とと姉ちゃん 最終週/第26週 花山、常子に礼を言う

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『とと姉ちゃん』
2016年9月26日 〜 10月1日放送
最終週 / 第26週「花山、常子に礼を言う」

『とと姉ちゃん』第26週「花山、常子に礼を言う」あらすじ

戦後生まれの世代のために、戦時下に生きた人々の暮らしの記録を残そうと花山は決意しました。しかし取材のために訪れた広島で倒れた花山は入院してしまいます。花山は退院後すぐに取材を再開するつもりでしたが、常子は花山に自宅療養を命じました。

自宅療養しながら編集作業を行う花山を常子は手伝い、ついに戦争を特集した『あなたの暮し』最新号は完成。発売後、大評判となった最新号は過去最高の売り上げを記録し、常子と花山の悲願でもあった100万部を達成することが出来ました。

快挙を喜ぶその一方で花山の容態は悪化の一途をたどり、ついに自力でペンを握ることすら出来なくなってしまいます。原稿を書き上げるための常子の口述筆記の協力に心からの礼を述べた花山は、その数日後に息を引き取りました。

花山の死去後、常子は出版界の権威ある賞を受賞。家族に祝ってもらったその夜、常子は夢の中で亡き父・竹蔵との再会を果たしました。父親代わりをつとめ上げた人生を竹蔵にほめられた常子は、三つの目標の短冊を机の中に収めるのでした。  - 完 –

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『とと姉ちゃん』最終週 / 第26週「花山、常子に礼を言う」各回あらすじとレビュー

第151話 9月26日(月) 花山が取材で広島に行く
第152話 9月27日(火) 旅先の広島で倒れる花山
第153話 9月28日(水) 花山の自宅療養中の仕事
第154話 9月29日(木) 花山の口述筆記する常子
第155話 9月30日(金) 花山伊左次の最期の言葉
最終回/第156話 10月1日(土) 昭和49年,竹蔵と再会

『とと姉ちゃん』最終週 / 第26週「花山、常子に礼を言う」
 事前発表あらすじレビューと歴史・時代背景の解説

今週、劇中で描かれる時代は昭和48年(1973年)から昭和49年(1974年)にかけて。

一方、劇中で描かれるエピソードの史実は下記の年の出来事でした。

1968年(昭和43年):『暮しの手帖:戦争中の暮しの記録』刊行
1978年(昭和53年):花森安治が心筋梗塞により死去、享年66歳

第26週のレビューと見どころ

『とと姉ちゃん』のほとんどの週のサブタイトルの主語が「常子」となっている中、常子以外の主語によるレアなサブタイトルは今週が三度目です。

今週のサブタイトルの主語は「花山」。サブタイトルが示す通り、今週は花山週。最終週は花山伊左次の最期が描かれる週です。

前週の亡くなる直前の君子に、花山は常子に対して抱いていた後ろめたさを語りました。常子に仕事ばかりの人生をおくらせてしまったことを花山は悔いていたのです。

しかし君子はそんな花山に答えました。常子は幸福なはずだと。

君子の言葉で花山の悔いが癒やされたかどうかは定かではありません。しかし、自分が死ぬ間際まで心から満足出来る仕事をすることが出来たことへの感謝の気持ちを花山は忘れていませんでした。

その気持を込めたサブタイトルの週で『とと姉ちゃん』の物語は完結です。

歴史・時代背景

昭和49年(1974年)

昭和21年(1946年)「衣装研究所(後の暮しの手帖社)」設立と同時に入居した東京銀座の日吉ビルの取り壊しが昭和49年(1974年)に行われ、同社は東京都港区六本木に本社を移転しました。

ちなみに今週の劇中で描かれる『あなたの暮し』最新号の戦争特集の実在モデルとなった雑誌は、1968年(昭和43年)に刊行された『暮しの手帖』96号。

その号で特集された「戦争中の暮しの記録」はその後、単行本化されました。

戦争中の暮しの記録―保存版

昭和49年(1974年)以降の大橋鎭子

昭和53年(1978年)花森安治氏死去。四年後の昭和57年(1982年)には母・大橋久子氏が永眠。長年にわたって大橋鎭子氏を支え続けた二人の人物を失った後もなお、大橋鎭子氏は暮しの手帖社の社長兼編集長として精力的に仕事をこなしてゆきました。

