夫を亡くし実家に戻る綾 / とと姉ちゃん 第80話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月5日(火)放送
第14週 第80話「常子、出版社を起こす」

『とと姉ちゃん』第14週 第80話 「常子、出版社を起こす」あらすじと見どころ解説

ある日、常子のもとに思いがけない人物が訪ねて来ました。やって来たのは女学校時代に同級生だった綾です。軍医をしていた夫が満州で病死したため、綾は幼い息子を連れて名古屋の嫁ぎ先から東京に戻っていたのです。

綾は東京に戻ったものの実家は空襲で全焼。父親を空襲で亡くしていました。そして、その頃の綾は息子のおむつに使う木綿すら手に入れることが出来ず、昔の裕福な家の令嬢の面影は見る影もありませんでした。

そんな中、常子は叔父の鉄郎とともに闇市へ。闇市で男と対等に商売している女性の姿を常子に見せながら鉄郎は常子に語りました。やっと女性にもチャンスがまわってきた。今、何かをはじめれば常子でも家族を養えるだけの大金をつかめるかも知れないと。

鉄郎の話を聞き、常子の心は揺れ始めました。このまま甲東出版で働き続けるべきなのか、それとも独立して事業をはじめたほうが良いのか。歩むべき道の選択に迷う常子は、鉄郎がもらった木綿を携え綾が暮らす蒲田に足を運ぶのでした。

<<前回79話 | 次回81話>>

midokoro

女学校時代の常子の親友だった綾の再登場です。

しかし、戦前に良家の令嬢だった綾でしたが、今は赤ん坊を抱え嫁ぎ先から逃げ出してきた戦争未亡人です。

『とと姉ちゃん』第14週 第80話 「常子、出版社を起こす」
 事前発表あらすじのレビューと解説

女学校を卒業と同時に親にすすめられるままにまだ会ったことすらない男性に嫁いだ綾。

女学校卒業後は結婚するという、当時の良家の令嬢に敷かれたレールの上をさほどの疑問を抱かずに歩んだ綾でしたが、戦後の混乱の中、そのレールが失われてしまいました。

自分の力で切り開かなくとも歩むことが出来た道を失い困窮にあえぐ綾を目の当たりにする常子。

その一方で闇市の雑踏の中、男性と激しいもみ合いの末に目当ての商品を手中に収める見知らぬ女性のタフな姿を常子は目撃。

この二つの小さな体験が、常子に自分の歩むべき道の選択を迫ります。常子が一生の仕事を決断する瞬間は間もなくです。

『とと姉ちゃん』第14週 第80話 「常子、出版社を起こす」
 朝ドラ観賞後の感想

粋な鉄郎叔父さん

戦後の鉄郎叔父さんが格好いい!

鞠ちゃんは仕事が見つからない。常子ちゃんは仕事はあるけれど、かかを働かせなければ食べてゆけない。

そんな常子ちゃんの苦悩を、寝たふりをしながらしっかりと察している鉄郎叔父さんの心意気が素敵です。

常子ちゃんが家族を養ってゆけるだけの収入を得るには雇われの身のままでは無理がある。独立して事業を興すべき。

そう考えた鉄郎叔父さんが口先だけの言葉で説教するのでなく、女性が自信を持ちチャンスをつかみつつある現場を常子ちゃんに見せる。

そして、常子ちゃんも現場を自分の目で確かめたからこそ心が揺れる。実に説得力のある、常子ちゃんの「覚醒」でした。

その「覚醒」による心の揺れが顔に出てしまう常子ちゃん。

常子ちゃんの表情にあらわれた異変を五反田さんは察したようですが、女心にきわめて敏感と思われる五反田さん、常子ちゃんの心をどこまで深読みしたんでしょうか。

常子ちゃんの心のゆらぎに気がついた五反田さんが、これからどういう行動に出るかも楽しみになってきました。

鉄郎叔父さん、五反田さん。粋な男性キャラがヒロインを支える朝ドラ鉄板のエピソードは大好物のひとつなので、ワクワクがとまりません。

気の毒な綾ちゃん

綾ちゃんの家を訪ねたいと常子ちゃんが申し出ても、言葉を濁すばかりではっきりと答えない綾ちゃん、やっぱり常子ちゃんには家まで来てほしくなかったんでしょう。

今のところ視聴者には正体不明のおばちゃんに怒鳴られる姿を常子ちゃんに見られたくなかったに違いない。

ところで事前発表のストーリーによれば、綾ちゃんは夫を亡くした後に嫁ぎ先の姑のいじめがひどくなり東京に実家に逃げるように戻る。しかし、実家は空襲で焼かれた上に子供のおむつに使う布も手に入れられない。

