連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年6月21日(火)放送
第12週 第68話「常子、花山伊左次と出会う」
『とと姉ちゃん』第12週 第68話 「常子、花山伊左次と出会う」あらすじと見どころ解説
戦争が長引き世の中が暗くなりがちな中で子供たちに笑顔を取り戻させようと、隈井は近所の子供たちを青柳商店の庭に呼び集めました。庭に「青柳教育玩具」というノボリを立てた隈井は、廃材を用いて手作りした飛行機などのおもちゃを配り、子供たちを沸かせます。
その賑やかな様子に常子はある着想を得ました。常子はかねてより考え続けてきた雑誌の企画を思いついたのです。常子の発案した「読者を笑わせ銃後の暮らしを明るくする」という企画は甲東出版の面々全員が賛成することで採用が決定。
一方、清は軍が統制する木材管理会社に就職しそこから給料を得ることで青柳商店を支えることにします。鞠子も大学卒業後は一家の家計の助けになるべく工場で勤務しつつ分筆活動を続ける決意をしました。
そんな中、常子は五反田から雑誌に掲載する挿絵の原稿を取りに行くよう命じられました。常子が挿絵を取りに足を運んだ内務省には、見るかに気難しそうな人物が待っていました。その人物の名は花山伊佐次。それは常子にとって運命的な出会いでもありました。

当ブログ主が予想していたよりもだいぶ早く物語後半の大物キャラクターの登場です。
天才編集者・花山伊佐次。唐沢寿明さんが演じます。
『とと姉ちゃん』第12週 第68話 「常子、花山伊左次と出会う」
事前発表あらすじのレビューと解説
常子の生涯にわたるビジネスパートナー、天才編集者の花山伊佐次が今回登場します。
花山伊佐次の実在モデル・花森安治氏はかなり変わった人物だったと伝えられています。劇中で唐沢寿明さんが演じる花山伊佐次も、実在モデルに負けず劣らず変わった人物として描かれるようです。
そんな運命の出会いの瞬間が今回描かれます。
しかし、恐らく今回は花山伊佐次の登場場面は最後の数分間だけで終わることが予想されます。最悪で強烈な第一印象を常子に与えて今回は終わり。
次回、その変わった性格。その性格からは想像もつかないような才能。そして、第三者が語る花山伊佐次の人と成り。
それらが説明されるようです。
事前情報によれば花山は奇妙な衣装を身にまとっての登場との由。唐沢寿明さんの初登場場面での「怪演」は今週、そして中盤の最大の見どころかも知れません。
『とと姉ちゃん』第12週 第68話 「常子、花山伊左次と出会う」
朝ドラ観賞後の感想
読者を笑わせ、銃後の暮らしを明るくする企画
谷さんが発案したものの社員たちの猛反対により一度は却下された雑誌企画「ユーモア特集」が、常子ちゃんの提案によってよみがえる。
常子ちゃんと谷さんは似た者どうし?
または、社長と同じアイディアを常子ちゃんが持っていたというのは、常子ちゃんが社長の器を持っていること、近い将来起業家になることのフラグなのかも知れません。
一度は「ユーモア特集」に異を唱えたはずの五反田さんが「美しい女性の悲しむ顔を見たくない」ことを理由にいとも簡単に前言を撤回し賛成にまわる。
五反田さんのキャラを巧みに利用した反転劇でした。
また、社員たちの意見の二転三転を描きつつ「ユーモア特集」が時勢にそぐわないという理由から却下された事実を強調するストーリーテリングの手際の良さは秀逸。
ちょっとネタバレになりますが、巧みなストーリーテリングによって強く印象づけられた「時勢にそぐわない」という社員たちの懸念はやがて現実となり騒動が起こるはず。
その騒動が重苦しい時代の空気をさらに重苦しくすることになるのでしょう。
花山伊佐次、初登場!
