新雑誌「あなたの暮らし」 / とと姉ちゃん 第95話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月22日(金)放送
第16週 第95話「“あなたの暮し”誕生す」

『とと姉ちゃん』第16週 第95話 「“あなたの暮し”誕生す」あらすじと見どころ解説

常子たちの新雑誌の記念すべき創刊号の表示を飾るのは、花山の描いたイラストに決まりました。その新雑誌の前書きも花山が執筆。その前書きにあった「あなたの暮し」という言葉を気に入った常子は新雑誌の名前と出版社の会社名を『あなたの暮らし』に決定します。

創刊号を大々的に宣伝すべく常子は大金をかけて新聞に広告を載せる決断も下します。月日は流れ四ヶ月後の昭和22年(1947年)4月。新雑誌『あなたの暮し』は満を持して刊行され、新聞広告の効果も手伝い新雑誌は常子たちの予想を超える注目を集めました。

『あなたの暮らし』を手に入れることが難しい地方の女性たちからも、現金書留による注文が殺到。花山の考案した直線裁ちは女性たちの間に大流行し、街中では直線裁ちでつくった洋服を来た女性がいたるところで目につくようになりました。

そんな中、花山が取材した洋裁学校の校長・小山内が「あなたの暮し」出版に怒鳴り込んで来ました。誰でも簡単に洋服をつくることが出来る直線裁ちは営業妨害だと言うのです。しかし常子は、直線裁ちの紹介をやめるつもりはないと小山内に言い切るのでした。

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midokoro
常子たちが独力で創刊した『スタアの装ひ』を経て、花山伊左次を編集長として迎えた新雑誌がついに刊行。

花山のねらいは当たり、新雑誌『あなたの暮らし』創刊号が大ヒットする様が描かれます。

『とと姉ちゃん』第16週 第95話 「“あなたの暮し”誕生す」
 事前発表あらすじのレビューと解説

躍動感に満ち溢れる回になりそうです。

新雑誌の創刊号の表紙は、かつて常子を感動させたものの検閲によりお蔵入りとなってしまった花山伊左次のイラストによって飾られる。

そして、言葉の持つ力は人の心を明るくすると信じる花山伊左次が紡ぎだしたシンプルで美しい言葉が新雑誌のタイトルになり、常子たちの夢の詰まった会社名にもなる。

そして創刊号発売。創刊号から想定を超える大ヒット。

現代のように書店の流通システムが出来上がっていなかった当時、東京から遠く離れた地方在住の人々は東京で刊行された書籍や雑誌を手に入れるのは困難だったようです。

しかし、噂の新雑誌がどうしても欲しい。

そんな女性たちから現金書留で注文が殺到。『あなたの暮らし』事務所の沸き立つ様に、朝から元気をもらえそうです。

『とと姉ちゃん』第16週 第95話 「“あなたの暮し”誕生す」
 朝ドラ観賞後の感想

生涯の仕事上のパートナー

花山さんが執筆した雑誌の前書きの中にあった「あなたの暮し」という言葉に込められた花山さんの思いをくみ取り、その言葉を雑誌の誌名と社名にすると決めた常子ちゃん。

その常子ちゃんの決定を聞いて、自分の思いを常子ちゃんに理解されていることを確認したような表情を見せる花山さん。

気が合っていそうどこか歯車が食い違っているような、ちょっとチグハグな関係の常子ちゃんと花山さんの心と心が通じ合う瞬間を見たような気がします。

そして君子かかの問いかけがきっかけでわかった、花山さんが「かか兄ちゃん」だった事実。

「とと姉ちゃんとかか兄ちゃんでいいコンビね」

君子かかが「いいコンビ」と表現したその時は、常子ちゃんと花山さんが生涯の仕事上のパートナーとしてスタートを切る瞬間かも知れません。

大仰な演出はせず、静かでおだやかな描写でしたが心に沁みるすぐれた場面でした。

笑顔を取り戻した母娘

常子ちゃんと花山さんのこれからの仕事が暗示されるその一方で、机の上に山と積まれた印刷したての『あなたの暮し』を三姉妹が囲む場面には、小橋一家がこれまで積み重ねてきた家族の歴史の時間の重みを感じました。

