常子と花山、取材に歩く / とと姉ちゃん 第93話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月20日(水)放送
第16週 第93話「“あなたの暮し”誕生す」

『とと姉ちゃん』第16週 第93話 「“あなたの暮し”誕生す」あらすじと見どころ解説

常子、鞠子、美子の三姉妹は綾が働いているカフェー浪漫に足を運びました。花山に命じられカフェーで働く女給たちに取材をするためです。三姉妹はカフェーで働く女性たちに雑誌『スタアの装ひ』を見せ、意見を求めました。

洋服はほしいが自分には高価で買えないという者。戦争のせいで洋裁学校へ通えなかったので洋服をつくる技術がないという者。女性たちの反応は様々でしたが、洋服を手に入れるのは難しいというのが皆に共通した意見でした。

その頃、花山は「日の出洋裁学校」に取材し、洋服をつくるためには技術と大量の布地が必要であることに気付かされます。常子たちが洋服を紹介する雑誌をつくる際に、一番大きな課題は少ない布地で簡単に出来る洋服のつくり方を見つけることでした。

常子と鞠子は街中の女性たちに取材を重ね、美子は布地のムダの出ない簡単な洋服のつくり方を模索する中、花山がついにわずかな布地で簡単に洋服をつくる方法の着想を得ます。花山はそのことを知らせに早朝から小橋家を訪問するのでした。

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常子たちはカフェで洋服づくりに求められるものをリサーチ。一方の花山は、洋服づくりの最前線の現場で抱えている課題を発見。

新雑誌の創刊を飾る大ヒット企画のネタが仕込まれてゆきます。

『とと姉ちゃん』第16週 第93話 「“あなたの暮し”誕生す」
 事前発表あらすじのレビューと解説

文才と画才に恵まれた天才編集者・花山伊左次の第三の才能・商才が光るエピソードが描かれます。

かつて常子たちの雑誌を、浮世離れしていると酷評した花山のこと、世の中の人々は何を求めているかを実地で見聞して浮世に寄り添う企画にまとめようということなのでしょう。

世間の女性の中で、和服よりも洋服を求めるのはカフェで働いているような女性のはずだと花山は洞察するのでしょうか。

花山の命令で常子たち三姉妹はカフェに取材敢行。そして花山のねらい通り、洋服は欲しいが手に入れることが難しいというカフェの女性たちの洋服にまつわる悩みをつきとめる。

花山本人も洋裁学校に取材し、洋服を自分で仕立てる際の課題を発見。どこに課題が眠っているかを察し、それを解決すれば企画はヒットするという花山の発想力が秀逸です。

話変わって花山が取材する洋裁学校の名は「日の出洋裁学校」。

前作『あさが来た』のヒロインが創立に関わった「日の出女子大学校」へのオマージュなのでしょうか。

『とと姉ちゃん』第16週 第93話 「“あなたの暮し”誕生す」
 朝ドラ観賞後の感想

花山さんの心意気

史実にもある花森安治考案の「直線裁ち」がどのように生み出されたのかが、説得力のあるエピソードの積み重ねで説明された回でした。

洋服は欲しいけれど食うや食わずの暮らしの中で、洋服を手にいれることなど夢のまた夢。そんな当時の庶民の暮らしぶりは書籍などでも説明されているので知ってはいましたが、ドラマとしてその状況が再現されると深く納得させられるものがあります。

とりわけ、常子ちゃんたち三姉妹が取材に足を運んだカフェー浪漫で働く女給さんたちの口にする言葉が生々しいことこの上ない!

洋服は欲しいけれど実際には毎日同じものを着続けているので匂うほど!

