綾の姿に呆然となる常子 / とと姉ちゃん 第92話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月19日(火)放送
第16週 第92話「“あなたの暮し”誕生す」

『とと姉ちゃん』第16週 第92話 「“あなたの暮し”誕生す」あらすじと見どころ解説

常子たちが雑誌創刊の準備であわただしい日々を送る中、貧困のためにすっかりやつれた綾が姿を現しました。綾は家賃を払う金にも事欠き、常子に金の無心に来たのです。常子は君子に相談した上で、数日後にお金を持って綾の自宅に足を運びます。

同じ頃、常子たちの出版社の事務所に水田がやってきました。水田は鞠子に懇願します。自分をこの出版社で雇って欲しいと。一方、花山は街角で見かけた洋裁学校の生徒募集のポスターに、雑誌の目玉企画の着想を得ていました。

常子が綾を訪問した時、綾は自宅には不在でした。綾は新橋の「浪漫」という食堂で配膳の仕事をして働いていると常子は聞かされます。しかし、綾が働いていたのは食堂ではなくカフェーでした。そして、そのカフェーで会った綾の姿に常子は我が目を疑いました。

綾は厚化粧をして華美な衣装を身にまとい、「雅」という源氏名を名乗って男性客を相手にしていたのです。常子がその話を花山に告げるや、花山は常子に命じました。そのカフェーを取材して来いと。翌日、三姉妹は揃って綾の働く店に取材しに行くのでした。

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midokoro
裕福な家で経済的に不自由なく育ったご令嬢の綾がまさかの「カフェ」勤務、今で言うキャバ嬢として登場です。

絵に描いたようなお金持ちの秀才キャラだったかつての綾の設定が、今回、思いがけない形で回収されます。

『とと姉ちゃん』第16週 第92話 「“あなたの暮し”誕生す」
 事前発表あらすじのレビューと解説

資料によれば当時の新橋界隈のカフェは、現代で言うところのキャバクラに近い存在だったようです。前々作朝ドラ『まれ』のヒロインの親友が、上京後に夢破れて一時期キャバ嬢になりますが、それに近い状態かと思われます。

また、参考までに綾のつとめるカフェがある新橋は銀座の隣町。史実では大橋女史が事務所を構えた場所は銀座の一番はずれで、川を隔ててその向こうは新橋という立地です。

尚、昭和21年当時に銀座と新橋を隔てていた汐留川は現在は高速道路に完全に塞がれていて、川の面影すらもありません。(橋の欄干だけが残されている箇所があります)

話を本作に戻します。

今回、現代で言うキャバ嬢になった綾ですが、ゆくゆくは常子の出版社の仕事に従事することになるはずです。

これから描かれることになりそうな綾の再生の物語、要注目です。

『とと姉ちゃん』第16週 第92話 「“あなたの暮し”誕生す」
 朝ドラ観賞後の感想

どん底から立ち直る綾ちゃんの物語

前回の闇市の場面で描かれた、女性たちが身なりをまったく気にしなくなった世相。何故そんなことになってしまったのかという理由が、綾ちゃんを通して説明されました。

綾ちゃんは自分がカフェーで働いていることをお母さんには隠し「食堂の配膳」をしていると偽っていたのは、半分は羞恥心から、残りの半分はお母さんに心配をかけたくないとの一心からだったんでしょう。

でも、そんな綾ちゃんの気苦労に対してお母さんはまったく無頓着。恐らく、口を開けば綾ちゃんに対して小言を言っているのかも知れません。息子の太一くんの服が破れたままになっていることを繰り返しいいとがめたりなどして。

そんな家の中でのストレスに、仕事と職場のストスレが綾ちゃんに加わります。

お嬢様育ちの綾ちゃんにしてみれば仕事そのものが不慣れなのはもちろんのこと、一緒に働いている女性たちや職場環境にもそう簡単には馴染めは出来ないはず。

今回の劇中で綾ちゃんが接待していた男性客は紳士的なほうでしたが、粗暴な男性客も少なくない・・・むしろそんな客のほうが多いかも知れません。

店の裏手で常子ちゃんと会った綾ちゃんが、ボーイに呼ばれて店に戻る時に一瞬だけ見せた意を決したような表情。あんな顔をして自分を奮い立たさなければつとまらないような仕事であることが綾ちゃんの表情に色濃くあらわれていました。

