連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年8月2日(火)放送
第18週 第104話「常子、ホットケーキを作る」
『とと姉ちゃん』第18週 第104話 「常子、ホットケーキを作る」あらすじと見どころ解説
常子たちの求めに応じて宗吉は小麦粉料理を試作しました。しかし宗吉がつくってみせたその料理は、手に入れることが難しい食材ばかり使っている上に調理の手順も複雑で、素人にはとてもつくれそうもないものでした。
常子は綾や梢にも意見を求めます。梢は答えました。もっと簡単に誰でも手軽につくれる料理を知りたいと。その梢の答えに着想を得る常子。常子が思いついたもの、それはホットケーキでした。早速、常子たちはホットケーキの記事をまとめはじめます。
そんな中、料理学校の副校長・袴田が常子たちを訪問。袴田は取引のある会社の社長夫人が考案した料理を記事にしてほしいと求めてきました。しかし、完成に半日もかかるその料理を記事にすることは常子には受け入れがたい注文でした。
次号の編集作業も思うようにはかどらない上に、広告を載せたばかりに広告主から無理難題を強いられてしまう。日増しに追いつめられてゆく常子の脳裏には、花山が常子に語った言葉の数々がよみがえってくるのでした。

直線裁ちのときと同様、カフェー浪漫での取材からヒントを得た常子は、次号の雑誌の目玉企画のネタを発見しました。
それは、今週のサブタイトルにもなっている「ホットケーキ」でした。
『とと姉ちゃん』第18週 第104話 「常子、ホットケーキを作る」
事前発表あらすじのレビューと解説
雑誌『あなたの暮し』次号の目玉企画は紆余曲折の末に、ホットケーキのつくり方を特集することに決まりました。
しかし、そのアイディアを具体的にまとめる段階で花山不在の状況が高いハードルとなって常子たちの前に立ちはだかります。
花山が抜けてしまったその穴はあまりにも大きいものでした。
ホットケーキのつくり方特集の原稿を作成する段階で痛いほどに感じる花山の偉大さ。そんな窮地の常子たちに追い打ちをかけるように厄介な問題がふりかかります。
常子が花山には黙って雑誌に出した広告の、その広告主が無理難題を言ってきます。
常子のとった行動が、花山に去られるという事態と広告主の無理難題という二つのトラブルを招いてしまいました。
『とと姉ちゃん』第18週 第104話 「常子、ホットケーキを作る」
朝ドラ観賞後の感想
加野屋の招き猫「正吉さん」が森田屋に!
宗吉大将の店(キッチン森田?)の中にならんでいる、深川の旧森田屋から引き継いだらしい七福神の木像。それらと一緒に、前作『あさが来た』でよのさんがこしらえた加野屋の招き猫「正吉さん」がならんでいるのを発見!
昨晩のBSの再放送を見て気づいたのですが、一瞬しか画面に映らなかった前回とは異なり今回の劇中では加野屋の「正吉さん」は繰り返し登場していたのでお気づきの方も多かったかと思います。
とっても嬉しい小ネタです。
『あさが来た』の大ヒットにあやかったお守りなのでしょうか?今回の放送で気づかれた方もたくさんおられると思いますが、念のためにお知らせします。
甘いよ、常子さん
料理学校の袴田副校長から無理難題を吹っかけられた常子ちゃん。その袴田副校長が持って来た案件もまた、政治的理由から袴田氏が断るに断れなかった案件でした。
常子ちゃんが初めて直面する「オトナの事情」。花山さんが去る間際に残した言葉が頭の中を駆け巡ります。
「甘いよ、常子さん」
この先、劇中で説明されるか定かではありませんが経験豊富な花山のこと。こんな「オトナの事情」もすでに経験し、今回のような事態も想定していたのかも知れません。
そうとう悔しい思いをした過去があるからこそ、常子ちゃんが雑誌に広告を載せてしまったことに怒り心頭になったとも考えられます。
でも、資金が底をつく状況では常子ちゃんは経営者としてああするしかなかった。(銀行の融資を受けるという選択肢もあり、史実ではそれを選んでいます)
こんな経営上の困難を乗り越える手助けをしてくれる、五代さまや銀行の神様みたいな師匠の存在が常子ちゃんのそばにいると良かったのですが。
あなたが怒っているのは妹として?社員として?
