すみれが田中紀夫と結婚 / べっぴんさん 第9話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年10月12日(水)放送
第2週 第9話「しあわせの形」

『べっぴんさん』第2週 第9話 あらすじと見どころ解説

ゆりと潔の結婚式の日、坂東家にやって来た幼馴染の紀夫がすみれに尋ねました。潔がゆりと結婚してしまいすみれは失恋したのか。今なお潔に恋していたのかと。しかし、すみれには紀夫が口にした質問の意味がまったくわかりません。

その日の夜、五十八とはながいかにして坂東家と坂東営業部を築いたのかを祖母のトク子はすみれに語って聞かせました。その話を聞いたすみれは考えました。婿養子を迎えて坂東家を継ぐはずだったゆりが嫁に出た今、坂東家を継ぐのは自分しかいないのだと。

ゆりが潔と結婚してから半年ほどが経った昭和18年(1943年)1月。女学校の卒業を間近に控えたすみれに縁談が持ち上がりました。昔から坂東家に婿入りさせるはずだった男性が縁談の相手でした。

両親が築いた坂東家を絶やしたくない。その一心からすみれはまだ見ぬ縁談相手との結婚を決意します。しかし初めて見せられた縁談写真にすみれは言葉を失いました。すみれが結婚を決意した相手は紀夫だったのです。

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今週に入って、潔との初恋は破れ、祖母のトク子からは坂東営業部の苦難の歴史を聞かされていたすみれ。

両親・五十八とはなが力を合わせて築き上げた坂東営業部と坂東家を絶やしたくない。その一心から相手が誰かも分からぬまますみれは結婚を決意します。

『べっぴんさん』第2週 第9話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

すみれが親の持ってきた縁談を素直に受け結婚を決意。

すみれの結婚相手・田中紀夫は東京の大学を卒業。その後、父の五郎が経営する商船会社で働いているという設定です。

ゆりの結婚エピソードは史実と大きく異るものでしたが、すみれの結婚エピソードもゆりほどではないにせよ大胆に脚色されています。

「すみれ」「紀夫」「五郎」の劇中名を使って、以下に史実を解説してみます。

女学生時代「すみれ」はスキー旅行で「紀夫」と出会い、意気投合した二人は交際に発展。昭和10年に出会った二人は昭和15年に結婚します。

二人の交際のきっかけは「すみれ」のリュックサックでした。ほどけていた「すみれ」のリュックサックのヒモを「紀夫」がなおしたことがきっかけで二人は言葉を交わすようになったと伝えられています。