事前で発表されていた嫁ぎ先での姑のいじめはなくなったようです。代わりに登場したのが、今回の最後に登場した怖そうなおばちゃん。

住む家を失った綾ちゃんとお母上、どこかに間借りしているのでしょうか。そして、その間借りした家の主なのでしょうか、怒鳴っていたおばちゃんは。

あのおばちゃんの正体はともかく、困窮にあえぐ綾ちゃんの姿を目にしたことがゆらぐ常子ちゃんの心を固める展開になるみたいです。

綾ちゃんのような女性を応援する雑誌をつくりたいと。

さて、闇市で男性と対等に商売をしている姿を常子ちゃんに見せることで、常子ちゃんの覚醒をうながした鉄郎叔父さんでした。

その鉄郎叔父さんが気前よく常子ちゃんに手渡した木綿が、常子ちゃんが綾ちゃんのつらい状況を知るきっかけをつくる。

鉄郎叔父さん、ここでもいい仕事してます!

追記:闇市のセットが『梅ちゃん先生』を思い出させます。しかも綾ちゃんが暮らしているのは梅ちゃん一家が暮らしていたのと同じ蒲田。

<<前回79話 | 次回81話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. エイスケの後輩 より:

    綾ちゃんの息子さんが、ちょうど私の父の終戦直後の年齢と同じくらいなのですが、父も幼い頃は苦労しており、被って涙無しには見れませんでした。
    闇市でも、幼い妹弟をおんぶしながら、靴磨きをする子供の姿がありましたね。
    この子達が、新しい日本を支えて、豊かな生活を手に入れるまであと少し、頑張れ頑張れという気持ちになりました。

    綾ちゃんは息子さんの布おむつの材料すら手に入らず困っていましたが、今日、子供の紙おむつを変えながら、こんな便利なものが無かった時代(といっても私の子供の頃までそうでしたが)の苦労を偲びました。
    最近でも、地震の時は苦労されたようですね。

    豊かで便利な今が、戦前戦後の上の代の苦労のお陰であることを忘れてはいけないと感じました。

    余談ですが、最近まで蒲田に住んでいたので、それだけニヤリとしました(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 靴磨きをする子供の姿

      そんな子供たちの中には両親を戦争で亡くした子もたくさんいたんでしょうね。幼いながらも、自分よりもっと小さい弟や妹を育て上げたと思うとたまらない気持ちです。

      > 最近まで蒲田

      僕も昔、蒲田の隣町に住んでいたことがありますよ!

  2. ひろ より:

    もう他界した父は背中に撃たれた傷跡が残っていました。親父は言っていたけどその当時は、周りは大卒だからどうなんだという意識はなかったみたいでよ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      当時、大卒は今よりも珍しかったので大卒の価値が一般的でなかった、またはその価値をわからない人が多かったのかも知れませんね。

  3. たこやき より:

    こんにちは。

    恥ずかしながら、戦争未亡人という方々のご苦労を知りませんでした。恩給のような、遺族年金みたいなのがあるのだろうと勝手に思ってました。私の祖母はまさにその戦争未亡人でしたが、地方の田舎での暮らしのため、綾さんほどの苦労はなかったと思われます。

    まだ今日の放送をみていませんが、話が回収されるであろう金曜か土曜まで待とうかと思ってしまいました。とてもつらそうな週ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      今週は常子ちゃんの明と綾ちゃんの暗。
      明暗の対比が際立つ週になりそうです。

  4. つまぴょん より:

    綾さん、相変わらずの上品な毒舌。
    変わってなくてうれしいです。

    でも、その境遇は変わってしまいましたが…

    プライドの高い彼女が、今の家を隠そうとするのは当然でしょう。
    最後の場面が辛すぎました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      今回の最後は刺激が強すぎました。
      綾ちゃん復活の姿、早く見たいですね!

  5. カッチ より:

    綾ちゃんは確かに身なりは変わったけれど話し方、上品さは変わりませんね。
    でもどうしても自分の家を常子に見せたくないようで、しぶしぶ住所を教えましたね。
    最後までみていないので、うるさいおばちゃん気になります。
    常子がこれからどのように独立していくのか楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      お嬢様の気品を失わないだけにかえって困窮を極めた今の状況に胸が痛みますね。

  6. よるは去った より:

    大卒という恵まれた学歴を持ちながらもなかなか職につけない妹、闇市で生き生きと物売りに勤しむ女性たち、そして金持ちの令嬢で才女であったはずの親友のあの姿・・・・・こうしたものが常子ちゃんの独立の起爆剤となって行くのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      ご高察の3つの要素が次回あたり一つにまとまりそうですね。いよいよ待ちに待った出版事業の物語のはじまりです。