終戦/焦土と化した神戸 / べっぴんさん 第12話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年10月15日(土)放送
第2週 第12話「しあわせの形」

『べっぴんさん』第2週 第12話 あらすじと見どころ解説

政府の命により坂東営業部が他社に吸収合併されることになりました。会社を手放すことを余儀なくされた五十八は近江の坂東本家に疎開することになりました。それを機にすみれ、さくら、ゆりも坂東本家に疎開します。

しかし、すみれやゆり、そして五十八は坂東の本家にとって招かれざる客でした。長太郎一家はすみれたちにつらく当たります。そんな中、神戸に出かけた五十八は米軍による空襲に遭遇。その二ヶ月後、日本は終戦を迎えました。

昭和20年(1945年)9月。久しぶりに神戸に戻ったすみれは我が目を疑いました。家族で暮した思い出の詰まった神戸の屋敷は空襲で焼失し、大好きだった丘の上から見える神戸の街並みも焼け野原と化していたのです。

焼け残ったはなの形見のウェディングドレスを見つめ涙を流しながらも、すみれは心を固めました。家は失ってしまったが自分は娘のさくらを守り抜かねばならない。前を向いて新しい一歩を踏み出そうとすみれはは心に誓うのでした。

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midokoro
前週、昭和9年からはじまった物語は、土曜日の放送回には昭和16年12月の真珠湾攻撃を大胆にスキップして昭和17年へ。

そして今回。第2週の土曜日放送回も、昭和20年8月をスキップして戦後に突入。二週続けて斬新な飛び方です。

『べっぴんさん』第2週 第12話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

戦中から終戦までの史実の中で実在した人物たちの歩みを、劇中キャラの名前を使ってまとめてみました。

昭和19年(1944年)「坂東営業部」が総合商社の江商(現在の兼松)に吸収合併されてしまいました。

「五十八」は京都に疎開。

一方で「すみれ」は「五十八」が所有している軽井沢の別荘に疎開。しかし、軽井沢は越冬するにはあまりにも寒く、あっという間に神戸に帰郷。

ところで軽井沢への疎開の際、「すみれ」は大量の荷物を別荘に持ち込んでいました。しかし、神戸への帰郷時「すみれ」の持ち込んだ荷物を神戸に持って帰ることは不可能でした。

この時、軽井沢の別荘で保管していたため空襲による焼失を免れた荷物は、後の「すみれ」の創業のきっかけをつくるのでした。

『べっぴんさん』第2週 第12話 観賞後の感想

すみれちゃんの人生が走り出す

『べっぴんさん』放送直前に再放送中の『ごちそうさん』では、本日の放送のナレーションの言葉を借りるならヒロイン・め以子の人生が走り出しました。

同じように『べっぴんさん』のヒロイン・すみれちゃんの人生も走り出した。そんな気がする第12回でした。

『べっぴんさん』第1回冒頭で描かれたすみれちゃんの涙。

今回、その涙の場面が再び登場しましたが、涙を流したすみれちゃんがその直後に見せた決然とした表情はこれまですみれちゃんが見せたことがない顔でした。

リトルすみれちゃん時代より、いつもポーッとした顔をしていたすみれちゃんにスイッチが入った瞬間を見たような気がしました。

前週と今週は劇中で経過する時間のスキップに次ぐスキップでしたが、次週からは時間のスキップは少なくなり登場人物たちが丹念に描かれるようです。

スイッチの入ったすみれちゃんの変化がどのように描かれるのか。

人生が走り出したすみれちゃんの本格的なドラマがいよいよはじまります。

感想というよりも、戦時中の史実の対比

上の史実解説欄でも触れましたが、すみれちゃんの実在モデル・坂野惇子さんは戦時中に一度だけ軽井沢の別荘に疎開しています。

劇中のすみれちゃんは、はなお母様の思い出が詰まったウェディングドレスも持って行こうとしてゆりちゃんに止められていました。

親戚とは言え、よその家に厄介になるのだから必要最低限のものしか持ってゆくことは出来ないのでしょう。

しかし、リアル坂野惇子さんの疎開先は父が所有する別荘です。遠く離れてはいるけれど自宅の一部です。

だから遠慮なく大量の荷物を運び込んだのだそうです。嫁入り道具にはじまり、娘時代に買い集めたヨーロッパの毛糸や刺繍糸、高級ブランドの布地等々。

軽井沢は空襲の被害を受けなかったので、戦時中に坂野惇子さんが大量に運び込んだコレクションは焼失せずに済みました。

このコレクションがが戦後になって雑貨店を開業する時の材料になったそうです。

ところで、坂野惇子さんは一度は軽井沢に疎開したものの数ヶ月のうちに神戸に戻っています。軽井沢は避暑地。夏は快適ですが冬の生活はあまりにも厳しいものがあります。

神戸に戻った後、いよいよ本土空襲が激しくなった頃に今度は岡山県に疎開。

岡山県には、ゆりちゃんの実在モデル・佐々木智恵子さんの嫁ぎ先の実家があったのです。ちなみに嫁ぎ先の実家は旧美作勝山藩の藩邸でした。

劇中では、ゆりちゃんは華族との縁談があったもののそれを蹴って潔くんと結婚する道を選択しました。

しかしリアルでは、ゆりちゃんの実在モデル・佐々木智恵子さんは華族、すなわち旧美作勝山藩のお殿様の末裔と結婚しています。

さて、姉の嫁ぎ先の実家に疎開していたすみれちゃんの実在モデル・坂野惇子さんは、疎開先の岡山県で終戦の日を迎えました。

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6 Responses to “終戦/焦土と化した神戸 / べっぴんさん 第12話”

  1. よるは去った より:

    「玉音放送」は年輩の女性は聴きながら泣き、あとは悲しげな顔つきで聴いているという設定でしたね。前作の「とと姉ちゃん」は末の妹(杉咲花)だけが内容を理解できないという設定,「梅ちゃん先生」はヒロイン(堀北真希)とその友だちがみんな理解できないという設定でした。今回のヒロインはどれどけあの難しい漢語沢山の陛下のお言葉を理解できたか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 「玉音放送」

      「玉音放送」のヒロインの反応で最も強く印象に残っているのは『カーネーション』でしょうか。反応とは呼べないほどの無反応。新鮮でした。

  2. えびすこ より:

    前作に比べると戦前・戦中の描写がわずか2週(しかも滑り出し)とあっさりしていましたね。
    ここ数年の路線とは違い、戦後の時期を重点的に扱う方針ですね。
    来週は1年半ぶりにシャーロットさんが出ますね。

    ところで次作のひよっこでは主人公は結婚するんですかね?現時点で確定した配役を見ると夫になるであろう人物もいないようなので、主人公世代の人がどうなっていくのかまだ展望できません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 重点的に扱う方針

      主人公がライフワークまでにたどり着くまでの日々の描写を大胆にカットした構成みたいですね。『マッサン』『とと姉ちゃん』が、ライフワークまでの日々を半年間かけて描いたのとは対照的です。

      > ひよっこでは主人公は結婚

      劇中では10年以上の時間が経過すると何かで読みました。するとヒロインは結末近くでは二十代後半。結婚するかも知れませんね。だとすると相手役はこれから発表ということになるのでしょうか。

    • とん より:

      >ここ数年の路線とは違い

      確かに戦争描写はもうウンザリでしたね。
      め以子や花子や常子やその他もろもろ、苦しむところは見てて辛かったです。
      忘れてはいけない事だけど、朝から必要以上に暗くなってました。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうございます。

        > 戦争描写

        物語のクライマックスを戦争に持ってこない構成、本当に新鮮だと思います。

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