昭和19年、食糧難の日々 / とと姉ちゃん 第73話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年6月27日(月)放送
第13週 第73話「常子、防空演習にいそしむ」

『とと姉ちゃん』第13週 第73話 「常子、防空演習にいそしむ」あらすじと見どころ解説

昭和19年(1944年)10月。戦局はますます悪化し日本は窮地に立たされていました。米軍はすでにフィリピンまで迫り、本土が攻撃される日も決して遠くはないと多くの人々が恐れおののいていました。

甲東出版では男性社員たちが次々と招集され、残っているのは常子と五反田の二人きりという状態に陥っていました。細々と続けている出版事業も戦意高揚の記事ばかりとなり、常子はそんな仕事が不服でした。

その頃には物資不足、とりわけ食料難も深刻になっていました。常子と鞠子は物々交換で食料を入手すべく郊外まで足を伸ばすものの、どの農家も求めに応じてはくれませんでした。そんな中、常子と鞠子はある農家から子供のおもちゃを求めらます。

常子と鞠子は、家にあるままごと道具のことを思い出しました。それは滝子の思い出が詰まっている美子の宝物でした。美子はままごと道具を物々交換に差し出すことを拒否。しかし迷いに迷った末、ついに美子はままごと道具を手放す決意を固めるのでした。

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midokoro

小橋一家はすでに深川から目黒に転居。小さな庭で野菜などを自給自足するものの、家族四人が食べてゆくには量が足りません。

食糧難の時代を生き抜く三姉妹の姿が今週描かれます。

『とと姉ちゃん』第13週 第73話 「常子、防空演習にいそしむ」
 事前発表あらすじのレビューと解説

東京郊外の農家での物々交換も簡単ではありませんでした。

すでに様々な物品との物々交換を続けてきた農家には、それ以上必要がないほどモノが集まり飽和状態。

そんな中、ある農家には足りないものがありました。それは子供が遊ぶおもちゃ。

おもちゃはないかと農家に求められた常子と鞠子には思い当たるものがありました。それは美子が大切に保管しているままごと道具でした。

もはや幼くない美子が何故それほどまでにままごと道具を大事にするのか。

それは滝子の思い出の品。浜松から東京に転居して早々、最愛の祖母が贈ってくれた思い出の詰まった美子の宝物だったのです。

思い出を手放さざるを得ない状況が涙腺を攻撃してくるかも知れません。涙腺決壊の準備をしておきましょう。

『とと姉ちゃん』第13週 第73話 「常子、防空演習にいそしむ」
 朝ドラ観賞後の感想

前週までの深川の静まり返った街並み。往年の活気が失われた深川や青柳商店、店をたたんで空き家になってしまった森田屋を写しだした映像はつらいものがありました。

しかし、そんな切なくなるような日々すらも懐かしい思い出に感じてしまうほど、困難な時代に物語はついに突入してしまいました。

よっちゃんの宝物

二人のお姉ちゃんの比べて竹蔵ととと一緒に過ごした時間が圧倒的に少ない、というか竹蔵ととの思い出もほとんどないに等しいよっちゃん。

そんなよっちゃんにとって、大好きなおばあちゃまと過ごした時間やその時の思い出は二人のお姉ちゃん以上に大切な心の宝物のはずです。

そのおばあちゃまと一緒に暮らし続けることが出来なくなった。

それだけでも気の毒過ぎるというのに、形あるものとして残されたおばあちゃまとの思い出であるおままごと道具すらも手放さなければ行きてゆけない時代に生まれたよっちゃん。

おままごと道具を物々交換に差し出すことを一度は拒んだものの、まわりの人たちのお父上や兄上が出征している様を見て自分の本当の気持ちを封印。

家族の食べ物のためにおままごと道具を諦めるまでのよっちゃんの心の移り変わりの描写があまりにもけなげで泣きました。

明日はおままごと道具を差し出す場面が描かれるのでしょうか。

その場面やよっちゃんの心の中を想像するだけで涙腺が決壊しそうです。明日は号泣への事前準備が必要になるかも知れません。

三宅さんが感じ悪いけど哀しい

組合長の三宅さんの描き方が秀逸です。

日本のドラマや映画の中で戦時中の場面には鉄板とも言える、この手合のうるさいおじさんやおばさんの描写が僕は嫌いです。

何故ならその人の個性やバックグランドを完全無視し、あたかも感じの悪い人物をあらわす記号のように描いているからです。

その点で三宅さんの人物描写は秀逸でした。

隣近所のおばちゃんたちに、息子が出征してから人が変わってしまったと語らせることで、何故あれほどまでに感じが悪いのかと納得させてくれる描き方。

見え隠れする三宅さんの悲哀に思いをめぐらしてしまうと、感じが悪いと一概に否定しきれない!みごとな端役人物造形です。

追記

君子さん、ついに白髪でではじめました。

苦労されてるんですね(涙)

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コメント

  1. よるは去った より:

    工場の仲間や、君子母さんと近所のおばさんたち、そして夜に自宅で母や姉たちの話を背中で聞いているうちに「自分だけが『おばあさまとの想い出の玩具』との別れを惜しんでいてはいけない。」という美子ちゃんの心境の変化が今日の軸でしたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      滝子さんと別れてから三年。
      よっちゃんもずいぶんと大人になりました。

  2. カッチ より:

    確かに農家には高級な着物など必要ないですもんね。
    野良仕事をするのには汚れてもいいものを着ますしね。
    それにしても美子はおばあちゃんが大好きなのですね。
    食いしん坊の美子が、食べるものを減らしてでもおもちゃだけは売りたくないと言うとは。
    でも結局売ることになるとは悲しいですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      滝子さんと君子さんが絶縁中でもよっちゃんは滝子さんのもとに足繁く通ってましたからね。かわいそうでなりません(涙)