花山が断筆宣言した理由 / とと姉ちゃん 第87話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月13日(水)放送
第15週 第87話「常子、花山の過去を知る」

『とと姉ちゃん』第15週 第87話 「常子、花山の過去を知る」あらすじと見どころ解説

金輪際ペンを握らないと決めた理由を、ついに花山は常子に語り始めました。最愛の母が女手ひとつで自分たち兄弟を育て上げてくれたこと。苦労の耐えなかった母親だったが、平塚らいてふが『青鞜』に載せた詩を読んで明るさを取り戻したこと。

花山は続けます。そんな母の姿を見て、人を救う力を持つ言葉を扱う仕事に就いた。戦時中は日本が勝てば国民や戦友を幸せに出来ると信じ、そのために内務省で言葉を駆使する仕事に励んだ。しかし、言葉の持つ恐ろしさに自分はあまりに無自覚でいた。

8月15日に言葉の持つ恐ろしさに初めて気がついた花山は戦時中に自分がしたことを悔いていました。だからペンは握らないと言う花山に常子は告げます。日々、苦しんでいる女性の役に立つ女性を助ける雑誌をつくりたいのだ。そのために花山の力が必要なのだと。

その頃、小橋家では君子は自宅の雨漏りを修理してくれる大工が来るのを待っていました。そこに花山が姿を現します。常子が店に忘れた財布を届けに来た花山は、君子に大工と間違われ、天井の雨漏りを手伝わされるのでした。

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midokoro
花山伊左次が断筆宣言をした理由がはじめて明らかにされます。

常子と花山がはじめて心を通い合わせる記念すべき場面は今週の最大の見どころかも知れません。

『とと姉ちゃん』第15週 第87話 「常子、花山の過去を知る」
 事前発表あらすじのレビューと解説

事前情報では花山が唐突に自分の過去や本当の気持ちを語り始めた理由は不明です。

ところで、花山の実在モデル・花森安治氏が編集長就任を懇願され快諾したその理由は「母親孝行」にありました。

花森安治氏は、旧制高等学校一年の夏に最愛の母を亡くし、母親に十分に孝行出来なかったことをその後ずっと悔やみ続けていたと伝えられています。

そんな花森安治氏の目の前に現れたのが、母親に楽をさせたい一心で起業を志す大橋女史でした。花森安治氏は自分が出来なかった母親孝行を、大橋女史の母親孝行に協力する形で実現しようと考えたようです。

さて、劇中で花山は母親の思い出話を常子に語って聞かせます。

実在の花森安治氏と同様のプロフィールを持つ花山が、母親孝行の常子にほだされ、ついうっかり秘めた気持ちを語ってしまうのかも知れません。

『とと姉ちゃん』第15週 第87話 「常子、花山の過去を知る」
 朝ドラ観賞後の感想

女の人の役に立つ雑誌をつくりたい

コーヒーは好きか?と花山さんが常子ちゃんに尋ねる。続けて花山さんは自分がコーヒー好きになったきっかけは、コーヒー好きだった母親の影響であるとことを常子ちゃんに明かして、その母親が笑顔を取り戻した時のことを述懐する。

久しぶりに見た母親の笑顔で、人をも救う言葉の持つ力を知った花山さんは言葉を扱う仕事に就くものの、言葉で人の役に立つことに熱中するあまり言葉が持つ負の側面に気づかないままでいた。

今週のサブタイトルになっている「花山の過去」がついに明かされました。

戦前の内務省、常子ちゃんとの初めての対面場面で戦意高揚スローガンを心血を注いでつくっていた場面。終戦の日、苦渋の表情を浮かべて玉音放送を聞く場面。

正反対の二つの花山さん登場場面がこれで一つにつながりました。

さて、言葉の力が持つ恐ろしさに無自覚だったことを悔やみ続けている花山さんは、もしかすると心のどこかでその言葉を使って罪滅ぼししたいと思っているのかも知れません。

常子ちゃんは言いました。

「私はどうしても女の人の役に立つ雑誌をつくりたいんです。苦しい暮しに少しでも明かりを灯す雑誌をつくりたいんです」

この常子ちゃんの心からの叫びを聞いた花山さんの表情に、わずかながら動揺が走ったのを僕は見逃しませんでした。

花山さんが常子ちゃんに力を貸すのはすでにわかっている話ですが、どのような心の変化を経てそのゴールにたどりつくのか。

次回から今週末までの花山さんの心の動きから目が離せません。

君子さんの天然キャラは今回のため?

君子さんの天然キャラは今回のためにあった!

