直線裁ちワンピース講座 / とと姉ちゃん 第96話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年7月23日(土)放送
第16週 第96話「“あなたの暮し”誕生す」

『とと姉ちゃん』第16週 第96話 「“あなたの暮し”誕生す」あらすじと見どころ解説

花山の提案した直線裁ちに世間の注目が集まる中、常子たちは新聞社と共同による開催で「直線裁ち講座」を企画しました。講座の募集記事を出すと受講希望者が殺到し、常子たちも驚くほどの早さで用意した席のすべてが埋まってしまいます。

鞠子と美子が多忙を極める中、受講者たちに送る案内ハガキの発送は水田が手伝いました。しかし、不器用な水田の姿に鞠子は苛立ちを抑えることが出来ません。そんな鞠子に君子が言います。それは鞠子が水田に恋をしている証拠だと。

そして迎えた「直線裁ち講座」当日。たくさんの受講者を迎える会場の準備に張り切る常子たちでしたが、時間になっても受講者は一人も姿を現しません。面々が不審に思っているところにやって来たのは、直線裁ちを面白く思っていない洋裁学校の校長・小山内でした。

講座に人が集まっていないことを確認した小山内はすぐにその場を立ち去りました。その小山内の姿を見て花山は察します。これは小山内の仕業だろうと。花山は常子に告げました。調子にのって欲をかくな。商売の厳しさを思い知れと。

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midokoro

『あなたの暮らし』創刊号の特集で世間の注目をあつめた直線裁ちワンピースの作り方を教える講座が開催されることに。

しかし、応募者が殺到したにも関わらず会場には受講者が一人も来ません。

『とと姉ちゃん』第16週 第96話 「“あなたの暮し”誕生す」
 事前発表あらすじのレビューと解説

直線裁ちの洋服をつくる講座は実際に開催されたようです。ただし、史実に残る講座の開催目的は出版事業資金を稼ぎだすためでした。

会場費用くらいで原価のほとんどかからない講座を運営することで、創業間もない頃に不足しがちだった運転資金をまかなっていたようです。

講座は公民館などで開催され、花森安治氏が講義。そして、劇中でヒロインの親友として描かれている綾の実在モデル・中野家子女史が直線裁ちの洋服づくりの実技を披露。

毎回200人ほど集まった講座はいつも女性たちで賑わっていたようです。

尚、今回の劇中で応募者が殺到し満席のはずの講座に、何故か受講生が一人も来ないというエピソードが描かれます。

史実では、直線裁ちの登場によってそれまで教えていた洋服づくりが見向きもされなくなったことを面白く思わない洋裁学校が妨害工作を実施。

講座の席を買い占めたということがあったようです。

『とと姉ちゃん』第16週 第96話 「“あなたの暮し”誕生す」
 朝ドラ観賞後の感想

今週に入ってから前回までアクセル踏みっぱなしのようなエピソードが続いていましたが、今回いきなり急ブレーキがかかってしまいました。

常子ちゃんは勢いが止まらないうちに、その勢いを利用して知名度と収益をさらに上げようと講座を企画しました。

常子ちゃんの行動は経営として正しい判断をしたと思います。

しかし、花山さんは初めからどこか乗り気ではなかった。社長の判断を尊重すると言って異を唱えるようなことはしませんでしたが、積極的に賛同するわけでもありませんでした。

つまづきを経験した常子ちゃんに花山さんは言いました。

「欲をかいては足をすくわれるぞ!」

花山さんの眼には常子ちゃんの行動が調子に乗り過ぎている。欲をかいているように映ったようです。常子ちゃんのどの点が花山さんのお気に召さなかったのでしょうか。

ところで、講座に誰も来なかったことは洋裁学校の小山内校長の仕業だと花山さんはいち早く見抜いていました。

もしかすると見抜く以前から、花山さんはこんな事態に陥ることを、小山内校長が「逆襲」してくることを予想していたのかも知れません。

花山さんは小山内校長の行動を不快に感じながらも「洋裁学校にとっては死活問題」と一定の理解を示していました。

庶民が何について困っているのか、どんな悩みを抱えているのかということに常に心を砕いている花山さんのこと。同業者の悩みや問題についてもよくわかっているはずです。

小山内校長の洋裁学校のような方針では、経済的なゆとりのない人はいつまで経っても洋裁の技術を身につけることは出来ない。

しかし、だからと言って直線裁ちがあまりにも普及すれば洋裁学校の経営に大きなダメージを与えかねない。そして、それは花山さんの本意ではない。

花山さんはギリギリのところで洋裁学校との共存共栄の道を望んだのかも知れません。食うか食われるかの熾烈な競争を花山さんは嫌ったのだと思います。

しかし、洋裁学校の台所事情などお構いなしに常子ちゃんが一線を越えてしまった。常子ちゃんが一線を越えてしまったことを、花山さんは「欲をかくな!」と戒めたのでしょうか。

