良子が辞めた本当の理由 / べっぴんさん 第28話

連続テレビ小説(朝ドラ)『べっぴんさん』
2016年11月3日(木)放送
第5週 第28話「お父様の背中」

『べっぴんさん』第5週 第28話 あらすじと見どころ解説

良子はベビーショップあさやを辞める理由をすみれたちに説明しました。戦地から戻って来た夫・勝二から家にいてほしいと言われている。だから店を辞めなければならなくなったのだと。しかし、良子が語る理由は嘘でした。

ほどなくして良子が店を辞めた本当の理由がわかりました。良子は客の一人から接客の悪さをとがめられ、やる気を失ってしまっていたのです。良子が辞めた理由はわかったものの、型紙を上手に作れる良子を失いすみれは困り果てていました。

そんな中、すみれはテーブルクロスをつくるための端切れをもらいに大阪の潔の店に足を運びました。すみれが潔の店に着いた時、ゆりは五十八と潔に抗議しているところでした。潔が闇市の場所代を払ったことがゆりには解せなかったのです。

相手に自分たちの正しさを主張すべきだとして一歩も譲ろうとしないゆりに五十八が言いました。そこまで言うのならば自分が前面に出て抗議しろと。五十八に促され、ゆりは闇市の元締め、根本と対峙するのでした。

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midokoro

良子がベビーショップあさやを辞めると言い出します。

ただでさえ商品づくりが追いつかないほどの人手不足に加えて、商品の型紙づくりはそれを得意としていた良子に任せっきりでした。

良子の騒動により、すみれが窮地に立たされます。

『べっぴんさん』第5週 第28話 事前発表あらすじのレビューと史実解説

良子が起こした騒動はドラマを盛り上げるための創作ストーリーと思われます。では、史実では店の働き手の様子はどのようなものだったのか。

劇中のキャラクター名を使って以下に解説してみます。

「良子」は姉とともに「ベビーショップあさや」に積極的に関わっていました。粗悪品が出回る終戦直後にあって、高品質の「ベビーショップあさや」の商品は飛ぶように売れる一方で、量産体制が未整備なために商品づくりはすべてが手作業で行われていました。

商品づくりは「すみれ」と「良子」がそれぞれの自宅で行っていました。仕上がった商品を陳列ケースに並べても瞬く間に売れてしまうため、「すみれ」と「良子」は夜を徹しての作業を続けていたと記録に残されています。

なお、そこまで根を詰めて働いたものの、「すみれ」も「良子」も商品に原材料費以上の値段を付けることをためらったため、開店初月の利益は毛糸玉二つ分にしかならなかったのだそうです。

『べっぴんさん』第5週 第28話 観賞後の感想

ストイックな君枝ちゃん

女学生時代、あの悦子さまにはっきりと異論を唱えてしまうほど他人に対してストイックな君枝ちゃんはまた自分に対してもストイックな性格です。

だから、本当なら人前から隠しておきたくなるような自分の本心を、表に出すことで自分を戒めてしまうのでしょうか。

「良子ちゃんがいなくなってちょっとほっとしたところがある」

早く戦地に行っていた夫が戻ってきた良子ちゃんが「毎日嬉しそうに旦那さんのこと」を話したらとても耐えられなかったかも知れないという君枝ちゃんの本心は、そのまま口数の少ないすみれちゃんの本心にも当てはまるのかも知れません。

だからもし、君枝ちゃんの夫も帰ってきたらすみれちゃんは更に苦しくなる。しかし、君枝ちゃんと良子ちゃんがいなくてはお店の運営は成り立たない。

すみれちゃんは苦しいジレンマに立たされることになりそうです。

ただ、戦時中の結婚間もない頃から夫の自慢がやめられなかった良子ちゃんと異なり、君枝ちゃんは少しはすみれちゃんの立場に気をつかってくれるかな。

話がそれますが、四人の女性たちの中で君枝ちゃんが一番の安定キャラですね。

言うべきことをしっかり言える。しかも、他人に厳しい人ほど自分に甘くなりがちですが、君枝ちゃんの場合は自分自身に対しても甘さがない。

ただ一つ、健康だけが不安です。

勝二さん、年長者の風格

結婚間もない頃、良子ちゃんがすみれちゃんと君枝ちゃんに言いました。夫は年上だから自分の言うことを何でも聞いてくれる。何でも受け入れてくれると。

前回、劇中に初めて登場した良子ちゃんの夫・勝二さんはひたすら自分を押し殺して良子ちゃんを立てる。妻に遠慮するその姿は痛々しいほどのものがありました。

しかし、すべて良子ちゃんの言うなりというわけでもありませんでした。

良子ちゃんが店を辞めるのに嘘をついたことを様々な状況から察した勝二さんが静かな口調で、しかし厳しい言葉を選んで良子ちゃんに言いました。

「友達に嘘ついたんか?嘘は大切な人なくすで」

厳しい言葉ながら、一晩おいて翌朝にこれを言う気遣いに年長者の風格を感じます。

もし前の晩、すなわち良子ちゃんが店をやめた直前のタイミングで同じことを言ったなら、まだ嘘をついてしまったという後悔の感情が生々しく残っている良子ちゃんは、かえって意固地になり勝二さんの言葉を受け入れられなかったかも知れない。

