女性を蔑視する男性社員 / とと姉ちゃん 第51話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年6月1日(水)放送
第9週 第51話「常子、初任給をもらう」

『とと姉ちゃん』第9週 第51話 「常子、初任給をもらう」あらすじと見どころ解説

徹夜で仕上げた仕事を褒められるどころか評価すらされず打ちのめされた常子の胸に早乙女の言葉が突き刺さります。男性社員にとって女性社員は単なる雑用係に過ぎない。しかし、家族の前では自分は信頼を寄せられていると嘘を言う常子でした。

その翌日も常子は営業部の男性社員から書類整理を懇願されました。先輩タイピストたちから冷たい視線が浴びせられる中、常子は断りきれずにその仕事を引き受け、そのことがますます常子と他の女性社員との間の溝を広げてしまいます。

常子はその日も仕事を家に持ち帰りやっとの思いで仕事を仕上げたものの、今回もまた仕上げた仕事に対して男性社員から感謝の言葉はありませんでした。一方、早乙女は常子のことを総務課長の山岸に抗議していました。

早乙女の抗議によりタイピストの規律が改められました。その規律は常子の行動を牽制するものでした。そんな中、男性社員の理不尽な物言いに早乙女が反発。社内の風通しの悪さに深く落胆した常子は滝子のもとに足を運び、相談に乗ってもらうことにするのでした。

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midokoro

女性社員は雑用係だと思っている男性社員。そんな男性社員に反発する女性タイピストたちのプライド。

そんな両者の間で常子ちゃんが悩み、迷います。

『とと姉ちゃん』第9週 第51話 「常子、初任給をもらう」
 事前発表あらすじのレビューと解説

先輩タイピストたちの嫌がらせにより仕事を回してもらえない常子ちゃんは、先輩たちが拒んだ男性社員からの雑務を引き受けるしかなかった。

そのことが先輩タイピストたちからの風当たりをますます強める結果を招いてしまう。

しかし、そんな先輩タイピストたちを常子ちゃんは否定しきれない。何故なら先輩タイピストたちが男性社員からの雑務を拒むのには理由があったからです。

男性社員は女性タイピストを単なる雑用係としてみなしていませんでした。

そのことが女性タイピストたちは許すことが出来ない。そして、常子ちゃんも男性社員から雑用係としての扱いを受け、心外に感じていたのです。

仕事をまわしてもらえないという常子ちゃんの苦悩が更に深く複雑なものになってゆくようです。

『とと姉ちゃん』第9週 第51話 「常子、初任給をもらう」
 朝ドラ観賞後の感想

早乙女さんは単なるお局様でなかった!

今回で早乙女さんに対する見方が変わりました。

「ミスタイプ」のクレームを付けてくる居丈高な男性社員に猛然と食って掛かる早乙女さんの姿は実に痛快でした。

満足に文章を書けないにも関わらず男性というだけで居丈高に振る舞うことが容認されている環境で、仕事が抜群に出来る早乙女さんがどれほどの思いをしてきたか。

早乙女さんは自信があるのでしょう。並み居る男性社員たちよりは自分の方が仕事も出来るし頭も切れる。

しかし、自分よりもレベルが低いボンクラ男性社員たちからさえも、女性というだけで名前では呼ばれず「おい」や「君」としか呼ばれず、しかも見下される。

男性社員からの雑用を拒むのは必死の抵抗だったのでしょう。

今回、タイピストの規律を新たにもうけたのも、これは決して常子ちゃんへの嫌がらせではなく、男性社員から雑用係とみなされはじめた常子ちゃんを守るためと考えるのはうがち過ぎでしょうか。

職務規定が定まってさえいれば、常子ちゃんが男性社員からの仕事を引き受けてしまう以前に、男性社員が常子ちゃんに仕事を頼み込むことが不可能となりますからね。

早乙女さんはてっきりお局様かと思っていました。

しかし、彼女はお局様ではないようですね。抜群に仕事が出来るにも関わらず女性であるがためにジレンマに苦しむ、実は深く傷ついた女性なのかも知れません。

まだちょっと怖いところもありますが、早乙女さん、好きなキャラの一人になりました。

清くんのいつもの自慢

ここしばらく、清くんの「いやあ、まいったな~」ではじまる自慢話がないことが気になっていました。

僕の記憶している限りでは、綾ちゃんが清くんの働く「凛々しい」姿を橋の上から観察してからというもの、清くんが妙に大人しい。

何かが彼の身にあったのか。

気になり続けていた謎がやっと解明されました。

隈じいの言葉を借りれば仕事が乗りに乗っている。小さな自慢話をしているヒマがない。滝子さんが見抜いたであろう清くんの本領がやっと発揮されはじめたということでしょうか。

