酷評で売上激減した工場 / とと姉ちゃん 第124話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年8月25日(木)放送
第21週 第124話「常子、子供たちの面倒をみる」

『とと姉ちゃん』第21週 第124話 「常子、子供たちの面倒をみる」あらすじと見どころ解説

いつの日か、結婚するつもりだと南から言われた美子はそのことを常子に打ち明けました。しかし、美子には気がかりなことがありました。本音を口にせず弱音をはかない常子が、自分の幸せから目を背けているように美子には思えてならなかったのです。

『あなたの暮し』最新号が発売。トースターの商品試験の記事は大反響を呼び、過去の売り上げ記録を更新する勢いでした。追加注文も殺到し増刷も視野に入った頃、その事件は起こりました。ちとせ製作所の田中が「あなたの暮し出版」に怒鳴り込んできたのです。

田中は花山に訴えました。自社のトースターが記事で酷評されたことで売り上げが激減したと。その田中に花山は猛然と反論します。自分たちは責任を持って記事を書いているのだから、責任を持ってトースターを製造すべきだと。

その日、常子はちとせ製作所を訪問しました。常子がそこで目撃したのは、相次ぐ返品の中で途方に暮れている田中とその妻の姿でした。人の暮しを守るために書いた記事が、つくり手の人の暮しを破壊しかねない現実に、常子はショックを受けるのでした。

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美子が常子の心の中に踏み込んで行きます。星野とのことで煮え切らない態度を続ける常子に美子が詰め寄るのです。

その頃、常子はもう一つの苦悩を抱え込みます。それは仕事の上でのことでした。

『とと姉ちゃん』第21週 第124話 「常子、子供たちの面倒をみる」
 事前発表あらすじのレビューと解説

これまでずっと二人の妹の幸せを最優先し、自分の個人的な願いや望みのすべてを封印してきた常子。大人になった美子は、そんな常子をそろそろ自分たちから解放してあげたいと思うのでしょうか。

星野ことがまだ好きなら結婚したらどうか。妹の幸せを優先するあまり、自分の本当の気持ちを偽ることはもうやめてほしい。

美子はそんな気持ちでいるようです。

しかし、そんな美子に常子が答えます。

今は出版社と雑誌が成長してゆくことが自分の何よりの喜びだ。そして星野の性格から考えても、亡き妻を忘れられずにいるはずだ。

常子の美子への答え、強がりに思えてなりません。

そんな中、『あなたの暮し』誌上でトースターを酷評されたことで返品が殺到し経営危機に陥った工場を目撃した常子の苦悩が描かれます。

人々の暮らし守る雑誌が、トースター工場に従事する人々の暮らしを破壊してしまったと。

『とと姉ちゃん』第21週 第124話 「常子、子供たちの面倒をみる」
 朝ドラ観賞後の感想

ちとせ製作所の田中社長:町工場の現実

花山さんが書き上げたトースター酷評記事の原稿を読んだ常子ちゃんは、ここまで書いてしまっていいのかと顔色を失っていましたが、心配した通りの結果を招いてしまいました。

編集一筋で今日まで来た花山さんとは異なり、常子ちゃんは短期間ながらも「メーカー」の立場に立った経験もある。

しかも戦前の深川時代、青柳商店や森田屋、それぞれの取引先の浮き沈みを通して商売のリアルを見続けたことで、一つの会社や商店がいとも簡単につぶれてしまう現実もたくさん見てきたに違いない。

そんなバックグラウンドがあるから、花山さんの原稿を始めて読んだ時、その手厳しい「酷評」がメーカー各社に及ぼす影響が心配になったのではないか。

僕はそう考えています。

また、得意先を一つ失い二つ失い、ついに廃業に追い込まれた仕出し屋時代の森田家。小僧や女中を一人減らし二人減らし、ついに老舗のノレンを下ろすことになった青柳商店。

そんな厳しい現実を目の当たりにしてきた常子ちゃんにとって、相次ぐ返品で絶望の真っ只中にいるちとせ製作所の田中社長の苦悩は自分のことのように苦しかったはず。

田中社長と奥さん、そして家族の暮らしが破綻してしまうのではないか。ちとせ製作所で働いている人々や、部品を納入している工場、そしてその工場の従業員の暮らしへの影響。

