平塚らいてふが、東堂チヨという女性教師に著書を通して影響を与え、その東堂チヨを経て常子ちゃんを開眼させる。

東堂先生との衝撃的な出会い。

そしてその東堂先生に教わった女性の新しい生き方への目覚め。

そして常子ちゃんが目覚めた新しい女性の生き方とは、前作ヒロイン・あさちゃんが幕末から道なき道を切り開いて歩んできた努力の賜物です。

あさちゃんの努力があって、今回の常子ちゃんの目覚めがある。そんな風に考えると、常子ちゃんの目覚めへの喜びに満ちた表情は感慨深いものがあります。

こうしてはじまった常子ちゃんのライフワークへの歩み。

これからはじまる常子ちゃんの生き方もまた、将来誰かの生き方に影響を与えるのかも知れませんね。

追記:東堂先生演じる片桐はいりさんの存在感が今回も強烈です。『あまちゃん』の安部ちゃんとは異なり抑制の効いた演技ながらも、女学校の生徒たちをたった一人で圧倒してしまうような片桐さんが放つオーラ。形容する言葉が見つかりません。

常子ちゃんの上機嫌と鞠子ちゃんの憂鬱

新しい生き方に目覚めてすこぶる上機嫌な常子ちゃんとは対照的に、深くため息をつき君子かかが案ずるほどに憂いを帯びた表情を隠そうともしない鞠子ちゃん。

そして、鞠子ちゃんのノートには大書された「進学」の二字。

上機嫌な常子ちゃんと対比させた描写によって、進学したいが家計を考えるとそれを言い出せない鞠子ちゃんの苦悩が伝わって来る演出が秀逸です。

そして新しい生き方に目覚めた常子ちゃんの上機嫌と、将来を思い悩む鞠子ちゃんの憂鬱が合流した時、一体何がはじまるのか。

『とと姉ちゃん』第二幕が本格的にはじまった。そんな予感でいっぱいの第37回でした。

余談:宗吉大将と隈井さんの逆転劇

口から出まかせがきっかけとなって、いつの間にかすっかり将棋仲間となった宗吉大将と隈井さんの二人の男。

この二人の最初の一局は、隈井さんの圧勝でした。

しかし、ある時の一局では宗吉大将と隈井さんは互角となり、ついに今回の一局では隈井さんが宗吉大将に追い詰められる。

よく観ていなければ気がつかないような、隈井さんと宗吉大将のさりげない逆転劇によって時間の経過を表現するその演出が憎いと思わず膝を打ちました。

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6 Responses to “昭和11年、常子は五年生 / とと姉ちゃん 第37話”

  1. よるは去った より:

    昭和十一年の春。森田屋の面々が黙々と仕事している中、ラジオから流れてきたニュースはその年の2月の雪のを日に全国を震撼させたあのクーデター未遂事件の始末の問題でしょうか。いずれにしても軍部の発言が強くなりだした年ですね。そんな時代において東堂チヨ先生のような女性の居場所はどれだけのものだったのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      不穏な時代の到来をラジオ放送だけで遠回しに表現した演出は見事でしたね。クーデター未遂事件があったとは言え、日中戦争勃発の頃までは世の中も明るかったと当時を生きた方から聞いたことがあります。不穏な時代が近づいてきても当時の庶民はそれをまったく知らない。そんな様子がリアルに描かれていました。

  2. えびすこ より:

    片桐はいりさん3年ぶりの朝ドラ登場。
    あまちゃんの時は途中で安部ちゃんはいなかったのですが、あの期間にはいりさんは別の仕事があったのかな?

    戦国時代までは女性でもあぐらをかくことがありました。あるいはその姿勢から片方の膝を立てる座り方ですね。
    今作でも平塚らいてうが登場しますかね?例えば戦後に取材に行く場面で。

    身上話ですが母方の祖母は、17,18歳で結婚しております。ただ、北陸の農家(「庄屋」と呼ばれる格の家らしいです)なので女学校には通っていません。戦後まだ数年の頃に祖父が祖母の家に婿入りしました。祖母が数え20歳の時に伯父が生まれています。
    昭和20年代までは女性は18歳前後で結婚することは珍しい事ではなかったようですね。
    大正の頃ですが吉行あぐりさんは15歳で結婚しました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      朝ドラ全編を通して登場するキャラであっても途中で旅行などを理由に中抜けするのはスケジュール調整なのかも知れませんね。『ちりとてちん』でも、小梅さんが唐突にスペイン行きを表明していました。

  3. カッチ より:

    あんべちゃん、久しぶりですね。
    しかし、強烈ですね、片桐さんは。
    今回は教師ですか。
    今回もヒロインの良き相談相手になるのでしょうか?
    名脇役ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      安部ちゃんの時よりも抑え気味の演技ですが、それでもあの存在感。すごい役者さんだと思います。

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