羞恥に顔を赤らめるような言葉を浴びせかけられることも一度や二度では済まないかと。

そして、これほどまでにつらい思いをして働いても、綾ちゃんのような境遇にある女性は足元を見られて安い給金で働かされていたことは容易に想像がつきます。

以上、綾ちゃんが今置かれている状況がどれほどのものか想像を広げてみました。

さて、常子ちゃんがこんな綾ちゃんの困難な日々を知ってどんな行動を起こすのか。見かけによらず情に厚い花山さんがどんな反応を示すのか。

そんな常子ちゃんや花山さんに見守られながら、どん底から立ち直る綾ちゃんの物語がはじまりました。

天才編集長・花山伊佐次

知恵の輪をしながら「思考の整理」をする花山さんの眼の色が、今回の劇中で二回変わったのを僕は見逃しませんでした。

一度目は闇市の建物の壁の、花山さんが貼り直した「来たれ受講生」というコピーが印刷された洋裁学校のポスター。

二度目は、常子ちゃんが事務所で口にした「カフェー」という言葉に激しく反応した際。

そして、これらにシンクロして知恵の輪が解ける。

次回あたりには花山さんが編集長として小橋三姉妹を引っ張ってゆく姿を見ることが出来るのでしょうか。

一昨日の『日曜美術館』で花森安治にハマってしまった僕としては、花山さんの編集長として突っ走る姿が待ち遠してくなりません。

明日には天才編集長・花山伊佐次の姿を見られますように。

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8 Responses to “綾の姿に呆然となる常子 / とと姉ちゃん 第92話”

  1. カッチ より:

    綾さん、キャバ嬢くらいで良かった。
    「カーネーション」みたいだったらいやですもんね。
    時代がそっちに近かったので心配しました。
    しかし、お母さんは孫のズボンの穴が気になるのなら、自分がやればいいのに。
    金持ちだったから何もできないのですかね。
    なんか綾さんのせいばかりにしていやですね。
    これから綾さんがどんどん良くなっていくのを期待します。
    僕としては今の綾さんが好きなので。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      いつぞや綾ちゃんが、自分の母はいつも暗い顔をして文句ばかり言ってるとコボしてましたが、子供の着ているものについても自分でそれをどうかしようという気力がいまだに失われたままなのかも知れませんね。

  2. よるは去った より:

    「なんだい?話って。」 女給の姉さん株役の佐藤仁美ちゃんは朝の連ドラは「あすか」以来ですかねえ。十数年前かな?「あすか」ではヒロイン(竹内結子ちゃんでしたね)の従姉妹でかなり勝ち気な娘の役でしたが、今回のキャラは・・・・・。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      佐藤仁美さん、Wikipediaによれば、『あすか(1999年)』以降では『ファイト(2005年)』『おひさま(2011年)』があるそうです。コンスタントに出演してるんですね。

  3. anne より:

    朝蔵さん、いつも先取り情報ありがとうございます‼

    綾さん、可哀想ですね…きっとご本人はドラマ以上にご苦労されたことでしょうね。
    因みに私はこちらを読んで「カーネーション」の奈津(漢字合ってるかな?)を思い出しました。ま、彼女の場合はもう1つ下まで落ちてましたが…

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      僕も『カーネーション』の奈津を思い出していました。お金持ちの令嬢という点も境遇が似てますからね。でも、奈津の場合、朝ドラらしからぬどぎつい落ちっぷりでした。

  4. 満身創痍 より:

    水商売に転落という表現は職業蔑視とも取れますので不適切な表現だと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます。
      早速、当該箇所を訂正させて頂きました。

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