昭和48年、単行本を出版 / とと姉ちゃん 第148話

連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年9月22日(木)放送
第25週 第148話「常子、大きな家を建てる」

『とと姉ちゃん』第25週 第148話 「常子、大きな家を建てる」あらすじと見どころ解説

昭和40年1月、君子が亡くなりました。朝の食卓から君子がいなくなったことに常子は寂しさを感じていました。しかし、小さな幸せを大切にした君子の教えが家族の中にしっかりと根付いていることに気づいた常子はあることを思い立ちます。

常子はついに自分が心から執筆したいテーマを見つけたのです。それは、日々の暮しの中に小さな幸せを見出した君子の教えをまとめておくことでした。常子の発案に花山も心から賛同し、常子は早速原稿を書きはじめました。

昭和48年(1973年)10月。君子が亡くなった日から8年の歳月が流れていました。君子の教えをまとめた常子の連載『小さなしあわせ』は単行本化されるほどの人気を集めていました。一方、その5年前に花山は心筋梗塞に倒れ、大事をとりながら仕事をする毎日でした。

その頃「あなたの暮し出版」の社員の7割を女性が占めていました。常子は時代の変化を実感しつつも、働く女性への偏見は昔から変わらないことに胸を痛めていました。そんなある日「あなたの暮し出版」に珍しい客がやって来ました。水田の娘・たまきです。

<<前回147話 | 次回149話>>

midokoro

時代は今回の劇中だけで9年もスキップして時代は1970年代に入ります。

常子が幼少の頃から追い求めてきた「小さなしあわせ」をテーマにした連載と単行本は大ヒット。しかし、時代は大きく変わろうとしています。

『とと姉ちゃん』第25週 第148話 「常子、大きな家を建てる」
 事前発表あらすじのレビューと解説

 世の中は 常にもがもな 渚(なぎさ)漕ぐ
 海人(あま)の小舟(をぶね)の 綱手(つなで)かなしも

  鎌倉右大臣(源頼朝の次男、1192~1219年)

生前の竹蔵が常子の名前に託した、当たり前のささやかな幸せを大切にする心。

常子が半生をかけて追い求めてきた「小さなしあわせ」をテーマにした連載を書き続けてきたのは、まるで常子がこれまでの人生を総括する営みのようです。

そして「人生の営みの総括」が一段落つき、その作業が単行本として実を結んだ時、世の中は当たり前の幸せに慣れきり、非日常に幸せを求めるようになっていました。

常子が実感する時代の変化。ファッション誌の流行の兆しは「小さなしあわせ」が間もなくそれほどまでに求められなくなる時代の到来を暗示しているのでしょうか。

『とと姉ちゃん』第25週 第148話 「常子、大きな家を建てる」
 朝ドラ観賞後の感想

大きな家の食卓で常子ちゃんが座る位置

今週に入ってから登場した「大きな家」での食卓の場面。家長であるはずの常子ちゃんの座る位置が隅っこに追いやられていることが気になっていました。

しかし今回の放送を観て、常子ちゃんをわざわざその位置に座らせた理由がわかったような気がしました。

理由は君子かかの死にあります。常子ちゃんの目の前は君子かかの定位置でした。その位置から、君子かかはいつも家族のにぎやかな様子を満足そうにながめていました。

その君子かかはもうその位置にはいません。

常子ちゃんの目の前にいつもいたはずの君子かかがいなくなり、ただでさえ常子ちゃんは寂しいはずです。

その常子ちゃんを隅っこに座らせることで常子ちゃんの寂しさが際立っていたように感じたのは僕だけでしょうか。

また座る位置の配置によって常子ちゃんの寂しさが強調されたことが、君子かかの不在を印象づけることにもなっていました。

そんな喪失感の中で、君子かかの残した小さな幸せの知恵が家族の中にしっかりと受け継がれていることが救いでした。

君子かかの姿はもう見えません。でも君子かかの残したものはどこかで生き続けている。そんな演出が君子かかの死の悲しみから立ち直らせてくれました。

花山さん:何より私が早く読みたいんだ!

