青柳商店が軍の統制下に / とと姉ちゃん 第71話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年6月24日(金)放送
第12週 第71話「常子、花山伊左次と出会う」

『とと姉ちゃん』第12週 第71話 「常子、花山伊左次と出会う」あらすじと見どころ解説

昭和16年(1941年)12月8日。日英米開戦。年が明け昭和17年(1942年)の春を迎えた頃には本土が初めて空襲されました。その頃には言論統制は一段と厳しさを増し、常子が勤める甲東出版も政府の意向に沿った出版を余儀なくされていました。

同じ頃、深川では木材商の個人営業が禁止され、廃業するか陸軍の下請けになるかの選択を迫られていました。そんな中、滝子は苦渋の決断を下します。青柳商店の暖簾を守るためにも陸軍の統制下に入り営業を続けてゆこうと。

一方、病魔に冒されていた滝子の病状は日を経るほどに悪化の一途をたどっていました。医師は、滝子の前ではそのことを伏せていましたが、自分の死期が近づいていることを悟った滝子はしきりと昔のことばかり思い出していました。

そんな中、青柳商店に陸軍からの通達が下りました。陸軍の工場の裏手にあたる青柳商店の家屋を事務所として借り上げたいというのです。その頃には深川の木材商はすべて廃業にされるという噂も流れていました。滝子は最後の決断を迫られるのでした。

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midokoro

真珠湾攻撃を経て日本と米国が激突します。

そして今回は、真珠湾攻撃から三ヶ月ほど経た頃のお話です。

『とと姉ちゃん』第12週 第71話 「常子、花山伊左次と出会う」
 事前発表あらすじのレビューと解説

『マッサン』では、マッサンが経営するドウカウイスキーは海軍の統制下に入ることで、戦時下でも営業を続けられる道を選択しました。

同様に青柳商店も、陸軍の統制下に入り軍の下請けとなることで暖簾を守りぬく苦渋の決断を滝子が下します。

廃業か下請けか。

二者択一を迫られる中、二百年続く暖簾と、そして働き手たちの雇用と生活を守り抜こうとしたら選択肢は下請けしかありません。

一方、常子が勤務する出版社は軍の下請けにこそなりませんが、常に検閲の目が光る。実質下請けになったようなものです。

厳しい時代を背景としたエピソード、いつまで続くのでしょうか。

『とと姉ちゃん』第12週 第71話 「常子、花山伊左次と出会う」
 朝ドラ観賞後の感想

ついに本土初空襲が劇中で語られました。今週末から次週にかけて困難な時代を背景にした物語が展開します。

思い出の詰まった深川

東京深川での商売が立ちゆかなくなり、前週に店をたたんで住み慣れた深川の地を去って行った森田屋に次いで、いよいよ青柳商店も商売の継続が困難な事態に陥りました。

一時は滝子さんと清くんの激しい対立があったものの、滝子さんは滝子さんなりに、清くんも清くんなりに青柳商店の暖簾を守るために必死でした。

そんな二人の懸命の努力が一瞬に水泡に帰してしまうような理不尽な仕打ち。

はじめは陸軍の下請けにならねば店の営業継続は認めないと言い、舌の根の乾かぬうちに今度は青柳商店の家屋そのものを事業所として接収したいと言い出す。

事業所として接収、それは有無を言わさず廃業を迫るもの。

ただでさえ病気で衰弱している滝子さんに、この理不尽な仕打ちはあまりにも酷というものです。

真綿で締めるように徐々に徐々に締めあげられる青柳商店。

かつて大勢の働き手たちや小僧、女中で活気に満ちた往年の青柳商店。そして隈じいがひとりぼっちになった青柳商店。

この対比の映像の残酷でむごいことと言ったら形容する言葉が見つかりません。

でも、そんな思い出の詰まった空間が残っている今はまだ、寂しくなったとは言っても幸福なのかも知れません。

人がいなくなったとは言え、皆が戻ってくるところが今はまだ残っているのですから。

そんな最後の希望も間もなく焼失するのでしょう。人々の思い出が詰まった美しい街並みがすべて焼かれてしまう。その姿を想像すると涙が出てきます。

(僕の祖父は戦前、深川から遠くないエリアに住んでいました。そこは空襲で全焼。そんなこともあり深川の焼失を想像すると胸が痛むのです)

滝子さんは死期を悟っている?

昔のことをしきりと思い出すようになり、娘の君子さんとの大事な思い出の場所にしきりに行きたくなると語る滝子さん。

もしかするとこれは滝子さんは死期を悟っているということでしょうか。

滝子さんと君子さんの二人きりの雨の中の場面が悲しすぎました。

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コメント

  1. カッチ より:

    滝子さんどんどん悪くなっていくみたいですね。
    でも大地さん綺麗すぎてぜんぜん老けないですね。
    まつさんはみごとにおばあさんになっていましたが。
    君子がいつも心配しているのがいいですね。
    親子の時間を今取り戻しているようで。
    美子だけ「おばあちゃま」と呼んでいるのもいいですね。
    いかにもおばあちゃん子のようで。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 親子の時間を今取り戻している

      素敵な表現ですね。でもそんな心豊かな時間は最初で最後になるかも知れません(涙)

  2. よるは去った より:

    とうとう「太平洋戦争」へ。ドラマ中で「ニ・ニ六事件」の時は各々自分の仕事をしながら、ラジオのニュースを聞き流していたように思いますが、今回はさすがに一家揃って真剣にニュースに聞き入ってましたね。甲東出版は紙質の劣化の中、軍の下請け同然の仕事に耐えている一方で青柳商店はとうとう・・・・・。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りニュースの聞き方の変化の描写がみごとです。二・二六事件の時はどこか他人事。でも今回は他人事では済まされない。説得力のある対比です。