雑誌に広告を載せたことで花山さんが辞めてしまう事態を招いた常子ちゃんをどうしても許すことが出来ずにいるよっちゃん。
そんなよっちゃんを静かにたしなめる君子かかの包容力が心に沁みます。
「あなたが怒っているのは妹として?社員として?」
家族経営ゆえに公私の境目があいまいになりがち。そこをきちんと整理するようよっちゃんを説くことが出来るのは、君子かか自身が職と住がひとつになった環境で育った経験からくるのでしょうか。
社員ならば社長の決定に力を合わせるもの。
経営者(滝子さん)の娘ならではの考え方です。
ところで、常子ちゃんが出版社の事務所を銀座に構え、三姉妹が揃って家の外で過ごす時間が多くなって来てから君子かかの出番が激減していたことが気になっていました。
今回も君子かかの出番は決して多いとは言えませんが、君子かかがよっちゃんを諭す場面は君子かかの存在の大きさをあらためて実感させてくれる素敵な場面でした。
コメント
森田屋さんの招き猫、加野屋の「正吉さん」招き猫とは少し顔が違うようでしたが…
「もしや?」と思い画像を検索してみたら、どうやらバトンタッチセレモニーで波瑠ちゃんから充希ちゃんに手渡された招き猫のようですよ♪
前作のアイテムが違和感なく溶け込んでいることも、プレゼントの招き猫を小道具として使おうと思い立ったことも素晴らしいですね。
コメントありがとうございます。
正吉さんのレプリカですね。
考えてみれば正吉さんの実物はかなり大きかったはずでした。
今回は「常子さん、甘いよ」という言葉が身にしみる回だったと思います。重く響きました。広告を取り始めてしまったので、今後そのことについての対応が大変かとは思いますが、ある意味その大変さを知って、なるほどと花山さんの反対の理由が腑に落ちたかもしれませんね。
社員としての思いと私情を分けて考えなければ、というのは今の時代にも言えることなので、あらためて私も心に留めました。
今後もかかにはこういう時々で示唆を与えてくれる人として登場を楽しみにしたいと思います。
コメントありがとうございます。
花山さんの「甘いよ」を痛いほどに実感出来たことで、やっとこの先、常子ちゃんと花山さんは心の底から理想を共有する真のパートナーになるのかも知れませんね。
朝蔵さんの、君子かかは元々家族経営の企業の生まれだからこそ、家族で仕事をする上での大切さが理解できていたのではというご意見にとても納得しました。
そして正吉さん気づかなかったので、今夜BSで確認します!ありがとうございます!
さて、よっちゃんが幼いなぁと昔から感じていたのですが、上二人と年が離れているため、それぞれが同じ年頃だった時の世の状況が違っており、上二人が勤めていた経験や、理不尽な理由で解雇された経験を持つゆえ、現実的な見方が出来た一方、家の外で働くのが初めてのよっちゃんには、どうしても今回の仕事が家庭の延長に思われたのはやむを得ないのかなと思いました。
今回の騒動で、一皮剥けると良いのですが。
コメントありがとうございます。
第104回で子供っぽさをさらけ出し君子かかに諭されたよっちゃん。第105回では一気に大人になってましたね。よっちゃんの成長を際立たせるために、これまでよっちゃんを子供じみたキャラにしていたのかも知れません。前作の千代ちゃんもまさにそれでした。
妥当ですね・・・今回のストリーはどことなくさ先走っている感じに思えます。
コメントありがとうございます。
緩急のバランスがほどよい回でした。
宗吉さん照代さん夫婦はすっかり常子ちゃん姉妹のよき相談相手に。一人娘の富江ちゃんが一人前になって巣立った現在、今度は自分たちの夢をより良きものにしようと懸命になっている姉妹から目が離せないってところかな。広告主の料理学校からなんとか掲載してくれとレシピを突きつけられた時にてっきり宗吉さんは怒りだすか、臍曲げると思ったら貴重な時間さいて試作までしてくれたりとかね。宗吉「花山って人が・・・・・・・。」 この一言で常子ちゃんは初心に立ち返れたようだし。
コメントありがとうございます。
> 宗吉さん照代さん夫婦はすっかり常子ちゃん姉妹のよき相談相手
宗吉大将、戦前戦中はどこかヤンチャで危なっかしいところがありましたが、すっかり老成し頼りがいのある大将になりましたね。大将が開業する洋食屋を舞台に新たなドラマが展開しそう。開店の日が楽しみです。
「甘いよ。常子さん」この意味がよくわかった回でしたね。
口約束なんていつでもほごにされる、そんなものですしね。
常子もあらためて花山の大きさに気づいたみたいですね。
それにしても「かか」はするどいですね。
美子ももう反抗期の年ではないですし。
ちょっと考えさせられました。
コメントありがとうございます。
花山さんの言葉が一視聴者である僕にも重く響きました。
今回と明日の放送分で、ようやく花山が懸念したのも解ったようだ。
他者からの金に頼る事は、他者に干渉される事でもあるんだな。
一般の働く者だって、職場の賃金に頼る生活とをする事は
職場に生殺与奪を握られるそれと同じように。
そういう他人に口出しされる苦しみと腹立たしさとやるせなさを
遥か昔から存じているから花山は、
あえてそれを認めなかったのに常子は、
「女の浅知恵」という例えのとおり軽率な事を
やってしまったんだろうね。
コメントありがとうございます。
インターネットの検索エンジンが現在のようにグーグル一強でなかった頃、グーグルと競り合っていた検索エンジンが力を失っていったのは広告の誘惑に負けたからだと指摘されています。グーグルも広告は掲載していますが、誘惑に負けない広告とのつきあい方の厳格なルールをもうけていたようです。これは日本の民放にあてはまりますが、時代や国、性別を超えて生じる問題のようです。