昭和21年、五反田ら復員 / とと姉ちゃん 第79話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月4日(月)放送
第14週 第79話「常子、出版社を起こす」

『とと姉ちゃん』第14週 第79話 「常子、出版社を起こす」あらすじと見どころ解説

終戦から半年が経過した昭和21年(1946年)2月。戦争は終結したものの、多くの人々はその日食べてゆくのがやっとの有様。そんな暮らしの中、着古して汚れた国民服やもんぺ姿の人々でいつも闇市はごった返していました。

闇市には食糧を求めて歩く常子たちの姿もありました。しかし、常子たちは食糧をなかなか手に入れることが出来ません。その頃の闇市の露天商では、戦時中の情報統制の反動から娯楽を求める人々の間で雑誌が飛ぶように売れていました。

そんな中、甲東出版の編集部員の五反田や社長・谷が相次いで復員。休刊していた雑誌『新世界』の再発行の準備がはじまります。谷は宣言します。五反田がこれまで書きためてきた小説を掲載し、7月の発刊を目指すと。

雑誌『新世界』の再発行に常子が喜ぶ一方で、鉄郎は懐疑的でした。雑誌が再刊されたところで常子の給料が増えるわけではない。それで一家を養うことが出来るわけがないと鉄郎は常子に忠告します。そんな中、常子の女学校時代の親友・綾が訪ねて来るのでした。

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midokoro

前週の最後に終戦を迎え、今週はその約半年後から物語がスタート。

終戦直後の闇市では常子の一生の仕事となる雑誌が人気を集め、出征していた甲東出版の谷と五反田が無事に生還します。

『とと姉ちゃん』第14週 第79話 「常子、出版社を起こす」
 事前発表あらすじのレビューと解説

甲東出版の社長・谷と編集部員の五反田が無事に復員しました。五反田の出征により途絶えていた同社の雑誌「新世界」が再刊に向けて動き始めます。

後半キャラクターとして、物語中盤から登場しはじめた谷と五反田の戦死はないだろうとは予測していましたが、復員確定によりひと安心。

甲東出版の二人の復員によって実現する「新世界」の再発行が戦後の復興を演出。

しかし、戦時中から続く食料不足の状況はますます深刻化し庶民の暮らしを圧迫。常子たち小橋一家もその例外ではありませんでした。

ところで終戦間際、鞠子は栄養失調で衰弱しきっていましたが、戦後もなお相変わらず食糧難が続く中、鞠子の健康状態が心配です。

『とと姉ちゃん』第14週 第79話 「常子、出版社を起こす」
 朝ドラ観賞後の感想

戦後編のフラグいろいろ

本日から『とと姉ちゃん』後半・戦後編のはじまりです。オープニング映像の一部が一新され装いも新たに出版事業の物語がスタート。これからのストーリー展開を暗示するかのようなフラグらしきものが、戦後編第一回からそこかしこに散りばめられていました。

甲東出版のフラグ

文芸誌『新世界』ここにあり!と休刊前からの方針で雑誌の再刊を目指す谷社長。その谷社長の決定に異は唱えないものの何か言いたげな常子ちゃん。そんな常子ちゃんの微妙な心の動きを敏感に察する五反田さん。

この三者のわずかな思惑のすれ違いはこれから拡大してしまうのでしょうか。

商才にたけた常子ちゃんは現場を自分の目で目撃して気がついているはずです。今の世の中で多くの人々が求めているのは憂さ晴らし出来る娯楽だということを。

一方で戦地で療養し復員したばかりの谷社長は、常子ちゃんほどには人々が求めているものが何なのかを見極められていないはず。軽い娯楽が求められる中、はたして重厚な文芸誌に需要があるのか。谷社長の決定と甲東出版の将来が心配です。

鉄郎叔父さんのフラグ

鉄郎叔父さんが常子ちゃんに言いました。貸本屋なんてやめてしまえと。そんな鉄郎叔父さんの言葉に鞠ちゃんは反論。女性に仕事は見つからない、簡単に仕事をやめろなんて言わないでほしいと。

今回の終わり近くに、鉄郎叔父さんは常子ちゃんに再び告げます。

「お前の稼ぎで一家を養っている。金を稼ぐことを真剣に考えろ」

鉄郎叔父さんが言いたかったのは、雇われの身では家族など養うことは出来ないということなのでしょう。しかし、鞠ちゃんにはその真意がわからない。

一方の常子ちゃんにはもしかすると鉄郎叔父さんの真意が伝わったのかも知れません。なにせ歯磨き事業を立ち上げた経験があるほどで、自分で事業を起こすのが一番お金を稼げるということを常子ちゃんは身をもって体験しているはずですから。