浜松の土地を走りまわっていたあのちっこい三姉妹が、今ではこれだけ立派な雑誌を出版するまでになる。浜松の頃から今日までいろいろなことがありました。山積みされた『あなたの暮し』が、これまで小橋家の家族が過ごしてきた日々の結晶のようにも見えました。

その一方で、山積みされた『あなたの暮し』と花山さんが口にした過去が、花山さんがこれまで歩んで来た道への想像力をかきたててくれました。

花山さんもまた、これまで経験した様々なことや思いを雑誌に結実したんだろうと。

そして、小橋家の家族と花山さんの思いが詰まった雑誌があやちゃんの心を明るくし、綾ちゃんのお母さんに笑顔を取り戻させる。

綾ちゃんと綾ちゃんのお母さん。笑顔を取り戻した母娘の存在は当時の女性たちを象徴しているのでしょう。

そして、そんな女性たちのよろこびを、甲東出版の谷社長や五反田さんは雑誌の誌面を通して洞察したのでしょうか。

『あなたの暮し』を食い入るように見つめる甲東出版の面々もいい顔してました。いい顔といえばカフェー浪漫の女給さんたちの雑誌に見入る表情も忘れられません。

いい顔をいっぱい堪能できた『とと姉ちゃん』第95回でした。

追伸:洋裁学校の小山内校長先生も別の意味で「いい顔」してました。「いい顔」というより「いい味」を出していたと言うべきでしょうか(笑)

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8 Responses to “新雑誌「あなたの暮らし」 / とと姉ちゃん 第95話”

  1. エイスケの後輩 より:

    洋裁学校の先生が乗り込んで来るところに、前作の平塚らいてうが主人公の所へ乗り込んでくるのが被りました(笑)
    花山さんにはくってかかるのに、女の常子が社長と分かったらトーンダウンしたところを見ると、校長も「自分は女だけど男に負けずに頑張ってやる」という気持ちは共通して持っているのかなと思いました。

    そういえばカフェーの皆さん同じ柄の服ばかり着てるなと思ったのですが、一枚の反物や着物から、複数ワンピースが作れるんでしたよね。

    高崎に疎開した森田屋の女性陣あたりは、雑誌を読んで驚いてそうですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 女の常子が社長と分かったらトーンダウン

      鋭い観察眼です!おっしゃるとおり、敵が同性とわかり、男性への反発心の分だけ怒りが減殺されたのかも知れませんね。

  2. キヨコ より:

    美子の
    「かか兄ちゃん」
    に、わが家の者たちも思わずシンクロしてつぶやいていました(笑)。

    「直線縫い」を一刻も早く知らせたくて家に上がり込むも、几帳面に靴を揃える花山さんに驚く君子かかの表情に、一瞬、竹蔵ととを思い出しました。
    最近の君子かかは、以前にも増してほんわかと和ませてくれますね。

    そして、綾さん一家にも笑顔が。
    家族揃って銀ブラできる余裕ができて良かった。
    この先も、常子たちといい関係が続いて欲しいですね。

    「あなたの暮し」、実際に手に取って読んでみたい!
    私も為替送っちゃおうかな?(もちろん冗談です)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      戦後編になってから、かかがいつも可愛いですね。戦前編は戦争や生活苦で苦難の日々が続きましたが、それらを経てパワーアップしたのでしょうか。

  3. カッチ より:

    営業妨害と言っても客層が違うんだから仕方ないと思うのですが。
    だったら庶民相手に授業料を安くするとか努力しろと言いたいです。
    他人のアイデアにケチつけて何とも嫌なおばさんですね。
    大体、戦後にあんないい服を着れる人がいたのが信じられないのですが。
    常子のことを事務員と何度も間違えるのもこっけいでしたね。
    あの時代まさかあんな若い女性が社長とは思わないでしょうね。
    この点でも校長の負けですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      史実でも洋裁学校からクレームがついたらしいので、直線裁ちで大ダメージをくらったんでしょうね。おっしゃるとおり廉価講座をつくればダメージは回避出来たかと思います。

  4. よるは去った より:

    抗議にきた洋裁学校の校長が去り行く姿には「このままではすませないから。」とでも言わんばかりの気配が感じられたのですが・・・・・・。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      校長先生、実際にこのままでは済まさないのかも知れません。
      史実では嫌がらせがあったみたいです。

      追伸:校長先生、いい味出してます。これでこそふせえりさん。

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