そして滝子さんは清くんに全幅の信頼を寄せ、その「全幅の信頼」という言葉が社内で孤立する常子ちゃんの胸にとげのように刺さる。

清くんの変化の理由を説明しつつ、その理由が常子ちゃんの悩みを際立たせる。

みごとです。

追伸:日に日に表情が暗くなる常子ちゃんを静かに見守る坂田のおじさんの視線が今日も優しくて癒やされました。恋にのぼせる星野くんも可愛い。つらい場面が続く中、ほっと出来る要素を巧みに入れてくれるところが実に粋だと思います。

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コメント

  1. ア※ラッキー より:

    昨日私の最初のコメント宗吉さんが、つまみ食いしたように、書きましたが、ごめんなさい。まつさんでした。

    朱美さんが常子ちゃんに対する態度が入社して以来ず~っと、私同性ながら、わかりませんでした。今日の放送と朝蔵さんや皆さんのコメントで納得しました。

    ところで、清くん役の大野さん、来年間(違っていたらごめんなさい)ロミオとジュリエットに出るそうです。お昼のヒルナンデスの最後の告知コーナーで発表してましたよ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      つまみ食い、まつさんでしたか。息子がちゃっちゃと食べようとするのを止め自分はさりげなくつまみ食い。さすが、まつさん最強です(笑)

  2. はな より:

    はじめまして。
    「ごちそうさん」から、たまに先のあらすじが気になって訪問させて頂いていました。
    「あさが来た」からは、朝蔵さんや皆さんの感想も含め、毎日楽しみに拝見させて頂いています。

    常子に対する意地悪には、意味不明なことも多いけれど、
    才能もプライドもある早乙女さんに一番足りないのは、「やわらかい心」かもしれませんね。
    昔ほどではないにしろ、日本はいまだに男尊女卑の考えがどこかで根強いです。
    だから、どうしても、認められたい女性は、認めない男性に対して、攻撃的な言動になりがちです。
    そういう男性を、女性側も見下してますからね^^;

    あさがちゃんにはそれがなかったから、多くの人から信頼もされ、認められるようになっていったのかな~、と改めて思った次第です。
    「やわらかい心」と柔軟性って、ホント、大切ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメント頂戴いたしましてありがとうございます。
      早乙女さんに「やわらかい心」が足りないという洞察、とっても鋭いです!あさちゃんも女性であるという理由から炭鉱で見下され、大阪の殿方たちからはヒゲが生えてるとバカにされながらもやわらかく上手にかわしていましたからね。

  3. 朝蔵(あさぞう) より:

    コメントありがとうございます。
    常子ちゃんに相談への滝子さんの答えがとっても気になっています。

  4. カッチ より:

    確かに早乙女さんは他のタイピストと違いますね。
    いわば技術者です。
    だから雑用を頼んで感謝もしない男性社員が許せないのでしょう。
    でもそれなら新人の常子にちゃんと説明して雑用を頼まれない様に小さな仕事からやらせばいいのに。
    この頃は教育という概念がなかったのでしょうか。

    確かに斉藤さんの常子を見る目が気になります。
    何か大切な働きをしてくれるんではないでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      鳥巣商事はこれまで実技試験を経てタイピストを採用。だから早乙女さんは基本を教えることには不慣れなのかも知れないですね。新人でもある程度は出来て当たり前くらいに思っているのかも知れません。

  5. エイスケの後輩 より:

    他のタイピストさん達は、最初から陰湿ないじめを受けたりしていなかったのか?常子だけ?と思い不思議だったのですが、そういえば常子の年から、入社試験から実技が外され、面接だけになっていたんですよね。
    なので、実技試験で評価されて(もし実査は器量で選ばれていたとしても、本人達はタイプ能力で選ばれているという自負がある)先輩社員からしたら、見た目だけで選ばれてると思しき常子は、「能力なんてあるのかしら」と見下す対象であり、「見た目だけで気に入られちゃって」と妬む対象なのかもしれませんね。

    事前情報からすると、早乙女さんはただの嫌な先輩の様に取れますが、ちゃんと芯の通った人物として描くあたり、この作品の根底に流れる人の温かさを感じます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      タイピストさんたちへの洞察がとても鋭くて頷きながら拝読しました。そして、早乙女さんの描写を感じの悪さだけで終わらせない人物造形の深さ。この脇キャラにまで丁寧につくりこまれているところが朝ドラの魅力の一つかと思います。

  6. アーモンド より:

    早乙女先輩な陰湿さ、男性社員のばかにした態度、現在ならなんとかハラスメントで問題になるところと思われます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      良い意味でも悪い意味でもおおらかな時代だったんですね。