史実では大橋女史は、戦後の混乱の中を家族を養ってゆくには雇われの身では無理がある。だから自分で事業を起こすしかないと考えたと自伝に記されています。

『とと姉ちゃん』劇中では、大橋女史のそんな気付きを鉄郎叔父さんに代弁させたのかも知れません。

甲東出版・谷社長の今後の編集方針に常子ちゃんが感じた違和感。そして自分で事業を起こさなければ家族は養えないという鉄郎叔父さんの常子ちゃんへの助言。

これら二つのフラグが、これから一つにまとまってゆくのでしょうか。

綾ちゃん再登板

『とと姉ちゃん』キャスティング発表の際の資料によれば、綾ちゃんは戦後に常子ちゃんと再会し、常子ちゃんが創刊する雑誌『あなたの暮し』を手伝うとのことです。

戦後編の第一回から綾ちゃんが登場したのはその日のためのフラグでしょうか。

しかし、戦前は貧乏だった常子ちゃんとは異なり裕福な家庭の令嬢として登場した綾ちゃんが、今回の再登板第一回では常子ちゃんより貧しい身なりで登場しました。

常子ちゃんと綾ちゃんが一緒に仕事をする日まで、山あり谷ありのドラマが展開しそうな予感がします。綾ちゃんには気の毒ですが、綾ちゃんが『あなたの暮し』を手伝うことになるその日まで、濃厚なストーリー展開を期待せずにはいられません。

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コメント

  1. エイスケの後輩 より:

    オープニング変わりましたね。
    でも、男子学生さんはそのまま。
    星野くん、またいつの日か、登場してくれるのかもですね。
    (しかし、今日会話に出てきた「律儀に配給を待って餓死した大学教授」が、星野くんではと一瞬どきりとしましたが、まだ教授まではいってないでしょうね。)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      戦時中に星野くん出征の知らせが登場すると事前に発表されていましたがカットされたようです。戦後に本人が何かの形で再登場してほしいものです。

  2. まりっぺ より:

    時代背景が「梅ちゃん先生」と重なってきました。

    今日のストーリーの中で、お食事していた食堂に、梅ちゃんが片隅にいそうです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      僕も『梅ちゃん先生』を思い出していました。梅ちゃんのお兄さんの竹夫が恋した女の子が働いていたのも、今回出てきたような食堂でしたね。(竹夫くんの悲恋な切なかった…)

  3. よるは去った より:

    しかし、働き盛りの男性たちの復員により、鞠子ちゃんのような大卒女子ですら就職難であったとはこのドラマで初めて知りました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      当時、夫を戦争で亡くした女性は想像を絶する苦労をされたのでしょうね。綾ちゃんがまさにそれに該当するのでしょう。

  4. カッチ より:

    たしかに鉄郎の一言が常子に何かを考えさせたようですね。
    五反田と戦後好きなものを作ろうと言ってたし。
    やはりそれで独立を考えるのでしょうか。
    また、鉄郎がいろいろアドバイスをしてくれそうですね。
    それにしても綾の変わり様にはびっくりしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      鉄郎叔父さんの前回の登場場面は歯磨きの商売をしたはずですが、あの時常子ちゃんがはじめて鉄郎叔父さんはすごいとちょっとだけ思った。その時の感動が今回の鉄郎叔父さんのアドバイスへのフラグになっていたんですね。

  5. もんすけ より:

    谷社長や五反田さんなど懐かしいお顔が画面に見え、ホッとしつつ、
    先週末、悲壮な横顔でほんの一コマだけ映された花山さんが心配になりました。

    戦時中、街中に溢れていた「一億総火の玉だ!」のスローガン。
    自分が戦時中、国民を扇動し、戦場へ若者を送っていたのだと
    自身を責め続けているのではないかと想像してしまいます。
    甲東出版の面々が自分たちの言葉や職場を取り戻し、前に進もうとしている高揚感の中、(なにが大衆に求められ、なにが売れるのか)を考える常子ちゃんと、画面にはまだ登場しない花山さんから「編集者魂」を感じます。

    でも…、綾さん、子連れで大変な様相にも関わらず、お言葉は乱れず!
    やはり真のお嬢様ですね、素敵です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      ご高察の通り、花山さんは戦時中に自分のつむいだ言葉がしてしまったことを悔いているのかも知れません。そんな花山さんが、これから常子ちゃんと組んで再び言葉を使った仕事をはじめる。そこに行き着くまでのドラマ、すごいことになりそうですね。