さて「紀夫」は京都帝国大学経済学部を卒業後に大阪商船(商船三井の前身)に就職。「紀夫」が「すみれ」と結婚したのは「紀夫」が就職した直後のことでした。

また「五郎」は山口銀行(現在の三菱東京UFJ銀行の前身)常務を歴任した、大阪銀行界の重鎮でした。

「すみれ」坂野惇子
「紀夫」坂野通夫
「五郎」坂野兼通

『べっぴんさん』第2週 第9話 観賞後の感想

すみれちゃんの運命を受け入れる力

幼少期から引き続いてのすみれちゃんの口数の少なさですが、寡黙で感情をあまり表に出さない性格のその奥に芯の強さが見えてきたような気がします。

特に五十八さんが遠慮しがちに持ってきた縁談を受け入れたすみれちゃんの表情に。

自分の人生は自分で選ぶと宣言し、五十八さんが持ってきた縁談を断った姉のゆりちゃんに対して、すみれちゃんは縁談を素直に受け入れました。

こう書いてしまうと、すみれちゃんはあたかも親の言いなりになり自分の意思がない女性のように見えてしまいかねない。

しかしすみれちゃんが縁談を受け入れたのは父親に言われたからではなく、自分自身の中にある目的があったからです。

ある目的とは坂東家を絶やさぬこと。

ゆりちゃんは潔くんに宛てた手紙の中で、潔くんに自分と同じ匂いを感じたといった意味のことを書いていました。

自分の意思で運命を切り開く力の匂い。そんな匂いを感じたのでしょうか。

同じようにすみれちゃんは父のこれまでの生きざまに、自分と同じ匂いを感じたのかも知れません。

それは理不尽なものも含めて運命を受け入れてしまう力の匂い。

若い頃の五十八さんは理不尽さを受け入れることの連続だったみたいです。次男として生まれたが故に、先代からはわずかなお得意様しか譲ってもらえなかった。

しかし、その理不尽さを受け入れて小さなところから地道に商売を積み重ねて本家をもしのぐ大きな商いに発展させることに成功した。

一方、長男の長太郎さんはきっと商売下手だったのでしょう。

先代からほとんどの得意先を引き継いだはずなのにも関わらず、坂東本家の家運を傾けてしまいました。

五十八さんを八方美人と揶揄するような長太郎さんのこと、きっと商人として愛想ひとつ言えない方だったんでしょう。

すべては長太郎さん自身の力不足が招いた本家の危機。ところがまたしても次男であるが故に自分で開拓したお得意様のすべてを取られてしまった。

その時も五十八さんは家族といたずらに争うようなことはせず、泣く泣く理不尽な運命を受け入れました。

自分の人生を自分の意思の力で切り開いたしまうのは一見強そうに見えますが、もしそんな人に避けがたい理不尽な状況が起こったらたやすく折れてしまうような気がします。

強風に立ち向かって倒壊する大木みたいなものでしょうか。

その点、理不尽さを受け入れられる素質を持っている人は強い。強風にあおられても、その強風に立ち向かわないからそう簡単には倒れない。

五十八さんにはそんな強さがある。そしてその強さをすみれちゃんは受け継いだのかも知れません。

さて、そのすみれちゃんが写真も見ないまま受け入れた縁談相手は、何を考えているのかよくわからない紀夫くんでした。

初恋の相手と一緒になったゆりちゃんのプラスの結婚。見ず知らずの相手と結婚するようなプラスマイナスゼロの結婚。

それに対してすみれちゃんの結婚は、マイナスからスタートする結婚と言ってしまっても差し支えないレベル。

理不尽とまでは言わないけれど、マイナスを受け入れて、それをゼロにしプラスに転じさせることが出来るのか。

すみれちゃんの結婚後の展開が楽しみになってきました。

余談:まだ転んでへんやないか

忠さんの健忘症は転倒した時だけ発症するものだと、五十八さんの一言で判明しました。それにしても五十八さん、よく観察してます(笑)

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8 Responses to “すみれが田中紀夫と結婚 / べっぴんさん 第9話”

  1. yas より:

    いつも楽しんで拝見させて頂いています。
    「あらすじと見どころ解説」の記載が
    ちょっと気になったので指摘させて頂きます。

    >もともとはゆりに婿入りさせるはずだった男性が
    >(すみれの)縁談の相手

    10日の7話にゆりさんの縁談相手の見合い写真が登場しましたが
    紀夫君ではなかったと記憶しています。
    この記載は正確な情報ではないので削除した方が良いのではないでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 縁談の相手

      7話でゆりちゃんに持ち上がった華族との縁談以前から、坂東家への婿入り候補だった男性だったので「ゆりちゃんに婿入りさせるはず」と記述しました。ご指摘を受け、ゆりちゃんに婿入りでなく坂東家に婿入りと改めました。

  2. よるは去った より:

    三峰の創業者が背広の行商からスタートしたという話を雑誌で読んだことがありますが、五十八お父様もそうだったんですな。ていうか「創業者」は大部分そうか。それをよわい身体で一生懸命支えてきたはなお母様。五十八お父様の家族愛の深さもこうして培われてきたのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 五十八お父様

      今回、お父様のお若い頃に俄然興味が湧きました。スピンオフで観たいような気もしますがテーマが地味過ぎますね。

  3. もんすけ より:

    『置かれた場所で咲きなさい』
    渡辺和子さんの本のタイトルを思い出しました。

    世の中には、自分の希望を叶えるために挑戦したり、身を守るために転身するなど、自ら環境を変えることができる場合ももろんたくさんあります。
    一方、次男次女という立場とか、生まれ故郷や時代の流れなど、自分の力ではどうにも変えること叶わないことがあるのも事実。
    その中で、自分を見失うことなく、自分の立場に絶望することもなく、今居る場所に自分を活かす希望を見出す姿。「なんか、なんかな」のすみれちゃんが、しっかりと自分の言葉で、はっきりと自身の未来を語るシーンに、思わずぐっときました。

    余談ですが、渡辺和子さんは「スミレのように踏まれて香る」という本もお書きになられているんですよね。
    咲くことができない時(戦時中)には下へ下へと根を深く深く拡げる<スミレ>の花。ちょうど秋から冬へと向かう季節感も併せて、すみれちゃんを応援したくなります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 渡辺和子さんの本のタイトル

      深いお話、興味深く拝読しました。『置かれた場所で咲きなさい』とはシンプルで力強い言葉です。そしてまさにこの生き様は五十八さんでありすみれちゃん。本作はこの言葉がテーマかも知れませんね。

  4. アーモンド より:

    物語進行早!笑

    子役から二週目で結婚、妊娠。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 物語進行早!笑

      結婚、出産前には初恋と失恋も経験。最速記録かもですね。

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