自分は嘘などついていないと反論し、嘘に嘘を重ねることになったことも考えられます。

そんな事態をさりげなく防いでしまう勝二さん。なかなか深みのあるキャラがまた一人増えた瞬間を観たような気がしました。

五十八お父様の背中

いよいよ今週のサブタイトルにもなっている「お父様の背中」の大きさを感じさせる今週最大の見どころが登場するフラグが二つ立ちました。

一、潔くんが取り扱っている商品を検品する五十八さんの言葉が厳しい

「潔くん、気味はどんな商売しとんや」

どんな商品を売っているのかとは言わずに、どんな商売してるのかと問いただすところに五十八さんの商売への姿勢がよくあらわれていると思いました。

何よりもまずお客さんとの関係を大切にすること。職人ではなく商人ならではの考え方があるから五十八さんは商品でなく商売という言葉を選んだのでしょう。

五十八さんの厳しい言葉に潔くんは何を思ったんでしょうか。

余談:粗悪な商品を「メイドインジャパンだから仕方ない」と言い切る栄輔くんの言葉を花山伊佐次が耳にでもしたら大変なことになっていたかも。この当時の花山伊佐次はまだまだ若くて元気もあった頃ですから(笑)

二、「ここというところで自分を貫けへん」ゆりちゃんの実地教育

潔くんの制止を振り切り、ゆりちゃんを闇市の元締めと直談判させる五十八さんの実地教育が厳しい。

潔くんが止めるまでもなく五十八さんも承知しているはず。

ゆりちゃんが元締めに直談判するのは無理だろうと。それでもあえて直談判させることにした五十八さんの魂胆はどこにあるのか?

ところでちょっとネタバレになりますが、だいぶ先でゆりちゃんは強気の交渉術で大きな仕事をまとめる場面が用意されています。

今回の経験がもしかするとその頃に活かされてくるのかも知れません。

以上、二つのフラグは明日には回収されるのでしょうか。

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コメント

  1. まつも より:

    今週の4人のいざこざ、
    中高生の仲良しグループを彷彿とさせる描き方に
    なんだか苦笑いです。
    今後、仲良しグループが、
    どのようにビジネスに発展していくのかが
    楽しみです。

    あの、コワイと言われていたお客さん
    いい人でしたね。
    (商品の良さをいち早く評価してくれましたし
    わざわざ友人の無礼を謝りに来てくれたところとか)
    今後も登場するのでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 4人のいざこざ

      いざこざの中心メンバーは2人でしたが、深窓育ちのお嬢様と、「お嬢様」に対して屈折した感情を抱く二人が衝突したら、年齢問わずこんな展開になるのかも知れませんね。

  2. とん より:

    あの金持ちのお客さん、すごくいい人でホッとしました。
    他のお客連れてくるわ、身内の非を明かすわ、見た目と全然違うw
    良子ちゃんに直接聞かせて上げたいフレーズ満載でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > あの金持ちのお客さん、すごくいい人

      良子ちゃんがいないことにすぐに気がついたということは、良子ちゃんが辞めはしないかと気に病んでいたのかも知れませんね。本当にいい人です。

  3. えびすこ より:

    今週は「ささいな失言」でいざこざが起きる展開ですね。
    でも4人とも接客等に不慣れなところがあるので息が合わないのかも。
    まだコートを着ているところを見ると、5週目時点では昭和20年の暮れか21年の年初、あるいは21年の暮れか22年の年初でしょう。

    ところで私の予想どおり鈴木亮平さんが再来年の大河ドラマの主役となりました。私だけでなく他にも鈴木さんの起用を予想した人が多くいたようです。
    鈴木さんは数年前に「いつかは大河ドラマの主役をやりたい」と言ったことがあります。それから短期間で大河ドラマの主役を掴めるとは本人も驚いたはず。
    ディーン・フジオカさんが「2回目」の五代友厚役でナレーター兼任の可能性も?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 私の予想どおり

      以前、別件でもえびすこさんの予想が当たったことがあったと記憶しています。今回の発表も驚きました。

      > 「2回目」の五代友厚役

      もしこれやったら視聴率取れるでしょうね。

  4. 流離人 より:

    4人の中では君枝ちゃんが一番タイプです(^-^;

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。
      僕も観ていて一番安心感があるのは君枝ちゃんです。

  5. うつ より:

    これ、前作の「とと姉ちゃん」におけるアカバネ電機をはじめとする
    多くの会社にも言えた事だが、当時の日本のモノ作りの
    ほとんどが粗製乱造の傾向が強かったようですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 粗製乱造

      英輔くんがこんなモノでも売れると言ってましたが、物資不足の状況に甘えていい加減な商品を売って儲けだけ得ようとする事業者が多かったんでしょうね。

    • とん より:

      40代半ばですが小学生の頃は公害問題も多く、光化学スモッグだったり、洗濯洗剤が無リンを売りにしたり、家庭科の授業では食器用洗剤(ママレモン)を10倍に薄めて使わされたりしていました。
      サザエさんでも、着色料の入ってない食品を、色が汚いから逆に褒める作品もありました。
      メイドインジャパンを有り難がる風潮はこの辺が過渡期だったような気がします。

      • 朝蔵(あさぞう) より:

        コメントありがとうござます。

        > メイドインジャパンを有り難がる

        劇中で英輔くんがメイドインUSAのジャケットを自慢げに着てましたが、思えばメイドインUSAは有り難がられなくなって久しいですね。

  6. よるは去った より:

    はな「ゆりはね、ここだというときに自分を貫けないところがあるの・・・・・。」そんな長女を闇市の元締めの根本氏に立ち向かわせた五十八お父様の真意は?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうござます。

      > 五十八お父様の真意

      明日か明後日には五十八さんの教えが聞けるのでしょうか。含蓄のある深い言葉を期待せずにはいられません。