常子ちゃんのこれまでの経験から言って、常子ちゃんの想像力はそこまで広がってもおかしくありません。

特に田中社長が電話口で得意先に必死に訴えていた言葉、

「うちは畳むしかなくなる」

この一言は常子ちゃんの胸に突き刺さったかと思います。過去に商売を畳む現場をいくつも目撃し、自分自身もそんな窮地に立たされた経験もあるわけですから。

一方、花山が言いました。

「消費者をなめるのもいい加減にしろ!自分のつくったものに責任を持て!」

花山さんの言葉は正論ですが、正論だけでは成り立たないのが町工場の経営の現実。

正論と現実の双方に理解のある常子ちゃんが、そのバランス感覚を発揮して今回の事態を上手に回収してくれることを期待しています。

余談:『マッサン』北海道編に登場した森の熊さんの義理の弟・西田のおじさんが大好きだったので、蛍雪次朗さんと再会出来て感激です。

私は十分に幸せよ

以下、ネタバレが含まれます。

昨日『とと姉ちゃん』最終週直前までのストーリーを編集しました。その上で、今回のよっちゃんの言動を見て思いました。

さすが花山さんに心酔しているだけあって考えることもよっちゃんは花山さんにそっくりだと。

実は花山さんも常子ちゃんのプライベートな面の幸福のことを真剣に考えているんです。仕事一筋の生き方をしている常子ちゃんは本当に幸福なんだろうかと。

9月に入ると、そんな花山さんの思いがけない本心が明かされる場面が用意されています。

よっちゃんが案ずる常子ちゃんの幸福。花山さんが案ずる常子ちゃんの幸福。最後の落とし所はどんなところになるのでしょうか。

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9 Responses to “酷評で売上激減した工場 / とと姉ちゃん 第124話”

  1. ア※ラッキー より:

    始まってすぐの姉妹の恋バナトーク。まぁ、美子ちゃんがメインでしたが、実は以前私は、字幕にして観てるって書きましたが。たぶん常子ちゃんこと高畑充希さんがアドリブとして次の言葉を「なに結婚するの迷っているの?」言ったと思うんです。なんか、その部分だけ書かれてなかったように・・・と。あとは、忠実に言ってましたが、

    でも、その後常子ちゃんが、「会社と社員は子供のようなもの」って言ったとき、なんだかわかりませんが、悲しくなり「それ言っちゃいけないよ。常子ちゃん」ってTVに向かって叫んじゃったのは私だけでしょうか?(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > それ言っちゃいけないよ

      僕も常子ちゃんの言葉に諦念の響きを感じました。

  2. 1013 より:

    おしゃれおばちゃまの絵になんとヒゲが‼︎(作者は全否定してますが)
    あれ?前作のヒロインもヒゲが生えているとからかわれてましたね(笑)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 前作のヒロインもヒゲ

      さんざん言われてましたね。
      常子ちゃんがそういうからかわれ方をしないで済んだのは時代のおかげでしょうか。

  3. あじやま より:

    ひとことだけにするかな。
    結末は「細腕繁盛記」かなぁ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      女将の幸福か、女の幸福か。
      というところでしょうか。

  4. よるは去った より:

    田中「『素人』に何がわかる!」 似たような発言をマスコミで行った某大手メーカーに対してこの上ない不信を抱いたことがあります。使うのはその「素人」であることを忘れて欲しくないものです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 使うのはその「素人」

      使い手=顧客を忘れないというのは商売の鉄則ですね。

  5. よるは去った より:

    ちとせ製作所の田中社長役は蛍雪次朗さんだそうで。あの人の持ち味からして「あなたの暮らし社」への怒鳴り込みの場面はかなりな迫力が想像され、ちとせ製作所の場面はかなりな哀れさが今から想像されますね。

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