君子かかは歴史に名を残すような偉業を成し遂げた女性ではありません。しかし、小さな幸せを積み重ねる知恵を家族一人ひとりに残しました。

君子かかが残した暮しの知恵に常子ちゃんが価値を感じるのは、君子かかを心から大事に思っていた常子ちゃんなら娘としては当然のことです。

しかし、常子ちゃんと同じくらいかもしかするとそれ以上に、君子かかが残した暮しの知恵に大きな価値を見出した花山さんの「目利き」ぶりにうならされました。

君子かかの残した知恵をエッセイにまとめるという常子ちゃんのアイディアに花山さんは激しい反応を示しました。

「すぐに一行目を早く書き始めなさい!何より私が早く読みたいんだ!」

ところで、人々の暮らしを大きく変えてしまうような発明をした人は、その仕事とともにその名が歴史に刻みつけられます。

そんな「発明」と同じような価値を、花山さんは君子かかの残した暮らしの知恵に感じたのでしょうか。

そして今回花山さんが市井の人々が残した知恵に価値を見出したことが、最終週に描かれる花山さんの最後の仕事につながってゆくのでしょうか。

そんな花山さんにもついに健康を損ねました。

キャンディーズ

昭和48年(1973年)当時の映像とともに流れる曲はキャンディーズ!しかも、それに続けて蘭ちゃんのお嬢さんを画面に登場させる粋な演出。

キャンディーズの大ファンだったので、このささやかなネタは感涙ものでした。

<<前回147話 | 次回149話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. まつも より:

    木村多江さんは「暗い女」のイメージがあったのですが、君子かかは、苦労はしたけど優しくてかわいらしいすてきなお母さんでした。こんな時、このドラマを見てよかった!と思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > かわいらしいすてきなお母さん

      第一週で物干し台に登った常子ちゃんをザルで受け止めようとした愛らしい天然キャラがいつまでも変わらず、本当に素敵なかかでしたね。

  2. FYL より:

    スピンオフは森田屋さんのお話なんですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。
      戦後編に出てこなかった富江ちゃんと長谷川の話みたいですね。

  3. もんすけ より:

    ぽっかりと一席空いた、家族の食卓。
     (今までいたはずの人は、もう居ない。それでも朝は来る…)
    前作のワンシーンも少し脳裏に蘇らせながら、じんわりと君子かかの登場シーンを懐古してしまいました。
    (横道ですが、食卓の並びは常子ちゃんと君子かかが上座。キッチンに近い下座に主婦役を一手に引き受けている鞠子ちゃんが座っているのではないかと拝見。君子かか、「年長者」としてもとても大切にされていたのではないかと。)

    女性ならではの職場の悩み。時代は違えど、悩みの質は同じなのですね(くちさがない人達の存在も。。。)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 君子かかが上座。キッチンに近い下座に主婦役。

      言われてみれば鞠ちゃんの背後にキッチンらしいものが見えましたね。

  4. とん より:

    君子かかはドラマ上ではこれといった活躍をしませんでしたが、天然ボケで楽しませてくれたほか、
    いつも常子を影から支えてきて、まさに縁の下の力持ち、なくてはならない存在でしたね。

    常子もついに白髪混じりになりましたが、戦後生まれの新入社員より若く見えるのは気のせいでしょうかw

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 戦後生まれの新入社員より若く見える

      同じことを感じてました。もう少し思い切った老けメイクをしても良かったかもですね。

  5. よるは去った より:

    昭和48年、「まーそのー。」「よっしゃ、よっしゃ。」の人が君臨していた時代ですね。この頃から「ア〇キャ〇系」のファッション雑誌が世に出回るようになるわけですね。このドラマの中の女優さんの中にもファッション雑誌のモデルさんからスタートした人とかどのくらいいるのかなとか思って見てました。それにしても大学生になったたまきちゃん役の吉本実優ちゃんの初登場シーンは何とも華がありましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 吉本実優ちゃんの初登場シーンは何とも華

      同感です。将来の朝ドラヒロイン確定かも知れませんね。