自分で洋服をつくろうにもその技術がない。通うはずだった洋裁学校に戦争で行けなくなった。空襲で家を焼かれさえしなければ洋裁学校で手に職を持てたはず。

三姉妹が想像もつかなかった世界がそこにはありました。

現場に足を運んで問題を抱えている人々の声を吸い上げなければ、世の中から求められるものなどつくれはしない・・・よく言われることではありますが本当にその通りだと深く納得の三姉妹の取材でした。

そんな現場の取材を三姉妹に命じつつ、自分は別の角度からの取材によって人々が抱えている悩みを洞察する花山さん、やっぱりこの人は天才です!

花山さんが常子ちゃんたちの雑誌創刊号を酷評した時の言葉を借りれば、今回花山さんが足を運んだ洋裁学校の運営方針は「浮世離れ」したものでした。

洋裁学校の受講料が高額なら、そこで使われる生地も高価な上にムダな端切れをたくさん出してしまうような贅沢な使い方。

洋裁学校が「浮世離れ」しているがために、そこから取り残された人が大勢いるはずだと考え、その人たちを助けようとする花山さんの心意気に泣かされます。

花山さんがますます好きになりました。

追記:花山さんが取材に足を運んだ「日の出洋裁学校」の校長先生、ふせえりさんが演じる小山内さんがいい味出してます。

竹中直人さんたちと深夜番組で大バカなことをやっていたふせえりさんが大好きでした。

前々作『まれ』のふせえりさんは、そんな彼女の持ち味が空回りしていたキライがありましたが、今回のふせえりさんは楽しすぎ。チョイ役がもったいないほどです。

鞠ちゃんとよっちゃん

水田くんを経理マンとして雇ってもらえないかと常子ちゃんに頼む鞠ちゃん。花山さんに認められるのが嬉しいとかかに打ち明けるよっちゃん。

自分のことと家の中のことだけに関心が向きがちだった二人の妹が、外の世界に関心をもちはじめる。(鞠ちゃんは大学時代に淡い恋らしきものを経験しましたが)

二人とも大人になりましたね。

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14 Responses to “常子と花山、取材に歩く / とと姉ちゃん 第93話”

  1. SOX より:

    衣装の色に関しては、多分フランス映画辺りが発祥なんでしょうか(それ以前の演劇がルーツかもしれませんが)、詳しい歴史はわかりませんが、見ている方はなかなか気づかないもので、それを気づかせていただいた投稿、それにこのサイトに感謝です。色彩によるキャラ付けが、衣装さんによるものだろうが演出さんによるものだろうが、どちらにせよどこまで拘っているかが重要で、例えば三姉妹以外にも、君子さんや綾さん、それにカフェのみんなにも、そして男性陣の花山さんや水田さんにちにも拘りがあるのかも、なんて考えるとこれからも見るのが楽しみになります。
    そして、それぞれのキャラと色の対応を深読みして妄想して見るのも楽しいですね。

    常子の青、寒い、冷たい、寒色系などのネガティブな面もありますが、清純、清潔、広い心、交通標識で言えば人を案内する、導くなどのイメージがあります。納得。
    一見意外なのは鞠子の赤、血の色、革命の色、究極の暖色系、情熱系、交通標識で言えば、止まれ、駐車禁止(笑)。文学少女だし、やはりそういう熱いものを心の奥底に秘めていたのですね。水田さんの「エルメス」としての今後の展開が楽しみです。
    そして美子ちゃん、ピンク。かわいい、幼いというイメージもありますが、同時にご存知のように非常に「色っぽい」イメージもあります。花山さんに恋心はないと否定していましたが、実は、、、、みたいな(笑)。

    衣装の色の話で色々と妄想させていただきました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      衣装の色からここまで思考を深め広げることが出来るのかと、ただただ感心しながら拝読しました。

      > 鞠子の赤

      三姉妹の中でただ一人だけ恋を実らせるので、そんなあたりを表現しているのかな、なんて考えてみました。

  2. m より:

    毎日楽しく拝見しています。
    ふせえりさんと住田隆さん、ビシバシステムのお二人が出ていたり、まれでも塚地さんと鈴木さんが出ていたり。お笑いのコンビを上手に使っていて楽しいですね。
    闇市には「こんな人が」というような方がいろいろキャスティングされていて目が離せません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      一回限りの小さな役にも味わいのある方を配置して、さすがNHKですね。細部まで丁寧につくりこむ腕の良い職人さんの心意気を感じます。

  3. marmite より:

    こんにちは

    水田さんと鞠子さんが結婚すると、 みずたまり 子さんになっちゃうんですよね。友達に若田さんとけっこんしたマリさんがいて、わかだまりよりはみずたまりの方がまだ良かったと昔言っていたのを思い出しまして・・・

    これからどうなっていくのか毎日朝が楽しみです。貴サイトを見てざっと心の準備をしてから見ています(笑)
    現在掲載されている最後が心配で、次回のアップを心待ちにしてます。

    これからも頑張ってください!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      今週末には続きをアップ出来る見通しです。
      鞠ちゃんの結婚相手、小田さんよりはマシですね(笑)

  4. カッチ より:

    なんか監督と話し合ってイメージカラーを決めたそうです。
    ちなみに僕は青色が好きでゴルフバッグ、ポロシャツ等青色ばかりです。
    それからオープニングで谷澤恵里香の名前を見つけてびっくりしました。
    たぶんカフェーの女性で変な髪型をしていた人と思いますが。
    ロンドンハーツでよく見かけていたのですが、いつのまにか女優になっていたんですね。
    最近結婚したらしいですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      オープニングでは気付きませんでしたがカフェー浪漫の控室の場面で、もしかして谷澤恵里香かな?という人がいたことに気が付きました。

  5. よるは去った より:

    母親に散髪してもらう自分の娘が前掛け代わりにしていた穴を開けた新聞紙(有働アナ曰く『ポンチョみたいな・・・』)。それから花山氏がヒントを得たものが今週の目玉になっていくわけですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      花山さんがお嬢ちゃんの新聞ポンチョに着想を得て早朝の小橋家に押しかけるまでの緊張感あふれる演出がみごとでした。いよいよ花山さんの天才が炸裂ですね。

  6. もんすけ より:

    「変な意味ではなくて、花山さんに認められたい」
    「(水田さんが)意義ある仕事を一緒にしたいと言われ、(認められたようで)嬉しかった」

    「とと」姉ちゃんという「家族」からではなく、
    (変な意味でない)第三者の異性から認めたられたいという、承認欲求の現れでしょうか。
    温かな家族の輪から、外部へと視線が移り、世界が広がっていく。
    お年頃女子の成長過程は、子を持つ親としてはホロ苦く…。
    それでも、一人の「人」として、自立への第一歩を踏み出すことができたのは、やはり常子ちゃんの背中を見ながら仕事を覚え、少しずつでも自信をつけてきたからでしょう。
    今後二人が自立し、さらに絆を深めていく様子が展開されるものと期待が膨らみます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      僕も今回の二人の妹の成長が観ていて嬉しくなりました。でもたしかにかかにとってはちょっぴり寂しいものかも知れませんね。
      鞠ちゃん、よっちゃんの成長を暗示する場面に続いて久しぶりに登場したとと存命中の家族写真が遠い昔のことのように感じました。

  7. カッチ より:

    この前「とと姉ちゃん」の衣装担当の人が言っていたのですが
    常子は「青」、鞠子は「赤」、美子は「ピンク」と使い分けているそうです。
    昨日、月曜の放送を見返していたら本当ですね。
    美子は花山のことを「とと」と思っているのですね。
    確かに姉妹の中で一番思い出が少ないし褒めてもらいたいのですね。
    あんなに怒られたこともないだろうし。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      三姉妹の色の使い分け、もしやとは思ってましたがやっぱりそうでしたか。
      ちなみに衣装担当の黒澤和子さんのお父上にあたる故・黒澤明監督が映画『乱』で、劇中に登場する三兄弟を衣装の色で描き分けていたのですが、その影響かなと思いながら観てました。

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