2004年(平成16年)大橋鎭子氏は社長職を長妹・晴子の息子の妻、横山泰子に譲り、自身は社主に就任。

2013年(平成25年)3月23日午前8時37分、東京都品川区の自宅で肺炎のため永眠しました。享年93歳でした。

なお、その翌年2014年(平成26年)、劇中の三女・美子のモデルとなった芳子氏が89歳で永眠しています。

『とと姉ちゃん』最終週 / 第26週「花山、常子に礼を言う」一週間のエピソード観賞後の感想

 世の中は 常にもがもな 渚(なぎさ)漕ぐ
 海人(あま)の小舟(をぶね)の 綱手(つなで)かなしも

  鎌倉右大臣(源頼朝の次男、1192~1219年)

当たり前の日常の中の小さな幸せがいつまでも失われないでほしい。

漁師の小さな船が波打ち際で綱につながれているそんな当たり前の光景すらも、それが損なわれてしまう時を思うとたまらなく愛おしくなる。

竹蔵ととがいて、君子かかがいて、三姉妹が時に一緒に遊び時にケンカする。

いつまでも続くと誰もが信じて疑わなかったそんな当たり前の日常の光景が、ある日を境に失われてしまったところから、半年にわたる『とと姉ちゃん』の物語がはじまりました。

竹蔵ととの早過ぎる死は幼い常子ちゃんには気の毒する出来事でした。

しかし竹蔵ととの死がなければ、もしかすると常子ちゃんは当たり前の日常の愛おしさを味わうことが出来ないまま人生を終わっていたかも知れません。

失われて初めて気づく、なくしたものの価値。

幼い常子ちゃんには辛すぎる悲劇でしたが、それが常子ちゃんを小さな幸せに真剣に向き合わせることになりました。

小さな幸せに真剣に向き合う生き様は常子ちゃんを花山さんとの出会いに導きました。

そして別の形で小さな幸せと向き合っていた花山さんとの出会いが、当たり前の日常の尊さと向き合う常子ちゃんの行き方を加速させたと思います。

花山さんに導かれながら、自分だけでなくより多くの人々の小さな幸せを求め続ける生き方貫いた常子ちゃんが最後にたどり着いたのは竹蔵とととの再会。

これ以上望めないほどの人生のご褒美でした。

世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも

来週からは、すみれちゃんの人生がはじまります。すみれちゃんとともに小さな幸せを追い求める半年間を、また当ブログと一緒に楽しんで頂ければ幸いです。

半年間ありがとうございました。

 朝ドラPLUS 朝蔵

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コメント

  1. 日赤太郎 より:

    唐沢さんが演ずる花山さんと実際の花森さんの体格はご存知のように全く違います。花森さんが亡くなられた年代は心筋梗塞の治療法である、バイパス手術は日本の何処の病院で出来る手術では無かったと思います。また、花森さんは大変な美食家であったと言われいます。天才編集長であればこそ、もう少し、気を付けて頂ければと思いました。
    ドラマも後、残すところ一週間。NHKのホ-ムページには最近のあらすじに関して、賛否両論ですが、誰もが納得する、消化不良にならない終わり方を期待します。
    朝蔵さん、さよなら。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > バイパス手術

      ご専門とされる観点からいつも正確な情報を提供して頂きありがとうございました。大変、参考になりました。

  2. まいもん より:

    最終週の予告を見ました。

    あらゆる場面で涙腺決壊の予感が・・・

    いつもはワンセグでも録って会社で余裕のある時間に見ているのですが、来週だけは家に帰ってからタオルを用意してじっくり観る事になりそうです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 涙腺決壊

      予告映像だけであれだけ泣かされるとは予想外でした。

  3. tonton より:

    唐沢氏の撮影はクランクアップのちょうど1週間前の8/17で
    終わっていたので、てっきり25週で退場かと思ったのですが、ちゃんと最終週まででるのですね(民放10月期の主演があるからか)。

    意外だったのが、かかを史実より早く昇天させてしまう事です。

    このドラマの放送も残す所あと2週間となりましたけど、展開が
    非常にまったりしていた割にはあっという間でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 意外だったのが、かかを史実より早く昇天

      花山さんとかかの順序が逆転しましたが、最後の二週をきれいにまとめるにはこれしかなかったのかも知れませんね。