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コメント

  1. tonko より:

    今週は、ちょっと辛い状態で終わってしまいました
    私の苦手なパターンです…トホホ

    常子が新しい環境に身を置くと
    必ずいじめに遭うのが辛いです
    今回の事は、史実通りということなので仕方ないですが…

    今週は、いろんなタイプ(ジャンル?)の女性陣が登場♪

    一見、上品そうで嫌味なふせえりさん
    姉御肌が板につきすぎてる佐藤仁美さん
    若手の頃から演技派の早織さん
    「ATARU」で好きになった寺島咲さん
    元?アイドルの矢澤さんと、モデルの森さん

    これからも、新しいメンバー、再登場メンバーを
    楽しみにしたいと思います

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      今週は久しぶりに後味がほろ苦い終わり方でしたね。
      しかも次週予告映像もつらそうな場面がいくつも含まれている。
      でも、次週は戦前篇の大物が再登場するみたいなのでそれを楽しみに週末を過ごそうと思います。

      • tonko より:

        「欲をかいては足を掬われる」

        森田屋さんで、配達間違いがあった時
        得をしたお客様にも謝りに行った常子ちゃんに
        まつさんが言った事に通じますね
        あの時は、褒められていたけど
        今回は戒め…
        同じ言葉を違う意味で登場させるのは深いと思いました

        • 朝蔵(あさぞう) より:

          コメントありがとうございます。
          そういえばそんなことがありましたね!
          状況が変われば言葉の意味も変わってくる。
          本当に深いです。

  2. もんすけ より:

    「恨むなら、この時代を恨め」。ずしんと響いた言葉でした。
    (相手を恨むな。そんな時間があるなら前へ進め。時世を読んで商売しなさい)とのことでしょうか。
    洋裁学校側の人々、過去においては自分から和文タイプの職を奪った同僚も含め、当の本人達を恨むのではなく、そうさせてしまった時代そのものに目を向けさせる花山さん。
    「かか兄ちゃん」として家族を守ってきた間、どれだけの辛酸を舐めてきたのか…。その辛さが、そうでもしなくては生きていくことができなかった人々への慈愛となり、物事の本質を見る目を養ってきたのでしょうが、想像するに心が痛みます。
    その苦労の一つひとつが、「あなたの暮し」の真髄となり、何人にも譲れないものになっているのでしょうね。

    金剛寺剛さんを発見し、ビックリ!
    ふせえりさん方々はじめ、出演者の絶妙な配置に目が釘付けです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > そうでもしなくては生きていくことができなかった人々への慈愛

      深くて優しい洞察です。

      花山さんという登場人物、知れば知るほど奥の深いキャラクターですね。そんなキャラを笑いを織り交ぜながら演じきる唐沢さんの仕事も言い表す言葉が見つかりません。

  3. よるは去った より:

    小山内女史が行った妨害工作。映画「愛と哀しみのボレロ」の中でも同様の嫌がらせ行為がありましたね。元ナチス軍楽隊の隊長だった指揮者が戦後に米国で演奏会を行ったところ、ユダヤ人の財閥家にチケットを買い占められてしまい、観客は大会場に二人だけという。花山「今後の糧にしなさい・・・・欲をかいては足元を掬われるぞ。」常子ちゃんにとって社長として大きな戒めとなって行くのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 愛と哀しみのボレロ

      ありましたね、そんな場面が。

      花山さんの今回の警告は重かった。
      でも、その警告もむなしく焦る常子ちゃんは・・・

      ここで止めておきます。

  4. みや より:

    いつも楽しく見させていただいております。
    7月4日(月)から、常子にとっても、綾にとっても、無二の親友の再会、しかし、綾は変わり果てた姿。
    そんな綾を常子が救うと思うのですが、この週になるのでしょうか?
    カフェ(キャバ嬢)から、親友を救い出す常子と綾の会はおそらく最高に泣けると思うのですが、←それを期待してます。
    管理人さんはどこら辺がそれなのか、もしくはずっと後になってしまうのか?
    史実では確か創刊メンバーに綾がいるとか、

    どうでしょう?

    もう、その感動シーンがあると信じて、今から涙腺グダグダです(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      常子ちゃんが綾ちゃんを救うのは早ければ7月下旬、遅い場合8月に入ってからになるのかなと予想しています。しばらくは創刊した雑誌が軌道に乗るまでの紆余曲折で常子ちゃんにも余裕がなさそうです。