これまで小出しにされ続けてきた君子さんの天然キャラがついに本格的に炸裂しました。花山さんを大工と思い込み、花山さんが不審な表情を浮かべようが、花山さんとの会話にぎこちなさが生じようがそんなことはお構いなし。

花山さんは大工さんだという確信に一切のゆらぎはなく、あの花山さんに反論するスキを与えない君子さんの天然キャラは本日最強レベルとなりました(笑)

コーヒー屋で働いている関元のおじちゃんも花山さんの取り扱い方を熟知されていた様子でしたが、今後の展開でこの厄介な人物を誰よりも上手に手なずける役割を担うのは、もしかすると君子さんになるのかも知れません。

明日には君子さんも花山さんの素性を知ることになるのでしょう。花山さんが何者なのかを知った瞬間の君子さんの表情、これは見ものです。

君子さんの天然な勘違いにいとも簡単に乗ってしまうよっちゃんも実は天然?

ちなみによっちゃんはこの先の展開の中で、ストイックな仕事ぶりを見せる花山さんに心酔してしまうのだそうです。

よっちゃんと花山さんの掛け合い、こちらもどんなことになるのか気になります。

前半と後半のギャップが楽しい

以上、今回の前半で描かれたエピソードは心がヒリヒリしてくるような花山さんの胸中深く秘めた苦悩。

呼吸するのも忘れるほどの緊迫した場面に圧倒されました。

そんな重く張り詰めた空気は後半で一転。君子さんの天然キャラが暴走し、僕にとっては『とと姉ちゃん』はじまって以来の爆笑シーンとなりました。

今回も楽しませてもらいました。感謝。

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10 Responses to “花山が断筆宣言した理由 / とと姉ちゃん 第87話”

  1. Morningstar より:

    かかのペースに巻き込まれていく花山さん、思わず爆笑です。のだめカンタービレの中でのだめちゃん(上野樹里ちゃん)の散らかり放題の部屋が許せす(怒り)「なんでこの俺が・・・」と言いながら片付ける羽目になった千秋くん(玉木宏さん)を思い出しました。これが千秋くんがあきらめかけた指揮者の道を開くように、花山さんが再びペンを取るきっかけになるんですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      のだめにそんな場面があったんですか!
      案外、その場面へのオマージュかも知れませんね。

  2. もんすけ より:

    今日は泣いて笑って、忙しい回でしたね。
    「言葉」のもつ影響力、恐ろしさを痛感し、後悔しながらも、
    らいちょうの言葉に生きる力を与えられたお母さんの姿が忘れられず
    やっぱり「言葉は人を生かす」ことを心の奥では信じていたのでしょう。
    そして、無意識に一歩踏み出すため、常子ちゃんに肩を押して欲しかった。。。
    あぁ、なんて面倒クサくて、かいらしい「おいちゃん」なんでしょう!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      深いレビューありがとうございます!お母ちゃんが大好きだった花山さんは、女性の役に立つ雑誌をつくりたいという常子ちゃんの言葉を聞いて自分のお母ちゃんのことを思い出していたに違いない。まぶたの裏に浮かんだお母ちゃんの笑顔が花山さんの心を動かしたんでしょうね。

  3. カッチ より:

    花山がとうとう常子に話しましたね。
    しかしまた平塚らいてふが出てくるとは。
    確かに文章で人を救う事もあるし、間違った道に誘う事もありますものね。
    特に軍部の味方をしていたのだから、終戦でショックを受けたのはわかります。
    でも常子がその花山を救う事になるのでしょうね。
    これから二人がどのようにつながっていくか楽しみです。
    後半は見れなかったので君子の天然ぶりに期待しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      花山さん、意外にも洗いざらい話しましたね。胸中深く秘めた思いを持っているような屈折した人間に見られたくない。そんなプライドがはたらいたのかなと観ていて思いました。

  4. よるは去った より:

    前半と後半の対比が最高に面白かった!唐沢寿明君の演技(特に大工さんと言われた時のリアクションが傑作!)君子母さんが近所の奥さんに雨漏り修理の大工さんを紹介すると言われた後で常子ちゃんが店に忘れたがま口をもって花山氏がやって来る場面に変わっただけでも何となく後を想像して笑えたけど。更に頭から花山氏を大工さんと思い込んで対応する君子母さんと美子ちゃん。木村多江さんと杉咲花ちゃんの自然体の演技にも拍手!そして家で何が起きてるかも露知らずに戻って来る途中の常子ちゃんの姿も思い出すと・・・・・爆笑。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      花山さんの潔癖症キャラを巧みに使って天井の雨漏りを修繕せずにはいられないところまで持って行ってしまう手腕もみごと。花山さんの素性を知ってしまった時の君子さんの顔を早く見たいです。

  5. ヤジウマン157号 より:

    あらすじのレビューと解説の中で花森氏の事に触れておられますが、実在の方だと思いますので、この文中で2か所出てくる「小橋女史」は「大橋女史」ではないかと思います。
    確認していただきたくコメントしました。
    勘違いでしたらすみません。

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