「気難しい男だから気をつけてね」
「今は話しかけんほうがいいぞ」
花山伊佐次がどれほどややこしい男かをにおわせるセリフを畳み掛けるように常子ちゃんに浴びせかけたその末に花山伊佐次がついに登場しました。
登場したのは今回の終わり近く、わずか2分から3分というごくごくわずかな時間です。
にもかかわらずこの存在感。このインパクトの強烈さ。
「帰れ!邪魔するな!」
「帰れ!邪魔するな!」
「帰れ!邪魔するな!」
「三度も言わせるな!」
初登場画面の花山伊佐次の初のセリフも、一度聞いたら忘れられないレベル。
次回は冒頭から花山伊佐次の気難しさが炸裂するのでしょう。ネタバレとなりますが、そんなややこしい男を常子ちゃんがみごとに攻略。
ずっと楽しみにしていた常子ちゃんによる花山伊佐次攻略場面を堪能できる回をようやく明日迎えます。
青柳商店を見るのがつらい
滝子さんがますます衰弱し食事ものどを通らない。久しぶりに青柳商店の法被を着て接客する滝子さんに、働き手たちを叱咤激励していた往年の姿はない。
清くんが現場を仕切る凛々しい姿を綾ちゃんが見とれた頃も今となっては懐かしい思い出。人の上に立っていた清くんは、これから人の下で命じられた仕事をこなすのでしょう。
すっかり勢いを失ってしまった青柳商店の様子が悲しすぎます。そんな中、つとめて明るさを演出してくれる隈じいが救いでした。
コメント
「花森安治はおかっぱだった」のコメントがありましたが、
東堂先生こと片桐はいりさんが今作のオファーが来たとき、
まさか花森安治役なのでは?と聞いたら、
「さすがにそれはNHKなんで」
と返されたと仰ってましたね。
コメントありがとうございます。
片桐はいりさんが花森安治役・・・ハマり過ぎです。オカッパだけでなく顔も通じるものがあるかもです。
隈井さん手先が器用だったということで、あんなにたくさんのおもちゃ。話が違いますが、鶴ちゃんって、絵を描かれるんですよ。ずいぶん前に、NHKの総合かEテレかどっちか忘れちゃいましたが、講師として、教えていたような・・・。あと、数年前母と鶴ちゃんの絵を見ました。独特な雰囲気で好きでしたよ。
いよいよ、唐沢さん登場。最悪の出会いかもしれないけど、いずれ最高のパートナーになるんですね。それまでの過程を観させていただきます。
コメントありがとうございます。
> 鶴ちゃんって、絵を描かれる
僕もずいぶん以前に当時の三越新宿店で「片岡鶴太郎展」を観たことがあります。絵ばかりか陶芸までこなす多才ぶりに驚いたことを今でも忘れられません。
花山「帰れ、邪魔だ。三度も言わせるな~。」 唐沢寿明君を朝の連ドラでは「純ちゃんの応援歌」以来かな?現在の細君と義理の姉弟役での共演でした。その時の役と今回はガラリ違うのは言うだけ野暮かな?美子「日本が勝てばみんな楽になれるのに・・・・・。」これは美子ちゃんだけでなく当時の日本の子供たちの全般的な考え方だったのかな?
コメントありがとうございます。
> 日本が勝てば
それまで三連勝だったので勝って当たり前くらいの感覚だったのでしょうね。
いよいよ、花森安治さんの登場ですね。
ワクワクします。
「暮しの手帖」というと、即、花森安治を思い浮かべます。
花森安治さんは、スカートをはいたこともあるそうですね。
私の記憶では、おかっぱ頭というのが印象的でした。
おかっぱ頭ではなかったかもしれませんが、
そんなようなヘアスタイルだったと思います。
コメントありがとうございます。
花森安治さん、たしかにおかっぱ頭の時期もあったようです。
花森安治さんをモデルにした「花山伊佐次」がどんな人物として描かれるのか楽しみでなりません。